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産業機能不全前夜、日本においても停電が発生するか?

2021-09-28 22:26:43 | エネルギー
 中国では各省によっては大電力を消費する工場に対して大規模な計画停電が行われている。遂に、アップルやテスラの工場も一時的な生産停止が報じられている。
 原因は外交問題によって中国側からのオーストラリア石炭不買が指摘されているが、実際には通関で問題が起きているようである。
 船員に対するコロナ検疫によって通関・荷揚げの遅滞が起きているようだ。中国側の荷揚げ要員もコロナ対策で必要な人数が確保できていない。
 例年、9月から年末商戦に向けて荷扱が増えるが、既に荷捌き遅滞で港には大量の貨物船が滞留しているようだ。
 また、投機的な動きで石炭価格が4倍も高騰し、電力小売価格が統制されているので、発電すると損失が出てしまう状態となっている事も電力不足に拍車をかけている。

 電力が止まると経済への打撃は大きいものとなる。
2013年、キプロス共和国で預金封鎖が起きたのは、米国に命じられて捕獲した船の弾薬を倉庫に備蓄してあったのだが、これが爆発して発電所が被災して長期停電に陥ったのが原因だとされる。

 工場によっては一度停電するとライン復帰に時間がかかる場合もある。自家発電設備を備える動きもあるが、自家発電で大電力を確保するのは難しい。

 これは他山の石ではない。日本の東京においても、来年1・2月は電力融通を最大限受けても電力不足に陥ると見られている。
 今年の冬は、関西電力・四国電力はLNG(液化天然ガス)が払底にまで追い込まれた。

LNGは貯蔵施設の容量にも依るが、一般的に2カ月分しか貯蔵できないようである。
そもそも、液化するのに極低温を維持しなくてはならず、保存期間が長いほどエネルギーを消費する。

 電力需要を賄うには、水力を基礎として、不足分を火力発電で補う形となる。
太陽光だとか風力発電は発電量の変動が大きすぎて広域電力網に組み込むのには適さない。
自然エネルギーと言えば、水力なのだが、なぜか水力の増強は議論されずに、太陽光と風力発電ばかりが増えた。
 ただ、風力発電は大型風車故か故障が多く、また低周波騒音問題も騒がれて下火の傾向にある。
 太陽光発電は相変わらず日本各地に大規模設営が進められている。先の熱海での地すべりは、土盛りの下に水抜き配管がされていなった事が原因であるが、更に高台に設置された大規模太陽光発電所からの雨水大量流入が原因となった可能性が高い。
 近年、太陽光発電などに対する再エネ賦課金が増額されており、一般家庭で年間1万円程度の負担となっている。
 本来、発電効率が良いものなら「電気代は下がる」はずなのである。しかし、電気代は増えている。しかも、冬場の発電は少ないので自然エネルギーの比重が大きい電力会社と契約して1kw/hで250円とかべらぼうな金額に達した時もあったようだ。
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2101/15/news025.html
「自宅のブレーカーを落として、ビジネスホテルに避難して泊まった方が安い」
とまで言われた。

 結局、電力の安定供給を実現するには水力と石炭火力発電を増強するしかない。
発電施設の付いていないダムに水力発電施設を敷設するのが望ましいが、進めているような話しを聞いたことがない。
 当座は石炭火力発電を増やさなければならない。経産省は火力発電派が主流のようである。

 原子力発電は稼働中に地震が起きると、炉心融解事故に達する可能性があるので、禁止されるべきである。
 九州電力や関西電力は原発を稼働させているが、どれも三菱重工の加圧水型原子炉である。加圧水型は沸騰水型原子炉よりも配管が冗長である分、耐震性に劣ると言われている。
 脱原発を実現するためにも石炭火力に依存するしか道はない。
当然、節電や水力増強も必要だが、当座の電力安定供給を実現するには石炭火力発電の増強が必須なのである。
 しかし「いつもの通り」出口を塞ぐかのように「火力発電は悪!」という話しか流布されない。毒チンで思い知ったが、この日本国においては自滅的な言論ばかりが流れるのである。

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