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パリ5区の区役所で、小さな展示が行われています。そのポスターですが、タイトルは、“Les Justes”-正義の人。左上に小さく“Memorial de la Shoah”と書かれてあるとおり、先日パンテオンで行われたナチス占領時代にユダヤ人を救った人たちの記念式典に関連する展示です。
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こじんまりとした会場で写真による展示数も決して多くないのですが、入場者がひっきりなしに入ってきます。
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展示されているのは、自らの危険を顧みずにユダヤ人を救った人々と当時の様子を紹介する写真です。ごく最近まで長生きした方もいれば、終戦を待たずに命を落とした方もいます。いろいろな場所で、いろいろな方法でユダヤ人を救った人たち・・・
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ポワティエにあったユダヤ人キャンプです。ナチスの傀儡・ヴィシー政権下のフランス国内にもこうしたキャンプがいくつかあったようです。生活環境は劣悪で、アウシュヴィッツ等に送られる前に、フランス国内のキャンプでなくなったユダヤ人も少なくなかったとか。
ところで、展示タイトルにある「正義の人」。正式名称は“Justes parmi les nations”-「諸国民の中の正義の人」と訳されています。良心のある非ユダヤ人を指すヘブライ語で昔から使われていたそうですが、戦後はとくにホロコーストからユダヤ人を救った人たちへの敬称になったそうです。イスラエルで1963年に制定され、厳格な調査を経てこの称号に認定されると、エルサレムのホロコースト記念館にある「正義の人の庭園」の「名誉の壁」にその名が刻まれるそうです。
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会場に展示されていたパネルのひとつですが、国籍別の「正義の人」の数を示しています。総数21,310人。最も多いのが、ポーランド。ポーランドではユダヤ人を匿っているのがわかると一家もろとも死刑だったそうですが、それでも5,941人がユダヤ人を救ったそうです。次いでアンネの日記でおなじみのオランダ、4,726人。フランスは2,646人。ずっと見ていくと下から5番目に日本が出てきます。1名・・・そう、日本のシンドラー、杉原千畝氏(在カウナス領事代理)です。会場にあった資料によると、杉原氏のように多くの外交官がユダヤ人の脱ヨーロッパを手助けしたそうです。
時々ご紹介しているように、パリでは戦時下を振り返る展示・シンポジウム等がしばしば行われています。もういい加減にしてほしいと思う人もいるのかもしれませんが、歴史を風化させず、繰り返し繰り返し検証し、そこから悲劇を繰り返さない知恵を見出そうという決意の表れのように思えてなりません。
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