フランス版新幹線TGVの新世代が、その製造元であるアルストム社(Alstom)から5日に発表になりました。サルコジ大統領が直々に出席。夜のニュースでもトップニュース。原子力、兵器、航空機に次いで、高速列車も国を挙げて世界へ売り込もうというわけですから、力が入るはずです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/47/1f/14f08087ee1a990e70c9e0d1b424c1e1.jpg)
その新世代(第4世代だそうです)を公式発表より一日早く紹介した4日付のフィガロ紙です。
今までTGVの名で親しまれてきたフランスの高速列車、新しい型から名前も一新するそうです。TGV(Train a Grande Vitesse;高速列車)からAGV(Automotrice a Grande Vitesse;高速自走電車)。どこが違うかというと、今までのTGVは先頭の車両が後続の客車を引っ張る「動力集中方式」、AGVでは各車両にモーターが取り付けられている「動力分散方式」。それぞれの車両にモーターがあるところから、Automotrice(自走式電車)になったのでしょうね。
この変更により、今までよりもスピードも上がり、しかも静かで、より快適に。つまり乗り心地が格段によくなるそうで、先頭車両にも客席を設けることができるので、より多くの乗客に快適な旅を提供できる、と言っています。また、環境にもさらに優しい。同じ速度ならAGVの消費電力はTGVより20%少ないとか・・・こうした新しい列車で、ドイツのシーメンスなどとの競争に打ち勝ち、世界にフランスの列車技術を広げたい。しかも、すでにイタリアでは列車を運行する会社と契約が成立しており、AGVはまず2010年以降にローマ・ナポリ間で走り始めるそうで、フランスで実際にお目見えするのはフランス国鉄が正式に発注すれば2014年。そして、2020年までにはすべての車両をTGVからAGVに切り替えたいそうです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/68/56/59a67614fd1a070ad91ea6e72f7b03e3.jpg)
(5日にお目見えしたAGV。6日のフィガロ紙から)
AGVのもひとつの特徴は、フレキシブルであることだそうで、使用する国・企業の要望に対応すべく、スピード性能も、客車の編成台数も自由に変えられるそうです。こうした利点を生かして、世界に売り込もう! というわけですが、そのターゲットは、記事の地図に出ているように、EU諸国、北アフリカ、中近東といった地理的に近い地域、そして、新興国と言われるインド、中国、ロシア、ブラジルなど。さらには、飛行機の限界に気づき、列車を見直し始めたと言われるアメリカやカナダ。しかし、国際化のご時勢、競争は熾烈。ドイツのシーメンス、カナダのボンバルディア・・・昨年はフランス国鉄のイル・ド・フランス地方(パリ近郊)の新型列車の入札で、アルストム社は地元フランス企業でありながらボンバルディア社に一部の納入をとられてしまったほどですから、国を挙げてといっても安閑とはしていられませんね。
・・・と、ここまで記事を中心にご紹介してきたのですが、どこにも新幹線の「し」の字も、日本の「に」の字も出てきません。おかしいと思いませんか。以前、TVGが試験走行でスピードの世界記録を更新したことをお伝えした際に若干調べたのですが、AGVの採用した「動力分散方式」というのは、別名「新幹線方式」と言われているほどで、日本が進化させた技術(オリジナルがどこかは、ちょっと分からないのですが)。今までは、コストも安いTGV方式(動力集中方式)とパワーがあり山の多い地形や短距離運行などに利点のある新幹線方式(動力分散方式)がその販売拡大を巡ってしのぎを削っていたのですが、突然、フランスが動力分散方式に移行してしまうわけですから、その背景などの説明もあってしかるべきかと思うのですが、全く紹介されていません。あたかも、アルストム社が独自により優れた列車技術を開発したような書き方です。しかも、競争相手は、シーメンスとボンバルディア。まだ決定していない多くの国の路線でも、あたかもアルストムに決定しているような地図の表記。ま~、中華思想の国、有色人種など眼中にない人が多い国とはいえ、ちょっと度が過ぎてやしませんか、と文句のひとつも言ってやりたいのですが、何しろ、素人、情報もネット上で(主にWikipediaなどで)得たものだけに、100%の確信があるわけでもなく、一人、ぶつぶつと不満を言っております。
実際はどうなのでしょう、日本の報道にも、読者、つまり日本人が喜ぶような書き方があったりしますから、絶対にTGVが技術的には新幹線の軍門に下ったとは言い切れないのですが、もし詳しい方がいらっしゃれば、教えていただきたい・・・愛国心が仏仏と(おっと、違いました、沸々と)湧き上がってしまったという、読後感なのでした。
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その新世代(第4世代だそうです)を公式発表より一日早く紹介した4日付のフィガロ紙です。
今までTGVの名で親しまれてきたフランスの高速列車、新しい型から名前も一新するそうです。TGV(Train a Grande Vitesse;高速列車)からAGV(Automotrice a Grande Vitesse;高速自走電車)。どこが違うかというと、今までのTGVは先頭の車両が後続の客車を引っ張る「動力集中方式」、AGVでは各車両にモーターが取り付けられている「動力分散方式」。それぞれの車両にモーターがあるところから、Automotrice(自走式電車)になったのでしょうね。
この変更により、今までよりもスピードも上がり、しかも静かで、より快適に。つまり乗り心地が格段によくなるそうで、先頭車両にも客席を設けることができるので、より多くの乗客に快適な旅を提供できる、と言っています。また、環境にもさらに優しい。同じ速度ならAGVの消費電力はTGVより20%少ないとか・・・こうした新しい列車で、ドイツのシーメンスなどとの競争に打ち勝ち、世界にフランスの列車技術を広げたい。しかも、すでにイタリアでは列車を運行する会社と契約が成立しており、AGVはまず2010年以降にローマ・ナポリ間で走り始めるそうで、フランスで実際にお目見えするのはフランス国鉄が正式に発注すれば2014年。そして、2020年までにはすべての車両をTGVからAGVに切り替えたいそうです。
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(5日にお目見えしたAGV。6日のフィガロ紙から)
AGVのもひとつの特徴は、フレキシブルであることだそうで、使用する国・企業の要望に対応すべく、スピード性能も、客車の編成台数も自由に変えられるそうです。こうした利点を生かして、世界に売り込もう! というわけですが、そのターゲットは、記事の地図に出ているように、EU諸国、北アフリカ、中近東といった地理的に近い地域、そして、新興国と言われるインド、中国、ロシア、ブラジルなど。さらには、飛行機の限界に気づき、列車を見直し始めたと言われるアメリカやカナダ。しかし、国際化のご時勢、競争は熾烈。ドイツのシーメンス、カナダのボンバルディア・・・昨年はフランス国鉄のイル・ド・フランス地方(パリ近郊)の新型列車の入札で、アルストム社は地元フランス企業でありながらボンバルディア社に一部の納入をとられてしまったほどですから、国を挙げてといっても安閑とはしていられませんね。
・・・と、ここまで記事を中心にご紹介してきたのですが、どこにも新幹線の「し」の字も、日本の「に」の字も出てきません。おかしいと思いませんか。以前、TVGが試験走行でスピードの世界記録を更新したことをお伝えした際に若干調べたのですが、AGVの採用した「動力分散方式」というのは、別名「新幹線方式」と言われているほどで、日本が進化させた技術(オリジナルがどこかは、ちょっと分からないのですが)。今までは、コストも安いTGV方式(動力集中方式)とパワーがあり山の多い地形や短距離運行などに利点のある新幹線方式(動力分散方式)がその販売拡大を巡ってしのぎを削っていたのですが、突然、フランスが動力分散方式に移行してしまうわけですから、その背景などの説明もあってしかるべきかと思うのですが、全く紹介されていません。あたかも、アルストム社が独自により優れた列車技術を開発したような書き方です。しかも、競争相手は、シーメンスとボンバルディア。まだ決定していない多くの国の路線でも、あたかもアルストムに決定しているような地図の表記。ま~、中華思想の国、有色人種など眼中にない人が多い国とはいえ、ちょっと度が過ぎてやしませんか、と文句のひとつも言ってやりたいのですが、何しろ、素人、情報もネット上で(主にWikipediaなどで)得たものだけに、100%の確信があるわけでもなく、一人、ぶつぶつと不満を言っております。
実際はどうなのでしょう、日本の報道にも、読者、つまり日本人が喜ぶような書き方があったりしますから、絶対にTGVが技術的には新幹線の軍門に下ったとは言い切れないのですが、もし詳しい方がいらっしゃれば、教えていただきたい・・・愛国心が仏仏と(おっと、違いました、沸々と)湧き上がってしまったという、読後感なのでした。
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故障問題が取り上げられ、専門家の口から日本車の
性能の良さが、オモオモしく語られていて、多少
ビックリしました。昔、仏語のクラスで、先生が
「外国車を買うなんてとんでもない!」との発言にビックリ、それでアメリカの女の子が、「車は性能が
よければ何車でもいい~!」と反論。外国人相手の
先生のこういう発言に、先が思いやられる?と覚悟したものでした。。。
フランス人は外国嫌いとよく言われましたが、最近では、変わってきているようですよね。幼稚園から英語を習わせるべきだという声があがったり。先日も、給湯器を直しに来た人が、家電製品は日本製がいいと言って、パナソニック、サムソンと言っていました(笑)。意外と、エリート層の中に、中華思想が強く、排他的だったりする人が多かったりするのかもしれないですね。新聞記者も文化人ですから。
おっしゃるとおりで、多国籍企業、もともとはどこの国の会社か分からない消費者も多いようですね。サムソンは日本、ソニーはアメリカ、ホンダはブラジル・・・有名ブランドは自国の企業のものと都合よく思い込む消費者も多いですし、他国のイメージを利用しようとする企業もあるでしょうし。でも、そのうち、企業自体が、本社の位置を気にしないビジネス展開をするようになるかもしれないですね。ネッスレなんか、もうそうなっているのかもしれないですね。