50歳のフランス滞在記

早期退職してパリへ。さまざまなフランス、そこに写る日本・・・日々新たな出会い。

先人たちの知恵―⑦

2006-09-30 01:26:49 | 先人の知恵
今回ご紹介するのは、国友照子さん著『フランスへの架け橋』です。フランスで翻訳・通訳の研修をされ、その後もパリに残って日系企業で働くなど、1967年から72年までフランスに滞在。帰国後も通訳・翻訳者として、日本とフランスのよりよい関係づくりに努められました。フランス滞在時を中心にいろいろな思い出をつづったのがこの著書で、1996年に出版されています。


(国友さんが住んでいたというワグラムの街角)

・フランス人と話していると痛感することは、誰でも大変なお国自慢(ショーヴァン)で真から自国の長所を認めている。従って、過去の栄光のみを追い求め、時代遅れの大国になってしまうのではないか。
・パリで生活する人々は、異邦人(エトランジェ)であることを特別に意識しないで、ごく自然にとけ込んで行ける。
・パリでは肌の色の違いも忘れて、単に一人の女性として特に他人の目を気にする必要も無く、自由に生活できる。日本では没個性的で、目立たないことが、当たり前であり、他人と違っていることは、変わっていると見做される。その意味で、不文律の拘束があるが、パリで生活している場合、個性的と評価されるのは素晴らしいことである。このように相手を認めて生活できる広い包容力のある首都は、ヨーロッパ諸国のうちでも数少ないのではないかと思う。

今から40年近くも前に日本人女性が一人でパリに住む。彼我の差を強烈に実感されたことでしょう。こうした経験に基づくコメントはもちろんですが、もうひとつ面白かったのが、90年代に若きフランス人通訳者(仏語・日本語の通訳)へ行った質問とその答えです。

「日本に短期滞在する場合、同じ立場の外国人がそうであるようにビジターとしての行届いた待遇を受けるので、皆が再度来日したいと願う。しかし長期滞在となると様相は一転し、大きな組織の一部として機械的に扱われる。非常に厳しく扱われ、事務所に働いている他の日本人と同様に発言権もなく、着想を活かす権利もない。この点では、日本人は全く従順である。尊敬される偉い人と、そうでない人との識別が存在し、偉い人は部下に対して非常に手きびしい。日本人は常に他人に対して十分敬意を払っていると信じていたので、これは意外だった。日本は階級社会であって、この秩序はいつも守られている。日本人の一員としての扱いは、私にとって難しい面もあるが、私はこれに耐えられるであろうし、多くの教訓を学んでいる」
―――フランス人は個人主義ではありませんか。
「たしかにそれは衆知のことである。日本人のグループは、個人主義者ではなく、むしろエゴイストだ。第一グループは、他のグループに対してエゴイストであり、後者はそれ以外のグループに対してエゴイストであり、この現象は大きなグループから小さなグループに至るまで共通している」
「例えば、事務所内で、人々は小さなグループに分かれ、お互いに好意的ではなく、エゴイストである。さらに、この事務所は、他の事務所に対して、防衛し、闘う。小グループはその中で徒党を組み、その徒党が、また他の徒党と闘う。即ち、大から小に至るグループが、全て闘うのである。しかも日本はアメリカと闘っている」
「フランス人は、もっと自分以外の人間や人格を尊重する。私が日本で発見したことは、日本人は自分以外の人間に対して、配慮しないと言うことである。これは、日本人のみではなくアジア民族に共通する極めてアジア的な特質であり、同じ傾向を中国でも認めたことがある」
―――日本の最近の経済的発展の要因は、どのような点にあると思われますか。
「一般に、企業がよく構成されているからと言われているが、私は必ずしもそうだとは思わない。日本人が非常に規律正しく、与えられた指令に忠実に従うからだと考える。大企業においては、良い指令が出されるので、会社全体が円滑に機能する。小企業においては、社員は長時間働かざるを得ないが、これは命令そのものが良くないからである。指令の出された時点で、何一つ討議することもせずに盲従する。私は今まで何人かの担当者と、度々議論したが、指令そのものが良くないことがある。しかもこうした議論に耐えうることができない場合もある。従ってその企業の業績が良好ではないということになる」

最後のコメントは、良い点も悪い点も、企業だけでなくいろいろな組織に、しかも規模の大小にかかわらず存在しているような気がします。

集団に帰属することを求められ、その中では濃密な人間関係が築かれるが、その集団の外に対しては好戦的で常に緊張関係にある。それが、フランス人通訳から見た日本の姿・・・。いかがお読みになりましたでしょうか。

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PC商戦、激化す。

2006-09-29 01:46:24 | パリ
新学期はコンピューターの需要期でもあるようです。

いろいろな場所でパソコンの広告を目にします。大きさで目立っているのは、やはりメトロやRERの駅の看板。いくつかご紹介しましょう。


DELLのPCです。599ユーロ、安いです。キャッチフレーズは、“Une offre que vous ne pouvez pas refuser”~無視できないこの提供価格、とでも訳せそうなコピーです。コピーは平凡ですが、価格はなかなかすごいです。DELL直接の広告のようです。


このPCは東芝の製品ですが、広告主は、ハイパーマーケットのカルフールのネット販売部門、boostore.com 。通常価格899ユーロを699ユーロで特別提供します、という内容です。フランスでもネット販売が増えているようです。配送とか、問題ないのでしょうか。店で買ったものを配達してもらうだけでも、いろいろ問題が起きていると聞いているので、要らぬ心配をしてしまいます。なお、右下に写っている椅子との対比で、こうした看板の大きさがお分かりいただけると思います。


これもネット販売の広告。rue du commerce.comというところが、フィリップスのPCを家電量販店王手のFNACやDARTYの890ユーロより22%も安く693ユーロで提供しているようです。こうした比較広告がフランスではできるんですね。

ネット販売、比較広告・・・フランスもビジネスではやはりアングロサクソン流のトレンドに乗っているようです。それともPCなどのIT関連だけなのでしょうか。アングロサクソン・スタイルに流されるのか、それとも別の潮流を作り出せるのか、注目していきたいと思います。

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区役所の美術展。

2006-09-28 01:53:54 | 美術・音楽
パンテオンのすぐ斜め前にパリ5区の区役所があります(区役所と言っても実に立派な建物です)。そこに大きなバナーがかかっていました。

“goya”と読めます。もしかして、あの画家のゴヤ? 玄関脇にポスターが貼ってありました。

そうです、確かにゴヤの美術展です。それも銅版画の展覧会。面白そうなので、のぞいてみました。形而上学絵画でも知られるイタリア人画家、カルロ・カッラの展覧会と併催のカタチになっています。


入り口です。3階にある重厚な雰囲気の大ホールをパネルで仕切って展示会場にしています。


日本の区役所のイメージとはずいぶん違いますね。天井では大きなシャンデリアがいくつも輝いています。その下で、100点以上、200点近いゴヤの版画が展示されています。擬人化された動物たち(ロバ人間・馬人間・豚人間)は、人間の本性を表現しているようです。またロボットのような機械化された人間、理由のはっきりしない大量虐殺・・・200年も前に描かれたとは到底思えない先見性に満ちた作品です。また、苦痛にゆがんだ顔、血を滴らせた男など、この世の残酷さ・無残さを表現したものも多く、冷徹にしてシニカルな視点がよく表現されています。

もちろん、闘牛の場面や、情熱的な女性など、いかにもスペインといった作品も展示されています。また、「裸のマヤ」や「着衣のマヤ」などゴヤの傑作を他の作家が版画にした作品も展示されています。

ゴヤはスペインの自由主義者弾圧を逃れて1824年、78歳でフランスへ亡命。ボルドーで82年の生涯を終えているそうです。このあたりがフランスのお役所が個展を開く背景になっているのかもしれないですね。お役所の美術展といっても、その内容の充実ぶりは、たいしたものです。

併催のカルロ・カッラ展は、未来派から写実主義へというサブタイトルが付いていますが、作品点数が少なく、その変遷はよく分かりませんでした。ただ、こちらの会場から階段を上がると、カルロ・カッラが暮らしたイタリア・ピエモンテ州の物産展をやっていました。

ワインの試飲もでき、芸術作品に触れた後は、おいしいワインで喉を潤してください、といったところでしょうか。ピエモンテ州とアレッサンドリア市の後援も付いているようです。いい企画ですね。区役所の美術展だからといって決して侮れないのですが、入場料も7ユーロと他の有名美術館並みでした。

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骨董市。

2006-09-27 01:37:57 | パリ
先日、ノートルダム寺院の近くを歩いていたら、“BROCANTE”と書かれた手書きの矢印が街路灯などに貼られていました。

BROCANTE(ブロカントゥ)・・・骨董市。場所は、Place Maubert。メトロ10号線のMaubert Mutualite駅のそば、パンテオンの北側です。ノートルダムからもそう遠くないので行ってみました。


ずいぶん横長のバナーが出ています。キリスト教青年団が開いている骨董市のようです。


ちょっと離れたところから見ると、こんな感じです。結構多くのお客さんで賑わっています。

骨董市といえば、蚤の市。同じような気もしますが、違いがあるのでしょうか。フランス語では、“la brocante”(ラ・ブロカントゥ)と“le marche aux puces”(ル・マルシェ・オ・ピュス)。蚤の市はフランス語でも、文字通り「蚤の市」です。骨董市との差をフランス人に聞いてみました。「骨董市のほうが扱っている商品がちょっと高級。蚤の市は安物商品が多い。」そういう差があるそうです。


確かに、クリニャンクールやモントルーイユの蚤の市にくらべると、しっかりしたというか、使えそうな年代物が多いですね。しかも、この骨董市、売っている側も客側も、蚤の市のような胡散臭さがないですね。それをいいと見るか、物足りないと思うかは、個人の好みの差。

蚤の市だけでなく、骨董市も覗いてみると、使い勝手のいい年代物が見つかったりして面白いかもしれません。

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セクシー広告がお好き!?

2006-09-26 00:36:12 | パリ

広告といっても何かの商品広告ではなく、芝居の案内告知です。でも、日本ではちょっとお目にかかれないようなセクシーなアイデアのデザインです。メトロやRERの駅に堂々と貼りだされています。2点ご紹介しましょう。

脳みそに下着をつけさせてしまいました。“BIGARD”というコメディーの紹介告知のようです。劇場は、Theatre Comedia(コメディア劇場)。キャッチフレーズは“Mon psy va mieux(私のプシーが元気になっている)。この場合のpsyがフランス語の精神分析とかいった意味で使われているのか、英単語の音をあてたものか、ちょっと分かりませんが、いずれにせよデザインコンセプトにあわせたコピーになっているのではないかと思います。

こちらは、Theatre Chaillot(シャイヨ劇場)の年間会員募集の広告です。コルセットのような、肉体のような、どちらにも見えてしまうデザインですね。年会員にして縛ってしなおうという意味合いなのでしょうか。興味は引きますが、却って窮屈で面倒そうですね。

上記は、案内告知のデザイン例なのですが、セクシーな表現、あるいはセクシーな場面はフランスのテレビや映画、雑誌などでも普通に見かけます、というか頻繁に見かけます。もちろん街の中では、ところ構わず抱き合ったり、キスをしたりしています。もう見飽きてしまったほどです。

さすがamour()の国。しかし、それにしても好きですね。どうしてこうも好きなのか・・・でも、どこでも同じなのかもしれませんね。ただ表現の仕方が違うだけかもしれません。オープンなフランス、片や秘めたる日本。「秘めてこそ、花。」こんなキャッチフレーズがかつてあったような気がしますし、永井荷風には『ひかげの花』という短編の名作もあります。秘めて、ひかげで、淫靡に・・・なんとなく日本的ですね。でも今や日本もずいぶん変わって、若い人はずいぶんオープンになっているようですが、でも、フランスのオープンさにはまだまだかなわない。愛の表現ひとつとってみても、彼我の差は大きいですね。もちろん違うだけで、どちらがいい、悪いというものではない、ということはあらためて言うまでもありません。

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祝、TGV開業25周年―②

2006-09-25 00:47:20 | パリ

5ユーロチケットで大きな話題を作ったTGV。フランス国鉄は、TGV開業25周年の記念行事に車両の屋外展示も行いました。

場所は、シャイヨー宮前の広場。セーヌをはさんでエッフェル塔の向かい側です。ご覧のように、TGVの実物車両を1台展示し、さらに左右に様々な展示ブースを設置しました。

TGVの実物に乗るのに長い行列ができていました。こうやって1台だけ展示し、多くの人がそれを取り囲んでいると、事故車両のようにも見えてしまいますが、きちんとした車両です。

ブースでは、TGVのミニチュアを走らせたり、360km/hの速さを画面で実感させたり、あるいは、TGVが結んでいる多くの街の観光案内をしたり・・・趣向を凝らした展示になっていました。

場所柄、外国からの観光客もいるにはいましたが、やはり圧倒的にフランス人が押しかけていました。我らが誇るTGV、といったところでしょう。大人気でした。

このようなパンフレットも作って配布していましたが、そのスケジュールによるとクイズ大会やダンスショーもあり、子供連れでも飽きないようになっています。

いかに安全性を保ちながらスピードをあげるか・・・国内では飛行機との競争がいちだんと激しくなっています。また海外では、新幹線やリニア(今回の事故で後退?)との受注競争もあります。厳しい競争を勝ち抜くには、利用者に愛される努力も必要。TGVのファン作りにとって25周年は丁度いいきっかけだったのかもしれません。

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祝、TGV開業25周年―①

2006-09-24 00:53:25 | パリ
フランスのTGV(Train a Grande Vitesse:高速列車の略)。日本の新幹線の良きライバルが開業25周年を迎えます。それを祝して、一大プロモーションを行っています。



いろいろなメディアで紹介されたのですが、写真は9月22日付のmetro(メトロ紙)。“国鉄(La SNCF)、その成功の犠牲者”という見出しなのですが、何が犠牲者かというと、あまりに多くの利用希望者が殺到したので、その対応に追われたから。

25周年を記念して、フランス国鉄は21日正午から、TGVの片道切符を利用区間にかかわらず5ユーロ(約750円)で売り出しました。販売枚数は、5万枚。価格も発売枚数も、25周年の末字に因んでいるようです。購入方法は、インターネット、駅の窓口、市中の販売代理店。インターネットはこの日の朝8時からすでにオーバーキャパになり、駅の窓口や販売代理店には希望者が殺到。入り口の殺気立った群衆の中で気を失う人まで現れるという凄まじさ。

対策に追われたフランス国鉄では販売枚数を増やし、最終的には20万枚売ったそうです。それでも買えなかった人からは、もちろん不満の声が出ていました。しかし、いろいろ問題はあったにしろ、好意的な報道、声が多かったですね。なんといっても大きな話題にはなりました。

このTGV、1981年9月27日にパリ―リヨン間で営業運転を開始。当時の営業速度は260km/h。93年に300km/hになり、94年からは320km/hで運転されています。そして、この速度を360km/hにしようと試験運転が行われているそうです。因みに新幹線の営業運転速度は1964年10月1日の営業開始時は200km/h、現在は300km/hだそうで、営業運転速度ではTGVに先を譲っています。しかし、JR東日本が次世代新幹線で360km/hを目指しているそうで、日仏間のスピード競争が過熱しそうです。

フランス国内だけでなくイギリスやベルギー、オランダにまでそのネットワークを広げているTGV。来年にはようやく東部・ストラスブールまで新たに開通するそうです。

ところで、2年前の新幹線営業開始40周年に、どんなイベント・プロモーションがあったのでしょうか。覚えていますか。3年後の45周年に、450円均一チケットの販売なんてやってくれないでしょうか。発売方法が難しそうですから、やらないでしょうね。何しろ、安全第一ですから。

明日は、TGV開業25周年を記念して、23・24日に屋外で行われているプロモーションの様子をご紹介します。

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北京オリンピック。

2006-09-23 03:49:55 | スポーツ

9月21日付のLe Figaro(フィガロ紙)に、“2008年北京、中国へようこそ”という広告が出ていました。

     

広告を出したのは「中華人民共和国国家旅遊局」で、パリでの出先機関はOffice du Tourisime de Chine(中国観光局)。

キャッチフレーズ以外に何ら説明もありませんが、お分かりですよね。2008年には北京で第29回夏季オリンピックが行われます。契約か規則により、まだ、あるいはこの組織ではオリンピックの文字・ロゴマークが使えないので、このような広告になっているのでしょう。

でも、あと2年ないんですね。もうすぐです。開会式が、2008年8月8日午後8時8分。縁起のいい8並び。8月24日までの開会です。2001年7月、モスクワでのIOC総会で北京開催が決定したときはまだ中国に駐在していたのですが、各地で花火が打ち上げられ、それは大騒ぎでした。大阪は、残念でしたね。

北京オリンピックのスローガンは、“One World, One Dream”。でも、世界がひとつの価値観になってはいけない、つまりアメリカ(アングロサクソン)の一極支配には反対するといつも言っている中国がOne Worldというのも変な気がしますが、まあオリンピックのスローガンですから、目くじら立てることもないでしょう。

日本はソフトボールが確かすでに出場権を得ていますね。2年後も多くの競技で熱戦を期待したいのですが、人権や中国人観客のマナーをめぐって、問題がくすぶっているようです。もちろん中国政府も中国のイメージを良くしようと、まず海外での中国人観光客のマナー改善に乗り出しています。 ●大声を出さない(中国人の大声はすでに有名) ●列にきちんと並ぶ(割り込みや列を無視する人) ●モノの投げ捨てを止める(これはフランス人にもいえますが)・・・今はこの3点を徹底しようとしているそうで、旅行代理店に厳しく指導しているとか。でも、習性は簡単には直らない。パリでも、その大声で誰が中国人観光客かすぐ分かってしまいます。

因みに、オリンピックの2年後、2010年には上海万博。こちらもイメージアップに取組み始めているようで、パジャマでの外出を止めようとか言っているようです。確かに、パジャマに革靴という格好の人が、数年前までは目に付きましたね。そのうち、いなくなるのでしょう。

出る杭は打たれる、ということはどんな世界でもあるようです。さて、中国が今後どのようにトップの座へ駆け上って行くのか。ユーラシア大陸の西の端から興味を持って見ていたいと思います。

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電車内の注意スティッカー

2006-09-22 00:47:59 | パリ
日本でも電車内にはいろいろな注意書きが貼ってありますよね。昔は、「指つめ注意」という言い回しがある職種の方々の行為ではないかと話題になったりしたものですが、フランスの電車内にもいくつか注意書きが貼ってあります。RER(郊外電車)の車内で見つけたスティッカーをご紹介します。


優先席の表示です。でも、窓枠の上に貼ってあり、しかも小さいので、目立ちません。しかもシートがほかと全く同じなので、気づく人はほんとに少ないのではないかと思います。

どんな人が優先されるかというと、
―傷痍軍人
―目の不自由な人、働けないほどの障害者、身体障害者
―妊婦、4歳以下の子供連れ
―75歳以上のお年寄り
となっています。

傷痍軍人・・・日本ではほぼ死語となってしまいましたが、こちらでは、近年でもユーゴスラビアやレバノンなどで死傷者が出たり、文字通り身体をはって国連やEUなどの活動に参加しているので(塀の中とは違います)、この言葉が生きています。

また、お年寄りの基準は一般的に75歳以上という認識なのかもしれないですね。日本よりみんな足腰がしっかりしている、ということなのでしょうか。それとも、元気でいろ!という要求なのか・・・。

このスティッカー、まったく目立たないのですが、問題なしです。日本以上に、弱者にサッと席を譲る人が多いのです。個人主義、自分勝手のようでいて、心根は優しいのかもしれません。日本人がもしその逆だと寂しいですね。


こちらの車内には出入り口のところに折りたたみ式の補助椅子があります。RERだけでなく、メトロや国鉄の列車にも取り付けてあります。混雑した場合には、使用しないでね、というお願いのスティッカーです。これもほぼ問題なしで、混んでくるとサッと立ち上がる人が多いですね。でも、若干の例外がまれにいますが。


戸袋に引き込まれる恐れがあるので、手でドアに寄りかからないように、という注意です。こういう場合、擬人化されるのはウサギなんですね。日本では、どんな動物になるのでしょうか。擬人化する動物を選ぶにも、その社会の歴史なり風土なりが影響するのでしょうね。文化人類学とか民俗学的とか、勉強すると面白いかもしれないですね。私の場合、時すでに遅きに逸したかもしれませんが(言い訳ですね)。

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写真美術館。

2006-09-21 00:33:13 | 美術・音楽

日本での通称は「ヨーロッパ写真美術館」ですが、正式名称は“Maison Europeenne de La Photographie Vill de Paris”(パリ市・ヨーロッパ写真館)。場所は、メトロ1号線・サンポール駅のすぐ南です。


9月中旬、“Un ete italien”(あるイタリアの夏)というタイトルで展示が行われていました。イタリアで活躍する写真家の作品を中心とした展示です。


会場は、このような雰囲気です。モノクロの写真も多く、フォトジャーナリズム出身の作家が捉えた内戦により崩壊寸前のベイルートの街や、経済危機当時のブエノスアイレスの街並み(すさんだ表情の街に日本企業の看板・ネオンが目立っていました)など、建物を中心とした作品が、入ってすぐの会場に展示されていました。


もちろん、イタリア人独特の色使いによるおしゃれなスタジオ撮影写真や、風景写真なのにまるで抽象画のような作品もあります。また、キューバを撮影した作品も展示されていました。かつての美しかったであろう街の名残り、昔はカッコよかったであろうクルマの老醜・・・。なお、9月29日からはパリで活躍する日本人写真家・小野祐次氏の作品も展示されるそうです。

今回の作品の中でもっとも気に入ったのは、Franco Fontana(フランコ・フォンタナ)の作品。自然を撮影したものであるにもかかわらず、見事な色の配置、美しい画面分割・・・さすが「色の父」の作品。アートになっている風景写真であり、見習いたい作品でした。

ところで、フランスの美術館は、建物自体がアートしている感じですね。ルーブル美術館での人気トップ3は、モナリザ、ミロのビーナス、そしてなんとガラスのピラミッドだそうです。建物や装飾も美しい。ピカソ美術館もそうですし、ここもご覧の通り。

内部です。マレ地区の古い邸宅を改造したそうですが、いい味を出しています。

外からはこう見えます。

入り口前の庭。石庭みたいですよね。パネルには、“NIWA, Le Jardin”と表記されていました。ニワ、つまり庭ですね。ここにも「日本」の伝統美が顔を出しています。

立派な美術館ですし、入場者もとても多かったです。さすが、写真発祥の地! 1826年にフランス人のニエプスが撮影に成功したのが写真のはじまりだそうです。写真が芸術として非常に重視されている訳ですね。

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