ただいま上映中の「マンデラ 自由への長い道」を観る。前南アフリカ共和国大統領、故ネルソン・マンデラの自伝である。
この映画を観れば、勇気が出るのではないかという期待で見たのであるが、勇気どころか疑問だけが沢山残ってしまった。
マンデラさんの事をもっとよく勉強してから観れば手ごたえはあったかもしれない。いや、それ以前にマンデラさんの人生を160分で描くことがそもそも無理なのかもしれない。
しかし、物語を考えてみると、もしあれが真実なら、まず、酒場で出逢った男が身分証明書を忘れていなかったら、警察に連行されなかったら、泥酔していなかったら、彼は政治活動に身を投じなかったであろうし、最初の奥さんとも離婚せずに、(愛人は作ったかもしれないが・・・。)子供たちと平凡な日々を送り、弁護士と言う仕事に従事しつつ、マンデラさん自身が言っていたように、白人と同じような生活水準を持ち名誉白人として平和に過ごせたかもしれない。
アパルトヘイトにしても、オランダやイギリスが原住民を押しのけ植民地化しなければ起こらなかった事であろうし、アフリカの最南端へ重火器が渡らなければあれ程の血が流れずに済み、憎しみも増えなかったであろう。(おかしなことに人種争いが1990年代に入ると民族間での争いに変容した映像があった。その様子はざっくりと描かれているのでどうしてそうなったのかよくわからなかったが、狩猟民族なのだから争いは必然だったのかもしれない・・・。)
また、彼らを見下していた人々の不思慮もよく解らない。多岐にわたり文明が進歩している人達であるのに、肌の色が違うだけで、身体や頭脳までも劣っているとどうして思ったのだろうか。
マンデラさんはクリスチャンであったが、若かりし頃の躓きは偉業を成す為の道程だったのかもしれないと考えると、神の働きは本当に正確なものであったのかなと思ったのですが、物語全般を通して人の幸せを考える時、改めて幸福とは何だろうかという着地させることのできない想いが残ってしまったのです。
「憎しむ事が出来るならば、愛する事も出来る筈だろう。」確かこのようなセリフがエンディングで語られるのですが、普遍的な素晴らしい思想であるけれども何と難しい事であろうかと感じたのです。
この映画を観れば、勇気が出るのではないかという期待で見たのであるが、勇気どころか疑問だけが沢山残ってしまった。
マンデラさんの事をもっとよく勉強してから観れば手ごたえはあったかもしれない。いや、それ以前にマンデラさんの人生を160分で描くことがそもそも無理なのかもしれない。
しかし、物語を考えてみると、もしあれが真実なら、まず、酒場で出逢った男が身分証明書を忘れていなかったら、警察に連行されなかったら、泥酔していなかったら、彼は政治活動に身を投じなかったであろうし、最初の奥さんとも離婚せずに、(愛人は作ったかもしれないが・・・。)子供たちと平凡な日々を送り、弁護士と言う仕事に従事しつつ、マンデラさん自身が言っていたように、白人と同じような生活水準を持ち名誉白人として平和に過ごせたかもしれない。
アパルトヘイトにしても、オランダやイギリスが原住民を押しのけ植民地化しなければ起こらなかった事であろうし、アフリカの最南端へ重火器が渡らなければあれ程の血が流れずに済み、憎しみも増えなかったであろう。(おかしなことに人種争いが1990年代に入ると民族間での争いに変容した映像があった。その様子はざっくりと描かれているのでどうしてそうなったのかよくわからなかったが、狩猟民族なのだから争いは必然だったのかもしれない・・・。)
また、彼らを見下していた人々の不思慮もよく解らない。多岐にわたり文明が進歩している人達であるのに、肌の色が違うだけで、身体や頭脳までも劣っているとどうして思ったのだろうか。
マンデラさんはクリスチャンであったが、若かりし頃の躓きは偉業を成す為の道程だったのかもしれないと考えると、神の働きは本当に正確なものであったのかなと思ったのですが、物語全般を通して人の幸せを考える時、改めて幸福とは何だろうかという着地させることのできない想いが残ってしまったのです。
「憎しむ事が出来るならば、愛する事も出来る筈だろう。」確かこのようなセリフがエンディングで語られるのですが、普遍的な素晴らしい思想であるけれども何と難しい事であろうかと感じたのです。