50歳のフランス滞在記

早期退職してパリへ。さまざまなフランス、そこに写る日本・・・日々新たな出会い。

公約は、口に苦し。

2008-03-09 02:35:24 | 自然・環境・健康
・・・いきなり、ちょっと変ですね。「良薬は、口に苦し」ですよね。それが、公約・・・そう、9日と16日はフランスでは統一地方選挙。区とか、市、県などの首長や議員を選ぶ選挙ですから、生活に身近な話題が多く取り上げられています。でも、当選後は、実際どのくらいの公約が実施されることになるのやら・・・つい日本の経験からそう思ってしまうのですが、こうした点は、フランスでも同じような傾向にあるようです。


2-3日付のル・モンド紙です。「環境」が首長たちの間で引っ張りだこ・・・公約に環境を取り上げる人たちが多いようです。それだけ有権者の間で関心が高いということなのでしょうね。温室ガス効果による地球の温暖化など、環境はよく地球規模で語られますが、実は一人ひとりが身近なところで工夫し、改善していくことが大切な問題でもありますよね。そして、地域自治体でも。

特にフランスの場合は、1982年と83年の地方分権に関する法律で、国民の日常生活に関してはかなりの施策が自治体に移管されたそうで、それだけに地方選挙では暮らしに直結した環境保護が大きなテーマになっているようです。そうした背景があるため、以前は環境といえば「緑の党」が力を入れて主張していた分野ですが、今では左右を問わずどの党の候補も環境問題について公約に掲げている・・・

ただし、環境は今回の選挙で突然脚光を浴びているわけではなく、自治体によってはすでに以前からかなり力を入れて取り組んできていたようです。最も積極的なのが、北部の工業都市・リールと、パリの南西、お城で有名なアンジェのニ都市だそうです。持続的成長をうたった「アジェンダ21」を90年代末にすでに採択し、環境問題への取組みを積極的に行なってきているとか。それに続いて、パリやリヨンといった大都市。排出ガス規制や省エネ、公共交通機関の整備などを行なってきています。路面電車(トラム)の再登場や整備もこの流れの中にあり、また公共のレンタサイクルも各地で実施に移されています。西部の町・ナントでは、市民の移動の実に41%が公共交通機関を利用してのものだそうで、全国平均のおよそ倍になっているとか。マイ・カー利用が減っているようです。

また、水質の保全、土地を汚染から守る、有機栽培による農業など、環境に直結した取組みも各地で行なわれているそうです。電力では、ごく最近話題になったペルピニャン。将来的に使用電力全てを風力と太陽光によるエネルギーでまかなうと発表しています。そこまで徹底していないまでも、ソーラーパネルを取り付ける際の補助などを検討しているところは多いようで、エコ・カルティエなどと呼ばれるモデル地域が各地で生まれつつあるようです。

こうして、各地の自治体では、さまざまな取組みが実際に行なわれているようです。しかし、それでも今回の選挙での環境に関する公約は、数も多く、またその内容も大規模、大胆なものが多いそうです。実際、どこまでが本気で、どこからが選挙用の空手形なのか見極める必要がある・・・環境団体や市民グループは、選挙後の監視を強めていきたいそうです。選挙公約は、どこまで本気なのか・・・どこの国でも、同じようですね。

首長や議員たちは当選してしまうと、まだ社会がこうした施策を受け入れる準備ができていないと言っては、先延ばしにすることがよくあるそうです。一方、市民は、政治家は公約を実行しないと非難する。こうしたネガティヴなキャッチボールはやめて、一緒に力を合わせ、地球の環境を守るべきだ、という声もあがっているそうです。その通りですね!


モンマルトルから見たパリの街並みですが、そのうち記事の写真のように多くの建物の屋根にソーラーパネルが取り付けられることになるのかもしれません。一面、ソーラーパネルの海・・・パリの外観もずいぶん変わってしまうでしょう。しかし、パリの空の下のイメージが変わってしまうのは残念ですが、これも私たちの地球、そして環境を将来にしっかり残すためですから、我慢するしかないですね。それほど環境問題は深刻になっている、ということなのでしょう。遅すぎたと後悔しないためにも、一人ひとりの取組みが今、求められているようです(パンフレットにあるような文章になってしまいました。でも本当にそう思いませんか)。

さて、9日の第1回投票と16日の決戦投票、その結果やいかに。どの党が伸張し、誰が市長に当選するのでしょうか。見守りましょう。

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○○は、双葉より芳し。

2008-03-06 02:31:16 | 自然・環境・健康
さて、国語の問題です。タイトルの○○に入る文字は、何でしょう。簡単ですよね、栴檀。でも、ワープロのお陰で、書けといわれると、書けない・・・困った。そういえば、難しい漢字が書けると良いこともあるんですよね。例えば、作家の伊集院静氏。故夏目雅子に惚れられたのは、「憂鬱」という漢字が書けたからだったという話をどこかで読んだ記憶があります(確か憂鬱だったと思います、薔薇?)。私もそれに倣って書けるよう練習したのですが、今や憂鬱も栴檀も書けやしない。ワープロ機能のお陰です。でも、そのワープロにしたところで、完全じゃない。「かんばし」は、汗馬し、神庭氏と出てきて、肝心の「芳し」は出てこないばかりか、「芳し」の下に赤い波線が出てしまう。漢字変換も容易じゃないですね。電子辞書の『広辞苑』が手放せなくなっています。

と、前置きが長くなってしまいましたが、「栴檀は双葉より芳し」・・・栴檀は発芽の頃から早くも香気があるように、大成する人は子供の時から並はずれてすぐれている(『広辞苑』)。どうして、この言葉に行き着いたかというと・・・


子どもの肥満(写真は、あくまでイメージです)。これが増えているそうなんですが、さもありなん。肥満は栴檀よりふくよか・・・今年のパリは暖冬のせいか、早くもTシャツ姿だったり、長袖のポロシャツ1枚だったり、薄着の若い人が増えているのですが、そうした中に、多くの「小錦」クラスがいます。覚えていますか、横綱・小錦。あの二段腹、三段腹・・・それに近い乗りのウェストを、これ見よがしにゆすって歩いている、それも若い人が結構多いんですね。頭は小さく、脚も細いのに、脅威のウェスト。パリで見かける人たちに比べれば、日本で気にしている人など、まだまだ序の口。ご安心ください・・・おっと、失礼しました。

若い人に肥満が多いのにはすぐ気付くのですが、子どもにもすでに肥満が蔓延・・・そこで、対策を!


4日のフィガロ紙の記事です。子どもの肥満解消法のひとつが、テレビの視聴時間を減らすことなんだそうです。テレビと肥満、どのような関係にあるのでしょう・・・

アメリカの大学が、4歳から7歳のすでに肥満になっている子どもで、しかも週に少なくとも14時間はテレビを見るか画面でビデオゲームをしている70人をふたつのグループに分けて、肥満に対するテレビの影響を確かめたそうです。ひとグループは全く自由にテレビでもビデオゲームでもやらせる。もうひとグループはテレビやビデオゲームへのアクセスを制限し、徐々に減らしていった。最終的には、スタート時の半分に。その結果は・・・

視聴時間を減らしたグループは、減量に成功した! 具体的な数字は紹介されていないのですが、とにかく減量したそうです。その原因は・・・テレビを見なくなった時間で運動をした! というわけではなく、間食が減ったことなんだそうです。テレビを観ながら、ついついスナック菓子などを食べてしまう。その結果、太ってしまう。

しかも、テレビを観ていれば、コマーシャルも自然と観てしまう。そこには、お菓子やチョコレート、ジャンクフードのCMも。観れば、当然食べたくなってしまう。子どもが特に見たい番組にこそ、そうした商品のコマーシャルは多いわけですから、どうしても食べてしまう・・・肥満が増える。

イギリスの調査では、一人のイギリス人が18歳になるまでには、77,000ものコマーシャルに接することになるそうです。それだけ刺激され、洗脳されてしまえば、太るのも仕方ない・・・そこで、スウェーデンやカナダのケベック地方では、子どもがメインの番組に、お菓子やジャンクフードのコマーシャルを入れることを禁止しているそうです。それに比べフランスでは、CMの下部にごく小さい文字で注意書きをテロップで入れているだけ。とても読めやしない。これでは、子どもたちは、つい甘いものやジャンクフードに手を伸ばしてしまう。子どもの肥満が増える一方・・・

でも、日本では、もっと多くのCMに接しているかもしれないですね。しかも子ども番組のコマーシャルタイムこそ、甘~い誘惑でいっぱい。日本の子どもたちの肥満は大丈夫でしょうか。体質のせいか、欧米人ほどには太らないのかもしれないですが、それでも、子どもたちの肥満、健康、心配ですよね。何しろ、明日の日本、世界を担う子どもたちですから、健康であってほしいものです。甘~い誘惑を断ってあげるのも、子どもへの思いやりかもしれないですね。

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もっと、野菜を!

2007-12-04 05:11:21 | 自然・環境・健康
昔、「もっと野菜を食べよう」という広告キャンペーンがあったような気がします。確か、キューピーマヨネーズの広告だったと記憶しています。野菜の消費が増えれば、マヨネーズの消費も増える。一見消費者の健康を気にしてくれているようですが、広告ですから、ビジネス。仕方ありませんね。



こちらは、11月23日のマタン・プリュス紙。野菜やフルーツに見向きもしないフランス人、といった内容の記事です。要は、健康のために、もっと野菜やフルーツを食べましょう、ということですね。もちろん、広告ではありません。

では、どのくらい食べないのかというと、毎日5種類の野菜やフルーツを食べましょうと政府が推奨し、一日400グラムは摂取しましょうと世界保健機関が呼びかけているにもかかわらず、実際フランス人が食べている野菜・フルーツは、一日340グラムでしかない。しかも、2005年の消費を1997年と比べると、フルーツで12%、ジャガイモを除く野菜で14%、それぞれ購入量が減っているそうです。そこで、もっと野菜やフルーツを、と農相自ら訴えているわけです。写真の人物が、バルニエ(Michel Barnier)農相です。

確かに、学食などで見ていても、サラダバーで野菜を山盛り取っているのはアジア系の人が多く、地元の人はメインとデザートだけという人も結構います。やはり、若い人の中でも、野菜やフルーツの摂取は少ないのかもしれないですね。

でも、街角の食料品店やスーパーでは、多くのフルーツ・野菜を店の外に並べ、買いやすいようにしています。



それでも、買う量は減っている。どうしてなのでしょうか。仕事とかが忙しくて、家で料理を作る機会が減っているのでしょうか、あるいは、単に野菜・フルーツが好きでなくなってきているだけ・・・・



それでも、料理を通しての健康への関心はそれなりに強いようで、ときどき健康によい食事の紹介がなされています。



そうしたとき、よく取り上げられるのが、日本食。中でも、沖縄料理。1年半くらい前にはテレビでも紹介されていたのをこのブログでもご紹介しました。写真の記事は、古いのですが10月3日のメトロ紙に出ていたものです。

100歳以上の人がとても多い沖縄。その長寿の秘訣のひとつが、食事にある。一日1,300カロリーとカロリーの摂取はフランス人より少ないが、これで十分。フランス人は栄養を取りすぎている。沖縄の人は、腹八分目。そして、よく歩く。しかも、沖縄料理の80%は野菜。野菜中心の食事を腹八分目、そして適度な運動。これが長生きの秘訣・・・もちろん、ストレスを溜めないとかほかの理由もあるのでしょうが、食事の影響は大きいようです。

食事を通しての、健康な毎日。より多くの野菜やフルーツを食べるようになるには、小さい頃からその舌に馴染ませるのが大切。そこで、フランス政府は来年度から学校で季節のフルーツを無料で配布することにしたそうです。さて、効果が表れて、野菜・フルーツの一大消費国になるでしょうか・・・でも、子供の頃にその味を覚えさせてしまうというのは、やはり効果があるのでしょうね。マクドをはじめ、ファーストフードがその典型ですよね。この先、どんな食生活になっていくのやら・・・

最後に蛇足を・・・厚生労働省の「平成16年度国民健康・栄養調査報告」によると、日本人が一日に摂取する野菜は250グラム、フルーツは120グラム、あわせて370グラム??? 何と、日本人も400グラム以下。肉などの摂取が少ないのでこれで十分なのでしょうか。でも、やはり、野菜やフルーツは大切。日本人も、もっと野菜を食べましょう!

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ゴミ削減週間。

2007-11-09 05:07:48 | 自然・環境・健康
全く知らなかったのですが、11日の日曜日まで、今週は「ゴミ削減週間」なんだそうです。特にゴミの分別とリサイクルに対する関心を高めることがテーマだそうです。



その内容を紹介している7日付のマタン・プリュス紙です。この記事によると、ゴミの分別・リサイクルは、周辺諸国と比べて特にフランスに改善の余地が多い分野なんだそうです。フランスでは家庭から出るゴミの僅か13%がリサイクルされているだけなのに対し、オーストリアでは59%、ベルギーのフランス語圏では70%近い数字だとか。

ではどうやったら改善できるのでしょうか。まずは分別回収の徹底から。



同じマタン・プリュ紙に紹介されているように、一般的にゴミは4種類に分別して出すようになっています。新聞やダンボールなどの紙類、瓶などのガラス製品、ペットボトルなどのプラスチック製品、そして生ゴミなどその他のゴミ。しかし、これらがきちんと守られていないために、ゴミ回収車が故障してしまったりすることが多いとか。また、分別回収に協力的でないのは、若い世代と都市部だそうです。一方、行政側にも問題があり、こうした分別回収がエリアによって異なっていることがリサイクルがうまく行かない理由の一つになっているそうです。確かに、私の住んでいる地域では、4種類ではなく、3種類の分別になっています。紙とプラスチックを同じゴミ箱に入れて良いことになっています。


(ゴミ箱を収納している倉庫にはこうしたパネルが貼ってあります)


(倉庫の入り口にも、3種類の分別方法が図示されています)

地域ごとに分別内容が異なっていては、回収した後で、どう仕分けし、リサイクルに回すのか、問題ですね。

次ぎに、製品を作るメーカー側にも改善の余地があるそうです。まずは、包装が多すぎる。ビニールの箱の中でさらにプラスチックのトレーに包まれているビスケットなど、確かに過剰包装かもしれないですね。それに最近ではスーパーで売られるきゅうりが1本ずつビニールに包装されているんですね。そこまでしなくても良さそうなものですが。そしてもう一つの問題は、紛らわしい表示。パッケージによる環境問題を解決する事業への分担金を支払った企業の製品にはパッケージに支払い済みのマーク(緑の矢)を印刷できるのですが、それは分担金を支払ったという表示で、そのパッケージがリサイクルできるという意味ではないのですが、緑色のマークだけにリサイクルできるパッケージだと誤解しているフランス人が半数以上いるそうです。そうした誤解を意図的に狙っている企業も多いのか、リサイクルできるパッケージかどうかを的確に表示することには反対が多いとか。



朝早くから、建物ごとに多くのゴミが出され、回収されていきます。フランスでは家庭から出るゴミは増え続け、今や年間一人当たり360kgになるそうで、ここ40年で倍増しているとか。しかし、なかなかリサイクルされないものも多いようで、例えばヨーグルトのパッケージや、ペットボトルを6本ごとにまとめておくビニールの包みなどは、リサイクルされずにいるそうです。しかしベルギーなどではこうした製品もリサイクルされ、また生ゴミや枯れた花なども別に回収され的確に処理されているとか。



ただ、上の写真にあるように、メトロ駅の改修工事現場にも、作業から出るゴミはきちんと分別して出しますというパネルがわざわざ出されているくらいですから、ゴミ分別や環境に対する一般的な関心はかなり高いのではないかと思われます。しかし、周辺の国々と比べると、まだまだだ、ということなのでしょう。リサイクルできるものは、極力リサイクルできるように。そのためには、一人ひとりが分別回収に協力をする。そして、それ以上に、余分なゴミを出さないような暮らしに変えていく。そのようなことが大切なのかもしれませんね。

ところで、日本では、ゴミの分別回収、パッケージを減らす企業の努力・・・こうしたことはしっかり進んでいるのでしょうか。

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時代は、木造家屋。

2007-11-08 04:58:41 | 自然・環境・健康
フランスは石造りの家、日本の家屋は木造建築・・・なんとなくそんなイメージがありますよね。もちろん、フランスにだってコロンバージュといわれる木骨組みの家屋もありますし、日本にもコンクリート打ちっぱなしの家などもあります。でも、やはり石の文化と木の文化。そうした伝統は生きているように思っていたのですが、今フランスでは、なんと木造の家に注目が集まっています!



7日付のマタン・プリュス紙です。10日まで行なわれている“BATIMAT”というタイトルの建築展示会を紹介する記事なのですが、特に注目されているのが木の家。写真奥に見える家がそれで、全て木で造られていて、屋根にはソーラーパネル。日本では時々見かけるような家屋ですが、フランスでは環境に優しい家として展示会の目玉になっているようです。写真手前にいる男性が設計を担当したEric Wuilmot氏で、家の延べ床面積は135㎡、価格は162,000ユーロ(約2,673万円)。どうでしょう、日本の家と比べて建築費は高いのでしょうか、安いのでしょうか・・・

「環境」は今、フランスでも関心の的。全て木で造られている、エネルギーは太陽熱・・・こうした家はいかにも環境に優しそうで、やはり注目されるのでしょうね。それにしても、木の家が注目の的になるとは、時代も変わったものです。昔は、日本の家イコール木と紙の家で、石の家に住む西洋人にとっては、貧しさのシンボル、未開のイメージだったようです。はっきりそう言った人もいたと記憶しています。それが、時代が木の家のほうへ歩み寄ってきた。



これは、チャンスです。日本は昔から自然と共生してきた。自然に優しい家を造り、そこに住んできた。環境への配慮には、西洋とは異なり、長い歴史がある。そう、言えるチャンスです。木と紙の家に住む貧しい人々、と言われていたのですから、ここは、日本の住文化は環境に優しい、と堂々と言ってしまいたいものです。もちろん実際には、気候風土の関係も大きかったのではと思うのですが、木の家を見下した物言いをした人たちには、今こそ、その良さをはっきりと言ってあげましょう。



もちろん西洋でも、木の文化のよさを認めていた人、あるいは、最近気付いた人もいるのでしょう、上の写真2点ともに世界地図がデザインに使われていますが、珍しく日本、東アジアがセンターに来ています。フランスで使われている地図では、一般的にヨーロッパ、あるいは大西洋を挟んでヨーロッパと北米が中心に来るのですが、この展示会のメインデザインになっている地図では、日本がセンターに。環境に優しい木の家は日本の伝統である事を知っている人たちが、このデザインでそのことに敬意を示しているのでしょうか・・・たんなる深読みで、そんなことはないのかもしれませんが、なんとなくそんな気もしてきてしまいます。

なお、会場の木の家の写真を撮ってお見せしたかったのですが、入場料がなんと50ユーロ。8,000円以上ですから、出展企業数は多いとは言うものの、木の家一つ撮るためにはちょっと・・・会場入り口まで行ったものの、さすがに諦めてしまいました。出展している建築業界の社員と思しき多くのサラリーマンが入場していきました。言うまでもなくチケットは事前に会社からもらっていたようで、会場でチケットを買って入っている人はほとんど見かけませんでした。何しろ、通常の展示会の入場料が12ユーロ前後のところ、今回は50ユーロですから。

見下されていた木の家が、今や環境に優しい家として脚光を浴びる・・・時代が日本の伝統・文化に近づいてきたようです。環境問題では、ぜひ、世界に範を垂れるとともに、その取組みをリードしていきたいものですね。存在感を立派に示せるチャンスが巡ってきているようです。

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パリ市庁舎前が緑の畑に!

2007-06-03 00:22:58 | 自然・環境・健康
7月1日まで、市役所前の広場が、一面の緑に。



“jardin ephemere”(つかの間の公園)・・・都市の中の公園、都市化と環境をテーマに、パリ市の緑化と環境を担当する部署が開催しているイベントです。

2,600㎡のスペースに119,000もの植物を植えています。その中には、500本の木々や潅木、

108,680の一年草、4,220の多年草、1,390の水耕栽培に適した植物など。

そして、多くの昆虫。

さすがにバッタやカマキリ、蝶などの昆虫を見えるように多く放つわけにはいかないようで、こうした作り物が代表しています。ま~、ご愛嬌です。

そして、作り物といえば・・・

野菜畑に立っているのは、日本で言えば、案山子、ですよね。風車もありますし、洋の東西を問わず、同じ問題に対し、同じような解決策を考えたようですね。それとも、どちらかが先に考え、もう一方の国がそのアイディアを拝借したのでしょうか。

ところで、いまパリ市内には、“un jardin partage”(共用公園)といって、緑化の同じ夢をもつ人々が共同で作る公園・家庭菜園が30ヶ所ほどあり、また“un jardin pedagogique”(教育公園)という都市に住む子供たちと自然とのつながりを強めるための公園が校庭などにおよそ330ヵ所。こうした都市住民と自然との共生を進めるための施策が、他にもいくつか実施されており、それらを一般にアピールすることも、今回のイベントの目的のひとつであるようです。

そして、パリ市が取り組んでいる都市緑化の典型としての公園整備。広い公園が新しく最近北部で開園したり、実際にいろいろな形となって表れています。それらが、市庁舎内でパネル展示されています。

(共用公園のある場所を示す地図。以前ご紹介したパレ・ド・トーキョーとセーヌの間の共同家庭菜園もプロットされています)

都市の緑化・・・パリ市の実績アピールにウェートが置かれすぎのような気もしないではありませんが、大切なテーマだけに、無視はできません。しかも、パリ市はそれなりにしっかりとしたコンセプトのもと、着々と実績を残しつつあるようです。


冬の間は特設スケート場になる市庁舎前広場。この初夏は、一面の緑の中で、都市と環境・緑化について考える場になっています。

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フランスでも、花粉症?

2007-04-10 01:12:16 | 自然・環境・健康


最近、メトロの駅などでよく見かける大型ポスターです。“パリで、アレルギー警報”(A Paris, Alerte Allergie !)というキャッチフレーズで、くしゃみ、涙目、皮膚のかゆみ、鼻水などの症状が出たら、医師に相談を、と言っています。パリでもこの時期、アレルギー症状が増えているのでしょうか。

ちょっと気になっていたのですが、ちょうど新聞にこの件に関する記事が出ていました。



5日付のmatin plus(マタン・プリュス紙)です。アレルギーへの関心を喚起するキャンペーン、という内容です。

くしゃみ、目の充血、かゆみ、鼻水はアレルギーの症候です、と紹介しています。写真のキャプションにもあるように、原因はほこりや花粉が多いそうです。アレルギー患者はここ15年で倍増、フランス人の25%が患っているとか。そこで、上記のような大型ポスターを3月19日から各地で掲出し、アレルギーの兆候が出たら、放置せず医師に相談を、とアドバイスを送ることにしたそうです。さらに、アレルギーへの関心を高めようと、4月21日を「アレルギーの日」に制定。フランスで初めての試みで、専門医が一般からの質問などに答えてくれるそうです。でも、フランスのアレルギーは、日本ほどひどくはないのではないでしょうか。街の中で症状のある人を殆ど見かけたことがありません。こうした啓蒙PRがなければ、気が付かないほどでした。

昔からあった症状なのか、何らかの理由で花粉やゴミのアレルギーを誘発する成分が強くなったのか、あるいは人間の基本的な抵抗力が弱くなったのか、日本だけでなく多くの国で、程度の差はあれ、アレルギー症状は増えているようです。

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エコ・イベント。

2007-03-19 01:16:31 | 自然・環境・健康
春だ、自然だ、環境だ・・・というわけで、環境に関するイベントを見てきました。

“ecobat – Salon de l’eco-construction”(エコバ~「環境にやさしい家」展)と“Salon Vivre Autrement”(「ひと味違った生き方」展)というふたつのイベントが同時開催されています。会場は、パリ東部に広がるヴァンセンヌの森にあるParc Floral de Paris(パリ花の公園)。環境に関するイベントを行うには最適な場所ですね。周囲は、すっかり春の野になっています。




さて、イベントですが、ひとつのホールを共有していますので、歩きながらふたつのイベントを見る事ができます。

エコバ(eco・エコロジーとbatiment・建物の造語)のほうは、「断熱材や太陽光利用などにより、省エネ、環境に配慮した新しい住まいづくりを」ということがテーマで、いろいろな住宅関連企業が出展しています。

中には、日系企業のブースもありました。

東芝エアコンの環境にやさしい技術の紹介です。

もうひとつの生き方展のほうは、環境をテーマにした物産展(フランス人も物産展、大好きなようです)。

バイオ・コットンだそうです。天然コットンの店もありました。差がよく分かりません。

バイオ・クレープです。天然の食品・材料しか使っていない、ということでしょうか。ほかに、パン、ワインなど、バイオと名前の付いた物産店のブースがたくさん並んでいました。お昼時だったせいか、食べながら歩いている人もいっぱい。

バイオ化粧品もあります。その場で試してみることも出来ます。

タタミです。環境とかバイオというと「日本」がすぐ出てくるようです。畳はなんとなく分かるのですが・・・

茶碗です。日本茶で健康に、ということでしょうか(因みに、なぜか名前はいずれも「恵子」さんでした)。ほかに、タイ式マッサージとか、中国式マッサージが受けられるコーナーや、自動マッサージ器が設置してあるコーナーもありました。

「環境」は今日最も重要なテーマのひとつであることは間違いなく、温暖化をはじめ急いで解決しないと将来に禍根を残すことになる問題が多くあります。関心を持たずにはおれません。しかし、その一方で、こうしたイベントには「バイオ」とか「環境」をお題目に、営利目的だけで出展しているとしか思えないブースもあります。どこかには環境との接点もあるのかもしれませんが、素人目にはどうもビジネス主導に見えて仕方がない出展者も目に付きます。ただ、そうした店での飲食が入場者誘致の手助けになっているのなら、目をつぶったほうがいいのかもしれませんが。テーマ・主張が文句の付けようのない立派なものだけに、それが商売に利用されているようで、なんとなく残念な気もします。大きなお世話なのかもしれませんが・・・。

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高まる関心、食と健康。

2007-03-12 01:31:55 | 自然・環境・健康

ちょっと古くなりましたが、2月27日のmetro(メトロ紙)です。見出しは、「健康に悪い食品との戦い」。今、フランスには590万人もの肥満がおり、子供6人に1人が太りすぎ・・・そこで、政府は食品の広告に健康に対するメッセージを加えるよう指導を始めたそうです。アルコール類の広告に「健康のため飲み過ぎないように」というメッセージがあるように、これからは食品の広告に「健康のためきちんとした食事をしましょう」とか、「適度な運動をしましょう」とかのメッセージが入るそうです。

その第1弾になったと思われるのが、UPPIAという名の缶詰保存食品の業界団体が2月27日から始めたキャンペーンです。

(100%野菜、保存剤は使っていません。)

(オメガ3やカルシウム、ビタミンが缶の中に。)
上記2点に共通するのは、一番下につけ加えられたメッセージ。「健康のために、毎日最低5品目の野菜・果物を食べましょう」・・・これが政府の指導に基づき加えられた健康メッセージのようです。


(地球を疲弊させないために、すべてリサイクル。)
これは容器のリサイクルを言っているので、健康メッセージは入れなくてよいようです。

UPPIAという団体のホームページ(laconserve.com)によると、栄養、味、環境に対する業界としての取組みを順次訴えていくことになっているそうです。

なお政府指導による具体的な健康メッセージは、Programme Nationale Nutrition Sante(食と健康に関する政府プログラム)のホームページ(www.mangerbouger.fr)に出ています。上記の野菜・果物以外に、乳製品は毎日3品目、脂肪・塩分・糖分は控えめに、でんぷん類は毎食少しずつ摂るように、肉・魚・卵は1日に1~2品目、水分はしっかりと(ただし糖分入りは控える)、適度な運動(少なくとも速足で30分歩く程度)を毎日欠かさず・・・どうですか、実行できていますか。


3月1日付のメトロ紙ですが、これも、食関連の話題です。疑わしいサンドイッチ屋の衛生状態。パリのあちこちにサンドイッチを売る店があります。歩きながら食べている人もよく見かけます。しかし、そのサンドイッチ、決して衛生的ではないという話題です。サンドイッチ専門の店の34.5%、パン屋の46.5%、ケバブなどを売っている中東レストランでは61.5%が衛生状況に問題あり、という調査結果が出たそうです。材料の保存状況、サンドイッチをつくる際の状況、売る際の状況などに問題があるそうです。確かに料金を受け取り、おつりを渡したその手で次のサンドイッチをつかんだりしていますからね。

食と健康と衛生・・・関心の的になっているようです。

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春、春、春のパリ。

2007-02-25 02:39:24 | 自然・環境・健康
タイトルにいうほどにはまだ春爛漫ではないのですが、それでもウキウキした気分にさせてくれる風景がたくさん目に付くようになってきました。

24日は晴れたり、にわか雨が降ったり、変わりやすい天気でしたが、それでも暖かく、最低気温は9度、最高気温は13度前後だったのではないでしょうか。暖房のよく効いた部屋ではちょっと動くと汗ばんでしまうほど。晴れ間がのぞくと、春の陽射しがいっぱいになり、リュクサンブール公園では・・・

この通り、いっせいに太陽のほうを向いて、コート姿ですが、日光浴。池の水に手を入れる人もふえ、おもちゃの貸しヨット屋さんがさっそく店開き。

子供たちを乗せる乗馬屋さん(馬はポニー種でしょうか)も大忙しになってきました。


暖冬が続いていますから、春の花も早めに店頭へ。

花屋さんの店先は、ご覧の通り、もうすっかり一面の春です。

そして先週ご紹介した西洋さくら。

これは、16区にあるメトロのLa Muette(ラ・ミュエット駅)そばの公園で咲いているさくらです。もうすっかり7~8分咲きですね。

色の濃い下の写真のさくらは、まだ3分咲き程度でしょうか。


一方、昨年もご紹介したリュクサンブール公園のさくらは、やっと開花したところ。

西洋さくらでも、種類が少し違うのか、単に立地の差なのか、開花の時期が結構ずれるようです。それでも、去年に比べれば1ヶ月は早いような気がします。日も長くなってきました。24日の日出は午前7時43分、日没は午後6時25分とか。木々の芽吹きももうすぐ。弱い寒の戻りはあるかもしれませんが、春本番をいつになく早く迎えそうな、今年のパリです。

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