50歳のフランス滞在記

早期退職してパリへ。さまざまなフランス、そこに写る日本・・・日々新たな出会い。

フランスは、お高い。

2007-11-30 05:18:04 | マスコミ報道
フランス人はお高くとまってるからな~、というお高いではなくて、今日のテーマは、文字どおり、高い。物価が高い、やってられない! という話題です。



29日のフィガロ紙ですが、フランス、物価の高い国、という見出しです。では、実際、どう高いのでしょうか・・・

調査した国は25カ国。ヨーロッパ22カ国の首都とアメリカの主要6都市、それに北京、上海、東京で、計29都市・・・???合計すると31都市ですよね、でも記事には確かにこう書いてあります。崇高な観念とは関係ない少々の事は気にしないお国柄、しかも単純な計算間違いは店頭などでもよくあることですから、気にしないことにしましょう。とにかく、欧米と中国、日本の29都市ほどで実施した消費者物価の調査によると、パリは安いほうから21番目(高いほうから9番目と言いってくれたほうが分かりやすいのですが、せっかくフランスは物価の高い国と見出しでも言っているのですから・・・これもお国柄でしょうか)。では、どんな商品が調査の対象になったのでしょうか。



記事は26商品を対象にした調査といっていますが、紙面に写真つきで紹介されているのは24商品。あと2商品あるのか、はたまた24商品が正しいのか・・・細かいことは言わないようにしましょう。何せ、ここは、フランス。さて、記事によると、ソフトドリンク片手にDVDを楽しむのに最も安上がりなのは、上海。DVD(『カジノ・ロヤイヤル』)と缶入りコーラの料金の比較なのですが、それぞれ最も安いのは、24商品の一覧表を見ると、上海ではなく北京! パリから見れば、極東の都市が北京でも上海でも同じなのでしょうね・・・愚痴はともかく、要は、中国が最も安い。DVD=6.13ユーロ、コーラ=0.20ユーロ。それに対して、パリはそれぞれ25.32ユーロ(29都市中最も高い)に1.04ユーロ(最も高いのはノルウェーで1.69ユーロ、コーラ33cl缶が280円です!)。では、同じような生活水準のドイツはどうかというと、それぞれ、19.32ユーロと0.46ユーロ。やはり、パリのほうが高い。パリは、物価高。

全商品を通して見た場合、最も高いのはノルウェーだそうですが、これはVAT(付加価値税)が高いからだそうです。そして、対象商品の中で特にパリが高いのは、DVD、コーラ以外に、ビッグマック、ガソリン、生理用品だそうです。ということは、パリのマクドは高い・・・因みにビッグマックセットは高いところで6.05ユーロ(約1,000円)。店によって価格が異なるのですが、いずれにせよ、高いはずです。


(経済面の一面。最上部で中面にあるこの記事を紹介していますが、写真はビッグマックですね)

こうした物価高について、アナリストは次のように言っています。物価が高いのは、それだけでは特に問題にはならない。給与水準との比較だ。もし物価がある国より2倍高いとしても、給与水準が3倍あれば、購買力はより高いということになる。肝心なのは、購買力だ。

なるほど、そういうことですね。でも、外国からの留学生などにとっては、物価高は、痛い。でも、痛いのはフランス人も同じなのでしょう、サルコジ大統領に、多くのフランス人が最も望んでいることのひとつが、購買力の向上。“le pouvoir d'achat”という購買力を意味する文字が新聞紙上に踊らない日はありません。購買力のアップ・・・方法は、給与を上げるか、物価を下げるか。給与を上げるのでしょうね。サラリーを上げろという言い方はちょっとストレートすぎてはしたないので、いかにも経済学的高尚な要求のように聞こえるよう購買力の向上と言っているような気もしますが・・・

また、世界共通の商品の価格が国によって異なっているそうです(当然ですね)。例えば、ノキアの携帯N95、パリでは669ユーロしますが、ポルトガルでは579ユーロ、ニューヨークでは508ユーロ。こんなにも違うそうです。一般的に、フランスは流通間の競争が少ないので、消費者価格が高いままになってしまうそうです。このことが、フランスの購買力を5%引き下げているとこの記事は言っています。

ところで、ここまで、我らが日本が話題にのぼってきませんね。以前なら、物価高世界一、とか言われていたのですが、どうしたのでしょう。確かに、調査対象商品が異なるので、それほど高くないのかもしれないですね。でも、一覧表をよく見てみると・・・Ipod、一番安いのは日本。マイクロソフトのXBox、最も安いのは日本。任天堂のWii、最も廉価なのは日本。ノキアの携帯、最安値は日本。ソニーのプレイステーション、日本。ソニーのデジタルビデオ、これも日本。アルコールのウォッカ、これまた日本。ウォッカを飲みながらIT機器に囲まれて暮らすのに最も安上がりな主要国は、どうやら日本になってしまっているようです。逆に日本が最も高い商品はひとつもありません。ユーロに換算していますので、ユーロに対する円安が大きく影響しているとは思いますが、日本は物価安! それに対する、フランスの物価高!! 華の都パリは、物価高です! 特に日本と比べて・・・週末前に、元気の出ない話題で、恐縮です。

↓「励みの一票」をお願いします!
 すぐ下の文字をクリックすると、ランキングにアクセスし、投票になります。

人気blogランキングへ


最新の画像もっと見る

8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
物価 (rio)
2007-11-30 08:54:55
興味深い内容ですね。やっぱり中国が物価安ナンバーワンですか。コーラの価格差ってどうなのかな?って
いつも思うのです。あれって、輸送費コストが大きい
商品なので、工場に近ければ安いっていう感じですよね。原液は液体だろうから、アメリカから遠かったり
関税が高い国はどうしても高くなるので、単純な物価比較の材料には使えなさそうですね。
日本でも原油高の影響などで食品関連も値上げが続いています。同じ価格でも内容量を減らしたり、いろいろ企業努力もされているようですが、私はそれを契機に今までの生活自体を見直そうって思うようになりました。おやつを辞めたり、余計なものは買わないように財布の紐を締めたり。日本は企業間競争が激しいせいか質が良くて安いものがまだまだ多いですが、これもいつまで続くとは限らないですよね、少子高齢化だし。
返信する
Unknown (sitto)
2007-11-30 11:12:07
昨年の今頃、卒業旅行としてパリに一ヶ月ほど滞在しました。ブログを拝見して、懐かしい気持ちでいっぱいです!


現地について、驚いたのは日が落ちるのが早いことでした。日本よりも少しはやめですね。

ちょうどクリスマス直前まで滞在していたので、きれいなイルミネーションを見ることができてよかったです!

これからもブログ楽しみにしています!
お体にお気をつけて。
返信する
消費者物価 (take)
2007-11-30 18:59:44
rioさん

24商品、それぞれ最も安い国は、中国=9、日本=7、アメリカ=3、その他ヨーロッパ諸国各1ですね。メーカー、流通の競合状況もあるでしょうが、横並びに比較する上で難しいのは、為替かもしれないですね。ユーロ換算してしまうと、生活実感とは異なる場合もあるかもしれません。それに、肝心なのは、消費者が高いと思うかどうか。そこで、購買力となるのでしょうね。日本の給与水準、ユーロ換算すると、かなり低くなっているのでしょうか。もし高いままなら、暮らしは楽なはずですが・・・そうではないですものね。
返信する
日没 (take)
2007-11-30 19:02:58
sittoさん

卒業旅行で1ヶ月パリ滞在! 昔とは大違いです。羨ましい。

日没は、確かに早いですね。午後4時半頃。日の出は午前9時頃。長い夜です。オペラとかコンサートとか、あるいはFetesとか、楽しまれましたか。ぜひ、またパリへいらしてください。
返信する
興味深い (のん)
2007-11-30 22:57:29
この比較おもしろいですね。
世界に共通にあるものとして、ビッグマックの比較は前にもよく見かけましたが、こんなに多種多様の製品を比較しているのは初めて見ました。
昨年パリに行った時、スタバのラテも日本より200円近く高かったのを覚えています。

新しいblogを立ち上げました。
返信する
ユーロ高 (take)
2007-12-01 02:11:56
のんさん

ユーロ高もあり、多くのものが高く感じられてしまいますね。フランスのメディアからは日銀は超放任主義といわれていますし、ず~っとこのままなのでしょうか。困ったものです。

新しいブログ、ときどき覗かせてもらいます。
返信する
ユーロ高 (rio)
2007-12-01 15:37:36
ユーロは本当に高くなりましたものね。
日本は金利が低いままで貯金しているのは馬鹿馬鹿しいです。郵便定期で7%とか有った時代が恋しい。
円高とか言っても、単にドルが下がっているから
上がっているように見えるだけだと思うし。
物価指数などいろんな数字が有りますが、結局は
心理ですよね。年を取るごとに価値観も変わり、
どの世代の人口が多いかなども影響しますよね。
経済的には消費が増えるのが良いのかもしれませんが、手頃で長く使える商品や、皆でシェアできるものが増えていく傾向に有ると思うので、昔とは比較できない気もします。
返信する
フランスの物価 (クラ)
2018-05-16 21:47:52
 以前 フランス旅行をしましたが、ランチで5千円超すことも!物価の高さに驚きました。しかし、スーパーを活用するなど工夫次第で安く旅行できそうです。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。