50歳のフランス滞在記

早期退職してパリへ。さまざまなフランス、そこに写る日本・・・日々新たな出会い。

宇宙50年の旅。

2007-10-05 00:34:34 | パリ
このブログを更新しているのは10月4日。日本時間では5日になってしまっていますが、この10月4日、実は記念すべき日なのをご存知ですか? こちらの報道で知ったのですが、日本では報道していたでしょうか。何の日なのか、というと・・・


世界初の人工衛星スプートニク1号が打ち上げられた日なんですね。1957年10月4日。今では通信衛星、気象衛星など、衛生銀座といえるくらいに多くの人工衛星が地球を周回していますが、その第一歩を記したのがソ連(当時)のスプートニク1号。有人飛行も、この無人の人工衛星からスタートしたようなものですね。


上は4日付のル・モンド紙、下は同じく4日付のフィガロ紙。それぞれ1面を使って、人工衛星の誕生から今日までの宇宙開発の歴史、そして現在の人工衛星の使用状況などを紹介しています。


今までに5,000もの人工衛星が打ち上げられ、今でも2,000個の衛星が地球の周りを回っているそうです。使用目的も、軍事目的から、気象、通信、GPSなど多岐にわたっています。気がつかないうちに、今や人工衛星なしでは私たちの暮らしが立ち行かなくなっているようです。その一方で、宇宙開発の夢は・・・でも、フランスを中心にヨーロッパはまだ宇宙開発を断念はしていないようです。南米・仏領ギアナにあるフランスの発射基地は健在ですし、宇宙ビジネス、そして将来の宇宙争奪へ向けて、一歩でも先へと進もうとしているようです。その熱意が、こうした報道に表れているのかもしれないですね。では、日本では・・・全く関心を失ってしまっているのでしょうか?

ところで、上のスプートニク1号の写真、どこで見つけたと思いますか・・・リュクサンブール公園の鉄柵に掲げられています。

この人工衛星打ち上げから50周年を記念して、80枚の写真やポスターが掲示されています。


順番に見ていくだけで、人類の宇宙への夢、挑戦の歴史が振り返れるようになっています。スプートニク1号は重量わずか83kg、直径58cmという小ささで、96.2分で周回したそうですが、57日後に大気圏へ再突入して燃え尽きてしまったそうです。

ここで、質問。宇宙を飛んだ最初の地球上の生き物は?

一匹の小さな犬、ソ連の犬でした。スプートニク2号には気密性のある搭乗席があり、そこに乗ったこの犬は無事宇宙へ。しかし、はじめから片道切符の宇宙飛行だったそうです。

そして、人類で最初に宇宙を飛んだのが、ガガーリン。1961年4月12日でした。

ボストーク1号。地球は青かった、という台詞が有名ですが、実は「地球は青いヴェールをまとった花嫁のようだった」と言ったとか。いずれにせよ、初めて外から地球を見たときの感動が伝わってきますね。青い地球・・・いつまでも大切にしたいものです。

スプートニクに先を越され、有人飛行でも遅れをとったアメリカ。当時はまだ冷戦時代。後塵を拝してなるものかと、国を挙げての宇宙開発。マーキュリー計画、ジェミニ計画、そしてアポロ計画へ。その努力は、人類初の月面着陸となって報われました。

アポロ11号の月着陸船が「静かの海」に着陸。1969年7月20日のことでした。アームストロング船長の「これは一人の人間には小さな一歩だが、人類にとっては大きな飛躍だ」という台詞も、多くの人の記憶に残っているのではないでしょうか。彼の左足がその第一歩でした。

なお、宇宙とは全く関係ないのですが、月面着陸といえば、体操のウルトラC、月面宙返り(ムーンサルト)。木の葉が舞うような鉄棒からの降り方。日本選手が編み出した技でしたね。

閑話休題。冷戦が終結に向かうと、米ソの協力が宇宙でも見られるようになりました。

アポロソユーズテスト計画。1975年、アポロ18号はソユーズ宇宙船とドッキングに成功。

そして、1977年からはスペースシャトルの時代へ。使い捨てではなく、地球と宇宙を何度も往復できる宇宙船。まるで、飛行機のように・・・

こうした写真や映像を見たときには、宇宙旅行、そして人類が宇宙に住むのもそう遠い時代ではないような気がしていました。

このあたりまでは、宇宙という新しいフロンティアが多くの人々を熱狂させていましたが、それからは、宇宙どころではない、地上の問題を優先させるべきだという声が大きくなってきました。貧困、紛争、公害・・・


このように、煌々とライトがついている所とそうでない所。人口の集中と富の偏在。

そして環境汚染。いつまでこうした青く美しい地球を守り続けることができるのでしょうか。

『2001年宇宙の旅』という1968年制作の映画があります。宇宙人とのファーストコンタクトを描いた名作ですが、もうその2001年は過ぎてしまいました。宇宙を目指す試みは、今は遅々とした歩みですが、もしかすると、人類にとって火急の案件になってくるかもしれません。地球温暖化から多くの国や街が水没する・・・ノアの箱舟が新たなる神話になる―――。

昔、胸を熱くした宇宙開発。宇宙の旅が必要に迫られたものではなく、あくまで夢の実現として現実になる日が来ることを願っています。

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