50歳のフランス滞在記

早期退職してパリへ。さまざまなフランス、そこに写る日本・・・日々新たな出会い。

問題は、やはり現場・・・ポイント制学食。

2007-10-17 00:57:03 | パリ
いつもお世話になっている学食(レストU)。新学期からポイント制になりました。ポイント制・・・?



ポスターでも説明しているように、各料理にポイントがついていて、その合計で料金が決まるシステムです。例えば、「今日のメイン」料理は4ポイント、ピザも4ポイント。ソーセージは3ポイント。サラダやチーズ・フルーツ・ヨーグルトなどは1ポイント。この制度のお陰でサラダバーが各学食に設置されました。野菜が取りやすく、つまり採りやすくなりました。



そして、ケーキ類が充実。5~6種類のケーキが用意され、きちんとカットされています。但し、こうしたケーキは2ポイント。



そして料金は合計6ポイントまでが2.8ユーロ。6ポイントを超えると1ポイントごとに0.5ユーロの追加。例えば、メイン+サラダ+ヨーグルトといった以前の同じような選び方をすれば4+1+1で6ポイント。料金は2.8ユーロになります。しかし、入ってすぐの棚にケーキが並んでいるので、ついそれに手を伸ばして、メイン料理とサラダを取ると合計7ポイントで、3.3ユーロになってしまいます。こちらの食事、ほとんど砂糖を使わないので、どうしても甘いものが食べたくなってしまう。その弱みに付け込まれたようなシステムですが、ケーキを取っても、メインの代わりにソーセージを取れば2.8ユーロ。あるいは、メインとケーキだけにすればやはり2.8ユーロ。値上げにはならなくて済みます。

サラダバーが増えた、甘いものが食べられる、ということで、選択の幅が広がった! さすが個性を大切にする国らしく、好みに合わせて選びやすいように、考えてくれたようです。

と、ここで終われば、めでたしめでたしなのですが、現実はそう甘くない。どうしても、この国も「あの顔」が現れてしまうのですね。あの顔・・・そう、それなりの人たちがいい制度やシステムを作ってくれるのですが、それを実施に移す人たちが、ちょっと・・・

ポイント制学食の「ちょっと」とは・・・レジなんですね。以前は利用者が1階で買ったチケットを受け取るだけですから、レジといっても簡単な作業。それが新しいシステム導入のお陰で、まず、皿ごとのポイントを覚え、料金を確認し、しかも専用カードでの支払いになっているので、カードから引き落とすようにする。一気に大変な作業になってしまいました。

はじめのうちは、ポイントに戸惑っていた担当者ですが、さすがに、ポイント数は覚えた。次は、カードからの引き落とし。これがトラぶるんですね。先週は、利用者が取った料理を入力し、カードに読み取る機械が動かない! システムの担当者が来るまで、急遽現金払い。小銭を持っていない学生がいたりで、大混乱。10分以上経って担当者が来た。原因は・・・? コンセントが入っていない! 電気がなければ、ただの箱!! ここまで来ると、ご愛嬌、ですね。

そして、今週は・・・またまた支払機。途中でダウンしてしまった。今度は、コンセントを確認したものの、コンセントではない。困った。また現金払い。ようやく、システム担当者の登場。一旦、レジ関連の電源を落とし、再起動。それでも、ダメ。今度は、いろいろいじり始める。そして、問題が起きたときはどうするかをレジ担当者に説明し始める。そうすると、現金を受け取る人がいない。システム担当者は、今回はなんと3人で来たのですが、3人ともレジは仕事ではないので、一人がシステムを調整している間、二人は見ているだけ。支払いは止まったまま。長蛇の列が動かない。後ろのほうの人は別のフロアの学食へ移動したりしましたが、すでに料理を取ってしまった人たちは私も含め、ただ待つのみ。待つこと20分近く。ようやく復旧。このフロアのレジ、別の日にも故障したとか。どこかに欠点があるのかもしれないですね。

今までも何度かご紹介しましたし、他の欧米の国々からも指摘されるように、フランスのトップ層はいいアイディを出すのですが、それを実際に運用する現場で混乱がよく起きる・・・これがフランスの特徴の一つのようです。優秀なエリート層とちょっと?な現場の人たち。でも、どこの国にも、良いところと悪いところはあるものです。全てが良いというのはウソっぽいですし、全てが悪いというのはあまりにもネガティブな見方。両方をしっかり見ることが大切なのではないかと思っています。学食の新システムにしても、うまく利用すれば、今まで以上に充実した昼食になります。レジに並ぶ時間が長くなることがあっても、プラスマイナス0と思いたいものです。

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