「『どんなことにだって解決策はある』という言葉に感動した」
「ウルウルしながら見ていたら、先生の秘密にびっくりして涙が引っ込んだ」
『美女と野獣』(46)(1978年9月29日『想い出の名作洋画劇場』)
ジャン・コクトー監督、ジャン・マレー主演の『美女と野獣』をNHK BS4kで何と45年ぶりに再見。植草甚一氏の一文を読むと「この映画を見た日は興奮して眠れなかった」とあるが、今となってはその大仰な演出と演技が時折コントのように見えてしまうのは時代差のせいで仕方ないところか。とはいえ、CGのない時代にアイデアを駆使して一流のファンタジーたらしめたことは、今の目から見ても驚きに値する。
野獣のメイクや豪華なコスチューム、独創的なインテリアといった美術デザインを担当したのはクリスチャン・ベラール。撮影はアンリ・アルカン、音楽はジョルジュ・オーリック。今回は4kということでモノクロ映像が一際映えた。ただ、ヒロインのベルを演じたジョゼット・デイがどうにも魅力的に映らず困ったのは、45年前も今回も同じだった。