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松江市・西川津遺跡 漆の原木と漆を貯蔵した土器片が出土 集落で栽培から製品作りまで一連作業

2012年03月22日 | Weblog
 島根県教委が16日、松江市西川津町の西川津遺跡で昨年11月に、弥生時代前期(紀元前3世紀頃)の漆の原木(直径3・7cm、長さ16・7cm)と、漆の樹液を貯蔵していた土器製の壺(高さ8cm)が出土したと発表した。 漆の栽培から漆製品作りまで遺跡内ですべて行っていたことを示す、弥生時代では全国初の例であり、弥生時代の漆文化で、古代出雲が重要な役割を担っていたことが分かる貴重な発見としている。
 漆原木に横方向に掻かれた跡や、漆が手入れなしには育ちにくいことなどから、原木は自生ではなく人が栽培、採取したものとみられるとしている。 こうした原木の発見例はこれまで東日本に集中しており、昨年、福井県若狭町の鳥浜貝塚で見つかった縄文時代草創期(約1万2600年前)の例が最古である。 今回の発見は、近畿以西では最も古い例となる。 弥生時代では長野県の2例に次ぐ3例目だが、西川津遺跡のものが最古であるという。
 また、これまでに縄文時代に漆の栽培・採取、製品作りまでの一連作業を実施していたのは下宅部(しもやけべ)遺跡(東京都東村山市)で見つかっているが、弥生時代では見つかっていなかった。
 一方、貯蔵用土器は、内側や縁に黒色の漆が付着し、採取した樹液を貯蔵したとみられる。 元は壷型だったが、漆を取り出しやすくするため上部は割られたとみられる。
 他に、漆を塗った土器の破片(弥生時代中期)や櫛(弥生時代前~中期)など漆製品も見つかった。
 出土品は、松江市鹿島町の市立鹿島歴史民俗資料館で24日まで一般公開されている。
[参考:2012.3.17読売新聞、朝日新聞、2012.3.23毎日新聞]

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 西川津遺跡
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