50歳のフランス滞在記

早期退職してパリへ。さまざまなフランス、そこに写る日本・・・日々新たな出会い。

フランス人と英語。

2006-02-28 05:39:56 | パリ
最近、フランス人も英語をよくしゃべるようになったんじゃない!? 近頃よく耳にします。本当でしょうか?

少し旧聞に属しますが、ことし1月19・20日に調査会社IFOPが行った調査によりますと、
-英語を流暢に話せる :12%
-十分に理解し話せる : 6%
-大体理解できるが
 上手く話せない     :48%
-英語は話せない    :34%
という現状になっています。

意外に話せると解釈するか、やっぱり英語はだめなんだと捉えるか。乱暴にくくってしまうと、英語を話せるのは18%、話せないのが82%。

日本の数字が手元にないので、残念ながら日本との比較はできません。ただ、他のヨーロッパの国々、特に北欧の国々よりは圧倒的にできないのは事実ですね。

でも、英語が必要と思う人は増えているのでしょう。よく英会話学校の広告をメトロの駅やメトロの車内で見かけます。

写真はその一例。今週、メトロの駅に一気に掲載され始めました。3月は無料体験学習! でも、97%の成功って、何が成功なのでしょう? 高い確率で何か資格が取れるのでしょうか。よくわかりませんね。フランス人にはわかるのかもしれませんが・・・。

フォアグラが消えた?

2006-02-27 01:35:14 | 自然・環境・健康
ついに、フランス国内の家禽類で鳥インフルエンザが確認されました。

日本は早速、フランスからの家禽類およびその加工品の輸入を一時停止。その加工品の代表が、フォアグラですね。

輸入禁止ということは、個人での持ち込みもダメ? パリ三越に行ってみました。ここでお土産を買う日本人観光客が多いので、その対応やいかに・・・。25日、店頭からフォアグラが消えていました。やはり、個人での持ち込みもだめという事で、きっと、撤去したのでしょう。でも、フランスの他のデパートやスーパーでは、通常通り売られています。

フランス政府は、輸入各国に冷静な対応を呼びかけています。すごいタイミングで、25日から第43回農業見本市がパリで開催されており、各国からオープニングに出席した政府高官(日本からは中川農水大臣)やメディアを前に、シラク大統領自ら鶏肉を食べて安全をアピールしたようです。

フランス・メディアの対応は、確かに冷静です。昨秋は、それはそれは大騒ぎでしたが、今回はその時ほどの騒ぎにはなっていません。もちろんメインのニュースの一つではありますが、それ一色にはなっていません。オリンピックなど他に話題があるからでしょうか、それとも、政府の方針に協力しているのでしょうか。

いずれにせよ、メディアが騒がないので、市民の間でも昨年の秋ほど浮き足立った様子は見られません。でも、こんな時ほど、ホントは怖かったりするんですよね。

春は花屋の店先から。

2006-02-26 01:10:33 | 自然・環境・健康
パリは、もう2週間、曇り空が続いています。晴れないので気温はあまり下がらず、最低気温2度程度、最高気温5~8度といったところです。

曇り空のもと、明るく春を先取りしているのが、花屋さん。チューリップを中心に春の花々が出揃っています。

チューリップは10本ほどで7~8ユーロ。1本100~110円ほどですか。日本と比べて、どうなんでしょう、安いのでしょうか。

それにしても、花屋の数、そして品揃えは、日本よりはるかに多いですね。花を贈る習慣があるからなのですが、それも、長い冬、花で気持ちだけは明るくしていたいからなのでしょう。

写真は凱旋門の北、テルヌ広場にある花市場(と言われていますが、大きな花屋といったほうが正解かと思います)。

花を見て気分は春なのですが、天気予報では、28日から最高気温2~3度で雪が舞いそうだとのこと。まだまだ冬のパリです。

エレガント!

2006-02-25 05:36:31 | パリ
荒川選手、金メダル! やりましたね、待ちに待ったメダルが、金。素晴らしい!

ユーロスポーツの英語のアナウンサーは、演技・音楽ともにパーフェクトだったと言っていますし、フランスのテレビ局は、とってもエレガントだったと絶賛しています。見ていても、流れるような、優雅でエレガントな滑りでした。

一方、村主選手は4位、惜しかったですね。村主選手は、構成を変えたのでしょうか。以前日本での滑りを見た際には、もっと感情表現豊かで、それこそエレガントだったのですが、今回は優雅さが影を潜めていました。優雅さだけでは欧米の選手に勝てないと、スピードを加味したのでしょうか。スピンとか、スピードはありましたが、どうも優雅さを訴える部分とスピードを見せるところが不連続で、ぶつぶつ途切れる感じがしました。

どうしてこんなところが気になったかというと、自分も同じ悩みを抱えているからです。

もちろんスケートではなく、フランス語の発音。春学期の発音のクラスは、リズムとイントネーションのクラス。Enchainement(アンシェーヌマン)とかで前後の音をつなげて発音していくのですが、それが非常に難しい。日本語は一語一語きって発音するので、日本人にはいくつかの単語を続けて発音するのが難しいそうです。

確かに、日本の文化自体が、間の文化であり、仕切りあるいは仕切り直しが好きな文化ですよね。その影響か、言葉にも間があるんですね。結果、単語単語の間が開く。それがこちらの人にとってはぶつぶつ切れるように聞こえ、エレガントの対極にある発音になっているそうです。

流れるように、エレガントに! 言うは易しで、とっても難しい! それをやり遂げた荒川選手には、改めて拍手! すごい!!

(写真はLe Parisienの記事。1ページの6分の1くらいのスペースで、“荒川静香、日本の太陽”という見出しとともに、彼女が日本に今大会最初のメダルをもたらしたことが紹介されています。)

車体広告、出現す!

2006-02-24 05:26:10 | パリ
23日朝、たまたま乗ったメトロを見てびっくり。なんと、車体広告(ラッピング広告)ではありませんか。

メトロの一連結・全車両の両サイドを広告で覆っています。フランスに滞在し始めて5ヶ月、メトロの車体広告ははじめて目にしました。写真が悪くて見にくいかも知れませんが、家具の“イケア”の広告です。

キャビネットやラックなどの写真が使われています。イケアはパリ市内や郊外にいくつも店を持っていて、フランスでは上手くやっています。

それにしても、パリのメトロに車体広告・・・世界のビジネス潮流に漸く乗ってきたといえばそうなんでしょうが、“メトロ”のイメージがなくなってしまうようで、寂しいものがありますね。

地元のパリっ子たちはどう思うのでしょうか。何か反応が出たら、またご報告することにします。

ヴァカンス、始まる!

2006-02-23 06:56:28 | パリ
といっても、実際のヴァカンスは、まだ4ヶ月ほど先。早くも始まったのは、ヴァカンス客を見込んだ広告キャンペーンです。



先陣を切ったのは、エールタヒチ・エールフランス・タヒチ観光協会による、タヒチへいらっしゃいキャンペーンです。メトロの駅に大きなポスター(駅張り)がたくさん出ています。



しかも、駅ごとに写真を変えているのではないかと思えるほど、バリエーションをつけています。タヒチの魅力満載といった感じです。

それにしてもまだ2月。ヴァカンスには早すぎる気もしますが、もう頭の中ではその準備が始まっているのでしょうね。ヴァカンスのために働いている、あるいは、ヴァカンスのために生きている、そんなラテン気質がフランス人にも息づいているような気がします。

キリスト教世界

2006-02-22 00:17:29 | パリ
ソルボンヌ、今学期の語学授業(上級)の文学のテーマは“l'autobiographie”(自叙伝)。21日、はじめてそれ関連の授業がありました。

取り上げられたのは、Michel Leiris(ミシェル・レリス)の自伝“L'age d'homme”(成年)の冒頭部分。1901年から1990年までほぼ20世紀を生きた詩人・作家ですが、私ははじめて知りました。

書き出しは、Je viens d'avoir trente-quatre ans, la moitie de la vie.(私は34歳、つまり人生の半ばに達したばかりだ。)という文章なのですが、教師の質問は、「なぜ34歳なのでしょうか?」。

この気の早い自叙伝を書いた時がたまたま34歳だったんでしょ。私はそう思いました。実際その年齢で書いています。

でも、南米から来た生徒いわく、「キリストが死んだ歳になったということで、自分はその倍くらいまで生きるという一種の決意の表れだ。」

そうなんだそうです。たまたま34才の時に自伝を書いたのではなく、イエスと同じだけの時間を生きたところで、人生の一区切りとしてそれまでを振り返ったのだそうです。

キリストの生涯! キリスト教の教え、聖書の文言が理解できていないと、西洋の文学は理解が難しい、とどこかで読んだ記憶がかすかにあるのですが、それを身をもって経験しました。

やはり、西欧文化を理解するためにはどうしてもキリストの世界を学ぶことが必要なようです。

中国パワーだ!

2006-02-21 00:53:29 | パリ
一瞬、ここは、どこ? と思ってしまう看板がメトロの駅に貼り出されています。

ウェスタン・ユニオンの中国語の看板。ウェスタン・ユニオンは1851年からの長い歴史を誇る電報サービスの通信会社だったのですが、時代の波には勝てず、今日では、海外送金などの金融サービスがメインの会社になっています。

それがどうして、中国語の看板を、パリで? コピーいわく、“ウェスタン・ユニオンで送金すれば、数分で相手に届きます。地球上どこへでも迅速・確実な送金ならウェスタン・ユニオン”。

こうしたメッセージを中国語で出すということは、それだけパリから海外送金する中国人が多いと言うことでしょう。パリの中華街は、名前は中華街でも、実態はベトナム人街、カンボジア人街といわれていますが、やはり、最近は中国人が増えてきているのだと思います。

しかも、香港や台湾ではなく、本土からの人が多いのでしょうね。看板の文字は、本土で使われている簡体字になっていますから。

やはり、チャイナ・パワー、恐るべし!

リーグアン、サッカー観戦。

2006-02-20 03:22:41 | スポーツ
2月18日、パリ・サンジェルマンと松井のいるル・マンの試合を見てきました。



試合会場は、パリ・サンジェルマンのホーム、Parc des Princes(パルク・デ・プランス)。パリ南西、ブローニュの森のすぐ脇にあります。屋根つきの立派なサッカー・スタジアムです。



試合開始直前には、例によって発煙筒がたかれ、“本場のサッカー”気分を盛り上げてくれます。

この日、松井はトップ下で先発。左右にポジションを替えながら、精力的に動いていました。全体的にシンプルなボールさばきが多い中、松井がドリブルなどボールを長く持つことで、チームによいアクセントをつけていました。若干持ちすぎて相手にボールを取られてしまう場面も目に付きましたが、「小さな天才」と言われるにふさわしいプレー振りでした。因みに、松井選手は、カナリュプラス(テレビ局)・レキップ紙・プロサッカー選手協会が共催で選ぶ1月の月間最優秀選手の選ばれています。



試合はいきなり5分に動きます。右サイドをドリブルで駆け上がる松井。相手バックスはファールで止めるしかない。それで得たFK。そのボールに相手選手がゴール前でハンド。PKです。ル・マン、なんなく1点先取。写真は、そのゴール後、喜ぶル・マンの選手たち(水色のユニフォーム)。右から4人目、頭を抱えられている小柄な選手が松井です。



その後は、サンジェルマンが優勢に進め、ボールキープ率も53%とル・マンを上回るものの、GKを中心としたル・マンの守りを崩せず、ゴールが奪えません。

松井は51分に右サイドでパスを受けると、実にうまいトラッピングで相手選手を抜き去り、絶妙のラストパス。味方FWのシュートは枠を大きく超えてしまいましたが、松井のプレーは光っていました。53分にイエローカードを貰い、疲れが目立ってきたこともあり、68分に交代。ミスも多かったものの、さすが月間最優秀選手といったプレーを随所に見せてくれました。

結局、スコアは最後まで動かず、0対1でル・マンの勝利。これでル・マンは5位へ浮上し、来期のUEFA出場が現実的になってきました。来期は、ル・マンを追いかけてヨーロッパ観戦の旅へ!

一方敗れたパリ・サンジェルマンは6位へ後退。1月以降だけでは10位ですから、また監督交代論が出てくるかもしれません(12月に替わったばかりなのに)。



この試合のチケットはバックスタンド中央の中段で55ユーロ。夜8時のキックオフのせいか、観客の入りは7~8割、超満員というわけではありませんでした。でも、家族連れや女性の観客も多く、至って平和な雰囲気でした。スタジアム周辺や近くのメトロの駅には多くの警官の姿がありましたが、特に騒ぎも起きませんでした。

また、スタジアム周辺で目に付いたのが、ダフ屋。チケット、交換するよ。余ったチケット買うよ。日本とそっくりでした。しかも、焼肉をはさむサンドイッチの屋台も出ていて、国、スポーツの種類を問わず、雰囲気は似てるな~、同じだな~と実感したのでした。

パリの刺青

2006-02-19 00:00:55 | パリ
最近、メトロの駅で目立つ看板があります。



はじめて見た時は、一瞬、刺青にハチマキ、ふんどしかと思いました。よく見ると、野球帽にジーンズなんですね。手にしているのは太鼓の撥ではなく、マイク。

カーティス・ディクソンのコンサートを知らせる看板です。ニックネームを50セントというカーティス・ディクソンは、ストリート・ミュージシャンから成功したラッパー。ヒップホップのスターで、2003年、彼を一躍有名にしたのが、コンサートタイトルにもなっている“Get Rich or Die Tryin'”で、フランス語訳は、「成功か、死か」になっています(以上、50歳のおじさんが知っているわけはなく、調べたものです、悪しからず)。

この看板に触発されて、パリの刺青の店を捜してみました。



意外にも簡単に見つかりました。サンミッシェルやノートルダムの近く、えびワンタンで有名なミラマーのすぐそばにありました。TATOO入れます、の看板。そして夜叉の面などいろいろな図柄が飾ってあります。入り口の上にはどくろのマーク。何となく闇の世界を連想させてしまいますね。

腕や肩などちょっとした刺青をしている人は多く見かけます。でも、本格的な刺青となると、パリと言えども、やはり何となく裏世界的な雰囲気があるようです。