(ときどき更新の②です)
KAROSHIとアルファベットで海外メディアが伝えるように、働きすぎて病死する、あるいは自ら命を絶つのは日本人に多い。そう思われることが多く、私もそう思っていたのですが、フランスでも、問題になっているようです。
ただし、フランスの場合、社会一般に過労死が増えているというわけではなく、ある企業の、しかもある事業所での過労死が、特にメディアに注目されています。
(10月21-22日付のル・モンド紙です)
その事業所とは自動車メーカー、ルノーのテクニカルセンター。ここでは、去年10月から今年2月にかけて、2人の社員がオフィスで、もう1人が自宅で、自ら命を絶っています。一事業所で、これだけ続けて自殺者が出るというのは、やはり異常。その背景及び対策について、調査委員会が検証しています。
9,257人の社員のうち62.7%に当たる5,800人(その半分が管理職と技術者)にアンケートに答えてもらい、また120人に個別インタビューを行ったそうです。その結果、明らかになったのは・・・
管理職と技術者の31.2%が強度のストレスを抱えているそうで、同じ立場のフランス人平均10.3%の3倍。多くの社員がストレスに悩んでいるようです。そのストレスの元は・・・
仕事が忙しすぎるにもかかわらず、サポートがない。成果に対する見返り、特に昇進が見えにくい。その結果、仕事へのモチベーションが下がり、働く意味を見失っている社員が71%に達しているそうです。では、どの程度忙しいのか・・・
フランスでは一日7時間、週35時間労働になっていますが、この事業所では、社員の三分の二が恒常的に一日9時間働いており、管理職では87.5%が10時間以上働いているそうです。あるプロジェクト・リーダーは「朝8時から夜8時までオフィスで働き、家で夜10時から12時あるいは午前1時頃まで働いている」といっています。フランスのサラリーマンがこんなに働いているとは! 課された仕事を決められた期限までに行うのはほとんど無理なのだが、無理だとか出来ないとかは誰も言わないそうです。きっと、Job Descriptionがはっきりしていて、どんな仕事をして給与いくらという個人契約になっているので、それが達成できなければ解雇される可能性もある。そこで、仕事が多く、責任も重く、ただし給与もいい管理職ほど、無理をする事になっているのでしょうね。「一時的に12時間くらい働く事は厭わないが、14時間も16時間も働く事は無理だ」と言っている管理職もいます。では、どうして、こうも忙しいのか・・・
以前から忙しいのは忙しかったそうですが、特に忙しくなったのは経営陣が「プラン2009」という新しい戦略を発表してからだそうです。新車の開発から製造、そして発売まで、1993年には54ヶ月かけていたのが、今では26ヶ月になり、今後の新車はさらに短期間で開発・製造する事が求められているとか。その結果、働いても働いても仕事をこなせず、ストレスが溜まり、悲劇になってしまう・・・
こうした状況に、会社側は社員を350人増員したり、臨時工を200人雇ったりしたそうです。また、社員の一体感を高め、モチベーションを上げるべく、「チームの日」という行事を行うそうです。日本にある工場祭とかそういった社員行事のようなものなのでしょうね。しかし、社員たちはその効果に懐疑的だそうです。
管理職ほど働くフランスの職場。でも、ちょっと度を越してしまっているのかもしれませんね。フランスで過労死が問題になるとは、思ってもみませんでした。国際的競争と労働環境・・・因みに、「プラン2009」、カルロス・ゴーン氏の戦略だそうです。
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KAROSHIとアルファベットで海外メディアが伝えるように、働きすぎて病死する、あるいは自ら命を絶つのは日本人に多い。そう思われることが多く、私もそう思っていたのですが、フランスでも、問題になっているようです。
ただし、フランスの場合、社会一般に過労死が増えているというわけではなく、ある企業の、しかもある事業所での過労死が、特にメディアに注目されています。
(10月21-22日付のル・モンド紙です)
その事業所とは自動車メーカー、ルノーのテクニカルセンター。ここでは、去年10月から今年2月にかけて、2人の社員がオフィスで、もう1人が自宅で、自ら命を絶っています。一事業所で、これだけ続けて自殺者が出るというのは、やはり異常。その背景及び対策について、調査委員会が検証しています。
9,257人の社員のうち62.7%に当たる5,800人(その半分が管理職と技術者)にアンケートに答えてもらい、また120人に個別インタビューを行ったそうです。その結果、明らかになったのは・・・
管理職と技術者の31.2%が強度のストレスを抱えているそうで、同じ立場のフランス人平均10.3%の3倍。多くの社員がストレスに悩んでいるようです。そのストレスの元は・・・
仕事が忙しすぎるにもかかわらず、サポートがない。成果に対する見返り、特に昇進が見えにくい。その結果、仕事へのモチベーションが下がり、働く意味を見失っている社員が71%に達しているそうです。では、どの程度忙しいのか・・・
フランスでは一日7時間、週35時間労働になっていますが、この事業所では、社員の三分の二が恒常的に一日9時間働いており、管理職では87.5%が10時間以上働いているそうです。あるプロジェクト・リーダーは「朝8時から夜8時までオフィスで働き、家で夜10時から12時あるいは午前1時頃まで働いている」といっています。フランスのサラリーマンがこんなに働いているとは! 課された仕事を決められた期限までに行うのはほとんど無理なのだが、無理だとか出来ないとかは誰も言わないそうです。きっと、Job Descriptionがはっきりしていて、どんな仕事をして給与いくらという個人契約になっているので、それが達成できなければ解雇される可能性もある。そこで、仕事が多く、責任も重く、ただし給与もいい管理職ほど、無理をする事になっているのでしょうね。「一時的に12時間くらい働く事は厭わないが、14時間も16時間も働く事は無理だ」と言っている管理職もいます。では、どうして、こうも忙しいのか・・・
以前から忙しいのは忙しかったそうですが、特に忙しくなったのは経営陣が「プラン2009」という新しい戦略を発表してからだそうです。新車の開発から製造、そして発売まで、1993年には54ヶ月かけていたのが、今では26ヶ月になり、今後の新車はさらに短期間で開発・製造する事が求められているとか。その結果、働いても働いても仕事をこなせず、ストレスが溜まり、悲劇になってしまう・・・
こうした状況に、会社側は社員を350人増員したり、臨時工を200人雇ったりしたそうです。また、社員の一体感を高め、モチベーションを上げるべく、「チームの日」という行事を行うそうです。日本にある工場祭とかそういった社員行事のようなものなのでしょうね。しかし、社員たちはその効果に懐疑的だそうです。
管理職ほど働くフランスの職場。でも、ちょっと度を越してしまっているのかもしれませんね。フランスで過労死が問題になるとは、思ってもみませんでした。国際的競争と労働環境・・・因みに、「プラン2009」、カルロス・ゴーン氏の戦略だそうです。
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最近かわってきているのかもしれませんね。
中国などアジアの経済成長に負けるなといろんな
プレッシャーがあるのでしょうか。
私は学生の時にヨーロッパでアルバイト的なお仕事
をした事が有るのですが、現地の人からすれば
迷惑だったかもしれません。私は日本のアルバイト
などよりは優遇された時給をもらっていたのですが、
移民が多い国の現状を調べてみると安い賃金でも
条件が悪くても喜んで働く人がゴロゴロ居るという事で職場によっては不法に働いている人も居る現状だと
知りました。学生が多い都会などでは研修の名の下に
ただ働きしてくれる優秀な学生がたくさん居るらしく、友達もただ働きしていました。
そうすると現地の人にもオーナーからプレッシャーが
かかるようで、ただ働きや安い賃金でよく働く外国人には国に帰って欲しいよ・・と友達がぼやいていました。その時は実力主義よ!とちょっとムッとしましたが、今こうして考えるとやはりおかしな歪みが世界中で発生しているのだと考えさせられます。
求めるものがもっともっとと過激になり、今の精一杯が来年にはレイジーとか要努力とかになったりするの
ですよね。ジェットコースターのような世の中の動きの中で、結局は自分が立ち止まったり方向転換する
タイミングをうまくはからないといけないのですよね。立ち止まって考え、マイペースに歩める人に優しい社会を世界中の人が求めているのでしょうね。
管理職やエンジニアのような専門職の人たちの間に過労死があるようです。職務・責任・給与が明確にされており、また更に出世できる可能性もあるので、頑張ってしまうのでしょうね。管理職まで先が開かれていない人たちは、時間から時間まで働くだけの人が多いように聞いています。
日本は、多くの人に出世の可能性があるので、頑張ってしまう人が現場に多いのでしょうね。
毎日続ける事は簡単ではなかったと思います。
さて、仕事での精神的なストレスは本当に身体を壊すんだと感じる事があります。これは個人的な意見ですが、どんなに忙しくても仕事が終了したとき充実感を感じる環境に自分を持って行く必要があると思い込んでいます。それをすれば精神的に楽なのです。こんなことロンドンで口にしてしまうと毎回「おまえは働き過ぎだ!」と言われますが、基本的に仕事が好きなのでしょう。有給消化をすると、逆に現場が心配になってしまい、眠れない事があります。ヨーロッパにはもうすぐ5年ですが、日本にいるときの自分からなかなか抜け出せません。
一度身に付いた価値観はなかなか変えられないですね。充実感、自己実現・・・日本のサラリーマンが良く口にしますね。国が変わり、価値観が異なれば、働く目的も違ってくるのでしょうね。でも、それは違うだけで、どちらが良いかという比較はできないのではないかと思っています。要は、自分の価値観に沿って働けばいいのでは・・・ただし、他人に押し付けてはいけないと思っています。
日本とフランス、確かに鏡のように見ると、見え易いところも多いのですが、違う状況も多々あり、そのあたりをしっかり見極めてから判断しようと自戒しています。しかし、言うは易しで、つい、日本に鑑みていろいろ判断してしまったり・・・なかなか難しいのですね。
おっしゃるとおりで、ビックリですよね。国際化の流れ、あるいは国際競争の激化に伴い、色々なものが似てきてしまうのでしょうか。国の個性がなくなっていくようで、寂しいものがありますね。