TAMO2ちんのお気持ち

リベラルもすなるお気持ち表明を、激派のおいらもしてみむとてするなり。

それってマルクス恐慌論に近いかも?

2011-01-20 08:15:00 | 読書
『デフレの正体』(藻谷浩介著、角川Oneテーマ21)のp174より抜粋。


 最も希少な資源が労働でも貨幣でも生産物でもなく実は消費のための時間である、というこの新たな世界における経済学は、従来のような「等価交換が即時成立することを前提とした無時間モデル」の世界を脱することを求められています。我こそは経済学を究めん、と思っている方。ぜひこの「時間の経済学」を考え直し、そして、国民総時間の減少という制約を日本は乗り越えられるのか、という私の問いに答えを出してください。


 上の提起についてだが、マルクス恐慌論というか、循環論は、生産過程、流通過程という二つの切り口を絡めながら論じられている。最近、左翼思想界隈では搾取論ではなく、搾取から疎外されている層こそが著しい貧困に陥ることが指摘されている。ってか、それこそが問題なのだろう、と。

 ありもしないナッシュ均衡(資本主義を揺るがす技術革新を直接は取り扱えない)とか、三面等価(時間遅れ、資産の劣化を取り扱えない)とかをこの本はばっさり斬る。この本の論理構造は、マルクス経済学に親和性が高いと思う。というのは、非常に大きな時間軸が導入されていて(人口増減)、「消費過程」とでも言うべき事象が日本経済のボトルネックになっていることを明らかにしており、それらはマルクス流の論理展開(あちらは究極には革命論だが)に近いように見えるからだ。

 あと。付加価値ってのはc,v,mのうちの、v+m+c1(c=c1(地域から購入)+c2)と言う風に思いながら読んだら、結構理解できた。マルクス好きにはお勧めの本である。

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