TAMO2ちんのお気持ち

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読書メモ『仁義なきキリスト教史』

2020-10-10 21:06:00 | 読書
 『仁義なきキリスト教史』(架神恭介著、ちくま文庫)

 普通じゃない日本人(爆)として、何故か身近にいた人たち。宗教家、ヤクザ、革命家。彼らは極限の世界に生きているという点で似ている。市井の人々も全く無関係というわけじゃない。生きる烈度が大きいくらいかも知れない。そういうわけで、キリスト教徒やヤハウェ神をヤクザに置き換えたのは、様々な課題を分かりやすくするためにナイスな選択。ヤクザ言葉?として、広島弁のキツさはマッチ。著者は福山市出身なので、余り自信はないらしい(微笑)。

 信仰を任侠などに置き換えたら、すっと落ちる。また、個人的にはエンゲルスの「ドイツ農民戦争」で描かれたセカイで、よく分からなかったところが心に落ちたので感謝。やっぱり、プロテスタンティズムは「進歩性を有した反革命」と思う(爆)。どうせなら、トマス・ミュンツァーも登場させて欲しかったな。

 大きな流れの中で省かれたけど、キリスト教の、ユダヤ教に対する叛逆の物語としての「善きサマリア人」がなかったのも残念。まあ、ないものねだりはともかく、全体的に一神教、そして善き修正主義としてのキリスト教の物語を知るには楽しくて良い本だと思う。どこかでキリスト教徒の評価を読みたいと思った。

 最後に、ファシズムに荷担してしまうローマ・カトリックという「インタビュー」で終わっているのもエスプリが利いている。「過ちは人の罪、赦すは神の御業」。とはいえ、全編哀しさもある。理不尽で粗暴なヤハウェ大親分だが、子分たちに信じてもらえず、裏切られる歴史も描かれている。

(多忙に付、暫く読書メモはかなり短く)
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