29日、今年のツール・ド・フランスがゴールのシャンゼリゼ通りを駆け抜けました。第94回の今年はロンドンのトラファルガー広場をスタート。全3,570kmを20ステージに分けてのレースでした。
いきなりのピンボケ写真で恐縮ですが、目の前を走り抜ける選手たちのスピードは、これほど速い。感動モノの速さです。
シャンゼリゼの両側には多くの観客が。カフェのフーケ、その2階が特等席になっているようです。
その結果を伝える30日のフィガロ紙です。優勝は、カラー写真で出ているスペインのアルベルト・コンタドール選手。しかし、その勝者に与えられる花束は、すでに萎れてしまっている、と記事は伝えています。ロンサール以来の長い詩の伝統を感じさせる表現ですが、優勝すら色褪せてしまっているように思えるのは、今年の大会がドーピングまみれになってしまったから。
写真右側のモノクロ写真にこっそりと写っているのが、その渦中にある2選手。左側がチームから離脱を命じられたデンマークのラスムセン選手(第16ステージを制する)、右側がチーム自体大会から退場したカザフスタンのヴィノクロフ選手(第13・15ステージで勝利)。そのほか、イタリアのモレリ選手も陽性が判明。去年も総合優勝のランディス選手(アメリカ)がドーピングに引っかかりましたが、今年は、それにも増してドーピングの影響が大きく出ました。
そのドーピングはますます巧妙になり、血液検査でないと判明しないようになっているそうです。昔は単に尿検査でよかったようですが、今では血液検査。取り締まる側と逃げ切りたい側の、いたちごっこ。
どうして、こんなにもイドーピングが横行するのか。記事も紹介していますが、選手は、その栄誉と賞金。そして、何よりもチーム・スポンサーはその好成績で企業や商品のイメージを向上させたい。投資をできるだけ効率的に回収したい。そのためには、どんな手でも使う。スポーツの世界に、ビジネスの価値観が入ってきてしまった・・・
レースを見ようと早くから沿道に詰めかけた観衆は、選手たちの到着の2時間以上も前から多くのスポンサーの宣伝カーを見ることになります。
自転車競技とどのような関係があるのか判然としないスポンサーも多くあります。
この大会の伝統・格式を活用して企業イメージを良くしたい。
テレビ局TF1を傘下にもつ建設・通信大手のブイグ社もチームを持っていますが、その関係者曰くは、「好成績を収めると企業イメージが上がり、ビジネスにもいい影響が出るが、結果が悪いと却ってマイナスになることもある」。だから、スポンサーとしては、何がなんでも上位に入りたい。
15年くらい前でしょうか、『黒い輪』というスポーツ・ビジネスの裏側を描いた本が話題になりましたが、選手育成に資金を必要とするスポーツ界と、人気のあるスポーツを効率的な広告媒体と認識する企業の思惑が一致。その間に競技団体が入り、費用は莫大なものになっていく・・・そんな内容だったと思いますが、このツール・ド・フランスもその例外ではない、と言うか、その典型なのかもしれません。
(優勝したコンタドール選手のチーム・スポンサー、ディスカヴァリー・チャンネルの宣伝用バスです)
これだけ、ドーピングに毒されては、その権威も失墜。廃止の危機に直面するのではないか、と心配する向きもあるほどです。では、どうしたらいいのか。ドーピングチェックをより厳重にし、ドーピングをさせないように・・・これは今までもやってきたことで、またいたちごっこになるだけ。大会主催者だけでなく、各国の自転車連盟と協力して、ドーピング検査の徹底を事前から図る。チームスポンサーの勝利要求を排除するために、チーム対抗から、国や地域対抗にする。主催者が対抗策を徹底できるよう、毎年開催からオリンピックやワールドカップのように4年に1回にする。このように記事や関係者は提言しています。
さて、主催者側がどれだけ危機感を持って、どう対抗策を講じてくるのか・・・今年の10月25日には来年の大会の詳細が発表になり、来年7月5日にはブレストの街をスタートすることがすでに決定されています。100回の記念大会を前に、ツール・ド・フランス、危機に直面しています。
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いきなりのピンボケ写真で恐縮ですが、目の前を走り抜ける選手たちのスピードは、これほど速い。感動モノの速さです。
シャンゼリゼの両側には多くの観客が。カフェのフーケ、その2階が特等席になっているようです。
その結果を伝える30日のフィガロ紙です。優勝は、カラー写真で出ているスペインのアルベルト・コンタドール選手。しかし、その勝者に与えられる花束は、すでに萎れてしまっている、と記事は伝えています。ロンサール以来の長い詩の伝統を感じさせる表現ですが、優勝すら色褪せてしまっているように思えるのは、今年の大会がドーピングまみれになってしまったから。
写真右側のモノクロ写真にこっそりと写っているのが、その渦中にある2選手。左側がチームから離脱を命じられたデンマークのラスムセン選手(第16ステージを制する)、右側がチーム自体大会から退場したカザフスタンのヴィノクロフ選手(第13・15ステージで勝利)。そのほか、イタリアのモレリ選手も陽性が判明。去年も総合優勝のランディス選手(アメリカ)がドーピングに引っかかりましたが、今年は、それにも増してドーピングの影響が大きく出ました。
そのドーピングはますます巧妙になり、血液検査でないと判明しないようになっているそうです。昔は単に尿検査でよかったようですが、今では血液検査。取り締まる側と逃げ切りたい側の、いたちごっこ。
どうして、こんなにもイドーピングが横行するのか。記事も紹介していますが、選手は、その栄誉と賞金。そして、何よりもチーム・スポンサーはその好成績で企業や商品のイメージを向上させたい。投資をできるだけ効率的に回収したい。そのためには、どんな手でも使う。スポーツの世界に、ビジネスの価値観が入ってきてしまった・・・
レースを見ようと早くから沿道に詰めかけた観衆は、選手たちの到着の2時間以上も前から多くのスポンサーの宣伝カーを見ることになります。
自転車競技とどのような関係があるのか判然としないスポンサーも多くあります。
この大会の伝統・格式を活用して企業イメージを良くしたい。
テレビ局TF1を傘下にもつ建設・通信大手のブイグ社もチームを持っていますが、その関係者曰くは、「好成績を収めると企業イメージが上がり、ビジネスにもいい影響が出るが、結果が悪いと却ってマイナスになることもある」。だから、スポンサーとしては、何がなんでも上位に入りたい。
15年くらい前でしょうか、『黒い輪』というスポーツ・ビジネスの裏側を描いた本が話題になりましたが、選手育成に資金を必要とするスポーツ界と、人気のあるスポーツを効率的な広告媒体と認識する企業の思惑が一致。その間に競技団体が入り、費用は莫大なものになっていく・・・そんな内容だったと思いますが、このツール・ド・フランスもその例外ではない、と言うか、その典型なのかもしれません。
(優勝したコンタドール選手のチーム・スポンサー、ディスカヴァリー・チャンネルの宣伝用バスです)
これだけ、ドーピングに毒されては、その権威も失墜。廃止の危機に直面するのではないか、と心配する向きもあるほどです。では、どうしたらいいのか。ドーピングチェックをより厳重にし、ドーピングをさせないように・・・これは今までもやってきたことで、またいたちごっこになるだけ。大会主催者だけでなく、各国の自転車連盟と協力して、ドーピング検査の徹底を事前から図る。チームスポンサーの勝利要求を排除するために、チーム対抗から、国や地域対抗にする。主催者が対抗策を徹底できるよう、毎年開催からオリンピックやワールドカップのように4年に1回にする。このように記事や関係者は提言しています。
さて、主催者側がどれだけ危機感を持って、どう対抗策を講じてくるのか・・・今年の10月25日には来年の大会の詳細が発表になり、来年7月5日にはブレストの街をスタートすることがすでに決定されています。100回の記念大会を前に、ツール・ド・フランス、危機に直面しています。
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