カゲロウの、ショクジ風景。

この店、で、料理、ガ、食べてみたいナ!
と、その程度、に、思っていただければ・・・。

スクニッツォ・ダ・シゲオ

2012年12月08日 | 大阪
「悠々、自適。」

こと客商売の場においては、どうやらケロッとした接遇が好みのタイプなのだと此処最近になって漸く気付いたような、そんな次第である。

勿論のこと威圧的な待遇など論外ではあるものの、かといって逆にあまりにも下手に出られたりしてしまうと、其処はきっとぞんざいなまでの態度で以って客としての立場を演じ切るるのが、実はその場の処遇として現実相応しくさえあったりもするのではあろうけれど、そのように面倒な薄っぺらい芝居染みたやり取りにわざわざ付き合うような類の優しさは持ち合わせておらず、もちろんその気もなく、実は其れはそんな自分で在りたくないという身も蓋もないひたすらに自分本位でしかない我侭がとことんの本音でしかないのではあるけれど、結局はそんな低姿勢に負けることのないようにと同じ土俵にまで降り、同じくらいにこうべを垂れて、場合によっては客としての立場を弁えない人物だと興醒めした商売人が鼻白む、そんなことも少なくないこの世間での在り様の中、程好くケロッとした接客に出会えたその時程に心穏やかに和める瞬間というのも実際そうはない。

本日は予約で満席です、との看板越しにちょっと覗いてみて、行けますか?あ、いいですよ、と、気軽にそんな返事がもらえたのは勿論幸運なことではあるけれど、もし其れが無理だったところで平謝りされてこちらが気まずい思いをさせられるような惨状は、きっとこの店ではなかったことだろうと思わせられる、そんなケロッとした様子、その調子、その風情だけで、此処は彼のひとり舞台なのであって、彼は誰に気兼ねすることもなく、だからその客も誰にも気兼ねする必要もない、きっと此処はそんな和やかな空間で、おそらくは在るがままに美味しく食事を全うすることができる処なのだろうと、その期待が膨らむ。

途切れることなく引き合いがあるからといって狭いスペースに無理に客を詰め込むようなことはせず、むしろ自分のペースで仕事が出来ない程に混むようならば、逆に営業時間を短縮し、その客数すら削ってしまう、あまりにも在るがまま、臨機応変で融通の利いたそんな在り方、其れを理想と呼ばずして何と言えばいいのだろう。

客が多いから時間を延ばす、求められるから従業員を増やす、そんなことはこの店、そしてこのシェフの在り方としては本末転倒なのがおそらくは真実で、何事も欲張らず、ひとりで出来る分だけ、ひとりでやりたいようにやる、其れこそが、何事によらずそうあるべき人としての在り方に違いない、たぶんきっと。

スクニッツォ・ダ・シゲオピザ / 天神橋筋六丁目駅中崎町駅中津駅(大阪市営)
夜総合点★★★★ 4.0