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ザ☆シュビドゥヴァーズの日記

中都会の片隅で活動する8~10人組コーラスグループ、ザ☆シュビドゥヴァーズの日常。
あと告知とか色々。

文章が出てこない(約束を歌ってきました)

2019-02-20 05:08:25 | hork(KJ)
先の日曜日、アイマス合唱部の練習会に参加しました。
普段よくお世話になる割に練習には録音の為に行く事が多く、普通に歌い手として参加するのはこれで2回目です。
曲目は「約束」。我らがシュビドゥヴァーズはヨン様が編曲し、シュビが歌った男声版と共にサブカル合唱界隈の課題曲みたいになった混声合唱編曲。
久々の馴染みのある曲という事もあって普段なかなか来られない人も来ていたりと、そこそこ大規模な練習だった様です。

混声版を歌うのは今回が初めてなものの、男声版の方の音源を地球で一番聴いてるのは多分私なのでまあなんとかなるやろと思って参加しました。そして途中構成に焦りました。知ってるのと違う(当たり前)
私は一般的な音取り練習でなかなか覚えられず、合わせ練習の参加時には全パート鳴っている音源をどっかしらから探して聴いておくことで対処するのですが、今回は前後に余裕がなくほぼぶっつけでした。

当日は天気もよく、声の出しやすい日だった様で、これだけちゃんと「歌った」感触のある練習はものすごく久しぶりでした。ちゃんと声が体に響いている感触。個人的に、出せる最低音から2音位上の、余裕を持って響かせられる音域を母音を意識しながら出している時が一番気持ちがいいです。
あと結構天気とか気圧って歌い手のコンディションに影響しますよね。指導してくださった先生にもその辺の話伺ってみたいです。
大人数で指揮者と仕上げていく合唱団らしい練習を本当に久々に体験し、充実した一日を過ごせました。打ち上げはみんなでしゃぶしゃぶ。この感じも久しぶり。となりのテーブルはサバンナだったのでシュビとあまり変わらない。

しかし日曜にしっかり歌った上に、仕事の方もかなり重たい時期なので週明け疲れました。疲れてます。頭が回りません。回ってないから気分で上がってきた約束音源のチューニングとか始めてしてしまうんですね。よくないです。

書きたい事自体結構あるんですが、今日全然文章が出てこないのでこの辺で。
約束は結構拘って音源を作った作品でもあるのでどこかでまた取り上げると思います。

ちゅっちゅ言ってる音源の処理がしんどい

2019-02-13 03:37:52 | hork(KJ)
先日アップロードされた動画
男声四部合唱「AIAIAI」(バーチャルさんはみているOP)歌ってみた/The Shubidovers


ニコニコYOUTUBE計4000再生ありがとうございます!
ってブログ下書きに書いてたんですが、いざアップロードという段になってキズナアイ本家からの公認というド級のニュースが入りました。ありがとうございますありがとうございますどうしてくれんだ。

思ってたよりもはるかに良い反応に(シュビ内では本家にキレられないかと真面目に心配していた)番組を差し替えしてお送りしようかとも思ったんですが、これはむしろ完全に流れを読み切ったエスティオさんのファインプレー。次のブログに期待したいと思います。

(仕切り直し)
アップロードから約二週間を経てようやくブログで触れる事が叶いました。先々週の火曜はこの動画のアップロード直前でブログどころではなく、先週の火曜は胃炎でブログどころではありませんでした。痛かったです。

初動(動きの激しいアップロードから2日前後)で1000再生を突破した例は、今までに上げたアニソン合唱化でもそう多くはなく、プロジェクトの中でもかなりの成功作と言えるのではないでしょうか。
コメントでも「腕を上げた」「野太い」「馬」等、お褒めの(でないかもしれない)言葉を頂き、喜ばしい限りです。

ところでこの音源ですが、今回は録音の段階で演奏クオリティが高く、外科的な編集を殆ど施していません。試行内容も殆どが音色の追求に集中しており、全体として負担も少なく楽しいマスタリング作業です。収録時点での歌の完成度が高いとこういう良いこともあるんですね。

ではなんで直前になって修羅場ってたのかと言いますと、暫定のマスタ音源を上げてから細かいノイズに気づいてしまったからです。それも結構いっぱい。
この曲は、歌詞の特徴として、リップ音が発生しやすいという所があります。
特に多いのが「ちゃ」「ちゅ」「ちょ」といった音を発する際、口を動かした時に発生するクチャっと言う音です。

これが「ちゅめて・ちゅめて」とか「ちゃっちゃっちゃっちゃっちゃっちゃのおちゃのまに」とか、この曲でやたら出てくる「ちゃ」行周辺に大量発生していました。

普通、こういうノイズは特定のテイクや特定のパートに偏って存在している事が多く、途中からはある程度当たりをつけて犯人探しをしていきます。しかし今回は全パート・全テイクにほぼ満遍なくノイズが散らばっており、全てを総当たり的に探す作業が各所に挟まれる事になりました。アップロード前、残り時間と勝負という局面でこの作業は覿面にメンタルを削られますね。
…大丈夫大丈夫。コミケ前よりマシです。(一番ヤバいのはCD入稿直前のノイズ発覚)


尚今回の音作りは、実際にこの曲が演奏されたライブハウスの音質を参考に、バスの存在感・安定感を調整しています。ホールやアリーナの様な残響ではなく、シンプルな空間に大パワーのスピーカーがズンっと響かせる締まった低音。クラシカルな音楽の延長ではなく、今回の様なテクノ系だからこそ出来るアプローチです。
あくまで「合唱」の音作り枠内ではありますが、他のアニソン合唱動画とはまたひと味違う味わいをお楽しみいただけると幸いです。それでは!

小規模アンサンブル収録の魅力を語りたかった

2019-01-23 05:59:43 | hork(KJ)
先の日曜はシュビの収録でした。
久々に爆発力溢れる歌声が録れたので、皆様にお見せできるのが楽しみです。

その場の会話やノリで曲作りを構成していく楽しさは、小規模収録の魅力ですね。
1人1パートやそれに近い少人数での収録では、必然的に個人の裁量が大きくなります。

裁量の大きさは責任の大きさでもありますが、同時に、自分がもたらした変化を受け取れる、楽しさの大きさでもあります。
アンサンブルは技術的に大変な反面、うまくなっていく実感も非常に大きいものです。

小規模アンサンブル愛をここからまだまだ語りたい所なのですが、今回の企画というか音源、今月中アップロード目標なんですね。先日のシュビブログを読んで知りました。「こいつこの構成だとこのくらいの期限あればマスタリングいけるやろ」的な目安が大体シュビ内で共有されてるっぽいです。逃げられません。(多分自分が忘れてただけ)

他にも今月中締切の編集があるので、並列で進めていく必要があります。しかも先程も申し上げた通りこんな状況の時に限ってなかなかにPOWERの溢れる構成で、一筋縄ではいかない予感がします。
更に今回の編曲者は強力なチェック能力を持つさら先生。「○小節目の○番目の8分音符、どこパートの誰々が歌ってる○テイク目の音が1/4音位低い」みたいなのをズバズバ見抜いて来ます。こわい。

とりあえず今日の目標とする所までは編集を終わらせて、シュビブログを書いたら朝になりました。久々に編集サイドで余裕がないです。ねます。

おまえはいつもそうだ

2019-01-16 03:47:02 | hork(KJ)
KJです。
年末年始の繁忙期も終了し、漸く普段の生活に戻って参りました。
繁忙期中に溜まった通常業務も一通りかたを付け、これで年始のセールで買い込んだゲームが出来るぞ、とPCを開いた所で今日はブログ担当でした。ゲーム出来ない。

PCと書いたとおり、今回やろうとしているのは以前取り上げたスマブラやSwitchではなくエスティオさんあたりが良く書いてるSteamのセールです。
今回は彼のおすすめを取り入れたりしながら、何タイトルか買い込みました。仲間がほしいのでちょっと紹介します。同じタイトル持ってる人いたら遊んでください。


The Crew2
今回「KJさん好きだと思いますよ」とおすすめされて買った、オープンワールドのりものゲーム(語彙力)。
陸海空全ての乗り物(モータースポーツ)を攻略してどこまでも走っていける、乗り物好きの夢みたいなゲームらしい。タイトル見て「あ、好きだわ」となり、次のセールが来たら買おうと決めていた一作。これは多分一人でやり込むタイプかな。

Portal2
ワープというかワームホールみたいな通路を作って攻略していく3Dパズル、もとい脱出ゲーム。以前1をプレイしてそのシンプルな攻略方法としっかりしたパズル要素には感心させられた。今回みたいなセールで死ぬほど安くなってたりするので迷った時におすすめ。但し非常にFPS酔いしやすい事でも有名なタイトルなので、慣れないうちは適度に休憩が必要。

Rainbow Six Siege
世界的にも評価の高いFPSタイトル。日本だとCall of DutyやBattleFieldの影に隠れがちな本タイトルだが競技性が高く、規模の大きい大会が頻繁に開催されている。
本業周りにガチ勢が居るので彼らのおすすめを参考にして購入。一番下のグレードはやめといた方が良いらしい。

Left4Dead1-2
4人チームで協力しながら特殊感染者の群れから逃げるFPSゲーム。通称L4D。ゾンビがめっちゃ走って追っかけてくる。ニコニコ全盛期に複数人での実況動画がよく上がっていて、いつかやってみたいと思っていた。セール中だと2作合わせて320円とかで買えるので環境ある人は一緒に遊んでください。今となっては古いゲームなので、そこまで要求スペックは高くないはず。何人か誘って乗ってくれた人と一緒に購入。

Dead by Daylight
ウェブ漫画家のやしろあずき先生が配信してたり、最近よく聞くDBD。
サバイバー4人とキラー1人で鬼ごっこするネット対戦ゲーム。形式的には珍しいというかよくバランス取れるなとゲームデザイン自体に感心する。基本怖かったりそれなりにグロかったりするので一人でやるのは躊躇われたが、年末に会った従弟がやってたので購入。
怖くてなかなか始められそうにないので既にやってる人いたら生き残り方教えてください。

Player Unknown`s Battle Grounds
PUBGですね。言わずと知れたオンラインサバイバルシューティングの金字塔。
このブログを読んでいる人でもプレイしている方いるかも。携帯版を少しやった位でPC版に触れるのは初めてだけど、人口多いし元々オンラインFPS(TPS)に興味あるのでいずれどこかで触れるつもりではあった。ポイントを貯めるとSteam内のどっかで使用出来るんだとか。


こうして見るとやたら撃ったり殺したりするゲームが多いですね。
他にもFFシリーズとかモンハンとか欲しいものはあるんですが、以前から気になっていたものを並べたらやけに殺伐としたラインナップになってしまいました。
なんかとても友達が出来ない様な気がします。
一つでもプレイしている方居たら声かけてくれると嬉しいです。


さて、ブログを締めた所で後はゆっくりゲームを…
ちくしょう!また時間を使い切りやがった!
おまえはいつもそうだ。
このブログはお前の人生そのものだ。お前はいつも夜更かし作業してばかりだ。
お前はいろんなことに手を付けるが、ひとつだって朝までにやり遂げられない。
誰もお前を起こさない。

年末年始で音響の話をしない

2019-01-09 03:57:19 | hork(KJ)
KJです。年末年始を挟んで仕事の繁忙期だったのですが、もうそろそろひと段落付きそうです。私の場合拘束時間が長くなるだけで内容的に極端なハードさはないものの、それでも結構体力を持っていかれます。シュビには労働時間丸々ハードな労働に費やしているメンバーもいますが、私にはとても真似出来そうにありません。

ところで年末年始と言えば、どんな立ち位置の人でも多かれ少なかれ《忙しい→おやすみ→忙しい》という進行が入ってくると思います。タイムライン等見ていると休み前に買っていたゲームを休み中に解禁した方も多いようです。

先のブログでヨン様がスマブラの話をしていましたが、私も同じく年末繁忙期に買っていた任天堂Switchとスマブラを解禁しました。このタイトルに触れるのは昔親戚の家で遊んだ事のある64版以来で、私にとっては初めての「自分のゲーム」としてのスマブラとなります。

始めたばっかりでピカチュウとカービィしかまともに使えないのが悪いのでしょうか、オンライン対戦でなかなか勝てません。ゲームモードによってRPGの様な強化要素もあるものの、基本的には腕を磨いて勝ちに行かねばならないので、今のところは「不確定(ラッキー)要素の多い格ゲー」という印象です。

個人的にはこうしたネットを通してプレイヤー(人間)と対戦を重ねながら腕とランクを上げていくタイプのゲームは嫌いじゃないので、これから研究してやりこんでいくのが楽しみです。

そう言えば去年ブログの担当になってから初めて音響以外の話を書いた気がします。別にシリーズ化しているわけでもないのですが…こいつ本当に普段音響の話ばっかりしてんな…

有り難い事に今年も年明け早々から収録の依頼を頂いており、この先もやっぱり音響の話ばっかりしてるかも知れません。ネタはまだまだ思いつくんですが、尽きた時はそれはそれで。(専門の話は説明すれば話のネタに出来る反面、こだわりがあったり間違った事を言うわけにも行かず、結構エネルギーを使うんですよね)


それでは2019年もよろしくおねがいします。

動画編集がしたい

2018-12-19 04:00:03 | hork(KJ)
KJです。

音声編集をしていると、どうしても動画に付随する音作りを担当する事が多くなります。
実際、「動画作れない?」って聞かれる事も多いです。

そもそも音声の切り貼りは動画編集の一環としても行われる作業で、そういう目で見ると音声処理専従ってかなり幅の狭いジョブなんですよね。

一応動画編集もごく簡単な経験はあり、作れなくはないと思うのですが、現状それ用のソフトを持っておりません。少し前までのWindows Movie Makerみたいなユーザーフレンドリーでそこそこネームバリューもあって、フリーで使えるソフトも見当たらないし。

どこかで買おうと思っているので、詳しい方いたら教えてください。ちょっと見た感じだとfilmoraとかpower directorとかでしょうか。aviutl?あれがユーザーフレンドリーだとか言う変態はそこで2D物理演算でもしててください。

ちなみにその昔私が唯一使いこなしていたと言って良いのは、まさかのニコニコムービーメーカー。シュビの幼女ペロペロがPCからしか見れなくなってるのは私のせいです。(NMMの形式は携帯から再生できない)こんなに後々まで代表作として語り継がれるとは思ってなかったんだよ……

そんなこんなで、直近でどうしても簡単な動画編集をする用があったので、変態とかなんとか文句言いながらもaviutlで動画編集をしています。ようやくなんとか音と動画を合わせるくらいの事は出来るようになってきて、完成の兆しが見えた所で今度は音声編集の方のソフトがバグりました。何故そこでお前が裏切る。

とりあえず詳しい人は情報か、動画編集ソフト本体をください。あっでも編集ソフトくれる位ならマイクをください。切実に足りない。

メンバーの声質を勝手にメモする《かみさとボイス》

2018-12-12 04:34:28 | hork(KJ)
繁忙期と言うわけでもないんですが、微妙に気を遣う仕事に手を焼いていたらまとまった文章を書く間もなく火曜日になってしまいました。12月にもなると一週間が終わるのが早く感じます。
今回はメンバー解説メモです。FGOのTIPSみたいな感じ。

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声にも本人の見た目も共通する爽やかさとその音楽に対するオールラウンダーな技術の高さから、各所で高い評価を得ているかみさと氏。
しかし私は勝手にこう呼んでいる。

オーバートーンの怪物。

声自体非常に聞きやすいし正確だし、ソロにも合唱にも映える良い声なのだが、エンジニア目線だとそれらの特徴を全てぶっ飛ばすレベルで声としてのエネルギー量が大きい。
普通に聞いているとあまり感じられないが、マイクを通したりすると近くの人の声を塗りつぶしてしまう事が多々あり、セッティングで気を付けていないと後で確認した時「あれ?(隣の人)どこ行った?」となってしまいかねない。
音程としての振動数ではなく、その上の高倍音域が非常にフラットかつ広いのがその理由だと思う。
明るい色で、イメージはテニスとかのラケット。幅広い面でパコーンと小気味よく打ち出し、響かせる。

流石のオールラウンダーでどこに使ってもド安定。癖が少ない分、キャラクター性の強さが求められるソロや台詞の言い回しでは特徴のある声に負けることもある。

ライブに足を運ぶ価値(マスタリング担当による音響のお話3)

2018-12-05 01:24:55 | hork(KJ)
こんばんは。KJです。
音楽好きのコミュニティに属していると、TLには常に「〇〇のライブ」「〇〇ドーム・アリーナ」また「第◯回定期演奏会」と言った「リアルな音楽体験」の話題があふれています。
前回、音圧戦争…ひいては「音源」としての音楽についてお話しましたが、実際の「ライブ音楽」についてはどうでしょうか。
ライブというのは演奏者にとっても、観客にとっても、特別な非日常の空間です。
その価値に関しては勿論ここで言うまでもなく、生の演奏を見られる機会であったり、観客同士のコミュニティであったりと語り尽くされています。

しかしここではそんなほんわかした事象には言及しません。
一体感とか、あるんだかないんだか観測の難しいものはどうでもよろしい。問題にしたいのは、物理的な差です。

世に出てくる所謂マスター音源において、極端なダイナミクス(音量差)等の無駄な部分が削除・整頓されているのは以前お話しした通りです。それは逆を言えば、ライブの音にはこれらの要素が含まれているという事にもなります。大出力のスピーカーから放たれる腹に響く様な極低音や、歌手の耳を突く様なキレのある発声等もその一つです。これら“臨場感”の要素はダイナミクスと一体であることも多く、音を整頓する過程でその多くが失われてしまいます。
この整頓される前の全ての音、全ての表情に触れる事が出来るのは、演奏会場にいる人間だけの特権です。つまり、極端な言い方をすると、ライブはこの無駄な部分、主として「絶対的な音量差」を体感しに行く事に真価があると言えるのです。

これは、映像作品にも同じことが言えます。
金曜ロードショーや日曜洋画劇場と言った地上波放映の映画を見ていて、音の(特に大音量部の)細部が歪んでいるのに気づいた事のある方もいるのではないしょうか。
これは映画という非日常の産物を日常のテレビに運び込んだことによって起きる弊害です。

映画の中の世界は、我々の日常生活と比べて非常に激しいものです。
私たちの日常に突然ステイサムやシュワルツネッガー、ジャックバウアー達が突然突入してきたら?

うるさいですよね。

あ、その状況では我々が真っ先に死ぬとかそういう話はしてないです。

うるさいですよね。

彼らの様な人々にはちゃんと防音設備が整ったところで存分に暴れてもらいましょう。そこで良いところがあります。映画館って言います。
テレビで放映される大抵の映画では、無駄な音を抑えて逆に小さい音を持ち上げ、全体を聴きやすくする様に調整が加えられているので食事中でもまともに聴く事が出来ます。無加工のままではうるさすぎたり、逆に聴こえなさすぎたりして生活の邪魔になるでしょう。

リアルなものを余すところなく体験しようとしたら、しっかりそのための場所に閉じこもらないといけない訳です。高倍率のチケット当落、LVの予約、ドームへの過酷なアクセス。乗り越えないハードルはたくさんあります。しかしこれらの非合理を乗り越えてでも体感したい価値が、また“そこにしかない音”があるからこそ「現地」は最高の憧れであり続けるのでしょう。

最後に当落の度に一喜一憂するTLの皆様に幸あらん事を願いまして、終わりにしようと思います。
それでは。

音圧戦争の話(マスタリング担当による音響のお話2)

2018-11-28 04:39:36 | hork(KJ)
三週間くらい前の記事)で、「マスタリングの世界では音を限界までつめ込み、音圧を上げる行為そのものが競争と化している」というお話をしました。

今回は何故この様な競争が発生するのかについてお話しようと思います。

ガンガンに大きい音に聴かせようというマスタリングが蔓延る理由として、まず上げられるのは、コマーシャリズムです。
CMに使われるにしても、他の曲と並んで再生されるにしても、音が「大きい」事は「目立つ」事と同義です。音源というものは、基本的には「目立つ事」でその存在をアピールするのですから、音を大きく聴かせようという工夫がなされるのは当然の流れと言えます。

これらの潮流は音圧戦争(ラウドネス・ウォー)と呼ばれ、特に音楽・音響に対して造詣の深い層からは「ダイナミクス(強弱表現)を無くし、音楽性を衰退させるもの」として嘆かれ、現代音響界の問題であるとさえ言われています。

しかし音圧戦争にはもう1つの側面があります。「再生環境の多様化」です。

その昔、音楽とは演奏者の前でないと聴けないものでした。それが蓄音機に記録される様になり、ラジオ、レコード、テレビ、またカーオーディオと移動可能な形態に進化しました。そしてウォークマンが出現し、現代ではアイポッド、スマートフォンで「個人個人が別々の場所で音楽を聴く」事が当たり前になっています。

このことによって変化したのは、人々のライフスタイルだけではありません。なにより大きいのは音楽を取り囲む「環境」です。例えば読者の皆様はどういった場所で音楽を聴くでしょうか。歩きながら、電車の中で、喫茶店の中で、勉強をしながら、スポーツのお供に……これらに比べると、コンサートに足を運んで聴くというのは、ごく限られた一部の「特殊な」音楽体験のはずです。

そう、音楽はもはや「静かな環境で」、「集中して」、「誰にも邪魔されずに」聴くものではなくなってしまったのです。この事自体にも賛否はあるでしょうが、それはさておき、ここで問題になるのは音量の問題です。
もし音圧が調整されずに、原音そのままの音量差が曲中に存在していたら?曲ごとに最適な音量が違って、音圧にバラつきがあったら?
リスニングルームで腰を落ち着けて聴く分にはそれでも問題は無いでしょう。しかし、現代では「多種多様な場所で楽曲を再生する」ことが当たり前です。つまり、音源の大部分が「雑音の中で」再生され、表現する事を求められています。
そんな中、曲中の音量差が激しい曲を聴こうとしたらどうなるでしょうか。曲のクライマックスに合わせて音量を調整したらそこ以外は雑音に埋もれて聴こえず、逆に全部雑音に埋もれない様に音量を上げたら、最大音はとんでもない音量になってしまいます。
これは最早聴きにくい、という次元ではありません。「音源を安全に聴けなくなる」というレベルでしょう。その点、音圧を追求した現代の商用音源の場合、音量変化が少ないのでいちいち曲に合わせてボリューム操作をする必要がなく、耳にも精神的にも予想外の負荷を受けるリスクが少なくなります。

つまり、皮肉な事に、全員が限界ギリギリまで音圧を追求し、ダイナミクス表現が失われた事で、それまでより遥かにバランスの取れている状態が出現しているのです。

音量の大きな変化によって生じる聞き手への負荷は感動を生む要素でもあり、それ自体が音楽の表現と見ることが出来ます。しかし、音圧競争とそれに伴うダイナミクス表現の低下を見てただ安直に「音楽の豊かさが失われた。マイナスだ」と断じるのは早計と言えるでしょう。音圧調整を必要とする再生シーンの多様化があったからこそ、爆発的に現代の音楽の多様性と進化が発生したのも事実だからです。

一般に音圧戦争について語られる時は前者のコマーシャリズムが取り上げられます(実際、初めはそちらが重要視されたのでしょう)が、事の本質はむしろ後者の側にあると言えます。今なお続く果てしない音圧の競争は、表現が廃れた結果というより、多様化する音楽環境に適応した結果のバランス点と言えるのです。

誰もが楽しめるように日常に降りてきてくれた音源としての音楽と、昔も今も圧倒的な非日常を提供してくれる生演奏。
同じ曲、同じ楽器、同じ演奏者の演奏であっても、全く違う音がそこにはあります。ライブ派の人もCD派の人も、もう一方に目を向けてみると、更なる魅力を発見できるかも知れませんね。

マイクをください(ほしいものリスト)

2018-11-20 19:05:13 | hork(KJ)
こんばんは。KJです。

11月と言えばブラックフライデーですね。
各種ネットショッピングのセール、中でもソフトウェアの大幅値引きには近年大きく注目が集まっています。誰かおすすめのプラグイン教えてください。

ところで先日、「クリエイターはほしいものリストを上げておけ。投資したいやつに投資してもらいやすくなるぞ」と言った趣旨のツイートが話題になりました。
それを読んだ私

「ほう」

早速作っていろいろ追加してみたものの、なかなか言い出すようなタイミングもなく、特に公表していませんでした。今回、せっかくブログを書く機会をもらったのでここに貼ろうと思います。
リンク
あとでツイッターの方にも上げておきます。内容はこんな感じ。
ほい



たけえ。
そうなんです。音響としてのリストだから当然音響系のソフト・ハードがメインとなるのですが、そうすると必然的にリストに並ぶのがそれなりに高額なものばかりになってしまいます。とても投げ銭で収まるような規模じゃありません。ただでさえこんなニッチ産業な上吹けば飛ぶようなエンジニアに何か与えようという人がいるのか疑問なのに。物によっては楽に音響としての一仕事分を超えています。

なので、もしここから何か買ってくれる人がいたら、録音依頼時にその額を割り引きます。スポンサーロゴとかあったらつけます(宣伝効果は保証しない)

それでも有り難い投資というものはあるもので、今現在使っている機材も
「この部分パートごとだと調整出来ないです?」
「現状の環境だとちょっとむずかしいですね。マイクに課金してくれたら出来るようになります(冗談のつもりで)」
「ちょっと待ってて」
「えっ」
「集めてきた!これでよろしくドーン(振込)」
「わあああああああ!?」
というやりとりから調達されています。すごい。マジで有り難いすごい。

そういえばここまで報酬の振り替え前提で書いてましたが、クリスマスの2日後が誕生日なのでそういう時にくれてもいいです。
くれたほうがいいです。