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国東市・岩戸寺宝塔(1283年建立) 建立当時に使われた? 鉄製ノミ3本が宝塔解体中に見つかる

2011年11月15日 | Weblog
 国東市国東町の岩戸寺にある岩戸寺宝塔(高さ 328cm、国指定重要文化)は、「弘安六年(1283)大歳癸未九月日」の銘があり、法華経を奉納する納経塔として造立され、県内で最も古い宝塔(国東塔)である。
 宝塔の石材表面全体は経年による風化が進み、一部が欠けたり傷みが著しいことから、文化財建造物保存技術協会(東京都)が今年1月から解体修理をしていた。
 解体作業中、塔身内部に3本の鉄製のノミ(注1)と人の髪の毛が納入されていることがわかった。
(注1)今年5月の時点では2本のノミが見つかっていたが、それ以降にあらたに1本が見つかったと思われる。
 ノミの長さは12・3cm(幅1・1cm)~16・4cm(幅1・5cm)で、柄の部分は腐食してなくなったとみられる。 3本とも宝塔の建立当時に使われた可能性が高いとみられる。
 国東市教委によると、中世の鉄製工具の発見は珍しく、県内では、宇佐市・一木ノ上遺跡の鉋(かんな)や鋸(のこ)しか例がなかったとしている。 国東塔から鉄製品が見つかったのも初めて。
 ノミは来年1月頃、同市国東町安国寺の市歴史体験学習館で展示する予定。
[参考:2011.11.15読売新聞、2011.5.17大分合同新聞、国東市市報・くにさきNo.62(平成23年5月号)]
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