私共が生きていくゆえの善悪とは何か、何が善で何が悪か、その基準は何なのか、よく迷います。
この話は事実に基づいた話ですが細かい事は省かせて頂きます。
ある冬の朝の事です、その日は小雪も降り随分冷え込みました。青年は何時もの様にバイクに乗って会社に出かけましたが、下り坂の橋の上で凍った路面にタイヤが滑り転倒していまいました。そして運悪く青年は後ろから来たトラックにひかれ病院で手当てを受けましたが数日後亡くなってしまいました。
当然ですが不慮の事故に合った青年の家族は悲しみにふけり、特に青年を可愛がっていたお婆さんの悲しみは計り知れないものがありました。
お婆さんは村の長老に「孫も私も何も悪い事をしていないのに何故こんな目に合わなければならないのか」と愚痴を言いました。
長老は「私達は何も悪い事をしていないと思っているが仏さんの方から見たら悪い事を一杯しているそうな」とポツリ一言云われた。
当然ですが青年が悪い事をしたから事故にあったと云うのではありません。私どもは自分のやっている事は正しいとか、自分の考えを押し通すとか、自分さえ良ければとか、自分の利益ばかり考えています。しかし仏さんは何時も人の幸せを願い手を合わせてみえます、利他の精神(相手に利益を施す)が本来の生き方なのですが、我欲で突っ走る私は仏さんには程遠い存在であります、反省しきり。