50歳のフランス滞在記

早期退職してパリへ。さまざまなフランス、そこに写る日本・・・日々新たな出会い。

サルコジの、100日。

2007-08-31 00:26:02 | マスコミ報道
新たにエリゼ宮の主となって100日。サルコジ大統領の船出をフランス国民はどう評価しているのでしょうか。ソフレスが行なった調査結果を27日付のフィガロ紙が伝えています。



サルコジ大統領を全般的にどう評価するか・・・71%の人が肯定的な答え。左派支持の人たちでも48%が支持。国民の大多数に支持されているようです。

その理由は・・・そのエネルギッシュな活動ぶり。ドイツへ飛び、アフリカへ飛び、リビアで拘束されていたブルガリア人看護婦たちを解放し、リビアとは武器・原子力プラント輸出の商談をまとめ、ヴァカンス中もアメリカでブッシュ一家と会食し、仏米関係の改善に努め、イラクにクシュネル外相を派遣してアメリカとのより緊密な関係を印象付けるとともに、イラクでの利権ビジネスに道を開く・・・こうした外交面での素早い動きが、国際社会でのフランスの地位の向上、外交での目覚しい成果などという評価に繋がっているようです。フランスの地位の向上には、左右に関係なく、みんなが賛成。主義主張の前に、なんてったって、みんなフランス人なのですから。

また、国内でも、各地を飛び回り、事件・問題のあるところサルコジあり、といった八面六臂の活躍。しかもそれを逐次メディアが伝える。ハイパー大統領ともいわれる所以です。一部にはメディアに露出しすぎだという非難もあるようですが、大勢(59%)は、オープンで、国民の心配事をよく理解してくれている、とプラスに評価しているようです。やはり、国民にとっては、生活が大事、なのは洋の東西を問わないようです。

その生活、これからがサルコジ大統領にとっては本番。今までは、外交で華々しく動き回り、ポジティブな評価を得てきましたが、就業、購買力、治安といったそれこそ国民の生活に密着した問題は、法案審議をはじめこれから。どう国会を切り盛りし、どう成果ある施策を行っていくのでしょうか。これらは自分の生活にもろに影響するだけに、国民の見る目も厳しいものになるでしょう。

国内問題を処理して、さて来春、今と同じようなサルコジ流の新しい大統領像が高評価を得られているかどうか、それとも・・・エネルギッシュ(93%)・勇敢(88%)・オープン(82%)など高スコアの多い中、「誠実な」は68%。7項目中もっとも低いスコア。応援はしているものの、心のどこかにサルコナポレオンへの懐疑の念も引っかかっているような、そんな国民心情が見え隠れする調査結果だけに、今後のサルコジ大統領の行動とそれに対する国民の反応、興味津々にならざるを得ません。

ところで、その就任100日が過ぎて、はじめてサルコジ大統領の外交に関する基本方針の説明が各国の駐仏大使らを前に行なわれました。



その内容を伝える28日付のフィガロ紙です。国連安保理の改革に絡んで、ドイツ・日本・インド・ブラジル+アフリカから一カ国を新たに常任理事国へ、との発言があったと日本では伝えられていたと思いますが、この日のフィガロ紙、どこを読んでもその話題が見当たりません(見落としかもしれませんが)。発言自体があったのは間違いないのですが、何しろフランス外交にとって大切なのは、アフリカ、ヨーロッパ、対米関係、中近東、ロシア、そしてG8からG13へ、つまり経済成長の著しい中国・インド・メキシコ・ブラジル・南アフリカ。日本とは、特に大きな問題がなければ、それでよし、といったところでしょうか。まあ、順調な二国間関係であれば、フランスの新聞社にとっては大きく取り上げることもないのかもしれないですね。

外交上平穏な日仏関係だけに、こういう時にこそいっそう国民の草の根の交流が大切なのではないでしょうか。時あたかも来年は、日仏交流150周年。ぜひ、両国関係がいっそう緊密になるよう、少しでも積極的に参加したいものですね。

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どこが、不法就労の巣?

2007-08-30 00:24:08 | マスコミ報道
フランスでの不法就労は、ずいぶん前から問題になっていますが、どんな分野で行なわれているのか・・・いい調査結果が紹介されていました。



2週間以上も前、14日付のフィガロ紙です。2005年7月1日から9月30日までの間に、2,300のホテル、カフェ、レストランを対象に調べたそうなのですが、なんとそのうち四分の一の施設で、少なくとも一人は不法労働者を雇っていた! これが、パリとその周辺(イル・ド・フランス地方)では、60%以上の施設で! しかも、ホテル・カフェ・レストランの全従業員の12%が不法労働だった!!

以前から建築・興行・農業・縫製・引越し・警備などで多くの不法労働者が雇われているのでは、と言われていたようですが、この調査で、ホテル・カフェ・レストラン業界でも多くの不法労働者が従事していることがはっきりしました。

この記事には、もちろん、業界を擁護する意見も紹介されています。まずは、調査期間。夏の観光シーズン。利用者は多く、しかもヴァカンスで臨時に雇える人も限られている。どうしても、不法労働であることを承知の上でも、雇わざるを得ないことが多い。・・・(でも、2~4週間、堂々と休んでいるカフェやレストランも多い!)

二つ目は、税金の問題。付加価値税(TVA)がこの業界は19.6%。カフェやレストランと競合することも多いファースト・フード店は5.5%。この差をそのまま価格に反映させてしまうと、競争に勝てない。そこで、どうしても、賃金の安い不法労働者を雇って、人件費を抑えたい、ということになる・・・(食事やサービスの「質」で勝負はできないのか?)

こうした状況は、専門家たちもすでに認識していたようで、今年の5月から、新規にホテル、カフェ、レストランをオープンする際には、3日間の研修を課しているそうです。衛生、安全、雇用などについての研修。

でも、調査の実施が2年前。年鑑で発表するからといっても、実査、集計、分析に2年近くはかかりすぎ。どこかで、情報が漏れ、責任部署は研修制度のスタートなど事前に手を打ったのかもしれないですね。何しろ各所にいるエリートたちは、学校が同じだったりしますから、お互い助け合うこともあるのでしょう、きっと。

不法滞在、不法就業・・・内相としても実績を上げたサルコジ大統領、さて、どんな手を打ってくるでしょうか。


(イメージ写真、内容とは関係ありません)

蝶ネクタイにエプロン、お盆片手に、さっそうと行き来していたギャルソン。今では、ギャルソンと呼びかけてはいけなくて、ムッシューと呼びかけるようになっていますが、服装も一部では簡略化され、チップも料金に含まれているところも増えています。働いている人もその道のプロから、雇う側の都合でちょっと短期間雇う人へ。しかも、来年1月からは、店内が禁煙に。フランスのカフェ文化、大きく変わっていきそう・・・なんとなく、残念ですね。

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07/08シーズンへ。

2007-08-29 00:29:00 | 映画・演劇・文学
この時期から来年へ向けて、新しいシーズンが始まります。たとえば、サッカー。日本は春から秋ですが、ヨーロッパの多くの国々では、8月から来年の春までがシーズン。最近シーズン・インしたリーグが多いですね。イタリアではセリエAに復帰したユベントスが大勝、ドイツではバイエルンが三連勝、スペインでも、イギリスでも、そしてフランスでも始まっています。松井のいるル・マンが好調な滑り出し。パリでの試合、また応援に行ってみたいと思います。

そして、忘れていけないのが、文化イベント。これも、秋から春がシーズン。9月になるといろいろなイベントが始まります。その一つが、演劇。


26・27日付のル・モンド紙の別冊に掲載されていたコメディ・フランセーズの広告です。1680年に設立された、別名「モリエールの家」とも言われるフランス演劇の殿堂。ご覧になったことのある方も多いのではないでしょうか。これからのシーズン、どのような演目リストで私たちを迎えてくれるのでしょうか。


これは、コメディ・フランセーズの公演スケジュールや演目紹介をまとめた冊子です。実は、頂きもの。フランス語会話のボランティ教室で、演劇の話とかをしていたところ、ボランティアの女性が、持ってきてくれました。コメディ・フランセーズには劇場が三つあり、そのひとつがそのボランティア・サークルの近くにある。そこでわざわざもらって来てくれたものです。嬉しいプレゼント。パリのおばさんたちは意地悪という風評もありますが、もちろん全員が意地悪ではなく、こうして親切なご婦人たちも多くいます。実際には、親切な人たちのほうが多いのだろうと思います。ただ、少数の意地悪さんが露骨にやるので、そういうイメージができてしまっているのかもしれないですね。


さて、この写真にあるように、劇場は三つ。もっとも有名なのが、“Salle Richelieu”。コメディ・フランセーズの本拠地です。ここ以外に二劇場。6区にある“Theatre du Vieux-Colombier”。ジャック・コポーにより開かれた劇場で、一端閉鎖されていましたが、1993年にコメディ・フランセーズの第二劇場として再開されています。そしてもう一つが、ルーヴルのギャラリー・デュ・カルーセルにある“Studio-Theatre”。この名は、1912年にスタニスラフスキーがモスクワに作った劇場の名に因んでいるそうです。こちらは1996年にオープンしています。


今年6月10日現在の劇団員です。総勢59名。これらの俳優たちが見せてくれる演劇の真髄。さて、このシーズンの演目は・・・

主だったところでは、モリエールの『病は気から』・『人間嫌い』・『才女気取り』、ボーマルシェの『フィガロの結婚』、マリヴォーの『率直な人々』、シェークスピアの『じゃじゃ馬ならし』、ラ・フォンテーヌの『寓話』、ガルシア・ロルカの『イェルマ』、エドモン・ロスタンの『シラノ・ド・ベルジュラック』、ダ・シルヴァの『ドンキホーテとサンチョ・パンサ』・・・どうです、楽しみですね。

そして、もう一つ、忘れていけないのが・・・

“Hommage a Moliere”(モリエールへのオマージュ)として去年から始まった特別公演。モリエールの誕生日(1622年1月15日)を記念して、2008年も1月15日に劇団員総出で特別公演を行なうそうです。

来年1月はモリエール386回目の誕生日。

ここまで愛され、尊敬されるとは、モリエール自身、存命中に予想していたでしょうか。時の試練を潜り抜け、今でもまだその輝きが衰えない。真の芸術の名に相応しい作品を残したゆ故でしょう。そうした作品を、「今」を感じさせる演出で見ることができる。これは、とびきりの贅沢かもしれません。9月から来年の6月まで、その贅沢をできるだけ多く味わいたいと思っています。

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ゼン、ゼン、すごい!

2007-08-28 00:47:27 | パリ
「全然」は否定の言葉に呼応する副詞。昔はこうだったのですが、いつ頃からか、「全然すてき」のように強調の意味で肯定文にも使われるようになりました。言葉の乱れと非難されもしましたが、言葉は生き物。多くの人が使い、共通の意味が認識されれば、新しい使い方として通用してしまう。だって、私たちの日本語、明治時代ともすでに違っているでしょうし、江戸時代、ましてや平安時代とは、まるで別物。やはり、言葉は生き物なのではないでしょうか。

という「全然」で始まった今日のこのブログ、例によって、テーマは「全然」違います。ゼンはゼンでも、「禅」。このゼン、立派にフランス語になっていて、“zen”。禅という名詞に、また落ち着いていると言う形容詞にも使われています。“rester zen”(落ち着き払っている)という例文がよく出ています。

街でも時々見かけます。たとえば、ある銀行(日系ではありません)のサービスパッケージ。セキュリティやネットでの口座移動などが組み込まれていますが、名づけて“zen”。


そして、この“zen”を見出しにした記事が、1ヵ月半のヴァカンスの後ようやく復活したフリー・ペーパー・metro(メトロ紙)の初日(27日)のトップ記事として出ています。



禅で落ち着こう、といった意味で、PCを前に座禅を組んでいるような男性の写真。ヴァカンスも終わって、また新たな日々が。それを心穏やかに迎えるためのアドヴァイスが紹介されています。

仕事では、たとえば、読書や音楽を聴いたりして通勤のストレスを軽減させるとか、スポーツ、十分な睡眠、ダイエットなどにより、健康を維持する。また、ヴァカンスを冷却期間として活用して、しばらく会わなかった同僚などとの対人関係の改善を図る。

金銭面に関しては、おさおさ油断する事なかれ(格言だそうで、やはりヨーロッパ人はお金に関してとてもしっかりしているようです)。パンや牛乳などの食品をはじめ、光熱費などの値上げが予想されている。通信関連では、いろいろ新しいサービスの提案があるが、まだ先が読めないので、飛びつくのは危険。

おしゃれでは、ゆったりしたセーターや透明感のないストッキング、そして皮のアクセサリーが推薦されています。写真がその一例ですね。この秋のトレンド、ということのようです。

健康に関しては、自然の中で深呼吸するとか、プールで泳ぐ、マッサージを受けるなど、体の手入れを怠らないように。

そして、カップルで、あるいは家族と一緒にすごす時間を作って、リラックスすることも大切。たとえば、週末、ちょっとした小旅行をしてみるとか。

どうですか、このような点に注意して過ごすと、この秋、日々のストレスも少なくて済むそうです。“zen”の本家、日本としては、皆さん、毎日を心穏やかに過ごされていますか。いやいや、ストレスだらけ。でも、ストレスに慣れてしまっているから、ストレスを減らす努力をすると、そのことが却ってストレスになってしまう・・・? ストレスの少ない暮らし、何とか実現できないものでしょうか。

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愛も、創造も、一緒に。30年。

2007-08-27 00:35:26 | 美術・音楽
チュイルリー公園の西の端にある“Jeu de Paume”(ジュ・ド・ポム)。写真作品を展示する美術館ですが、今、公開しているのは“Pierre et Gilles double je 1976-2007”(『ピエールとジル:重なった「私」~1976年から2007年』展)。



会場入り口です。この作品のモデルは・・・ピエールとジルの二人、作者たち本人です。

ピエール(Pierre Commoy)、1950年生まれ。写真家。ジル(Gilles Blanchard)、1953年生まれ、画家。二人がはじめて出会ったのは、1976年、パリ、個展のオープニングで。それが運命の出会いでした。二人はすぐパートナーとして一緒に暮らし始め、共通の美のために創作に励むようになる。



カラーでお見せできないのが残念ですが、とてもおしゃれな作品です。しかし、完成までには、長く困難な道のりが。一緒に、アイデアを練る。ようやく方向が決まると、それをデッサンに描き、直し、また描き・・・納得できると、モデル探し。彼らの作品には、必ずモデルが登場します。そして、ジルが小道具やコスチュームを担当し、ピエールが撮影。出来上がった写真を、ジルが手を加えて仕上げていく。完成したものは、写真絵画(photographie-tableau)ともいわれる、繊細にして、完成度の高い作品になっています。

彼らが描くのは、ポップ・カルチャー、ゲイ・カルチャー、神話、妖精、道化、宗教、エロティシズム・・・ゲイ・カップルである彼らの世界には、男性のフルヌードも多い。しかし、いかがわしさはなく、「美」の世界が提示されています。親と一緒に来た小学生の女の子も恥ずかしがらずに見ていました。



そのモデルたち、有名人が勢ぞろい。特にミュージシャンに多いのですが、マドンナ、ニナ・ハーゲン、リオ、マリー・フランス、ミカド(バンド)、さらには、カトリーヌ・ドヌーヴ、ミレイユ・マチュー・・・そして、最も多いのは、自分たち。

1985年には日本でも個展を開いており、日本にも興味があるのでしょう、今回の作品展でも日本に関係する作品も展示されていました。五条の橋の上の牛若丸・・・演じるは、なんと、マドンナ。また、凛々しくも妖艶な若武者は、あの新庄剛志(ヌードではありません、念のため)。

モデルはみんな実際の人間なのですが、1点だけ違うものが・・・キティちゃん。ピンクの服、周りを小さな星々に囲まれ、かっわい~。フレームも自分達で作っているのでしょう、素材や色が、作品に実にうまくマッチしています。


(会場の階段踊り場に描かれていたイラストです)

ゲイ・カップルの存在が日本よりは容認されているとはいえ、完全に同じ権利までは得られていない。そうしたフランス社会で、芸術作品のコラボレーションを、30年以上に亘って行なっているピエールとジル。彼らの作品は、変幻自在の目くるめく美の世界。男性ヌードも違和感なく見れてしまいます。それは、ポップ感があるから。そして、星や花を背景に数多く散らばした華麗さ、ピンクやパステルカラーの多用、プラスティックを活用したフレームなど、その美は、日本のマンガの描く世界にも近いのではないか・・・そんな気までしてきます。



『Pierre et Gilles double je 1976-2007』
9月23日まで
*彼らの作品をカラーでご覧になりたい方は・・・
 (まずは、投票をお願いします)

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(ごく一部で、しかも今回展示されていない作品もあるようです)
http://www.optimistique.com/pierre.et.gilles/galerie.html

TOKIO、TOKYO、東京。

2007-08-26 00:21:51 | パリ
私が学生時代ですから、もう30年も前。その頃、フランス語では東京をTokioと表記していました。まるで沢田研二の「♪トキオが空を飛ぶ~」みたいでした。それがいつの間にか、Tokyoに。フランスとは縁もゆかりもない生活をアジアで送っていたので、どういう経緯でTokioからTokyoに変わったのかまったく知らないのですが、いずれにしても、トウキョウ。

その「東京」をテーマとする催事が老舗デパートのボンマルシェで25日から始まりました。



デザインのアップは、メトロの駅の大型ポスターのほうで。



こいのぼりや団扇など、季節感には関係なく、いってみれば江戸情緒的なデザインになっています。しかも、なぜか、右端のほうにはパンダらしきものも。ユーラシア大陸の西の端から見れば、日本も中国も、あまり差がない・・・?

またご覧のように、タイトルは“EXPOSITION ♡TOKYO”。このハートマークが、実はこの催事の特徴を端的に表現しているのですね。と言っても、会場を見た後に気付いたのですが・・・



「エクスポジション・東京」というタイトルをメトロ駅のポスターではじめて目にした時には、東京の今を多角的に紹介するイベントかと勝手に思ったのですが、やはりそこはデパートの催事。「東京物産展」をおしゃれにした店頭イベントです。



銀座、六本木、中目黒、代官山、自由が丘などエリアごとにファッション、ステーショナリー、小物などを展示即売。浅草コーナーでは、お酒、お菓子、お茶などの食品も。環境問題に配慮してか、風呂敷も販売されていましたが、なぜか、HUROSHIKI SHIKI(風呂敷・敷)。でも、れっきとした日本製。今おしゃれな店では、風呂敷敷って呼ぶんでしょうか・・・また、日本を紹介するさまざまなフランス語の書籍も展示販売されています。従って、客層も、日本のファッションに関心のある人から、書籍目当ての人まで、バラエティに富んでいます。



さて、店頭に並べられたファッションや、おしゃれ小物。かわいい~っていうものが多い。ディスプレイの団扇も白地に赤い水玉模様。ショッピングバッグにはハートマーク。どうも、マンガ、アニメやコスプレにも見られるのですが、いまの日本と言えば「かわいい」。そんな印象を持たれているのではないでしょうか。でも、それが受け入れられている。もちろん、「戦争の国」よりも、ず~っと良いのではないでしょうか。こちらでは、自爆テロを「カミカゼ」と呼んでいますが、そのうち「かわいい」も国際的に使われてくるといいですね。しかも、日本ではマインド的に「大人可愛い」。年齢に関わりなく、可愛いがプラス評価されているわけですから、「可愛い」をキーワードにした日本紹介、これからもまだまだ増えてくるのではないでしょうか。



“EXPOSITION ♡TOKYO”、ボンマルシェ2階(日本式では3階)で、10月13日までの開催です。

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変わる、家族のカタチ。

2007-08-25 00:35:46 | マスコミ報道
突然ですが、皆さんの子どもたちは、愛情いっぱいに育ちましたか。幸せでいますか。

社会の最小単位とも言われる、家庭。そのカタチがフランスでは大きく変わってきています。日本でもすでにいろいろ紹介されていますので、ご存知の方も多いかと思いますが、最近いくつかの話題が新聞記事になっていましたので、ちょっとご紹介しましょう。



17日付のフィガロ紙です。再婚家庭の連れ子と義理の親の関係に関する記事です。義理の親にも、実の親と同じような権利を認めようという動きになっているようです。こうした動きが話題になるのも、再婚カップル・家族が多いから。今フランスには、再婚家庭に暮らす子どもたちが160万人いるそうです。再婚家庭といっても、何年も一緒に過ごせば、実の親子同然の愛情も育つ。それが、再び親同士が別れた場合、その子どもと義理の親にはどのような権利が残るのか・・・ますます複雑になってきているようです。

もう一つは、ちょっと古いですが先月19日の同じくフィガロ紙に出ていた、片親家庭の子供たちについての話題です。



見出しは、フランスでは、5世帯に1世帯の割で片親家庭になっている。しかも、片親家庭が今も増え続けている、という内容です。

1960年代以降、この40年の間に片親家庭が倍以上に増えている。片親家庭は、1962年に68万世帯だったのが、1999年には150万世帯になり、これは25歳以下の子どものいる世帯の16.7%。ということは、6世帯に1世帯が片親家庭。それが、今では5世帯に1世帯の割合にと、増え続けている。

フランス国家統計機関によると、2005年には27万6,000組が結婚し、15万2,000組が離婚したとか。これ以外に結婚せずに子どもをもうけているカップルのパートナー解消というカタチもあるでしょう。今や片親家庭の四分の三が親の離婚・別離がその理由とか。

でも、再婚が・・・確かに上でご紹介した記事にあるように、再婚家族自体は増えているのですが、それ以上に離婚が多く、結果片親家族のほうが急増しているそうです。父親が男手ひとつで子どもを育てている家庭は、全片親家庭のわずか14%。離婚時に子どもは母親が引き取ることが多く(85%)、また男親はすぐ再婚するため、いつまでも男親が子どもを一人で育てているケースは少ないそうです。それに引き換え、女性が一人で子どもを育てる割合は高い。結婚はもうこりごりという女性が多いのでしょうか。


(イメージ写真で、内容とは関係ありません)

フランスでは、片親家族、再婚家族をはじめ、いろいろなカタチの家庭があります。でも、カタチはさまざまでも、そこで暮らす大人も、そして何より子どもたちが十分な愛情とともに毎日を送れますように。そうあってほしいと願います。

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ワイワイ、ワインの出来を予想。

2007-08-24 00:26:29 | パリ
もうすぐ9月。ぶどうの収穫の季節です。そして、今年のワインの味は・・・ワイン通の皆さんには、楽しみな季節ですね。



22日付のフィガロ紙です。今年はぶどうの収穫がいつもの年より、早い。なんと、シャンパーニュ地方では23日から収穫が始まったそうです。冬暖かく、4月に十分な日照があり、しかも5月からは雨が多い、という気象条件が、ぶどうの収穫を2~3週間早めたそうです。これほど早い収穫は猛暑により早まった2003年を除けば19世紀以降はじめてだと言う人までいるほどだとか。

この早い収穫、シャンパーニュ地方だけでなく、ほぼ全国で見られるそうです。たとえばボルドー地方では白ワイン用のぶどうの収穫を来週月曜から、赤ワイン用は9月15日から開始するとか。ほとんどの地域で来週には収穫を始めるそうです。このぶどうの収穫には、フランス全土で30万人が従事するとか。やはり一大産業ですね。そのうち10万人がシャンパーニュ地方で、そしてこの土曜から収穫を始めるというボージョレ地方では5万人がぶどうの収穫に汗を流すことになっているそうです。

そして、ワインに。2007年ものは50億リットルが期待されているようで、昨年に比べると6%の減少。1999年の約63億リットルには遠く及ばない。でも、最近の供給過剰に悩むワイン業界にとっては、少しは朗報になるようです。

しかも、収穫量が少ない年は、品質的に当たり年が多いとか。でも、今のような多雨がこの先続くようだと、赤ワインにはマイナスの影響がでるかもしれないと、心配する向きもあるようです。さて、2007年もの、最終的には、どういう判断が下されるでしょうか。

ところで、どうして、ワインが供給過剰か―――アルゼンチン、オーストラリア、南アフリカなどのワイン新興国の成長、そして、フランスを中心にワインを飲む人が減少していることが主な理由。そこで、輸出に打開の道を見いだそうとしています。従来からの日本、そして消費が急増している中国に熱い視線が向けられているわけです。なお、新興国、特に南半球でも今年はぶどうの収穫量が減ったとか。やはり、異常気象のせいでしょうか。因みに全世界でのワイン製造量に占める南半球の割合は、ここ10年で、14.8%から18.5%に増えているんだそうです。

では、ブドウ畑の現状は、いかに・・・残念ながらシャンパーニュ地方までは行けないので、パリ市内、モンマルトルにある、有名なブドウ畑を覗いて来ました。



サクレ・クール寺院の裏、シャンソニエ「ラパン・アジル」の前にあるブドウ畑です。十分に色づいているようです。もう少し、寄ってみましょう。



たわわに実っています。でも、天気が心配。今週は、ほぼ毎日、雲時々雨。あまり湿気が多いと、病気の発生とかも心配なようです。

でも、もう少し。今年もこのぶどう園の収穫祭、ぜひ見に行こうと思っています。ワイン・・・飲むだけでなく、ぶどうの成長、果実、収穫と、いろいろな楽しみがあるようです。

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一足早く、読書の秋。

2007-08-23 00:27:06 | 映画・演劇・文学
日本では、まだまだ暑くて読書の秋なんていう状況ではないかもしれないですが、政治も、学生の勉強も再開されたフランスでは、読書の秋!

皆さんは、どんな本を思い出の一冊にあげますか? 一冊に絞るのは難しい。たとえば、私の場合は、『十五少年漂流記』、『クオレ』、『三銃士』、『君よ知るや南の国』、『ああ無情』・・・思い出の本と言うと、どうしても「少年少女世界の文学」に行き着いてしまいます。もちろん、これら以降に読んだ思い出の本もあります。一方、忘れてしまった本もそれなりにあります。それら全てが、私の存在のどこかで、生きているのではないかと思っています、ちょっとオーバーですが。

いきなり、私的思い出に浸ってしまいましたが、ブログゆえとご容赦を。

さて、フランスの読書の秋。


21日付のフィガロ紙です。新学年を“Rentree”と言いますが、それに引っ掛けてあるのか、“la Rentree Litteraire”(文学の新学期)、日本の「読書の秋」にあたるのではないかと思います。

これから2ヶ月ほどの間に、727冊の小説が出版される予定とか。内訳は、フランス人作家による作品が493作、外国人の作品が234作で計727冊。それらの中には、新人の作品が102作含まれているそうです。新しい文学の地平を切り開くどんな新人作家が登場するのか、楽しみですね。

でも、727冊。すごい量です。記録更新だそうです。2ヶ月で全部読もうとすると、毎日12冊以上! これは、無理な話ですね。大手出版社よりは、中小出版社からの本が多いそうです。どうしてか・・・記事によると、作品が売れるかどうか、これは一種の賭けのようなもの。ということは、下手な鉄砲、数撃ちゃ当たる? 727冊も出版されても、その多くが数千部程度しか売れない! 10万部売れれば、ベストセラーだそうです。今年のベストセラーは、どんな作品に。

ということで、フィガロ紙が20冊をあげています。でも、これらは出版業界で話題になっている作品で、必ずしも、作品のレベルを保証するものではないそうです。

また、小説以外にも、エッセーがおよそ600冊。これだけ多くの作品が世に出ると、1作品あたりの部数は、どうしても減ってしまうのでしょうね。

では、実際に書店の店頭はどうなっているでしょうか。


この書店では、まだ「この夏のお勧め50冊」で店頭を飾っています。


インテリアショップみたいなおしゃれな店頭の書店もあります。


そして、ありました。

“Rentree litteraire”と表示した書店のウィンドー。この店は、この店ならの判断で選んだお勧めの本を展示しているようです。


作家が尊敬され、読書のよろこびを大切にする人が今でも多いというフランス。一足早く、読書の秋のご紹介でした。

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ホウレンソウ。

2007-08-22 00:24:53 | マスコミ報道
野菜、しっかり食べていますか? 健康のためには、毎日、野菜を!

でも、今日の話題は、野菜ではありません、悪しからず。

では、何でしょう、ホウレンソウ。サラリーマン経験のある方なら、すぐお分かりですよね。報告・連絡・相談・・・略して、ほう・れん・そう!

昔は、業務日誌とか、いろいろ書き物が多かったのですが、今や、どこに行ってもメール。でも、それだけじゃ安心できない上司に当たったりすると、携帯で逐次ホウレンソウ。大変です。でも、中には、これを利用してうまくゴマするサラリーマンや、上司から電話があってはまずいTPOのある人は、日昼、必要以上に電話を入れておくとか、皆いろいろ工夫しているようです。

では、フランスでは・・・



サラリーマンではないのですが、最近気になって仕方がないのが、サルコジ政権の閣僚たち。この写真は、20日付のフィガロ紙。クシュネル外相のイラク電撃訪問を一面で伝えています。イラクが現体制になった2003年以降、フランス高官としては初めての訪問。かたちはタラバニ大統領の招待で、となっていますが、アメリカの喜びようを見れば、昼食をご馳走になったサルコジ大統領のお礼だろうという気がしますね。あれだけイラク派兵に反対していたフランスが、アメリカのつくった現体制を支援する動きを始めるようです。もちろん、今後の利権対策という一面が強いのでしょうが。

という、新聞ネタは置いておいて、テーマは携帯。バクダッドの空港に到着し、外に出るやいなや、クシュネル外相、早速携帯で電話。相手は・・・ここからは、全くの想像ですが、サルコジ大統領?

―大統領、今到着しました。警備はしっかりしているので、大丈夫です。ただ思っていたより暑いですね。
―それは、ご苦労です。では、打ち合わせどおり、今後の復興支援という方向で。
―了解です。何かあったら、また電話入れます。

これじゃ、日本のサラリーマンと上司の会話になってしまいますね。実際どんな風に話すのでしょうね。興味がありますね。それはともかく、バグダッド到着とともに携帯で電話のクシュネル外相。一方、フランス国内では、歩きながら携帯で電話をしているフィヨン首相の姿がしばしばテレビに映ります。

しかし、なんといっても、携帯といえばサルコジ大統領。皆さんもご記憶ですよね。先のハイリンゲンダム・サミット。


(はしっこで、我関せずの風情。入り込むのは、なかなか難しい)

サルコジ大統領は、各国の首脳たちと歩きながらでも、ひとり、携帯で電話。あるいは、その携帯をプーチン大統領に渡して、半ば無理やり話をさせたり・・・本当に携帯が好きなんでしょうね。

でも、こういった上司につくと、忠誠心を見せようと、必要以上に携帯で報告する人が増えるのではないでしょうか。それとも、フランスでは、そんなことはありえない? でも、マスコミ報道で見るかぎり、サルコジ政権の閣僚たち、いつもいつも、歩きながら携帯で話しています。シラク&ド・ヴィルパン時代との外見上の最も大きな違いではないかと思えるほどです。

野党の社会党から外相という重要ポストに抜擢されたクシュネル氏にとっては、やはり「サルコジ命」的になってしまうのでしょうか。そんなことはない、これこそ日本的情緒論にしか過ぎないのでしょうか・・・

たかが携帯、されど携帯。サルコジ政権の閣僚たち、いつでも、どこでも、携帯を手放さず。でも、どんな気持ちで電話をしているのでしょうか。

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