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パリに、また、新しい博物館。

2007-10-03 00:44:33 | 美術・音楽
トロカデロにあるシャイヨー宮、そのエッフェル塔に向かって左側の翼に新しくまた博物館がオープンしました。“La Cite de l'Architecture et du Patrimoine”、いわば「建築遺産博物館」。フランスにある12世紀から現在までの主要な建築物を紹介する博物館です。



9月17日にはサルコジ大統領が出席しての除幕式。そして、一般にはその週末からのオープンでした。さ~、どのような展示をしているのか・・・いつも斬新なアイディアを見せてくれるフランスの美術館ですから、楽しみ。先週末、行ってみました。

個人的第一印象から先に言ってしまうと・・・ちょっと、がっかり。いや、かなりがっかりかも知れません。何しろ、実物がない! ・・・でも、冷静に考えてみれば、当然なんですが。何しろ、大きな建築物が多い。しかも、現在も使われていたり、観光名所になっている。それを取り壊して、パリの美術館に持って来てしまうわけにはいかない。そうなんですね、だから、複製、模型、映像などでの展示になっています。がっかりするよりは、建築物の美術館というテーマにチャレンジしたことを誉めるべきなのでしょうね。その意味では、一度は覗いてみる価値のある美術館にはなっていると思います。

ちょっと言い訳めいた前文が長くなってしまいましたが、では具体的な展示模様をご紹介しましょう。

この博物館、3つのコーナーからできています。

・La galerie des moulages:鋳型ギャラリー

フランス全国に現存する12世紀から18世紀に建てられた教会を中心とする建物の複製をメインに展示しています。実物そっくりに作っています。日本でいう国宝級の建造物。移築するわけにはいきませんので、実物と寸分違わない、つまり鋳型に入れてかたどったような複製を制作して展示しているわけです。

入り口、柱、ガーゴイル(ガルグーイユ)など、最も価値があると言われている部分の複製が並んでいます。一部模型もあり、建築様式を知る一助にもなっています。


・La galerie d'architecture moderne et comtemporaine:近現代建築ギャラリー

1851年以降に作られた建築物を紹介しています。巨大な建物が多いので、模型、設計図、映像などによって紹介しています。新しい工法、斬新な設計思想・・・変化を遂げる社会に建築がどう対応し、あるいは先導してきたのが理解しやすい展示になっています。


・La galarie des peintures murales et des vitraux:壁画ステンドグラス・ギャラリー

12世紀から16世紀にかけて教会などの壁に描かれた壁画の複製を中心に展示しています。複製とはいえ、そっくりにできていますので、一つ一つ区切られたその空間に身をおくと、非常に神秘的な気持ちになってきます。


フランスの遺産といってもいい建造物の展示・・・実物をもって来れないだけに、複製、模型、映像などを駆使しての展示ですが、フランス全国にある貴重な建築物を見ることができますので、フランス各地を回るには時間的にちょっと無理という人には便利かもしれません。あるいは、現地へ行く前の予習、あるいは見た後の復習にはうってつけの博物館かもしれません。

そして、立地はシャイヨー宮。1階ホール奥にあるカフェのテラスからは・・・

ご覧の通り、シャイヨー宮の大きな彫像とエッフェル塔、そして遠くにモンパルナスタワー。これらだけは、本物です!

La Cite de l'Architecture et du Patrimoine
火曜休館
入場=7ユーロ

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