50歳のフランス滞在記

早期退職してパリへ。さまざまなフランス、そこに写る日本・・・日々新たな出会い。

フランスで、過労死!?

2007-10-30 18:18:35 | マスコミ報道
(ときどき更新の②です)

KAROSHIとアルファベットで海外メディアが伝えるように、働きすぎて病死する、あるいは自ら命を絶つのは日本人に多い。そう思われることが多く、私もそう思っていたのですが、フランスでも、問題になっているようです。

ただし、フランスの場合、社会一般に過労死が増えているというわけではなく、ある企業の、しかもある事業所での過労死が、特にメディアに注目されています。


(10月21-22日付のル・モンド紙です)

その事業所とは自動車メーカー、ルノーのテクニカルセンター。ここでは、去年10月から今年2月にかけて、2人の社員がオフィスで、もう1人が自宅で、自ら命を絶っています。一事業所で、これだけ続けて自殺者が出るというのは、やはり異常。その背景及び対策について、調査委員会が検証しています。

9,257人の社員のうち62.7%に当たる5,800人(その半分が管理職と技術者)にアンケートに答えてもらい、また120人に個別インタビューを行ったそうです。その結果、明らかになったのは・・・

管理職と技術者の31.2%が強度のストレスを抱えているそうで、同じ立場のフランス人平均10.3%の3倍。多くの社員がストレスに悩んでいるようです。そのストレスの元は・・・

仕事が忙しすぎるにもかかわらず、サポートがない。成果に対する見返り、特に昇進が見えにくい。その結果、仕事へのモチベーションが下がり、働く意味を見失っている社員が71%に達しているそうです。では、どの程度忙しいのか・・・

フランスでは一日7時間、週35時間労働になっていますが、この事業所では、社員の三分の二が恒常的に一日9時間働いており、管理職では87.5%が10時間以上働いているそうです。あるプロジェクト・リーダーは「朝8時から夜8時までオフィスで働き、家で夜10時から12時あるいは午前1時頃まで働いている」といっています。フランスのサラリーマンがこんなに働いているとは! 課された仕事を決められた期限までに行うのはほとんど無理なのだが、無理だとか出来ないとかは誰も言わないそうです。きっと、Job Descriptionがはっきりしていて、どんな仕事をして給与いくらという個人契約になっているので、それが達成できなければ解雇される可能性もある。そこで、仕事が多く、責任も重く、ただし給与もいい管理職ほど、無理をする事になっているのでしょうね。「一時的に12時間くらい働く事は厭わないが、14時間も16時間も働く事は無理だ」と言っている管理職もいます。では、どうして、こうも忙しいのか・・・

以前から忙しいのは忙しかったそうですが、特に忙しくなったのは経営陣が「プラン2009」という新しい戦略を発表してからだそうです。新車の開発から製造、そして発売まで、1993年には54ヶ月かけていたのが、今では26ヶ月になり、今後の新車はさらに短期間で開発・製造する事が求められているとか。その結果、働いても働いても仕事をこなせず、ストレスが溜まり、悲劇になってしまう・・・

こうした状況に、会社側は社員を350人増員したり、臨時工を200人雇ったりしたそうです。また、社員の一体感を高め、モチベーションを上げるべく、「チームの日」という行事を行うそうです。日本にある工場祭とかそういった社員行事のようなものなのでしょうね。しかし、社員たちはその効果に懐疑的だそうです。

管理職ほど働くフランスの職場。でも、ちょっと度を越してしまっているのかもしれませんね。フランスで過労死が問題になるとは、思ってもみませんでした。国際的競争と労働環境・・・因みに、「プラン2009」、カルロス・ゴーン氏の戦略だそうです。

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有名X有名=ロングラン

2007-10-28 17:19:56 | 美術・音楽
(ときどき更新の①です)

有名X有名・・・さあ、パリで有名なものは何でしょう・・・答えられませんよね。パリに有名なものなんて、それこそ星の数ほど。美術館、レストラン、パティスリ、モニュメント、ブランドショップ、劇場、公園・・・

今日ご紹介する有名な場所へは、セーヌを渡っていきます。

普段あまり気付かないのですが、日没前後に橋を渡っていくと、淡い色の夕焼けも見ることができます。

そこは、チャペル。パリで有名なチャペルといえば、そう、サント・シャペル(Sainte-Chepelle)です。

ステンドグラスの美しさで有名ですね。では、もう一つの「有名」は・・・

そこで長年行なわれているコンサートがあります。サント・シャペルで演奏される曲とは・・・すでにここでお聴きになった方も多いかもしれませんが、『四季』です。ヴィバルディの、あの有名な曲ですね。サント・シャペルで聴く『四季』。有名な場所で聴く、有名な曲。これはもう、観光客がほっておく筈ありません。長年、同じプログラムでやってきても、いつも観光客を中心に、多くの聴衆で埋まります。

(今、あちこちが修復工事中です)

この日は午後7時から。『四季』の前に、ジェミニアーニ(Geminiani)のラ・フォリア(La Folia)とパッヘルベルのカノン(Canon)、そして『四季』で約1時間。コンパクトにまとまったコンサートです。料金は27.5ユーロ。当日券を会場で購入することもできます。


演奏は、バロックの弓オーケストラ(Orchestre les Archets Baroques)。6人の弦楽奏者たちがはじめの2曲を演奏し、そのあとゲストが一人加わって7人で『四季』を演奏。観光スポット化していますので、いたってカジュアルなコンサートです。演奏するほうも、一応黒い衣装ですが、中には黒いシャツに黒いジーンズ、ただしシャツをジーンズの外へ出して、というラフなかっこうの奏者もいますし、聴くほうも、一楽章ごとに拍手したり。しかも、『四季』の夏が終わったところで、お願いのご挨拶まであります―――演奏するほうがしっかり演奏でき、皆さんが気持ちよく聴けるよう、おしゃべりやフラッシュ撮影はおやめくださいね!



でも、この日はフラッシャは一度も焚かれず、話し声もほとんど聞こえませんでした。そのためか、アンコールの際、今日は気持ちよく演奏できたのでアンコールにお応えしてもう一度冬のパートを、と言っていましたが、これもいつものパッケージといった気がします。


何度も行くというものでもないとも思いますが、話のネタに一度は、といったサント・シャペルでの『四季』コンサート。ようやく行ってきました、というご報告です。


秋の日はつるべ落とし・・・8時(夏時間時)過ぎると真っ暗です。セーヌには、河岸の明かりが写って、すっかり、夜の顔。モノクロの写真で撮れば、ベルエポックの時代にタイムスリップしそうな世界。パリには、行っておきたい場所がまだまだたくさんあります。

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気の遅い夏休み。

2007-10-25 17:12:50 | パリ
パリではもうクリスマスが始まろうとしているのに、今頃夏休み。のんびりというか、変わっているというか・・・でも、とにかく、2週間ほどのヴァカンス。言ってみれば、インターミッションです。1年10ヶ月、休みなく更新してきたこのブログも、ちょっと一休み。



最近では、この様に毎日600人以上の方々に訪問していただいているので、大変申し訳ないのですが、リフレッシュして、また11月8日頃に新たな気分で再開、再会したいと思います。

・・・とはいうものの、パリが忘れられず、数日に一度、更新してしまうかもしれません。実は話題とデータを若干ですが用意しています・・・ヴァカンスに空っぽになれない・・・古い日本人ですね。というわけで、時々、覗いていただければ幸いです。では、近いうちに(A bientot !)。

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気の早いクリスマス。

2007-10-24 01:29:05 | パリ
最近のパリは、すっかりコート姿が似合うようになっています。最低気温が1~4度、最高気温は10~12度。なんとなく背中が丸くなってしまうような日もありますし、布団から抜け出すのが億劫になる朝もあります。

街を歩けば、木々はすっかり紅葉しています。早々と散ってしまった葉が舗道の上で舞っています。

こうした公園だけでなく、街路樹も長い影をお供に、それなりに秋から冬への風情を見せてくれています。


10月も下旬、今度の日曜日で夏時間も終わります。11月に入れば、トゥサンの祝日で、菊の花を持ってのお墓参り、第3木曜日にはボージョレ・ヌーヴァーの解禁。そして、その先には・・・


クリスマス! でも、この写真、去年のものではありません。今年、10月23日にデパートのラ・ファイエットで撮ったもの。デパートはもう、クリスマス気分になってきているんですね。さすが、流行を先取り・・・季節まで先取りしています。気が早い!


クリスマス恒例のネオンの飾りつけも始まっています。今年もまた、おなじみのあのネオンが見れそうです。


さらに、クリスマス商品も。

さすがに、チョコレートなどはまだですが、クリスマス・コーヒーとクリスマス・ティがもう並んでいます。

そして、クリスマスといえば、フランスの人にとっては、ヴァカンス。夏のヴァカンスが終わって、ようやく日常の生活が始まったと思ったら、もう次のヴァカンスの計画!


23日付フィガロ紙の別冊です。別の世界を発見する70の特別な旅、という説明がなされています。世界中で年間8億4,200万人もの旅行者がいる時代、旅の醍醐味を味わわせてくれる場所は、そう簡単にあるわけではない。心を、身体を解き放つ、特別な旅へ―――。

具体的には・・・

セーシェルなど、南の島々。そして、

クリスマスに夏を迎える、アルゼンチンやチリなどの南半球の国々。

5週間の有給休暇があればこそ。しかし、同じフランスに住みながら、職がない、ヴァカンスに行くお金もない、そういう人たちもいる。そうした人たちの苦労・悲しみの上での楽しい人生・・・この世は複雑で難しい。ここは、単純に、またヴァカンスに出かけることのできる人たちを羨ましいと思うことにしましょう。

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マンガ、その人気の秘密。

2007-10-23 01:47:45 | マスコミ報道
マンガが“manga”として世界で通用しているのは、今までも何度かご紹介してきましたが、思わぬ雑誌でも取り上げられていました。



“National Geographic”(『ナショナルジオグラフィック』誌)、自然科学を中心に地球に関するテーマで編集されている雑誌で、180カ国で読まれています。そのフランス語版の9月号の表紙です。この出で立ち、そしてJAPONの文字・・・すぐマンガ、コスプレ系の話題であることが分かりますね。地球を考える雑誌の表紙にまで、ついにマンガは進出!

記事は、いかに日本でマンガが大きな存在であるかを、『ゲゲゲの鬼太郎』や今年のアングレーム(Angoureme)国際バンド・デシネフェスティバルで最優秀コミック賞を取った『のんのんばあ』で有名な水木しげる氏の紹介から始めています。特に、その故郷、境港市では120体もの妖怪の像を800mにわたって設置。その通りも「水木通り」と命名。その作品を紹介する記念館ともども、今や人気の観光スポットとなり、年間100万人もの観光客が訪れるようになっているそうです。



マンガの歴史は、1814年に遡ります。葛飾北斎が『北斎漫画』を始めたのがその起源。そして今では、日本人の50%が少なくとも週に一度は読むまでになっています。特に今日の隆盛の基礎を作ったのは『マンガの神様』とも言われる手塚治虫。手塚治虫を中心に、第二次大戦後の廃墟のなか、日本人に新しい時代へ向かう勇気を、新しい指針を提示してくれたのがマンガだったと、日本のマンガに詳しいJean-Marie Bouissou氏(パリ政治学院ディレクター)は言っています。さらに、マンガは紙に描かれた映画とも言え、登場人物たちの動作は誇張されていますが、その一つ一つに感情が見事に表現されており、現実社会ではストレートな感情表現をしにくい日本人にとって、この豊かな感情表現がマンガを愛する理由の一つになっているのではないか・・・。

マンガは単に面白いだけではなく、人生を生きていく上での哲学を教えてくれるものでもある、と日本の多くの読者が言っています。特に悪に立ち向かう勇気、そして友情、これらが表現されている作品ほど、ファンが多いとか。

マンガの売り上げは、日本の出版界の三分の一を占め、40億ユーロ(約6,600億円)にもなっているそうで、発行部数も多く、『少年ジャンプ』は1995年には650万部も出ていました。また、時代とともに変化する読者の好みを探るため、出版社ではアンケートを頻繁に実施し、その変化を登場人物に反映させるようにしているとか。マンガにおいては、ストーリーよりも登場人物が大切なんだそうです。しかし、こうした環境に、マンガは自分の描きたいように描きたい、という若い漫画家もいて、彼らにとっての憧れの地は、最も自由に制作ができそうなフランスだそうです(このあたり、フランスの雑誌の記事ですから・・・)。



同人誌を中心に、数多くの漫画家希望者がいて、制作者サイドにも広い裾野があるのが、マンガの強みにもなっているようです。また、好きな漫画を描きたい、ということだけが慢画家志望の理由ではなく、収入のよさもよく知られているそうです。単に出版されるだけではなく、アニメ化されたり、映画化されたり、ビデオゲームに採用されたり・・・それだけ有名漫画家の収入は大きく増えることになりますね。そこがより多くの人を惹きつける理由にもなっているとか。

また、マンガには時代を先取りする力がある。だから、読みながら、もしかするとこうした時代がもうすぐ来るのでは、という期待を抱く読者も多い。特に、可愛くとか家庭の世話をしてというように社会的制約の多い女性たちにとっては、マンガを通して、男女平等とか、あるいは自分の生きたいように生きることのできる社会を期待することができたのではないか。あるいはこういう社会に変えて行きたいという、変革の源になったのではないか、とも言われているようです。

こうした理由は、日本でのマンガ人気の説明にはなりますが、では世界で愛されるわけは? それは豊穣にして多様性に富んだ要素がマンガにはあるからだろうと説明されています。北斎漫画から始まった浮世絵の伝統、現実を白日の下に晒す写実的写真の影響、西洋の映画の手法・・・こうした洋の東西も時代も問わず多くのものを受け入れて成立しているマンガなればこそ、多くの国で受け入れられる普遍性があるのではないか・・・この記事はそう紹介しています。その結果、2005年には日本はアメリカに次ぐ文化輸出大国になっており、またBBCとアメリカのメリーランド大学が33カ国4万人を対象に行なった「世界に好影響を与える国調査」では、日本は輝くトップの座を獲得しました!


(日系旅行代理店がフランス人向けに組んでいる日本ツアー、マンガをテーマにしたものも人気だそうです)

経済面でその存在感が薄れようと、政治的には相変わらず小国であろうと、今や日本には文化があります。「文化出る国、日本」になりつつある・・・そう実感させてくれる記事でした。『ナショナルジオグラフィック』の特集記事になるほどですから、もう確信しても大丈夫そうですね。今までそれに携わる人たちの自助努力でここまで花開いてきた日本のポップカルチャーですから、あとは、変に政治に翻弄されないようにと願うばかりです。

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逃げる外資に、追う日本。

2007-10-22 00:52:48 | パリ
外国から日本への直接投資が2006年はマイナスだったというニュースは、日本でも報道されていたかと思います。



そのことを伝える18日付のフィガロ紙です。「外国人投資家をひきつけない日本」・・・1989年以来のマイナス、つまり日本に投資した額より撤退した額のほうが多かった。

2003年に当時の小泉首相が「2008年末までに外国からの直接投資を倍増する」と約束したものの、どうも達成は難しそうな雲行きです。日本経済は成長軌道に乗っているといわれ、海外からの直接投資を増やすと政府が言っているにもかかわらず撤退のほうが多かった。去年、ジェトロは海外からの投資家を前に“Japan is back !”(日本が戻ってきた)と声高に叫んだそうですが、実態は・・・。どうしてなのでしょう。

日本においては外国からの直接投資はGDPのわずか2.5%、一方EUは38.0%。もともと海外からの投資を歓迎しない風潮があるのではないか・・・孤立主義。しかも三角合併の法制化などを契機に、「はげたか」といわれる外資に対する規制は逆に強化されつつあるようだ。しかも企業に対するチェックが厳しくなっただけでなく、外国人個人に対するサービスも低下している。長期滞在ビザを持っていれば、日本入国の際日本人用窓口に並べたのに、今や観光客と一緒に長蛇の列に並ばなければならなくなった。またかつては救世主ともてはやされたカルロス・ゴーン氏も日産の業績低迷を受け、いまや全否定とも受け取れるような批判の矢面に立たされている(このあたり、いかにもフランス人記者が書いているといった感じがしますね)。こうした状況に、多くの外国ファンドは拠点をシンガポールに移している。そして、日本が経済大国としての古き良き時代へのノスタルジー、その夢の中に耽溺しようとしているのは残念なことだ、と指摘する人もいるそうです。



外資の撤退を紹介する記事のすぐ上には、今年と来年の主要国の経済成長率に関するIMFの予想が出ています。BRICsを中心に大きな伸びを見せる中、日本は、今年が2.0%、来年が1.7%。特に来年はここに紹介されている主要国の中では、イタリアに次いで下から2番目の低い成長率です。

このように紹介されてしまうと、経済大国としてのかつての栄光にしがみつく、日沈む国・日本、と読めてしまいますね・・・。

しかし、外資が逃げる一方、海外マーケットを追って外国に進出する日本企業もしっかりあります。例えば・・・


無印良品。日本の流通小売は海外で苦戦しているところが多いのですが、この店はパリにしっかり根づいているようです。


路面店も数ヶ所で出店しています。フランス国内で8店舗。また、この店のショッピングバックを持った地元の買い物客を街の中で見かけることもよくあります。

そして・・・


まだ工事中ですが、ユニクロもパリへ進出してきます。場所は、ラ・デファンス地区のショッピングモール、Les Quatre-Temps。一番上の写真の無印良品のほとんど斜め前といってもいいような場所で、今年12月にオープン。さらに、2009年にはパリ中心地にFlag Ship(旗艦店)もオープン予定だそうです。

かつての栄光に浸り、外資を敵対視するかのように外からは見える日本。でもその日本から海外に進出する日本企業。そして、その両方ともが現実。内に籠ろうという人たちと、外へ出ようとする人たち。こうした面を見ていると、金太郎飴ともいえるほどの均質社会だった日本においても、少しずつ多様化が進んできているのか、とも思えます。しかし、「外へ出ようとする人たち」ではなく、「外に出ざるを得ない人たち」だと、やはり粘度の強い均質社会に風穴は開いていないのか、とも思えてしまいます。日本人は、そして日本社会は、変化してきているのか、やはり変わっていないのか・・・

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祝!滞在許可証更新、次は・・・

2007-10-21 00:34:54 | パリ
17日に更新された新しい滞在許可証をもらってきました。これで来年9月まで、引き続き正々堂々とフランスに滞在することができます(パチ、パチ、パチ・・・拍手の強要・・・恐縮です)。



プライバシー保護のため(雑誌に登場しながら、都合のいいときだけプライバシーを持ち出して、これまた恐縮です)、更新なった滞在許可証は、来年の9月まで有効と書かれた部分のみお見せします(小さすぎて読めないですね、さらに恐縮です)。下に敷かれた茶色い紙は、警察が更新用書類を送ってきた封筒(警察のロゴです)、上の白い紙は、ビザ更新のための必要書類を説明する資料です。

ここで、ちょっと、ビザの種類や更新事情などをご紹介しようと思います。

更新した滞在許可証は、1年ごとに更新する必要のある一時滞在許可証。つまり、1年だけ居ていいよ、ただし更新は可能、というものです。この一時滞在許可証の中には、
・就業ビザ
・ビジタービザ
・契約アーティストビザ
・自由業ビザ
の4つのタイプがありますが、私が持っているのはビジター用滞在許可証。フランスにいる限り、一切働いてはいけない、つまりフランス国内で収入があってはいけないというビザです(学生ビザではないので、学校に登録する必要もありません)。それだけに、銀行の残高証明はきちんと出さないといけないわけです。本国から送金されたお金をフランスで使うだけの人、というフランスにとって全く都合のいい人たちなんですね。フランス人の職は奪わず、ひたすら消費して、フランス経済に貢献する・・・というほどの金額を消費しているわけではないですが。何しろ、滞在許可証更新時にフランス国内にある銀行口座の残高がSMIC(業種間一律スライド制最低賃金)X12あればいいので、2007年の場合1280.07ユーロX12で250万円前後。大威張りできるような額ではないですが、でも、ちりも積もれば、とも言いますから、フランスに貢献していると堂々と言っちゃいましょう。

働いてはいけないのですから当然収入はない。そのことをどうやって証明するのか・・・そこで必要になるのが、確定申告。毎年5月にきちんと確定申告をして、所得がなかったことを認めてもらっておく必要があります。でも、自己申告。私は本当に無収入ですが、中には・・・いるかもしれない。疑えば疑えますからね。だから、何年でも滞在していても良いというのではないのかもしれないですね。何年かで延長されなくなる可能性もありえるのかもしれません。このあたり、学生ビザも同じで、語学学校の出席証明では、基本は3年。大目に見てもらえて5年。フランス語の勉強をいったい何年やってるんだ、アルバイトを規定以上に長時間やっているから勉強できないのではないか、という疑いで、一定の上限があるようです。ただし、語学学校の後、正規の大学に入れば、さらに長期間、学生ビザの更新ができるようです。

更新手続きは、警察に必要書類をメールで依頼、送られてきた資料どおりに書類を揃えて郵送すれば、通常2ヶ月後、夏休みを挟むと3ヵ月後に取りに行くだけでOK。一時滞在許可証の更新はずいぶん簡単です。しかも、こちらの依頼メールにもいちいちきちんと返事が来ます。最初送られてきた資料に一部不足があったのは、いかにもこの国らしいご愛嬌なのですが、催促するとすぐ送ってくれました。素晴らしい対応です。

最初の滞在許可証をもらう際には、朝5時前に当時住んでいたところの県庁へ行き、9時まで4時間も寒空に並ぶこと3回。建物に入るにも、押し合いへし合い。割り込もうとする人と入れまいとする人の間に諍いがあったり・・・大変な経験をしました。それがパリ市内で更新するには、メールと郵送だけ。わずか2年前のことですが、隔世の感、といってもオーバーではない気がしてしまいます。

というわけで、滞在許可証は問題なく更新されたのですが、ほぼ同じタイミングで届いたのが、住民税の納税通知書! 以前、所得税の決定通知書は届いていて、銀行預金へのわずかな利子以外は無収入ですから、当然支払額は0。でも、住民税はしっかり取られます。働かず、消費するだけではまだ足りないらしく、住民税!



しかもAV受信税というのがあり、テレビを持っていると発生してしまいます。ニュースを見るくらいなのですが、当然、何時間見ようと同じ金額が請求されます。年間116ユーロ、約19,000円。これに住民税321ユーロが加わって、納税額は437ユーロ(約72,000円)。くどいようですが、働かずにお金を落とすだけでも、この納税額。いろいろな公共サービス、なんら遠慮することなく受けようと思ってしまいます。日本でのサラリーマン時代はいわゆる天引き、給与から自動的に引き落とされていましたから、こうした実感がなかったのですが、もし住民税や所得税を各自直接自治体や税務署に支払うようになると、日本でも税金が高いとか安いとか、自分の払った税金の使い道について、今以上に国民が真剣にチェックするのではないかと思います。それを恐れての天引きなのかもしれないですが・・・。

ということで、確定申告、滞在許可証の更新が済んで、納税も引き落とし銀行口座の詳細を送ればOK。これで、ひとまず、安心。このブログもこのまま継続していくことができます。引き続き、ご訪問の程、平に、よろしくお願い申し上げます。

(上記多分正しいと思うのですが、こういうことに大変詳しい方もいらっしゃいます。もし間違いがありましたら、ご指摘ください。)

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ウツ、ウツ、フランス人も悩んでいる。

2007-10-20 01:33:47 | マスコミ報道
社会が変化し、家族の姿が変わり、職場も変貌する。そうした環境の変化に伴い、精神的な悩みを抱える人が多くなっている・・・どうも、日本だけではないようです。



「フランス人五人に一人がウツに悩んでいる」と伝える16日のフィガロ紙です。Credoc(Centre de Recherche pour l'Etude et l'Observation des Conditions de Vie:暮らしに関する調査研究センター)の調査によると、今現在ウツ状態にあるという人が5%、ここ3ヶ月の間にウツ状態を経験した人が13%、過去3年の間に経験した人が17%だそうです。5%と13%を合わせて18%、見出しの五人に一人となるわけですね。

特に多いのは、18-25歳の男女、35-44歳の男性、45-54歳の女性だそうです。若い世代では、進学、就職などのストレス、40歳前後の男性には職場での責任や解雇の恐怖感、50歳前後の女性では更年期や老後への不安・・・これらの理由は私が勝手に推測したものなのですが、こう考えると、国は違えど、同じようなことに悩んでいるんだなと思えてきますね。日本人と対極にあるように感じていたフランス人が、急に身近に思えてしまいます。フィガロ紙の記事は世代ごとの理由は紹介していないのですが、フランス人全体としてウツに悩む人たちの背景には、「不安感」、「孤独感」、「老いへの不安」があると指摘しています。

専門医は、成果主義、個人主義、ストレスの蔓延する今日の社会がさまざまな病気の温床になっている、と警告を発しているそうです。フランスは昔から個人主義の国と思っていたのですが、きっと最近ではちょっと度を越してしまって問題化しているのかもしれないですね。ギスギスした社会・・・先進国共通の問題なのかもしれません。

悩みを抱える人たちの家庭環境では、所得の低い層ほど悩む人の割合が高いそうです。不安定な暮らし、将来への不安、そうしたことが発症の引き金になりやすいとか。また、気力減退、解雇への不安、疎外感・・・こうしたことが多くのケースに見られる原因だそうです。

そして、ウツに悩む人たちを取り巻く周囲の問題として挙げられているのが、「無理解」。色眼鏡で見られる、あるいは一度その烙印を押されてしまうといろいろな場面にそのレッテルがついてまわる・・・従って、自分がウツに悩んでいることを周囲に言えない人が過半数、24歳以下では67%に達しているそうです。このあたりも、多くの国共通なのかもしれないですね。個性を認めるというか、違うことを評価するフランスにおいても、こうした状況です。ましてや、均質な社会では・・・今の時代、生き抜くのは、難しい。

専門医は、少しでもウツだと感じたら、ためらわずに専門医の診断を受けるようにとアドバイスしています。現状は、ウツ症状のある人の半分しか治療を受けておらず、そのまた半分の人しかきちんとした治療を行なっていないそうです。一般医に相談する人が多いそうですが、ウツの診察には45分から1時間必要で、とても一般医がそこまで一人の患者に時間を割けない。やはり、専門医の診断を仰ぐべきだそうです。また、心理療法に頼る人も多いようですが、これはあくまで補助的なもので、やはり専門医の指示の下、抗鬱剤などの投薬を正しく行なうことが必要だといっています(これはあくまでフィガロ紙の記事によると、です。日本では、異なるアドバイスがなされているかもしれません)。


(多くの企業が集まるデファンス地区。ここでも人知れず悩んでいる人が多いのかもしれませんね)

行き過ぎた個人主義やそこから来る孤独感、そして何よりも競争社会から来るストレス、そしてまた社会の周辺部で不安定な暮らしを営む人々が抱く疎外感・・・国境を越えて、多くの国で、そして多くの人が同じ悩みを抱えているようです。しかも、そうした悩みを抱える人たちへ理解を示そうとしないどころか、弱者のレッテルを貼って社会的に葬り去ってしまう周囲の人たち。これまた、同じような状況のようです。「タフでなければ生きていられない」。しかし、本当にタフな人であるならば、弱者への理解、あるいは支援の手を差し伸べることができるのではないでしょうか・・・「やさしくなければ生きている資格がない」(『プレイバック』~レイモンド・チャンドラー)。

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秋晴れの、交通スト日和。

2007-10-19 01:19:43 | パリ
18日のパリは、快晴、ただし気温は低めで、最低気温7度、最高気温13度という予報が出ていました。きれいに晴れたので、実際は最高気温がもう少し上がっていたかもしれません。秋の爽やかな一日でした。



そんな穏やかな一日・・・しかし、残念ながら事もなく過ぎたわけではありません。公共交通機関のストライキが行なわれました!

ストライキ・・・日本では、もはや死語のようなコトバですね。でも、フランスでは、れっきとして生きています。


(18日のフィガロ紙、第一面です)

このように、数年に一度、大規模なデモやストライキが行なわれています。記憶に新しいところでは、昨春のCPE(初期雇用契約)を巡るデモで、150万人が参加。その当時、イギリスのメディアからは、「フランスはまだ200年以上前の革命が忘れられず、何か問題があると、すぐ街頭へ繰り出して解決しようとしている。イギリスでは、そうした問題はきちんと国会で話し合って解決するようになっている。そのために議会があり、市民には議員を選ぶ権利がある」、といかにフランスがかつての栄光にこだわっているかを指摘され、揶揄されもしましたが、そんな他国の意見などどこ吹く風、今年もストライキです。

事の発端は、サルコジ大統領の「改革」。特に、財政健全化のために、年金の掛け金支払い期間を延長しようという案に対しての反撥です。今まで、危険な職業、苛酷な労働条件にあると認められた職種では、年金の支払い期間が37年半と一般の40年より若干短くなっていました。それを他と同じ期間、つまり40年にしようと政府が提案。そこで、反対の意思表示としてのストライキとなったわけです。それがどうして交通ストか・・・交通機関での仕事の多くが過酷な労働だと見做され、37年半でよかった。それが40年も支払うことになってしまう。これはけしからん、というわけです。それに対してサルコジ大統領曰くは、20世紀初頭の石炭をくべながら運転した蒸気機関車の運転と、今のTGVなど機械化された電車の運転とを同じく過酷な労働だと認めるのはおかしい。変化した状況に、きちんと対応すべきだ―――。

一方、組合側にもいろいろな思惑がある、とも一部報じられています。現在の労働運動のトップにいる人たちは、1995年の150万人が参加したデモ、そして約1ヶ月も続いたストライキによって政府案を引っ込めさせた際の実質的リーダーたち。多くの国民の支持も得て、一躍、英雄に―――その次に続く世代が、今回は自分たちの番だ! と、スポットライトを浴び、組合のトップに君臨しようと異様に張り切っているとか・・・組織という中に組み込まれると、少しでも上を目指して、本質とはかけ離れたところで頑張ってしまうのは、「人間の性」なのでしょうか。もちろん、はじめからそうした競争に加わらない人、途中で降りる人もいるでしょうから、全員ではないのですが、それでも多くの人は、組織の一員となると、ヒエラルキーの上を目指して駆け始める・・・どこの国でも、同じなのかもしれません。

こうした背景があるからなのか、あるいは、サルコジ大統領への支持がまだ根強いためか、ストライキに対する国民の理解はあまり得られていないようです。


(改革にはウィ、ストにはノン・・・17日付のメトロ紙です)


(大多数のフランス人がストに反対・・・17日付のフィガロ紙)

しかし、予定通り、決行。パリとその郊外のイル・ド・フランス地方、そして他の主要27都市では、交通機関が大混乱。ストライキが決行されると、実際どうなるのか・・・


通常は、3~4分間隔で運行されているメトロは、10分とか15分、あるいはそれ以上の間隔に。そして、路線によっては、完全にストップ。ただし、この日、さすがにメトロは無料開放でした。


RER(郊外高速)はストップした路線が多く、こうして入り口がシャットアウト。

また、長距離列車はほとんどが運休。TGVも多くが運休。

こうした状況に、休みを取ったサラリーマンが多く(日本とは大違いですね。日本なら、オフィスの近くのホテルに前泊するとか、いろいろ工夫して、休まない人が圧倒的に多いですものね)、ビジネスにも影響が出ています。


(この銀行は、終業時間を30分切り上げ)


(このサンドウィッチ店は、出勤した店員が少ないため、テイクアウトだけで、店内での飲食は中止。急ごしらえで店内に入れないようにしています)

しかし、もちろん、休まず出勤したサラリーマンもいるわけで、車で、タクシーで、本数の減ったメトロで・・・そして、快晴の秋の日、自転車で、出勤!

(グループで借りに来て、乗っていきました)
ここで、活躍するのが、パリ市ご自慢のレンタサイクル“Velib’”(ヴェリブ)。サラリーマンの足としてだけではなく、観光客の足としても引っ張りだこ。ヴェリブをイル・ド・フランス全域に広げようという動きもあるようです。このストライキを最も喜んでいるのは、もしかすると再選の準備を始めているドラノエ・パリ市長かもしれないですね。

(ここはノートル・ダム大聖堂前、ヴェリブに限らず自転車で観光・移動の人が多いようです)

さて、今回は一部の職種での年金払い込み期間の延長問題ですが、この後には一般国民の払い込み期間を現状の40年から41年へ、さらには42年へと段階的に延長する案を政府は暖めているようで、それが正式に発表されたときは、またどういう展開になりますやら。一気に反対運動が国民規模で燃え上がるのか、財政の健全化、国際競争力の強化のためには仕方ない、と国民が納得するのか・・・今までの政治・社会との決別を標榜するサルコジ政権と国民との関係、今後に注目していたいと思います。(なお、改革!過去との決別!と言い続けているサルコジ大統領、プライベートでもセシリア夫人と決別してしまったようです・・・)

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マリア・カラス賛歌。

2007-10-18 01:23:22 | 美術・音楽
20世紀最高のソプラノ歌手といわれたマリア・カラスが亡くなって、今年で30年。ギリシア系移民の子としてニューヨークに生まれた彼女は、1977年にパリでその生涯を終えています。30年ということで、記念のCDとかも出ているようですが、彼女へ捧げるオマージュと題したコンサートが教会で行なわれているので、聴きに行ってみました。


(コンサート情報は、多くの場所に貼られたA4サイズほどのポスターでも入手可能です)

場所は、ノートル・ダム大聖堂の南、左岸へ渡ってすぐのところに建つサン・ジュリアン・ル・ポーヴル教会(Eglise Saint-Julien le Pauvre)。

パリで最も古い教会のひとつで、建立は6世紀以前にまで遡るとか。確かな資料としては、580年にここを訪れた司教の記録に出てくるそうです。とにかく長い歴史のある場所。しかも、別の利用目的(病院や何と塩の倉庫!)に転用されたり、ギリシア正教会が使ったり・・・いろいろな、言ってみれば波乱万丈の歴史を刻んできた教会のようです。



さて、コンサート。“Hommage a Maria Callas”と銘打ったコンサートで、演奏者はソプラノのLina Castellanzaと夫でピアニストのHerbert du Plessis。

この二人によるマリア・カラス賛歌は、以前からこの教会で時々行なわれていたようです。でも、没後30周年ということで、それなりの思い入れもあって、普段以上にいい演奏と歌を聴かせてくれるのでは、と期待して出かけて行ったわけです。



この夜の演奏曲目は、モーツァルトの“Le Nozze de Figaro”(『フィガロの結婚』)、ロッシーニの“La cenerentola”(『チェネレントラ』)、ヴェルディの“Aida”(『アイーダ』)など。途中にピアノのソロで、ショパンの『ワルツ(作品42:大円舞曲)』とリストの『愛の夢』を挟むという構成でした。



リナ・カステッランツァはミラノ・スカラ座のオペラ学校で学び、テノールのFranco Corelliなどに師事したそうです。スペインにも滞在しており、スペイン語で謳うこともあり、そのせいかラテンアメリカで特に人気があるようです。ヨーロッパでも、もちろんコンサートやCD、ラジオなどで活躍しているとか。ご主人のエルベール・デュ・プレシスはモーリシャス生まれで、イギリスで音楽教育を受けたそうです。特にショパンの作品をよく演奏するようで、その全作品を演奏した数少ないピアニストの一人だそうです。


(ピアノはSteinwayです)

教会が小さく、若干声が籠る感じはしましたが、その声の美しさ、テクニック、イントネーションの確かさ、そして存在感・・・以前から「マリア・カラスへ捧げるオマージュ」というコンサートを行なってきただけのことはあり、リナ・カステッランツァのソプラノには、マリア・カラスを髣髴とさせるものがありました(と、彼女のCDは1枚しかもっていない人間が言うのはおこがましいのですが・・・)。150人くらいの観客でしたが、熱烈な拍手、最後はスタンディング・オベーションでした。



しかし、その聴衆、日本のコンサート会場とはずいぶん異なります。遅れて入ってきて、ビニール袋を5分くらいゴソゴソやっていた女性、咳を繰り返していた男性、A席とB席に分かれているのですが、最初の曲が始まった時、高い席のほうが空いていると、ぞろぞろとそちらへ移動する人たち・・・通というよりは、教会のコンサートをちょっと聴きに来てみたという、私も含めて観光気分の人が多いのかもしれないですね。そうしたカジュアルな雰囲気のコンサートだからでしょうか、ちょっとした雑音があっても眉を顰める人や音のするほうを睨みつける人はいないんですね。肩の力が抜けていて良かったです。


(23ユーロと書かれた紙が貼られています。柱の両サイド後ろの方が18ユーロです)

また、違いといえば、チケットの料金。前売りをFNAC(AV書籍流通大手)などで買うと25ユーロ席と20ユーロ席。当日、会場で買うと23ユーロと18ユーロ。単純に手数料が乗ってしまいます。


(コンサートが終わり、家路ならぬ、食事へ向かう聴衆たち)

・・・ご存知の方も多いと思いますが、マリア・カラス最後の公式な舞台はジュゼッペ・ディ・ステファノと一緒に行った札幌でのリサイタルだったそうです。日本と縁のあるマリア・カラス。没後30周年に聴いたという、いい思い出になるコンサートでした。

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