韓国は定年が日本より早く、一般的には55歳、早ければ45歳になってすぐ、大勢の人が定年退職を迎えます。
韓国では、45歳になることを皮肉り、『西遊記』のキャラクターである「サオジョン」(沙悟浄の韓国語読み)の名前にちなんで、「サ(四)オ(五)ジョン(定)」とも言います。
韓国人の人生設計において、サオジョン(45歳定年)は恐ろしい障害物となります。
韓国は、1997年の経済破綻の影響もあって、国の経済力に比べて社会福祉制度が大幅に遅れてスタートしました。
国家も人と同じで、若いときには稼ぐこと(経済成長)に集中したとしても、老後(福祉政策)を考えないといけない時期がきます。
しかし韓国では、ちょうど、経済成長期に頑張った国民のために福祉政策を考えないといけなかった時期に、経済が破綻してしまいました。
今でも韓国は福祉と金融については概念そのものをちゃんと理解できないでおり、福祉を「政府がお金をばらまくこと」「国民の借金を帳消しにすること」程度にしか認識していません。
金融が弱い理由は、IMF救済の一環として、海外資本に市場を急激に全開放してしまったからです。
国民年金の加入が義務になって、国民が国民年金というものを認知するようになったのが、2000年代になってからのことです。
これらの状況で、国民が老後の暮らしのためにできることは、退職金で「店を開く」ことだけでした。
韓国ではこうしたケースを「生計型自営業」といいます。
最低賃金引き上げの負担をもっとも背負ったのは、左派思想家たちが悪人と睨んでいた大企業の大金持ちではなく、サオジョンを含めた自営業者たちだったようです。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます