田中雄二の「映画の王様」

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『ブルックリン横丁』

2019-04-20 07:44:53 | 1950年代小型パンフレット
『ブルックリン横丁』(45)(1996.8.)



 ニューヨークの下町に住む貧しい一家の姿を描いたエリア・カザンの監督デビュー作。心温まりつつも生活の厳しさを感じさせる家庭劇だが、まだ舞台演出出身の演劇くささが残っていたためか、各エピソードのつながりが悪く、散文的なところがあり、窮屈な感じを抱かされたのは否めない。

 加えて、これは昔の映画を年代順には見ていない、自分のような“後追い世代”の宿命なのだが、映画を見たタイミングによって、俳優のイメージが定まらなくなるところがある。この映画の場合は、母親役のドロシー・マクガイアがそれで、『らせん階段』(46)のかれんでかわいらしいイメージよりも“おばさんぽかった”という事実を知ったりもするが、逆に父親役のジェームズ・ダンや、娘役のペギー・アン・ガーナーといった“今は幻の名優”の存在を教えられたりもする。

ドロシー・マクガイア


ジェームズ・ダン


ペギー・アン・ガーナー



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