今国会最終日に可決した法案は？

　国会は2日、現在の第18代国会（2008年4月の総選挙で選出された議員による国会）最後の本会議を開催し、国会審議での議員同士のもみ合い禁止を定めた国会法改正案や、「北朝鮮の長距離ミサイル発射糾弾決議案」など66の法案を可決した。うち国民生活に直接関係するのは62法案。これらは与野党ともに反対する理由のないものばかりだが、これまで議員の無関心や与野党間の駆け引きなどにより先送りされてきた。

　まず112番（日本の110番）の通報があった場合、通報した携帯電話の位置を自動的に把握する位置情報保護法（通称、112位置追跡法）が可決した。この法律は水原で発生した20代女性バラバラ殺人で関心が高まり、提出から3年後にようやく法制司法委員会と本会議で可決した。今後は消防署（119）や海洋警察（122）と同じく、警察（112）でも緊急の通報が入った場合、本人の同意無しに携帯電話の位置を追跡することができる。

　排他的経済水域法改正案（通称、中国漁船違法操業根絶法）は、昨年12月に違法操業中の中国漁船を取り締まっていた際に殺害された李清好（イ・チョンホ）警査（日本の一等海上保安士に相当）の犠牲がきっかけとなった。外国籍の違法操業漁船に対する罰金をこれまでの最高1億ウォン（約710万円）から2億ウォン（約1420万円）に引き上げるなど、処罰を厳しくする内容が主に盛り込まれている。

　牛および牛肉の履歴管理に関する法律改正案も可決した。この法律は消費者が輸入牛肉の原産地情報をインターネットで確認できるようにするもので、最近のBSE（牛海綿状脳症）問題に対する国民の不安を払拭（ふっしょく）するための内容が複数盛り込まれている。中小企業を保護するための二つの経済関連法も可決した。

　北朝鮮の長距離ミサイル発射糾弾決議案は、賛成182、反対1（進歩党のチョ・スンス議員）で可決した。一時は国会議員の立法ロビーに免罪符を与えるなどとして批判された全国請願警察親睦協議会法（親睦会法、政治資金法改正案）も、一時は与野党が水面下で可決に合意したと報じられたが、最終的に本会議で採決に至らず破棄された。また与野党が前日に農林水産委員会で満場一致で採択した「検疫停止を求める決議案」も採決されなかった。与野党の院内代表はこの日「政府による調査が終わっていない段階で、国会が決議案を採択するのは望ましくない」との点で一致したという。

　この日、18代国会が閉幕するまでの4年間に審議された1万4700件以上の法案のうち、6400件以上が会期の終了により破棄された。その中には韓国軍の指揮構造を改変する「国会改革関連5法案」なども含まれていた。