硝子戸の外へ。

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君はなぜ福祉の職業に就いたのか?

2013-06-11 09:46:23 | 日記
朝から憂鬱なニュースを目にする。介護福祉士の職員が「入所者女性を暴行死させる」というものである。

関係者の容疑者に対するコメントに聴き入ると「よい青年」と言う印象だったらしい。

しかし、次々に暴行しあの世に追いやった事が事実だとしたら彼は死神ではないだろうか。

暴行に至った動機はおそらく、「対象者が自身の思い通りにならなかったから」である。

対価を払い、意図をもって暴力を振るわれ、死に至らしめられる。戦場ならまだしも、それが行われたのは社会福祉事業所の中である。

職業上のモラルの低下という次元の話ではない。

問題の要は、雇用する側がなぜ彼の資質を見抜けなかったのかという事である。

資質をある程度見抜けていても雇用せざるを得ない運営状況だったとするならば、それも問題である。

待機者の緩和が求められて久しいが、事業所が増え雇用が生まれても、「そこで働きたい」という人がいなければ政策自体が本末転倒である。

メディアを通して危機感を煽り、国民一人一人に自立を促し介護保険を徴収しつつ出資を減らし財政をプラスに転じさせるには介護業界自体を下流下層に追いやり、職業としての地位を劣化させればよい。そして、さらに安い雇用条件を受け入れる人材によって安定を図る。これが本来の目的ならば今の状態は彼らの掌にあるといえる。

真相はどうなんだろうか。

話がそれてしまったけれど、彼はなぜ福祉の職業に就いたのだろうか。僕は現場を通してずっとそれを考え続けている。しかし答えは出ない。

しかし、行いが粗い人のある傾向は認められる。それは職業を選択する際に「この職業しかなかったから」という理由でエントリーしてきている人が多いという事である。それでも職員間で助け合いがあれば、最悪の状況は回避できるのではないかと信じているけれど、自分に甘く他人に厳しい人達の集まりの中では、もうどうにもならない。

綺麗事だけでは世の中渡ってゆけない事は重々承知しているけれども、このような事件が起こるたびにこの業界に諦めを感じてしまうのです。

本当にどうなってゆくのだろうか。