硝子戸の外へ。

優しい世界になるようにと、のんびり書き綴っています。

政治の本質。

2017-09-28 17:20:14 | 日記
衆議院が解散。民進、希望に合流。という新聞の見出しにため息一つ。
「仕事」とは、いつ解散してもよいように状況を作ることが仕事だったのでしょうか。
民進さんも、野党の代表で、歴史があると自負するなら、なぜ、まだ不安定要素が残る出来立ての新党に頼るのでしょう。立て直しが出来ないのなら、解党も選択肢の一つだと思う。
経済は緩やかに下っているけれども、株価は上昇しているし、格差はあるけれど、物は溢れていて、そこそこに豊かで治安のよい国を保っているのに、わざわざお金を使って解散する必要ってあるだろうか。

少子化が進み、高齢者が増え、女性の社会進出が進み、生活スタイルも激変した現在では、すべての人達の教育や医療福祉といった公的機関で補うにはお金がかかりすぎます。
年金の支払いも先延ばしになり、介護保険や医療保険の自己負担もじわじわと上がっています。その問題を解決する為には、仕事の精度を高めてゆくしかないと思うのですが、責任者がころころと変わっては現場で奮闘している者にとっては、憂鬱なだけであり、精度を高めることは出来ないと思う。

北朝鮮問題もあるけれど、日本の軍備は最先端であり、アメリカと連携している以上、大きな問題はないように思う。もし仮に戦争が起きてしまったら、多くの犠牲者とエネルギーと武器の消費がなされ、その見返りとして、誰かの懐に大金が入るのは確実である。
それを、わざわざ後押ししてしまってよいのでしょうか。
個人や一部のグループの利益のために、政治がなされてよいものなのでしょうか。

大学でたくさん勉強してきた人たちが、目的のよくわからない政治を進めてしまうのには、疑問を感じるけれども、よく分からないまま、知らされないまま、なされてゆくのが政治の本質なのかもしれないと思ったのです。

きみの名は。

2017-09-20 18:04:22 | 日記
コンビニで商品を手に取りレジへ移動していると、レジの前に現れた綺麗なお嬢さんと目が合った。少しドキッとしつつもレジの方へ足を進めると、お嬢さんは暖かい飲み物を手に取り、こちらを見ると、○○!と僕の名前を呼んだ。

余りの驚きにその場で固まっていると、彼女がこちらに向かってくる。ドキドキしながらも平生を装い歩き出すと、僕と目が合ったけれど、そのまま通り過ぎて行った。
気になって振り返ると、そこにはイケメンの男子。彼女は彼に寄り添い何かを話している。

言葉にならない感情にため息をつき、レジで支払いを済ませる。

太陽が少し柔らかくなった。いつの間にか秋が来てしまっていた。

弾道ミサイルにご用心。

2017-09-15 21:27:44 | 日記
今日もミサイルが発射され、しばらくそのニュースが流れていた。戦争は回避されると思うけれども、空気を送り続け膨れ上がった風船が突然破裂するように、間違いを起こすかもしれない。人の感情はしばしば理性を超えてしまう事がみられるので、どのように転がってゆくのか想像が難しい。

弾道ミサイル落下時の行動について内閣官房ポータルサイトから発信されているけれど、ミサイルの部品落下であれば、落下地点を予測することは出来ないし、着弾となれば、多くの犠牲者が出てしまうことは避けられないし、防衛のため戦闘状態に陥ることも、人為的被害をの拡大を食い止める為には仕方がない。またそこで、犠牲者が出る事も避けられない。

国内では人種差別が横行し、関係のない人々が傷つくでしょう。

列強と平等になる為には、強くならねばならないが、多くの犠牲を払ってまで獲得せねばならない事だろうか。

世界はまた暗黒の時代へ戻ってゆくのでしょうか。


アフガン出口見えずなのか。

2017-09-12 21:57:34 | 日記
新聞記事の小さな見出しに惹かれ、記事を読む。

終決のめどが立たず、また、アフガニスタンに多くの兵士を送るのだそうです。

ブッシュ大統領が始めた事であるのに、まだ決着がつかない。

また、911後のイラクとの戦争はイラクが大量破壊兵器を保有、または開発しているからと言う理由で始めました。

ワールドトレードセンターの崩れ方は不自然であったし、陰謀説だったという情報も沢山出ています。

そして、現在、前例があるのに、開発を公にしている北朝鮮に対し武力に訴えないのはなぜかと考えた時、イラクには大量破壊兵器は無いと分かっていたから、戦争に踏み切れたのだという答えが導き出されるのではないでしょうか。

武器の消費による利益、エネルギーの利権、不動産業界からの利益などなど、大きなお金が動く中心に君臨する大統領にお金が入らないわけがありません。

多くの人の命が奪われていて、こらからも人が人の命を奪いつづける。

アメリカは民主主義の国ではないのでしょうか。自由の国ではなかったのでしょうか。それとも人民自身が不自由をのぞんでいるのでしょうか。

主人と奴隷という関係は永遠に解消できないものなのでしょうか。サン・ピエールさんやカントさんが導き出した思想は無なのでしょうか。

崩れ去ったバーミヤンの大日如来さんは、いまも悲しんでおられるに違いない。


スプリンター。

2017-09-10 22:22:55 | 日記
朝刊の一面に大きな見出し。「桐生 9秒98」 

日本選手もいよいよ9秒台に突入し、東京オリンピックでのメダルも夢ではなくなるかもしれません。

桐生選手と彼を支え続けたトレーナーさんの努力を記事を通して知り、本当に凄いなと感動。そして、スプリントの記事を読む度に個人的に思い出すのは中学の同級生。

記憶は鮮明で、その同級生に質問した事まで忘れることが出来ない。


「彼」との出会いは中学生で、印象は、影の薄い目立たない言葉数も少ない少年で、気の合う人とだけと学校生活を共にするような人だった。

そして僕とは、2年生で同じクラスになり、共通の友達を通して少し会話する距離であったが、衝撃の日は突然やってきたのでした。

体育の授業で100メートル走をすることになった。当時の僕は運動が苦手だったので、「走る」という事が本当に嫌だった。そして、クラスの中には、女子にモテモテの陸上部のエースもいて、コンプレックスの塊のような僕は、走る事がいっそう嫌だった。

多くの男子はスポーツ系のクラブに入っていたので、100mをガンガン走ってゆく。僕は帰宅部の勉強もスポーツもあまり得意じゃない集団の中で冗談を言いながらその姿を眺めて気持をごまかしていて安心していたが、その中に彼もいた。

陸上部のエースがスタートラインにつき、スタートの合図とともに走り出すと女子から声援が上がる。帰宅部の仲間は「○○は昔から女子からモテてたんだよ」という情報を得て、ああそうなのかぁと納得。悔しいけれど、走る姿もかっこいい。

次第に僕の番が回ってきて、懸命に走るのだけれど、走る姿も重く、陸上部のエースとは雲泥の差。嫌な思いを引きずり2本目の為に再びスタートラインまで歩きながら戻っていると、彼がスタートラインについていた。手足は長いけれど体の線は細くひ弱そうだったから、僕と同じくらいのタイムなんだろうなと彼を観ていた。

スタートのホイッスルが鳴る。すると、彼はその長い手足を軽快に動かし、どんどん加速してゆく。呆気に取られているとあっという間にゴール。
体育の先生からタイムが報告されると、陸上部のエースより早かった。男子から「おおっ」という声が出る。

僕の身体に衝撃が走り、これはどういうことなのか彼と共通の友達から事情を聴くと、

「あいつ、小学校の頃から足だけは抜群に早かったんだ」

と言った。朝夕とひたむきに練習している陸上のエースより早いなんてどうなっているんだろうかと彼の才能に嫉妬、興奮し、どう頑張っても速く走れない僕は、走り終わった彼に駆け寄り、「どうして陸上部に入らないの。もったいないじゃないか」と、聞いた。

すると彼は、

「だって、練習はえらいし、(疲れるし)おもしろくないから(今思うと、おそらく上級生より速く走れてしまったがためにいろいろ苦労があったのだろう)」

と言った。

僕は、「もったいないなぁ」と言ったきり、それ以上の質問は出来なかった。でも、彼の走りと彼の気持ちは強烈な印象を与えた。

才能があっても上手く表現できない人、才能に嫉妬し、つぶしにかかる人がいた為に才能が開花しなかった人に出会ったことがあるけれど、彼もその一人で、今思い返しても凡人の僕からすれば本当に惜しい才能の持ち主であった。

その後も彼の走る姿は体育祭のみでしか見ることが出来なかったが、陸上のエースのように黄色い声援は飛ばないけれど、その速さはエースと変わりなかった。

桐生選手は環境と才能と努力によって、潜在能力を爆発させた。その先を行くにはさらなる努力が必要となるだろう。プレッシャーも大きくかかるだろう。

だからこそ、東京五輪まで怪我をせず、楽しんで走っていてほしいと思う。





遠ざかる誰かの希望。

2017-09-08 22:27:40 | 日記
民進党を離党した山尾議員のニュースが繰り返し流れていた。誤解を招くような行動は批判の対象になるけれども、なかなか重い腰を上げない人たちに代わって、子育て支援を訴えた事は評価されてもいいはずではないでしょうか。

でも、離党を促され議員辞職まで追い込まれてしまうのだとしたら、単純に「女性議員はいらない」という意思が複数の議員にあると考えられます。しかし、これでは女性のキャリアアップはますます狭き門となるのではないでしょうか。

そして、この事により、男女共同参画社会や純粋に社会の為に役立ちたいと思っている女性の希望も更に遠ざかってゆく気がするのです。

遠い異国に思いを馳せてみる。

2017-09-06 18:29:41 | 日記
三重県菰野町にあるパラミタミュージアムで催されている平山郁夫展を観にいってきました。平山さんの故郷である瀬戸内、若かりし頃のスケッチ群、熊野古道、シルクロードの風景画はとても情緒的で素敵な作品ばかりでした。その中でも僕はバーミヤンの石仏の絵画に何故か惹かれました。

ニュースでも大きく取り上げられていたので、感情移入しやすかったのかもしれませんが、作品は、破壊される前と、破壊された後の画で、とてもメッセージ性の強いものでした。

作品前の椅子に座りじっくり鑑賞していると、いろいろと妄想し、作者の熱意、人の愚かさ、執着、無知、信じる力、などの言葉が浮かびます。

でも、僕にとってアフガニスタンもバーミアンも列強国が絡んでいる内戦が終わらない、渇いた褐色の地という事しか分かりません。
そこで、少し調べてみると、驚きの真実を知ることになりました。

石仏が破壊された当時、アフガニスタンは大干ばつによって、餓死者が数万人出ていたのです。しかし世界は、石仏だけに注目し、そこにはあまり触れませんでした。
その事を受け、イランの映画監督、モフセン・マフマルバフさんはこの出来事を、大日如来さんは、アフガニスタンの虐げられている民に対し、世界が無関心であることを恥じて、自らの偉大さなど何の足しにもならないと知って砕けてしまったと例えたのです。

人の生きてきた道、歴史的を知る手掛かりになる石仏を残す事は確かに大切かも知れない。でも、諸行は無常なのだから、自然に崩れ去る事も破壊されて崩れ落ちる事も、避ける事の出来ない事象なのだと思います。だから、モフセン監督の言われたように、生きている人々を観る事、音を聴く事の方が、崩れ落ちた大日如来さんが私たちに求められた事だったのかもしれません。