TSUTAYAさんで本を物色。いつものように、グルグルと回りながら興味を引くタイトルの本を見つけては手に取り、序文を読み、もう一人の僕が「それは買いだよ」と囁けばそのままレジへ行くのが僕のほんの買い方。もちろん最初から買う本が決まっているときもあり、それが見つかるまでは本屋さんの梯子をしたりすることもある。(以前もこんなことをつぶやいた気がする)
本が好き。とか、読書が趣味と断言できるほどの本好きではないけれど、良い本に当たると、幸せな気分になる。
近頃はめったに買わなくなったけれど、漫画も好きであるから、どんなものが流行っているのかも一通り見てみる。世間は「鬼滅の刃」(一発変換だと!!)が話題であるが、全く読まない。
以前、耳鼻科に受診した時、待合室にあった少年ジャンプを読んだ時、鬼滅の刃が一番面白かったのは覚えているけれど、それくらいの印象でしかない。
一番最後に、雑誌コーナーである。様々な専門雑誌が並んでいて、わくわくする。専門雑誌はある時期まで一番お世話になったコーナーである。月刊オートバイから始まり、メンズノンノ、ベストカー、ウインドサーフクラブやスキーグラフィックや、今は廃刊となったスイングジャーナル、バイシクルクラブ、等々、こうやって考えてみると、広く浅くだったなとしみじみ思う。
女性誌のコーナーもくるりと見る。20代の頃の彼女さんがファッション雑誌を買ってくると必ず読ませてもらっていたこともあってか、免疫があり、手に取ることはないけれど、今でも興味深くピンナップガールを眺める。そして、僕がどれだけ浮世離れしているかを確認するため表紙を飾る女性の名を心の中で呟いてみるのである。
今日もそれを行おうとしたとき、目を疑った。次に衝撃が走った。
素敵な女優さん達の中に、ずいぶん前から知っている女性が、見返り美人図のようなポーズをとって、今までにみせたことのない表情で微笑んでいた。
誰かがファッション雑誌のコーナーに置き去りにしていったのではないかと疑ったが、an・anに間違いはなかった。
彼女の名は「草薙素子」(一発変換・・・だと。)
攻殻機動隊の主人公である。アニメである。一昔前なら考えられない事象である。
しばらく、その前にたたずみ、手に取るかどうか迷っていた。神山さんのインタビューが気になる。田中敦子さんのインタビューも気になる。
でも、僕はいいおじさんである。(涙)
それを再確認し、その場を静かに離れる。そして考える。この雑誌を手に取るのは、おそらく20代前後の女性たちである。その女性たちはこの記事によって最新作の「攻殻機動隊」を観るのであろうか。
いや、すでに、彼女たちの中のゴーストが「観て」と、囁いているのかもしれない。