TAMO2ちんのお気持ち

リベラルもすなるお気持ち表明を、激派のおいらもしてみむとてするなり。

読書メモ:『原発ホワイトアウト』

2014-01-26 19:45:00 | 読書
 『原発ホワイトアウト』(若杉冽著、講談社)

 今の日本の原発の炉は電源が落ちると、熱が籠って崩壊するのはフクイチでばれた。最後の最後、テロでそれを引き起こして、パニック小説となる。

 その前の段階では、電力業者がどのようにして政治を金で支配しているかが描かれる。また、官僚がどのような思考をしているかが面白い。金のあるもの、「継続して」権力のあるものと癒着し、彼らに利益誘導することでおこぼれに与(あずか)るのだ。

 だから、自民党が一旦政権を失っても、官僚は自民党のために働き、新進党や民主党の政権のためには働かない。

 メディアも権力と癒着している。彼らは「宣伝費」で籠絡されている。そして、西山事件で有名になったが、尖がった記者が情報を得ても、別のスキャンダルで潰される。国民大衆の多くは、残念ながら本質を見抜かず、スキャンダルに関心がいく。ただ、この辺、ツイッターの登場で徐々に掘り崩されているようにも感じるが。

 一番気になったのは、官僚の思考と行動だね。これでは、「政権交代」なんて、官僚のサボタージュで機能しないということではないか。やっぱり、革命ソビエトがやったように、サボる官僚には脳みそ弾き飛ばしていいという権限をもったコミッサールを、民主党で組織して派遣するしかないのかな? 俺は世の中が本当に変わるのは革命のときしかないと考えているし、そうなると退場しない官僚を働かせるには、本質的には――隠然とでもね――そうするしかないだろうと考えているが。でなければ、高級官僚総とっかえだね。ちなみにアメリカはそういう仕組みだよね。高級官僚なんて、任期4年制にすべきだと俺は思う。そして、高給で民間から徴用しろ、と。それが民主主義のコストというものではないか。安月給(俺よりはな!)で高級官僚は働いているが、天下りで報いるというのは話がおかしい。


 あ。原発。この小説のようには再稼働に向かっているわけではない。財界も必ずしも原発再開の一枚岩ではない。コストをシビアに見る勢力に一定の力があるのだ。
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靖国騒動に思うこと

2014-01-25 11:53:00 | 幻論
 靖国問題が世界中で波紋を呼んでいる。この問題はとても難しい。

 まず、国家の命令で命を落とした人が祀られている場所に、その国家を継承する国家が、革命でも起きていない限り、参拝しないというのは筋が通らないであろう。かつて、首相も昭和天皇も毎年のように参拝し、それについて誰もとやかく言わなかった。

 事態が変わったのは、A級戦犯合祀の頃からである。その後も中国・韓国とも何も言わなかったが、「不沈空母=戦後最大の売国奴」中曽根康弘の頃から抗議するようになった。国内的には、昭和天皇がそれ以降足を運ばなくなった。200万を超える御霊の中に、14体のA級戦犯が入ったことで、とても難しいことになった。小生は、合祀すべきでなかったと考えているのだが、ちょっと触れないでおこう。

 さて。世界を支配しているイデオロギーはキリスト教的なものである。こちらは、「死後裁かれる」の世界。生きている間の評価が永遠に続くのだ。だから、A級戦犯合祀を靖国神社が行った瞬間、靖国神社というところは、「A級戦犯を祀っていて、それにお参りに行くということは、戦犯の所業を讃えに行く」ということになる。海外での報道はそういう発想に即している。

 だが、日本人の主流の発想は違う。「死ねば、神様・仏様」である。石川五右衛門がヒーローの国だ。「悪」とは、「力」の代名詞。罪は生きている間のこと。それでも落ちないカルマは、死後の地獄で贖うことになっている。だから、生前に何をしていようが、死後まで責任を問うという発想は、「歴史的評価」にゆだねることはあるにせよ、いつまでも糾弾しない。水に流すのだ。

 キリスト教的なイデオロギーと、日本人の発想には恐るべき溝がある。それを踏まえた上で、いかなる妥協が可能なのであろうか?

 一つには、日本人総体として、キリスト教イデオロギーを受容し、A級戦犯を合祀してしまった靖国神社を解体するという方向がある。だが、それは妥協ではなく、キリスト教イデオロギーに日本人総体が包摂されるということになろう。それは、靖国の御霊を殺すことであろう。小生はそういうことに断固反対する。

 他には、日本人の発想を諸外国にしっかりと伝え、「キリスト教イデオロギーは日本人の考えとは全く異なる」ということを発信することだ。小生の考えはこちらだが、条件がある。それは、遊就館に示されている考え方に同調する日本人は殆どいないであろうことをも伝えること。端的には、A級戦犯に対する日本国の考えをしっかりと伝え、東京裁判――それがどんなに問題含みであったにせよ――を否定するものではない、ということを発信すること。

 少なくとも、中国、韓国をはじめとする諸国の怒りについては「あなたがたの発想ではご尤も」と賛意をまずは示すべきだと考える。

 ってか、安倍首相は幼児的だよ・・・。


 で。自分としては、今まで東京に行くとき、時間を見つけては靖国神社にお参りしていた。だが、このところの騒動を考えると、しばらく参拝は自粛しようと思っている。あの歴史観は、英霊を侮辱していると極右なりに感じるからだ。疚しさから「合法」を主張するところも、今や。広田氏などの例外を除き、A級戦犯は英霊にしばかれろっての(爆)。

 参考。
http://red.ap.teacup.com/tamo2/1944.html
http://red.ap.teacup.com/tamo2/1855.html
http://red.ap.teacup.com/tamo2/925.html
http://red.ap.teacup.com/tamo2/392.html


 それにしても、宗教関係が絡むと、世界は勿論、日本国内でも様々な割れ目が見えてくる。
「全き歓待」のためには、余りにも多くのことを受け入れなければならない。

コメント (12)
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携帯変更に伴うメモ

2014-01-20 08:27:00 | よしなしごと
1/16 12861, 1/17 6420, 1/18 5145, 1/19 11187

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読書メモ:『永遠の0(ゼロ)』

2014-01-14 18:35:00 | 読書
 『永遠の0(ゼロ)』(百田尚樹著、講談社文庫)

 「たとえ腕が無くなっても、足が無くなっても、戻ってくる」(p563)。この言葉と全く同じ言葉を、出征前に言った男がいる。小生の祖父である。祖母が亡くなってから、親戚からその話を聞いた。この文字を読んだとき、戦後苦労をして5人を育て上げた祖母のことを思い、涙が止まらなくなった。これが「実感」というものであろう。

 この小説は、A新聞社――恥知らずにも、終戦直後に自社の検証抜きで「国民と共に立たん」と言ったところ――をモデルにした新聞社に原稿を入れるジャーナリストの姉と、司法試験を何度も失敗して心が折れた弟が、血の繋がった本当の祖父のことを調べるという形で進む。調べるとは、本当の祖父と係わりのあった人に取材するということだ。

 そして、取材された人の発言という形で、著者は日本軍の無能っぷり、残虐さ、理不尽を暴きつつ、その下で必死で闘う軍人たちを描く。あちこちで言われていることだが、士官以上と下士官以下の待遇差別の酷さ、どんなに失敗しても責任を取るということがない海軍兵学校上がりの人間に対する処遇。兵学のイロハを理解していないかのような作戦立案。陸軍だが、辻政信が戦後糾弾されなかったのはどういうわけだ?? 姉は「エリートだから兵学は理解していたはずだが、実際に死の危険のあるところでビビッてしまって逃げたんでしょ」という意味のことを言う。xx謎の反転など。そして、相手をなめたことをして、ちょっとやられると、徐々に増員という、「負けフラグ」を立てる陸海軍。兵站を考えていない作戦。(ガダルカナルの話は圧涛I。)

 小生は常々、暴力とは技術の問題だと言う。戦争なんか、まさに技術の問題だ。よくアメリカに物量で負けたという。ならば物量以上に知恵で勝らなければならないが、局地的に成功することはあっても、それらを全て無にしてしまう欠陥が日本軍にはあったと思う。それの極致が人命無視という体質だ。

 飛行機乗りは、徹底的に高度な技術がなければならない。一人前に育てるには何年も鰍ゥる。実戦こそが最高の教材だ。ならば、撃墜という事態を経験しても、その敗北から学ぶことがさらに最高の教材であろうに、日本軍は、一旦撃たれたら終わりという飛行機を作った。発想としては、世界トップの性能を与えたんだから撃たれる前に撃て、ということだったんだろう。だが、一対一ならともかく、多数が乱れる空戦でその発想は通用しない。米兵は墜落しても、パイロットを回収する仕組みがあった。日本はそのまま死ぬ。これじゃあ、いくら育てようとしても育つはずがない。そして、熟練パイロットがなくなっていった果てに、人命無視の「十死零生」の特攻をするようになる。

 そんなバカげた軍隊の中で、主人公の宮部は生き残ることを考える。軍事のことを真面目に考えたら、宮部は正しい。しかし、こんなバカげた軍隊の中でそれを可能にするには、卓越した技能と実績が必要である。宮部は普段から訓練し、出撃しても周囲への警戒を怠らず、部下たちを無駄死にしないようにコントロールし、生き延びた。だが、「志願」という名前の「強制」により、特攻隊として出撃する。遺される家族を、ある若者に託して。この辺のドラマはとても泣かせる。

 小生の母は戦争中に鹿児島の隼人にいた。隼人と言えば、近くに国分、その南に鹿屋だ。その辺の大人が、噂話で「特攻隊ってのは目を付けた若い者を部屋に入れ、“志願します”と言うまで出さないって話だよ」と言っていたと、子供の頃の小生に言った。その話とこの本の記述は違うが、志願ってのは、ただの美談であることをしっかりこの本は描いている。実際には強制だった、と。そして、彼らが死ぬ意味を求めるところは、『日本人の「戦争」』とピッタリ符合する。
http://red.ap.teacup.com/tamo2/1855.html

 軍歌の同期の桜で「大和魂は敵にゃない」と言うが、アメリカ人にはヤンキー魂がある。戦争初期、アメリカは海戦で負ける要素があった。人命第一の米軍だが、突破口を開くために死ぬ確率がとても高い作戦を立て、それに勇敢に参加する兵士たちがいた。合理性というか、プラグマティズムの国は、キチンとした理由があれば、日本人に劣らず「命知らず」の任務を遂行する。

 真珠湾攻撃で日本は「国際法を無視した」と言われる。結果的にそうなったのは、別にアメリカの陰謀ではなくて、外交官が深酒をしていたせいである。そして、その責任を誰も取っていない。


 今、日本は経済の没落、外交での失点を重ねて危機に近づいている。そして、幼児的逆切れをしているのではないか?と思うことが多い。靖国に祀られる二〇〇万柱を超える御霊が、戦前軍部的な幼児性を、現在の政治指導者が行っているのを見て、どう思っているだろう。A級戦犯は合祀されて、シバキだな、うん。
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101000km

2014-01-12 20:20:00 | クルマ
101000km, 2014年1月12日 20:20
高知からの帰り、新居浜ICを出て、国道11号線の交差点を少し北に行ったところ。

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