硝子戸の外へ。

優しい世界になるようにと、のんびり書き綴っています。

上京雑記 

2013-06-15 08:00:31 | 日記
新橋駅の改札を左に折れ、「ゆりかもめ」の表示を目で追いながら歩いてゆく。時間は15時を少し回ってた。日差しは初夏のようであり、下車するたびに身体がくらりとした。計画上では有楽町で下車しそこから歩いてゆこうと思っていたが、駅前の三省堂書店で僕の住む街では置いていない書籍を探すが、都心においても見つからず相変わらず自身のマイノリティーさにため息が出て、歩く気力を失ってしまった。

ゆりかもめに乗るのは2度目であるような気がするが、記憶が定かではない。平日のこの時間、ウォータフロントに向けてゆく人はどんな人たちなのだろうかと思いながら、ゆりかもめ新橋駅の階段を上がってゆくと周りから異国の言葉が飛びかう。また、修学旅行生の小集団が行程表を片手におしゃべりをしていた。

窓際の席が開いていたので程よく座る。定刻通りに動きだした車両はビルの合間を縫うように敷かれた線路をゆっくりと走る。この光景は昔見た近未来の想像図を思い出させる。左側に海が見える。一昔前なら工業地帯だったのだろうか。その前はまだ海の上で漁場だったのであろうか等と色々考える。しかし、時頼観る生活感のあるマンションをみると、ここも生活の場である事を知ることができた。汐留等のテレビ局が身近に在り、高速道路と鉄道が行き交う。わずかな海の向こうにお台場が見える。日常がこの風景であると田舎の風景などは大変退屈なものであろうと思われる。

車窓からふと眼を下にやると、倉庫が見えた。その窓には「密輸防止」の大きな文字。続いて461-961という電話番号(白い黒いと読ませるところがなかなか巧い)が表示されていた。 密輸と聞くとドラマの中の言葉でしかないので大変驚く。かと思えば高校の体育祭が行われていて元気よく子供たちがグラウンドを駆ける姿もみえた。よく考えると東京と言う街は、これが標準であるから栄え続けるのだろうと思った。それが正しい事だとは思わぬが、いつの世も悪が蔓延らなくては都市が成り立たぬのは必然なのだといえよう。清濁呑みこんでこそ成長があるのだろう

お台場で下車。ダイバーシティに展示してある「ガンダム」を観る。子供の頃はパイロットになりたいと夢見た事もあったが、今ではそのときめきも感動もない。とりあえず写メに収め再びゆりかもめお台場駅に戻る。ゆっくりと走る車窓から、東京タワーやスカイツリーが見えた。気がつくと日差しがゆっくりと西に傾き始めていた。