goo

陽気なアメリカ人は、どこへ行った?

2006-03-31 05:15:25 | 学校
語学のクラス(月~金、12:00~14:00)、私も含め若干の出入りがあり、今は24人の筈です(出席をきちんと取らないので、たぶんこんな程度だと思います)。国籍による内訳は、日本4人、韓国1人、アラブ首長国連邦1人、ハンガリー2人、ギリシャ1人、インド1人、コロンビア1人、イギリス1人、カナダ3人、アメリカ9人(たぶんあっていると思います)。


(授業開始2~3分前の状況)

静かなクラスです。冬学期は、みんな和気藹々とやっていました。授業の前後もよく話していましたし、仲が良かったですね。今でもすれ違えば、や~、元気、どうしてる、などと気軽に声をかけています。

それが、どうも今学期のクラスは静かなんですね。どうしてなのだろうと観察していたのですが、どうも、多数派のアメリカ人の態度が影響しているようです。


(授業が始まったところです)

殆どみんな現役の大学生で、仏語を第一外国語として長年やっていますから、確かによくできます。ソルボンヌのフランス語・文明講座で最も多いのはアメリカ人なんだそうですが、上級になるほど多い。しかも、春学期ほど多い(1学期だけ授業を受けて、その後夏休みをヨーロッパで過ごす人が多いそうです)。でも大学から一緒に来ているからか、授業の前後も自分たちだけで固まっています。ほかの国からの人(特にアジア人)とはあまり話しません。

なんか、フランスにフランス語の勉強に来たので、外国人と話しに来たのではないとでも思っているのではないかと、勘ぐってしまいたくなるほどです。

こうしたアメリカ人学生の特徴は、私たちのクラスだけでなく、ほかのクラスでも似たり寄ったり、あるいはもっとアメリカ人だけで固まっているそうです。あの、陽気でオープンなアメリカ人はどこに行ってしまったのでしょうか。

確かに、雰囲気も繊細っぽい人が多いですね。アメリカでフランス語をやっているのは、ヨーロッパの文化、フランスのエスプリにあこがれる、感受性豊かな人、シャイな人が多いのでしょうか。マッチョっぽい人はいません。あるいは東部エスタブリッシュメントの出身ばかりなのでしょうか。そういえば、白人ばかりですね。中南米系(ラテン系)すらいません。

冬学期のイギリス人のほうが、気さくで付き合いやすかったですね。今まで持っていたイメージが全く変わってしまいました。そういえば、先学期は、アメリカ人は1人しかいませんでした。

でも、これも発見。新しいことに気づくのは、楽しいものです。
goo | コメント ( 0 ) | トラックバック ( 0 )

ついに、滞在許可。

2006-03-30 05:04:35 | パリ
半年がかりで、ついに滞在許可証をゲットしました。

滞在許可証にはパスポートナンバーやらいろいろ個人情報満載なので、頭だけ見せて、他の部分は、「滞在許可証を入手された皆さん、更新を容易に行うには、この滞在許可の期限が切れる少なくとも3ヶ月前に手続きを始めてください」といった内容の注意書きで隠させてもらいました。

しかし長い道のりでした。

まず日本で、フランスの住まいの契約書などいろいろな書類を添えてビジタービザを申請。大使館で1週間で出る学生ビザと違って、本国マターなので2ヶ月かかって、ようやく入手。

このビジタービザでフランス入国。これを滞在許可に書き換えるわけですが、まず申請のためのアポ(rendez-vous)を取るために、なんと遅くとも朝5時半には県庁に着く必要があります。そうでないとその日の定員オーバーで受け付けてもらえません。朝5時半は、11月ともなるとかなり冷えてきます。真っ暗な屋外で、待つこと3時間半~4時間。私はこの状況を知らずにゆっくり行ったりしたため、なんと3回も並んで(7時半、6時半、そして5時)、やっと入手しました。おマヌケ、ですね。

次に申請ですが、アポがあるにもかかわらず、やはり朝6時頃までに県庁に着かないと、申請の順番が夕方になってしまい、それまで待つことになってしまいます。申請に必要な書類も、突然窓口で追加書類を要求されることも多いので(例によって、窓口の担当者によって異なります)、持てる書類はすべて持っていかざるを得ません。受理されると、仮の滞在許可証が出、正式な許可証を取りに来る日が指定されます。一般的には3ヵ月後です。

次に、健康診断。この費用が220ユーロ。特別な収入印紙があり、それを購入し、滞在許可証入手の際に提出。

入手は、これは、簡単。言われた時間に県庁へ出向き、約1時間列に並んでいれば、簡単にもらえます。1時間なんて、4時間に比べれば、たいしたことはありません。しかも屋内ですから、寒くもない。

でも、苦労した甲斐あって、年末までの滞在許可が出ました。学生ビザだと半年毎の更新なのですが、ビジタービザだと1年。ビジタービザでは、アルバイトも含め一切働いてはいけない、フランスの銀行に月1,000ユーロ程度の生活費が預金されていること、といった制限がありますが、何年かいる予定なら1年毎の申請ですので、却って便利かもしれません。

ということで、少なくとも今年いっぱいはフランスにいられますし、更新していけば(更新はフランスでできるようです)、まだまだいれますので、このブログもこのまま続けられそうです。よかった、よかった。

(日本に住んでいる外国人もこのような面倒な手続きをしているのでしょうか。もっと面倒だったりして・・・。)
goo | コメント ( 10 ) | トラックバック ( 0 )

ストだ、デモだ、どこだ!

2006-03-29 05:22:17 | パリ
大規模ストで、フランス全土がマヒ! こんな記事が日本のマスコミにもたくさん載っているのではないでしょうか。


28日(火)の朝のニュースでは、メトロとRERの2本に1本、TGVの3本に2本などが運休(つまり、間引き運転)するのをはじめ、バス、航空、郵便、銀行、通信(フランステレコム)、一部マスコミなどで休業やデモ参加による業務への支障が出そうで、また一部公立学校などでも休校になるところがある、ということでした。

パリでの今日のデモは、イタリー広場を出発し、夜8時頃にレピュブリック広場へ、というコースでした。


夜8時からのニュースでライブで放送しましたが、レピュブリック広場では、放水車まで出たようです。


しかも、デモ参加者(あるいは便乗した“破壊者”)と警察との衝突も結構あったようです。

こんな映像を見ていると、本当にフランス中が騒乱状態で、全くマヒしてしまったように思えますが、私の周りではいたって普通の日常が繰り広げられました。


今日のソルボンヌ前のサンジャック通りです。通行止めは続いていますが、警官の数も多くなく、装甲車なども見られません。デモの通過地点でないと、こんなものです。全く普通の状態といってもいいくらいです。

というわけで、私たちのフランス語・文明講座はいつもどおり行われました。通学も、普通は3~4分に1本のメトロが6~7分に1本になっただけで、特に問題もありませんでした。間引き運転で混むだろうと思っていたら、人間も間引き出勤(つまり休暇!)で却って空いていました。周囲のカフェやレストランも通常通り営業していて、昼食にも困りませんでした。ストやデモはいったいどこ?といった感じさへしてしまいます。

ただ、クラスの三分の一が休みました。それもアジア系は全員来ているのに欧米系が休んでいます。コンフェランスも、普通は250人収容の階段教室がいっぱいになるのに、三分の一程度空いていました。ここで目立ったのはアジア系、つまり欧米系が休んでいるわけです。ストをいいことに、休んでしまったのですね。今日は、美術館とか開いていれば空いていてじっくり見れたでしょうね。

雨が降ろうとストであろうと授業に出るアジア系と、何かうまい理由があると休んで自分の好きなことをやる欧米系。どちらがいいということは、全くありません。単に、価値観、あるいは考え方が違うだけです。お互い、相手を尊重!! もちろん、アジア系でも休んだ人、欧米系でも出席した人、個人差はあります。でも一般的に言って、アジア系はよく来ていたようです。

でも、休みが多かったせいで、授業はゆっくり、たいしたこともやらずに終わってしまいました。休んだほうが正解だった・・・? でも、きっと次回も出席するだろうなと思う私はアジア人です。
goo | コメント ( 3 ) | トラックバック ( 0 )

試験も、個性的!

2006-03-28 05:01:48 | 学校
先週、春学期の期末試験スケジュールが渡されました。

フランス語の方は、冬学期と同じで、最後の週の土曜日(5月27日)に、文法・ディクテ(書き取り)・レジュメ・作文が3時間であり、その前(たぶん25日または26日)に、Orale(口答試験)があることになります。

変わったのが、文明講座。当初、語学の担任は、コンフェランス(講義)は出席を取るようになったので試験はないと言っていたのですが、質問に答える形の試験を行うようです。

これは大変、とほかの講義を取っている人たちに状況を聞いたところ、冬学期と同じく最後に試験を行うという講義もあれば、途中に試験をやると言っているところもあります。しかし私が取っている二つの講義(フランス芸術史、フランスの文学と映画)は、まだ何も言われていません。

どうするんでしょう。特に、文学と映画の方は、名作を映画化したものを見るだけの講義(楽で、楽しい!)ですから、どんな試験をやるんでしょう。因みに、今までモリエールの『L'Avare・守銭奴』『Don Juan・ドンジュアン』、バルザックの『Le Pere Goriot・ゴリオ爺さん』などを見たのですが、どれかひとつを選び、原作と映画の違いについて書け、とかいう試験になるのでしょうか。これなら、冬学期と同じです。現場は混乱しているようです。

ここで、思い出したのが、あのカルロス・ゴーン氏の台詞です。曰く、「日本人は、目標を与えると、さまざまな工夫をしながら、確実に、効率的に遂行するのは非常にうまいが、戦略作りが下手だ。」

なるほど、言えているかも知れません。では、逆にフランス人を評するとどうなるか。私曰く、「一握りの超エリートは戦略作りが非常にうまいが、それに基づき実行していく現場が、良く言えば個性的、悪く言えば、自分勝手、いい加減で、計画がきちんと遂行されない。」

いろいろな窓口で、担当者によって言うことや要求される必要書類まで異なり、うんざりしている外国人が多くいます。どうも、今回のソルボンヌのコンフェランス試験の変更についても、同じ轍を踏んでいるような気がします。上の人が今までの問題を解決すべくきちんと考えたのでしょうが、現場はそれぞれに解釈して、自分のやりたいようにやる。それに振り回される学生はたまったものではありません。

ここで、提案。戦略作りのうまいフランスの超エリートと遂行能力に長けた多くの日本人が一緒に国つくりをしたら、きっとすばらしい国ができるに違いない!

しかし、現実にはできっこない!! でも、できないからこそ、この世は面白いのかもしれません。
goo | コメント ( 0 ) | トラックバック ( 0 )

夏は来た!春はまだか?

2006-03-27 00:05:47 | 自然・環境・健康
変なタイトルですね・・・そうです、フランスは今日(26日)から夏時間になりました。午前2時(現地時間)が午前3時になりました。これで日本との時差は7時間。


(明日から夏時間、忘れないでね、と親切に25日夜のニュースの最後にアナウンスがありました。)

この夏時間、76年のオイルショックの際、省エネ目的で始められています。英語ではDaylight Saving Timeと意義らしきものを感じさせるネーミングになっていますが、仏語では単にl'heure d'ete(夏時間)。いたってシンプルです。

気候の方も夏時間に合わせるかのように13~14度まで上がっています。暖かです。夏時間になって、春はどうなっているのか、ヴァンセンヌの森へ散歩に行ってみました。


休日ともなると、多くの市民の憩いの場になっている所ですが、さすがに小雨が降ったりやんだりの天気だと、暖かくなったとはいえ、人出は多くありません。


でも、春はしっかり息づいていました。水仙です。咲き始めています。


クロッカスも、花をつけています。球根で、毎年花を咲かせているのでしょう。


野の花も、しっかり芽を出し、花を咲かせています。


木々も芽吹き始めています。これは芽というより、花のつぼみのように見えます。枝垂桜のようにも見える枝ぶりで、開花が楽しみです。(桜に似た花を咲かせる木がフランスにあるそうです。)

復活祭(Paques)まであと2週間。本格的な春も秒読みに入っているパリです。
goo | コメント ( 3 ) | トラックバック ( 0 )

さすが、中華思想の国!

2006-03-26 01:27:19 | マスコミ報道
面白い記事がいくつかありました。

まずは、シラク大統領。EU臨時首脳会議の席上、フランス人のセリエ欧州経営機関会長が欧州の経済状況について説明を始めたところ、ブルトン財務相とドストブラジ外相を伴って退席してしまった。どうしてか? その説明が英語で行われたから。フランス人が公の場で英語で発表を行うのにショックを受け、衝撃のあまり退席したとか。因みにセリエ氏は超エリート校ENA(国立行政学院)でシラク大統領と同級生だったとかで、衝撃もひとしおだったようです。

でも仕方ないですよね。EUの公用語は英独仏の3ヶ国語ですが、提出される書類は、1997年には英語45%、仏語40%だったのが、2004年には英語62%、仏語26%になっているのですから。しかし、シラク大統領は世界が唯一の言語、すなわち唯一の文化の上に成り立つようなことがあってはならないと言っているそうです。

次は、アメリカのメリーランド大学が20カ国を対象に行った、自由主義市場経済の可否を問う調査の結果。(写真は、その結果を伝える25日のLe Figaro(フィガロ紙))

フランスだけがこの制度はいやだと言っています。賛成36%に対し反対50%。他の19カ国はすべて賛成が上回っています。最も賛成の多いのが中国で74%、アメリカは71%、イギリス67%、ロシア43%など。フランスは、いわゆる国際化には積極的に賛成しておらず、外国資本への無用な開放は失業の増大などを招く恐れがあり賛成しかねる、という事のようです。

確かに、外国企業のフランス企業買収には国を挙げて反対していますね。05年には、米ペプシコによる仏食品大手ダノンへのTOBを警戒し、バイオテクノロジーなど11分野でのTOBを禁じた「反TOB政令」を発布。06年には、伊電力大手エネルによる仏エネルギー大手スエズ買収計画に対し、経済的愛国主義から仏ガス公社とスエズとの合併を計画。

でも、一方、仏企業が外国企業を買収しようとすると、まるで英雄扱いです。仏通信大手アルカテルが米大手ルーセント・テクノロジーズ社を支配下に置こうという動きに対しては、アルカテルのアメリカン・ドリームついに実現、とか、アルカテル社長の戴冠、といった文字が躍ります。

どうも、世界の中心でありたい自分たちの願望が潰えそうな事に対する、悪あがき、ひがみ、嫉妬のようなものを感じてしまいます。

アメリカ的なものへの反感、責任転嫁しやすい外国人移民への憎悪(あいつらがいるから、フランスはこんなになってしまった!)・・・。

でも今のフランスは、世界の中心のひとつであるだけのものを発信しているでしょうか? 映画は、哲学は、美術は、文学は、医療は・・・過去の遺産の上に胡坐を掻いてはいないでしょうか? 詭弁を弄してばかりで、現実を直視していないのではないでしょうか。私の愛するフランスには、ぜひ実績で、カタチでその力を世界に見せてほしいものです。

(メリーランド大学の調査対象に日本は入っていません。最近この手の調査では、日本はたいてい対象から外されています。リトル・アメリカだから聞くまでもないのか、え~、こんな難しいこと分かんな~いという市民が多くて面倒になってしまったのか・・・さびしい限りです。)
goo | コメント ( 0 ) | トラックバック ( 0 )

インターネットに、春が来た!

2006-03-25 03:37:29 | パリ
24日(金)のパリは、曇り一時雨。でも気温は12度ほどに上がったようで、暖かです。春も、すぐそこまで来ているようです。

春といえば、私のインターネットにも春が来た! 23日に新しいプロバイダー“Free”のモデムが加入申し込みから1週間もかからず届きました。さっそく接続。何の問題もなく繋がりました(といっても、留学エージェントの専門家にやっていただいたのですが)。CD-Rをインストールする必要もなく、モデムと繋いで、インターネットエクスプローラーをクリックすれば、そこにはあの懐かしいYahooのトップページが。

今までのWanadooのように、アクセスが増えると繋がらなくなったり、しょっちゅうフリーズしたりといったことが殆どなく(全くないと言えないところがフランスらしいのです!!)、ついにインターネット接続のストレスから解放されそうです。

長かったですね。電話回線の手続きから始まり、AOLでしばらく繋ぎ(AOLもAOLフランスと契約するとローカルアクセス無料なのですが、AOLジャパンと契約してきてしまったので、市内通話料がどうしてもかかってしまいます)、10月にWanadooと契約。それ以来の5ヶ月、繋がらない、すぐフリーズしてしまう・・・電話回線自体が切れてしまった時期もありました。

でも、Wanadooとの戦いは、まだ終わっていません。解約交渉です。店頭で調べてもらったら、私の知らないうちに(何の連絡もなかったのに)、2月に5ヶ月の契約延長をしているので、7月まで解約できない!! でも、繋がらない、使えないから解約したいんだと言っても、契約だからダメの一点張り・・・。でも、10月に加入したときは間違いなく1年契約だったのですが、短くなっています。まあ、いいか。いい加減な会社です。

一方のFreeは、20MBで早い、電話サービスでは国内、EU域内、アメリカなど結構多くの国への国際通話も無料(日本へは0.03ユーロ/分)、しかもテレビが131チャンネルも見れます。これで月29.9ユーロ。しかも、解約したい場合は、契約の残月x8ユーロで済みます。あのWanadooは繋がらないインターネット(8MB)だけで月32.7ユーロでした。そして途中解約はできない。これでは勝負にならない。確か、昨年だけで50万とか60万とかの人がWanadooとの契約をやめたそうです。

後は使い方しだい。インターネットとテレビにはまってしまうと、肝心のフランス語や文化の勉強がおろそかになってしまいそうです。注意、注意。

(写真の左に見える黒いものがFreeのモデムです。)
goo | コメント ( 2 ) | トラックバック ( 0 )

人種差別者、増える!

2006-03-24 06:22:19 | マスコミ報道
写真は、22日(水)のLe Figaro(フィガロ紙)の第11面、1ページの十分の一程度の小さな、小さな記事です。

見出しは、「フランス人3人に1人が人種差別者であることを告白」。昨年11月に行われた調査の結果です。

04年の25.1%から05年には33.1%へ。8ポイントも増えたわけで、急激な増加といってよいでしょう。「もはやタブーではなくなった。人種差別は一般化した」というコメントが付いています。

どうしてこんなに急激に増えたのでしょう。原因は調査時期の問題だと思います。昨年11月といえば、パリ郊外を発端に移民の若者を中心とした暴動が行われている最中でした。その映像を見ながらアンケートに答えたならば、その影響が大きく反映されるのは当然でしょう。外国人よ、出て行け。以前なら、本心ではそう思っていても、なかなか口外できなかったのが、毎日流される暴動の映像を前についに心中を吐露してしまった人が多かったのではないでしょうか。

一方、内務省によると、外国人排斥・反ユダヤ主義による被害の届出は、04年の1,574件から05年には974件に減っているそうです。人種差別の意識が急激に膨らんでいるわけではないと思います。

しかし、もちろん、人種差別がないわけではありません。

体験①カフェに入ってもギャルソンが注文を取りに来ない。白人の客にはすぐにとんで行く。
体験②白人の客には挨拶するのに、有色人種には挨拶をしないスーパーのレジ係
体験③こちらから挨拶しても、有色人種には挨拶を返さない同じ建物の住民(白人)

こんな体験は頻繁にします。私だけでなく、多くの人が経験しています。最近では、メトロ車内で白人に執拗に絡まれ、最後はつばを吐きかけられた日本人がいたという噂も耳にしました。

こちらに『ニュースダイジェスト』という日本語情報誌があります。そのひとつのコーナーで、フランスで活躍している日本人に質問をする。“自分を外国人と感じるときは?”多い答えは「電車で自分の横にだけ人が座ってこないとき」。これもよくあります。でも、これって、日本に住んでいる外国人がよく感じていることではないでしょうか。以前何かで読んだ記憶があります。

人種(端的には皮膚の色)による違和感、恐怖感、異質感といったものはどうしようもなく、そして程度の差はあれ誰にでもあるのではないでしょうか。解消する努力が必要ですが、一朝一夕に解決できないのも事実でしょう。

憧れのパリ。でもそこでは、私たちは外国人。差別される対象であることを自覚しておくことが肝心。旅行にしろ長期滞在にしろ、せっかくフランスに来るのですからfrancophile(フランス贔屓)で来ながら帰るときにfrancophobe(フランス嫌い)になっていては残念です。憧れに溺れず、嫌な面があることも忘れないことですね。

でも、フランスのメディアもこのような記事内容、あまりよくないと思っているのか、扱いが非常に小さいですね。人種差別がよくないことは、頭ではわかっているのでしょうね。目立たないように、小さなスペースで掲載しています。意外と正直で、かわいいところがあります。
goo | コメント ( 3 ) | トラックバック ( 0 )

ブラックリスト!

2006-03-23 04:30:04 | マスコミ報道
写真(暗くて見にくいですが、拡大してなんとか見て下さい)のエアライン、どこかで見たことありませんか?

思い出しましたか? 2004年に自衛隊をイラクへ派遣する際にチャーターした飛行機がこのプーケット航空(タイ)のものでした。それがどうしてフランスのテレビニュースに?

22日(水)朝のニュースによると、欧州議会とEU理事会は、EU市民の安全を守るため、安全上問題のある航空会社のリスト、つまりブラックリストを公表する案に合意。早速公表されたリストに載っているエアラインの飛行機は、EU域内での離発着や上空の飛行が禁止されるとか。

そのブラックリストに載っている航空会社は92社で、ほとんどがアフリカの航空会社ですが、アジアからはプーケット航空と北朝鮮の高麗航空、アフガニスタンのアリアナ・アフガン航空などが名を連ねているようです。

それにしても、そんな危ない航空会社の飛行機でイラクへ派遣していたんですね。2005年とかはどうなっていたのでしょう。

皆さんも、東南アジア方面へのチャーター便による格安旅行やアフリカへ行く際には、航空会社のチェックをお忘れなく!!
goo | コメント ( 0 ) | トラックバック ( 0 )

デモ、激化す!

2006-03-22 06:21:49 | パリ
CPE(初期雇用契約)に反対する学生と労働組合のデモが激化してきました。


(写真は、デモの様子を伝える21日夜のニュース)

16日には、カルチェ・ラタンで何台かのクルマが燃やされ、商店の窓ガラスが割られました。全国で36人の警官が負傷し、212人の学生が拘束されました。

18日には、パリのナシオンで労組のデモ参加者がトラブルに巻き込まれ、21日現在意識不明の危険な状態が続いています。この日は全国で主催者発表150万人がデモに参加しています。


(写真は、意識不明のけが人が出た瞬間を伝えるLe Monde(ル・モンド紙))

そして、21日、今までは荒れるのは夜だけだったのが、日中から火のつけられたマットレスが投げられたり、大規模なデモがカルチェ・ラタンで行われたりしています。参加者には多くの高校生も加わっています。

また道路封鎖はソルボンヌ本部前のサン・ジャック通りだけでしたが、今日は、夕方からサン・ミッシェル大通りも封鎖され、従ってRERのリュクサンブール公園駅にアクセスできなくなりました。私たちフランス語・文明講座のコンフェランス(講義)が終わったのが18:30で、多くの学生がRERの駅へ向かいましたが、引き返さざるを得ませんでした。

今日のパンテオン周辺、デモの規制も含め、ものすごい数の警官でした。防御フェンスを取り付けたクルマや装甲車のようなクルマも出動しており、威圧感いっぱいで、初めて少し怖さを感じてしまいました。


(写真は、21日午後4時ころ、パンテオン近くを行進する学生デモ隊)

夜のニュースでは、1968年の五月革命の映像をどの局でも流していました。価値観の変化に対するロマンティックな運動(五月革命)とその後の現実の問題に対する運動では性格が違うという指摘もありますが、学生・労組を巻き込み、28日にはゼネストに近い抗議運動が行われそうで、状況は似てきているようです。

一方、ストに反対し授業の正常化を訴える学生たちのデモも行われ、学生たちの間でも意見が分かれています。しかし、デモやストに賛成する学生のほうが多いようです。

ド・ヴィルパン首相はあくまでCPEの撤回はしない方針ですし、シラク大統領もド・ヴィルパン首相支持を表明しています。このままでは、デモがさらに激化し、ゼネストも本当に行われるかもしれません。

大変です。でも、どこかで、騒乱のパリにたまたまいることをこっそり喜んでいる自分がいたりして、部外者の視点で眺めています。
goo | コメント ( 3 ) | トラックバック ( 0 )
« 前ページ