和製英語とかジャパングリッシュとか言われる、日本で作られた英語がありますね。例えば、ナイター。同じような状況が、フランスにもあるようです。仏製英語、あるいはフレンチグリッシュとでも言えばいいのでしょうか。そのひとつが、“recordman”。レコードマンつまり記録保持者。英語なら“record holder”と言うべきなのでしょうが、フランスでは「ルコルドマン」と言うんだそうです。その複数形“les recordmen”で始まる記事が17日のフィガロ紙に出ていました。
第一面の見出しは、“Les Français champion du monde des vacances.”・・・フランス人は、ヴァカンスの世界チャンピオン。今更言うまでもなく、フランス人にとって休暇は大切なもの。フランス人はその取得日数の記録保持者なんだそうです。では、実際どのくらいの有給休暇があり、その取得率は。そして、その過ごし方は・・・
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/34/11/f255e9927afb3e591a4cadc1a3e02133.jpg)
中面で詳しく紹介されています。サラリーマンの平均有給休暇日数は、フランスが年間37日で8年連続世界一だそうです。次いでイタリアの33日、スペインの31日と続いており、やはりラテン系の人々が有給休暇を多く獲得しています。働くより、ヴァカンス。人生は、楽しむためにある! フランスでは、休暇のスケジュールに合わせて仕事を入れている人も多いそうで、まず休暇ありき、になっているのですね。他のヨーロッパ諸国では、25~28日になっているようですが、大西洋を渡ったアメリカではわずか14日の有給休暇! 勤労観、あるいは勤労実態に大きな差があるようです。フランス人はアメリカ人より2.5倍以上の有給取得を権利として有していることになりますね。因みに、アングロ・サクソンのイギリスでは、26日の休暇になっています。
でも、これらの数字はあくまで権利としての有給休暇日数。実際の取得率は・・・これまた、フランスは世界の上位にいるそうです。有給休暇を完全に消化しなかったフランスのサラリーマンは20%。ということは、年間37日の有給休暇をしっかり取りきった人が80%にもなっています。有給休暇日数が多い上に、しっかり消化しているフランスのサラリーマン・・・日本の現状と比べてどうでしょうか。フランス人以上に消化率がいいのは、ドイツ。年間27日の有給休暇を完全取得したのが81%だそうです。さすが規則を守るお国柄ですね(?)。一方、日数の多いイタリアは53%しか完全消化者がいないそうです。アメリカでは、69%の人たちが14日の休暇を完全に消化しきったそうです。
さて、フランス。年間37日ある有給休暇を80%の人が完全に使いきっている。どのように使っているかというと、もちろん多いのはヴァカンス。旅行が多いのですが、その行き先にもフランスらしさが顔を覗かせています。外国に出かけるのはわずか17%。83%のフランス人は、ヴァカンスを国内で過ごしているそうです。それだけ国内に行きたい場所が多いということなのか、あるいは国内にヴァカンス施設が整っているということなのか。はたまた、フランス語やフランスの価値観が通用しない国には行きたくないという内弁慶気質があるのか・・・いずれにせよ、国内で休暇を楽しむ人が多いので、国内の観光産業にとっては大きな恵みになっているそうです。しかも、外国からは多くの観光客が。フランスの観光業、順調なはずですね。
その少ない外国旅行組みですが、行き先はスペイン、イタリア、ポルトガル・・・短い日数でも行ける近くて太陽の光に恵まれた3カ国に人気が集まっているようです。また、金銭的に余裕のある層ではモロッコ、チュニジア、ポルトガル、トルコ、ニューヨークといった所が人気の滞在先だそうです。
もちろん、ヴァカンス以外に有給休暇を使う人だっています。買い物(ソルドへ急げ?)、各種手続き、子どもの送り迎えなど。ヨーロッパの他の国々ではこうした事柄は女性がになう場合が多いので、結果として女性労働にパートタイマーが多くなっているそうですが、フランスはこの点、男女平等が進んでいるので、家事・育児絡みで休みを取る男性サラリーマンも多くなっているとか。フランス女性は強いと取るべきか、フランス人男性は優しいと取るべきか。あるいは、フランス人男性にとっては仕事より家庭が大事なのでしょうか。しかし、再婚、再々婚も多く・・・単に休みが好き(仕事が嫌い)なのでしょうか。でも、階級社会。猛烈に働く層もいますし、一概には片付けられないようです。
ヴァカンス取得が多いのは、もちろん夏ですが、それ以外では5月上旬も多い季節になっています。それは祝日が多く、橋をかけやすいため。祝日にはさまれた日を休みにすることを“faire le pont”と言うのをご存知の方も多いと思います。5月には、メーデー(1日)、第2次大戦休戦記念日(8日)、聖霊降臨祭(移動祝祭日で今年は11日)という祝日があり、今年ははじめの2日が木曜日。金曜日を休めば4連休が二度。しかも、今年は12日の「聖霊降臨祭(Pentecôte)の翌月曜日」が休みになるようで、5連休。パリでは、学校は8~13日までの6連休になるそうです。ついでに、5~7日も休んでしまえば、12連休、あるいは13連休に。日本のゴールデン・ウィークと同じようなタイミングでの連休になりそうですね。もちろん、ヴァカンス大国、フランスのほうが期間が少し長いようですが。
というフランスに暮らして、2年9ヶ月。遅ればせながら、ブログもときどき更新にして、ヴァカンスを。というわけで、先週は、1週間、プロヴァンスに行ってきました。その模様を明日以降、ご紹介できればと思っています。
第一面の見出しは、“Les Français champion du monde des vacances.”・・・フランス人は、ヴァカンスの世界チャンピオン。今更言うまでもなく、フランス人にとって休暇は大切なもの。フランス人はその取得日数の記録保持者なんだそうです。では、実際どのくらいの有給休暇があり、その取得率は。そして、その過ごし方は・・・
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/34/11/f255e9927afb3e591a4cadc1a3e02133.jpg)
中面で詳しく紹介されています。サラリーマンの平均有給休暇日数は、フランスが年間37日で8年連続世界一だそうです。次いでイタリアの33日、スペインの31日と続いており、やはりラテン系の人々が有給休暇を多く獲得しています。働くより、ヴァカンス。人生は、楽しむためにある! フランスでは、休暇のスケジュールに合わせて仕事を入れている人も多いそうで、まず休暇ありき、になっているのですね。他のヨーロッパ諸国では、25~28日になっているようですが、大西洋を渡ったアメリカではわずか14日の有給休暇! 勤労観、あるいは勤労実態に大きな差があるようです。フランス人はアメリカ人より2.5倍以上の有給取得を権利として有していることになりますね。因みに、アングロ・サクソンのイギリスでは、26日の休暇になっています。
でも、これらの数字はあくまで権利としての有給休暇日数。実際の取得率は・・・これまた、フランスは世界の上位にいるそうです。有給休暇を完全に消化しなかったフランスのサラリーマンは20%。ということは、年間37日の有給休暇をしっかり取りきった人が80%にもなっています。有給休暇日数が多い上に、しっかり消化しているフランスのサラリーマン・・・日本の現状と比べてどうでしょうか。フランス人以上に消化率がいいのは、ドイツ。年間27日の有給休暇を完全取得したのが81%だそうです。さすが規則を守るお国柄ですね(?)。一方、日数の多いイタリアは53%しか完全消化者がいないそうです。アメリカでは、69%の人たちが14日の休暇を完全に消化しきったそうです。
さて、フランス。年間37日ある有給休暇を80%の人が完全に使いきっている。どのように使っているかというと、もちろん多いのはヴァカンス。旅行が多いのですが、その行き先にもフランスらしさが顔を覗かせています。外国に出かけるのはわずか17%。83%のフランス人は、ヴァカンスを国内で過ごしているそうです。それだけ国内に行きたい場所が多いということなのか、あるいは国内にヴァカンス施設が整っているということなのか。はたまた、フランス語やフランスの価値観が通用しない国には行きたくないという内弁慶気質があるのか・・・いずれにせよ、国内で休暇を楽しむ人が多いので、国内の観光産業にとっては大きな恵みになっているそうです。しかも、外国からは多くの観光客が。フランスの観光業、順調なはずですね。
その少ない外国旅行組みですが、行き先はスペイン、イタリア、ポルトガル・・・短い日数でも行ける近くて太陽の光に恵まれた3カ国に人気が集まっているようです。また、金銭的に余裕のある層ではモロッコ、チュニジア、ポルトガル、トルコ、ニューヨークといった所が人気の滞在先だそうです。
もちろん、ヴァカンス以外に有給休暇を使う人だっています。買い物(ソルドへ急げ?)、各種手続き、子どもの送り迎えなど。ヨーロッパの他の国々ではこうした事柄は女性がになう場合が多いので、結果として女性労働にパートタイマーが多くなっているそうですが、フランスはこの点、男女平等が進んでいるので、家事・育児絡みで休みを取る男性サラリーマンも多くなっているとか。フランス女性は強いと取るべきか、フランス人男性は優しいと取るべきか。あるいは、フランス人男性にとっては仕事より家庭が大事なのでしょうか。しかし、再婚、再々婚も多く・・・単に休みが好き(仕事が嫌い)なのでしょうか。でも、階級社会。猛烈に働く層もいますし、一概には片付けられないようです。
ヴァカンス取得が多いのは、もちろん夏ですが、それ以外では5月上旬も多い季節になっています。それは祝日が多く、橋をかけやすいため。祝日にはさまれた日を休みにすることを“faire le pont”と言うのをご存知の方も多いと思います。5月には、メーデー(1日)、第2次大戦休戦記念日(8日)、聖霊降臨祭(移動祝祭日で今年は11日)という祝日があり、今年ははじめの2日が木曜日。金曜日を休めば4連休が二度。しかも、今年は12日の「聖霊降臨祭(Pentecôte)の翌月曜日」が休みになるようで、5連休。パリでは、学校は8~13日までの6連休になるそうです。ついでに、5~7日も休んでしまえば、12連休、あるいは13連休に。日本のゴールデン・ウィークと同じようなタイミングでの連休になりそうですね。もちろん、ヴァカンス大国、フランスのほうが期間が少し長いようですが。
というフランスに暮らして、2年9ヶ月。遅ればせながら、ブログもときどき更新にして、ヴァカンスを。というわけで、先週は、1週間、プロヴァンスに行ってきました。その模様を明日以降、ご紹介できればと思っています。