50歳のフランス滞在記

早期退職してパリへ。さまざまなフランス、そこに写る日本・・・日々新たな出会い。

蘇る、黄金の国。

2006-12-31 00:10:19 | 美術・音楽
黄金の国といっても、ジパング、日本のことではありません。THRACES、日本語ではトラキア、どこかで習った記憶はありませんか。紀元前数千年頃から(最近の発掘では紀元前4,000年頃の金製品が見つかっています)バルカン半島に住んでいた民族で、紀元前6~3世紀にかけては文化も成熟し、ホメロスやヘロドトスにも称えられる一大勢力になっていたそうです。その民族が残した金製、銀製の工芸品がブルガリアで多く発掘されています。その作品がいま、パリのジャックマール・アンドレ美術館(Musee Jacquemart-Andre)で展示されています。



まずは、この美術館のご紹介から。銀行家で大資産家であったエドアール・アンドレとその妻で画家でもあったネリー・ジャックマールが集めた美術品を、8区、オスマン大通り(Boulevard Haussemann)に面した彼等の豪邸に展示しています。

イタリア美術を中心に充実した収蔵品です。


また、下の写真(寝室)のようなプライベートルームも公開しています。

なお、ダイニングルームは、カフェになっています。優雅な気分になれる空間です。

さて、今回の特別展、タイトルは、“L'OR des THRACES~Tresors de Bulgarie”(トラキアの金~ブルガリアの至宝)。とても紀元前6~3世紀、つまり2,600~2,200年も前の作品とは思えない、精巧な作品です。

金製の装身具ですが、実にきれいです。

これは水入れと装飾品でしょうか。細かいところまで見事に制作されています。

これは銀製。美しいフォルム。実に素晴らしい!

こうした素晴らしい工芸品を残しながら、歴史の波間に消えていってしまった民族。その遺品が発掘されるに従い、偉大さが蘇ってきます。ヘロドトスによれば、民族としての人口は多かったにもかかわらず小国に分裂していたため、政治的・軍事的には大国になれず、他の民族に征服され、同化していってしまったそうです。ギリシア神話ではオルフェやディオニソスがトラキアの出身とか。もしかすると、このような民族、他の地域にもいるのかもしれないですね。歴史の闇の中から蘇る黄金の国―――ロマンを感じさせます。この展示会、1月末までの開催です。

明日から、2007年。新しい年が、皆さんにとってより輝かしいものになりますように。良いお年をお迎えください。


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危険ごみ収集。

2006-12-30 00:11:26 | パリ

街のところどころに、このような緑色の丸い物体があるのに気付いたことはありますか。最初はわからなかったのですが、ワインのビンなどを持ってきてはこの中に捨てていく人を見て、これがビンなどの危険物を入れるゴミ箱であることに気付きました。黒く見える丸いところから中に捨てるようになっています。でも、非常に重そうですし、どこにもドアらしきものがない。どうやって回収するのかと思っていたのですが、先日たまたま見かけました。


クレーンつきのトラックがこのゴミ箱の横に止まり、クレーンで持ち上げようとしています。


ゆっくりゆっくり持ち上がって行きます。作業しているのは、一人だけ。誤って落ちるようなことはないのでしょうか。手前に止めてあるクルマが心配になってしまいます。


そして、トラックの荷台の中へ。中にゴミを出して、元の位置に戻されます。

なお、フランスの分別ごみ回収は、生ゴミなど、紙とプラスチック類、そしてビンなどの危険物の3種類に分けて捨てるようになっています。それぞれ大きな箱に入れておくと、下の写真のように収集車が回収して行きます。

作業員は後ろのパネルの上に箱を乗せるだけ。後はすべて自動。ずいぶんと便利になったものですね。なお、これら以外に定期的に粗大ゴミを回収する日があります。

さて、年末の大掃除はおすみですか。ゴミは分別しましたか。いよいよ明日は大晦日・・・。



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親切な表示。

2006-12-29 00:05:52 | パリ
街を歩いていて、突然フランス人から、いま何時ですか、と聞かれたことが1年ちょっとの間に数回あります。日本のようにあちこちに時計があるわけではないので、腕時計を忘れた日などは、正確な時間がわからなくて困ってしまいます。

そんな事情もあるのか、親切な表示が現れてきました。


これは、薬局のネオンの下に時刻(13時51分)を出しています。しかも、時刻だけでなく、

日にち(12月19日)も表示しますし、

温度まで教えてくれます。

どうも温度と時刻はセットになっているようで、通りに面した真新しい壁にも時刻計と温度計がセットで並んでいます。


こうした、親切な表示、今後増えていくのでしょうか? 残念ながら、答えはノンです。どうしてか。お分かりですね。携帯電話の普及です。そう、携帯には時刻表示機能があるので、腕時計を忘れても、大丈夫! ユビキタス族ではないし、写真を撮る人も少ないのですが、いわゆる電話として携帯をしっかり活用する人が多くなっています。もう、今何時ですか、と聞かれることも無いかもしれません。

せっかく見つけたパリの新しモノなのですが、大きな話題にはなりそうもありません。せっかくお読みいただいたのに、申し訳ない。そんなテーマでした。悪しからず。


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『レンブラント~光と影』展。

2006-12-28 00:09:02 | 美術・音楽
オランダの画家、レンブラントが生まれたのが1606年。2006年は生誕400年。それを記念して、フランス国立図書館のリシュリュー館でレンブラントの版画を集めた作品展が行われています。

その作品をご紹介する前に、まずは会場のご紹介を。ベルシー(Bercy)にある新しい国立図書館には時々行っているのですが、この古いほうは初めてでした。

場所は、ルーブル美術館とオペラ・ガルニエのちょうど中間ほどで、少し東側。58, rue de Richelieuが住所です。古いのですが、石畳の中庭と、それを取り囲む建物が、伝統と知性を感じさせてくれます。


入り口の上には丸い壁時計があり、同じ時計からの連想で、なんとなくオルセーに近い印象を抱いてしまいます。


建物内部も、歴史を感じさせる風情。なかなかの雰囲気ですね。勉強・読書用の部屋もあるので、ここも使えそうです。

さて、肝心のレンブラント。ラ・トゥールなどと同じように、光と影の画家とも言われています。今回の作品は、版画で光と影を表現するとどうなるか、というテーマです。150点が展示されています。



肖像画、風景、日常生活の断面といったテーマごとにまとめられています。また、同じ作品のバリエーションも展示されています。例えば、肖像画でも背景の壁に装飾があるものとないもの。比較するとその差が光と影の表現にどう影響するかがよく分かるようになっています。


また、オリジナル銅板も1点だけですが展示されています。当然ですが、出来上がった作品とは左右が逆転しています。


150点、素晴らしい作品の数々なのですが、個人的好みを言ってしまえば、やはり油絵のほうが光と影の表情が豊かで、感動も大きいような気がします。ただ、偉大な画家であることには変わりありません。

10月10日から始まっていたこの『レンブラント~光と影』展、残念ながら1月7日までの開催です。


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パリの三輪タクシー?!

2006-12-27 00:09:56 | パリ
以前駐在していたタイには、三輪タクシーがたくさんありました。サムロ。雨の日も晴れの日も、汗だくになりながら自転車を漕いでいました・・・。そのなつかしの三輪タクシーをパリで見かけました!



見たのは12月。場所は、左岸。5区・6区のサン・ジャック通りやサン・ジェルマン大通り。パリではじめて見る三輪タクシー?! 確かに自転車を漕いでいるようです。まさか三輪タクシーをパリで見ようなどとは夢にも思っていませんでした。慌ててカメラを取り出し、走って追いかけました。


背中を見ると、2台とも同じ文字が書かれています。“Teleski”・・・一体なんでしょう。早速ネットで調べてみました。ジュラ山地にあるスキーリゾートでした。ゲレンデとレストランなどを営業しているとか。600mのゲレンデが4本、それに3kmと6kmの距離スキーのコースがあるそうです。有名なスキー場のようで、この名前だけできっとわかってしまうのでしょうね。因みに、半日券が12ユーロ、一日券は17ユーロだそうです。


この三輪車、毎日見かけるわけではありません。今まででわずか2回。タクシーとしては変ですね。ニュースにもなっていないし。もしかすると、タクシーではなく、スキー場のプロモーション? 時期もスキー場のオープンする12月初めからですし、客を乗せている様子もありません。ということは、やはりプロモーションキャンペーンの一環なのでしょうか。それとも、パリの冬の寒さにうんざりして見たバンコクの白日夢? なんて言うと、恰好の付けすぎ。やはりスキー場のプロモーションだそうです。

果たしてこの三輪車のプロモーション、パリジャンたちにポジティヴなイメージで迎えられているのでしょうか。Teleskiへ向かうスキー客が増えるでしょうか。何しろアルプス地方は1,300年ぶりの暖冬とか。ジュラ地方も同じような状況でしょう。観光客の足も例年のようには向かない。そこでプロモーションに必死なのはわかりますが、なんとなく“?”な活動ではあります・・・。


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節税のため、外国へ移住。

2006-12-26 00:05:43 | マスコミ報道

先日の20分紙(20 minutes)に出ていた記事です。見出しは、「ジョニーは、節税歌手」。ジョニーとは、有名なフランスのロック歌手、ジョニー・アリディ。シルヴィー・バルタンの元夫でもあります。何が節税か?

税金の負担を軽くするために、スイスのGstaadという高級リゾート地に移住するそうなのです。フランスより、スイスのほうが税的には優遇されているとか。すでにコテージを購入済みで、後は移り住むだけ。しかし、いろいろな反撥を恐れてか、まだ正式には発表していません。

ジョニー・アリディが海外移住を考えたのは、これが最初ではありません。2005年の11月には祖先の出身国、ベルギーの国籍を取得しようと申請しました。まだ結果は出ていないのですが、来年には認められるかもしれない。しかし、それを待ちきれずに、税の安いスイスへ・・・・。写真のように12月4日にはオランピアでコンサートを行ったり、60を過ぎても、まだまだ現役のロックン・ローラー。CMにも出ていますし、収入も多いのでしょう、何とか節税を、ということのようです。

こうした節税目的での移住、ジョニー・アリディだけがやっている変わったことではないそうです。


同じ話題を取り上げているL'Express誌の記事ですが、節税のためのスイス移住組みには、シャルル・アズナブール、エリザベス・テーラー、マリー・ラフォレなどをはじめ、テニスのモーレスモ、レーサーのアラン・プロスト、ジャン・アレジなど多くの有名人がいるとか。アリディが移ろうとしている街は、所得自己申告制で、税金の上限も20万ユーロ(約3,000万円)と低く抑えられているそうで、これなら移住する高額所得者が多いのもわかるような気がします。もちろん、企業人にも多いそうです。

また19日付のmetro紙によれば、、文化人に対して税の優遇措置を行っているアイルランドにはフランス人作家・Michel Houellbecqなどが移住しています。こうした傾向を逆手にとり、科学者への税優遇措置によって、頭脳流出ではなく頭脳流入を図り、フランスをさらに科学分野で進んだ国にしようと提唱しているのが、中道・UDFから大統領選挙への立候補を表明したフランソワ・ベイルー氏。こうした声が上がるということは、科学分野でもフランスからの頭脳流出があるということなのかもしれません。

では、日本は? 節税のための移住というのは少ないと思うのですが、代わりによりよい研究環境を求めてとか、人間関係のため、あるいは成果に対する正当な評価のため、アメリカなどへ移住している人もいますね。一方、日本への頭脳流入は? そんな例、聞いたことありますか? 増えてほしいものです。


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サンタの受難!?

2006-12-25 01:05:09 | パリ
楽しいクリスマスを過ごされていますか。クリスマスに関する話題をひとつ。

日本ほどクリスマスだからといってサンタクロースのデザインがパリの街に氾濫することはないのですが、思わぬところで見かけます。



見かけるのは、サンタの「ぬいぐるみ」。しかも、部屋の中にいるのがガラス越しに見えるのではなく、なんと屋外にいるのですね。それも、ベランダの手すりにしがみついたり、屋根からぶら下がったり・・・そんな格好のサンタを見かけます。サンタの受難とでもいえそうな扱われ方です。どうして、こんな風になってしまったのでしょうか。



サンタの起源は、子供たちの守護聖人。この聖人をSinter Klaasと呼んでいたオランダ人たちがアメリカへ移住し、英語風にサンタ・クロースとなったそうです。袖と襟口が白く全体が真っ赤な服を着て白い髭、このサンタ像は1860年にアメリカの挿絵画家が描いたのが最初で、それがサンタのイメージとして一般に固定したとか。サンタが一気にポピュラーになったのもやはりアメリカで、なんとコカ・コーラの広告がきっかけだったそうです。冬にもコーラを飲んでもらおうと行ったキャンペーンのデザインにサンタを使った。そこから一気にブレイクして有名になったようです。そして、世界中に広まったのは、戦後。



アンチ・アメリカの気持ちを反映してか、フランスではサンタ・クロースとは呼ばずに、Pere Noel(ペール・ノエル:クリスマスおじさん)と呼んでいます。このクリスマスおじさんがプレゼントを持ってきてくれるのはフランスも同じ。さて、どこの家へ入ろうか。ここ、この家に来て! とクリスマスおじさんを招いているのがぬいぐるみたちのようです。猫招きならぬ「ペール・ノエル招き」。それで屋外で吊り下げられたりしているのですね。ペール・ノエルのぬいぐるみたちにとっては、フランスよりも日本のほうが大切にされてずっと居心地がいいのではないでしょうか。


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ノートルダムのクリスマス。

2006-12-24 02:00:38 | パリ
街中がクリスマス一色になった感のあるパリですが、観光名所、ノートルダム寺院も例外ではありません。


このように、前庭には大きなクリスマスツリー。寺院の建物自体もライトアップされています。

そして、クリスマスのノートルダム寺院といえば、とびきりの目玉がひとつあります。

目玉といっては罰が当たりそうですが、la crèche(ラ・クレーシュ)といわれるキリスト生誕の場面を再現する模型(人形)です。クリスマスの時期に、教会や家庭に飾られるものなのですが、ノートルダム寺院のクレーシュはとくに有名で、これを見るために来る観光客も多いそうです。また、上部の浮かし彫りにも聖母とゆりかごがあり、そこが目立つよう、金のフレームがつるされています。


暗い教会内部でほのかに浮かび上がるクレーシュ。確かに敬虔な気持ちにさせるものがあります。


クレーシュのそばには、平和を祈念するメッセージボックスが用意されています。多くの人が、メッセージ用紙にコメント(Message de Paix)を書いて残していきます。私も、平和を祈るメッセージを大きな日本語で残してきました。


訪れた折、たまたまミサが行われていました。聖職者の声が内陣にこだまして、厳かな雰囲気を醸し出しています。


ノートルダム寺院・・・クリスマスに平和を祈るには絶好の場所かもしれません。そして、もうすぐ、新年。2007年が皆さんにとってさらによい年でありますように!
(といっても、ブログはまだまだ毎日更新していきます。)


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海の幸、野の幸、クリスマス。

2006-12-23 02:38:53 | パリ
寒くなるとおいしくなるのが、牡蠣をはじめ魚介類。この時期、カフェ・レストランなどの入り口に、特別ケースを設けて魚介類を商う人が出てきます。


くわえタバコにベレー帽。いかにもパリらしい粋な格好で商売をしています。売っているのは、さまざまな貝類やオイスターなど。店内で料理してもらえます。


朝から棚にしっかりと海の幸が並んでいます。


牡蠣のポスターに白ワイン。見るからにおいしそうです。

こうした魚介類、レストランで食べるのはもちろんですが、クリスマスのこの時期、家庭で食べる人も多いようです。さまざまな食材を求めて、市場にも普段より多くの人が押しかけています。


家庭で食べるご馳走といえば、海の幸以外に、フォアグラ、ジビエ(鹿、猪、ウサギ、雉など野生動物の肉)などの山の幸というか「野の幸」があります。では、クリスマスシーズンの12月にはどのくらいの量が消費されるのでしょうか。

20日付のmetro(メトロ紙)によると、フランス全土での数字だと思いますが、12月ひと月だけで、ジビエが327トン、フォアグラが78トン、牡蠣が961トン。通常の月の3~7倍の消費量だそうです。


食べるだけでなく、飲むほうも。クリスマス用のビールもテーブルに並びます。食べて、飲んで、胃腸がタフでないとやっていけないのではないかと要らぬ心配をしてしまいます。最も寒くなる1月を前に体脂肪をつけておこうという意味合いもあるのかもしれませんが。因みに、クリスマスツリーは約50万本売れるそうです。これは思ったより少ないですね。もっと多いのかと思っていました。でも、これ以上売れると植林が追いつかないのかもしれないですね。

12月のパリ、いつも以上に「食の都」になっています。そして、明日はいよいよクリスマス・イヴ。


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路上生活、体験のススメ。

2006-12-22 02:43:12 | パリ
パリでよく見かける、というか、問題になっている路上生活者。こちらでは、SDFといわれています。Sans Domicile Fixe(ホームレス)の略語です。

12月も下旬、気温が下がり、最低気温が0~2度、最高気温も5度前後。この寒空の下、路上生活はさぞや厳しいものがあるだろうと思われます。その厳しさを実体験し、彼らへの援助・対策にさらに親身になってもらおうという試みが行われています。


10区、レピュブリックに程近いサン・マルタン運河です。両側に並んだもの、一体なんだと思いますか。


テントです。これらのテントでひと晩過ごしてもらい、その厳しさを身をもって体験してもらおうというわけです。Enfants de Don Quichotte(ドン・キホーテの子供たち)という最近できた団体が企画したそうです。16日から始まり、実際にパリ市民たちが一晩過ごしているそうです。政治家では、緑の党の新旧書記長が実体験するそうです。


アップにするとわかりますが、登山用のテントで、メーカーは冬に売れるのに驚き顔だそうです。Le Medecin du Monde(MDM:世界医師団)という団体が一年前から提供し始めています。去年一年で425のテントを支給したそうです。それ以外にもいくつかの支援団体が提供しているので、路上生活者にとっては、まるで流行のようになっているとか。実際、ポンピドゥーセンターなどでSDFのテントを見かけることができます。


20日付のmetro(メトロ紙)です。路上生活者を取り上げたこの記事によると、パリの路上生活者の30%強が職についているにもかかわらず、住まいがなくて路上生活を余儀なくされている。フランス全土では10万人が路上生活をしており、300万人以上が非常に劣悪な住宅環境にあるそうです。

また、路上生活者の65%が30代・40代、約半数が医療保険に入っておらず、10%が18歳未満の未成年で、10%が子供と一緒に路上生活をしている。10~20%が何らかの精神的障害を抱えている。厳しい暮らしぶりを反映してか、路上生活者の平均寿命はわずか43歳!

せっかくテントを贈っても、パリ中心部では邪魔になるのか追い出されてしまうことも多いそうです。弱者へ社会としてどう救済の手を差し伸べるのか、大きな問題です。しかしどうもキリスト教の精神なのか、奉仕活動をする人たちも多くいます。テントを配る、食事を提供する、一晩だけの宿を提供する・・・個人主義の厳しい社会ですが、冷たいだけではなく優しい人たちもいる社会なのではないかと思えてなりません。


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