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Sony SUP-T11の活用を考えて、スピーカーの配置換えを考える。

2017-12-28 21:44:17 | オーディオ
 SonyのSUP-T11(2)という4インチアルミ合金ダイアフラムの2インチスロートのコンプレションドライバーが手元にある。
 SUP-T11はアルニコマグネットを使用したスタジオモニター用途のドライバーで有名なJBLの2440やTAD4001と同系列である。SUP-T11はあえてアルミ合金ダイヤフラム採用し、アルニコマグネットはJBLやTADよりも強力である。バックキャビネットやスピーカー端子も高級感がある。SUP-T11にヤフオクで入手した真鍮製のホーンを付けた。TADやJBLとネジ位置が同じなので、装着可能なのである。
 金属ホーンを作成した人によると、カットオフ周波数は1kHzとの事である。ネットではショートの木製ホーンを使っている人が多い。ネットの評価ではホーンの奥行きは小さいほうが良いようであり、大型の木製ホーンだとホーン特有の鳴りが付与されて好ましくないとされている。(要検証)良し悪しは兎も角、木製ホーンを置く場所がないのである。


 ハース効果(1)を考慮して、FE208ES-RよりもSUP-T11の振動板がリスニングポイントよりも近い場所に設置したい。ハース効果とは、先に届いた音源の方が支配的に働くという意味のようだ。
 現在、D-58とD-150にFE208ES-Rを装着している。


当初、D-150を通例通り開口部を後ろに向けた。これには利点があった。爆発音や雷鳴などは部屋一杯に重低音が鳴り響いて、バスレフ系スピーカーを鎧袖一触する能力を発揮した。ところが、拳銃の音だと、あまりに部屋いっぱい鳴り響いて、ゴージャスすぎて現実味に欠けた感じになる。
D-150の音道が4m近い上、更に後ろの壁からの反響音となるので、耳への到達距離がかなり長い。
遅延はあまり感じないが、重低音のダイレクト感が多少スポイルされているように感じる。
D-58とD-150の並列使用で、重低音は充実したが、定位感がいまいちである。
ホームシアター用途では音像は定位しないほうが良いと、長岡鉄男先生は述べていたので、気にしなかったが、音楽を聞くと鳴ると、音像定位の希薄な感じが拭えない。



そこで、上図の様に配置換えを考えた。

長岡作品にケムンパスというのがあり、解説には定位は中音が司るということが書いてある。
ドライバーをできるだけ耳に対して垂直に設置し、一方でFE208ES-Rを耳から角度を付けて設置して、中高音を減衰させたい。
もっと重要なのはSUP-T11の設置場所の確保である。SUP-T11の振動板位置を耳の最も近い箇所に設置しなくてはならない。
D-58の上では高すぎるし、D-58に装着してあるFE208ES-Rの振動板の方が耳に近くなる。
おまけに、ツィーターの1750DE(3)も並べて置かなくてはならないのだ。
様々な問題点を解消するのが上図表のような設置である。

だが、配置換え作業は容易ではない。D-150にはパチンコ玉がぎっしり入っており、D-58開口部も鉛や鉄片などがぎっちり詰まっている。
しかも9mmの鉄板を下敷きとしており、キャビネットを鉄板から降ろさないと、全く動かない。

仮に配置換えをしたとなると、一種異様な状態になる。
そもそも、一般人的にはスーパースワン系キャビネットからして、違和感を感じる。
スワンが巨大化したモアが、しかも、ヘッドを外側を向けて設置している時点で気違い沙汰である。
長岡氏には音場型のヒドラという作例があるので、私には一定程度の合理性があるのだが、兎にも角にも前代未聞ならぬ、前代未見の設置状態ではある。



(1)第一波面の法則「ハース効果」[Haas effect]
Helmut Haasにより発見された心理音響効果の1つで「先行音効果(Precedence Effect)」の特殊なケースを指す。
「違う方向から全く同じ音が聞こえ、その片方にディレイがある場合、先に耳に届く音(先行音)の方向からの1つの音に聞こえる」というのが「先行音効果」であり、ハース効果は「ディレイが1mSec程度以上で、先行音のレベルの上昇と音のひろがりを感じるようになり、5mSec~30mSec程度の範囲では、ディレイ音の方が先行音よりも10dBほど大きい場合でも、先行音の方向からの1つの音に聞こえる」という事を指す。

(2)SONYミュージック(SME)が、バブル期に、間氏を筆頭に高田氏、坂本氏、冨宅氏、大山氏が手間と時間をかけ、研究に研究を重ね、レコーディングスタジオや放送局用にと、最新技術を投入して開発されたプロ用スピーカーユニットが、ウーハーSUP-L11、ドライバーSUP-T11です。
http://www.gt-sound.com/gt_faq.html
スペック
コンプレッション型ドライバーユニット
Φ49mmスロート径
Φ100mmアルミダイヤフラム
定格インピーダンス 12.5Ω
定格入力 32w
(600Hz,12dB/oct.)
出力音圧レベル 110dB/W/m
定格入力時音圧レベル 125dB
周波数特性 600Hz~24000Hz
推奨クロスオーバー周波数 600Hz以上
(600Hz,12dB/oct.)
スピーカー端子 大型ネジ式ターミナル
大きさ(取り付け経) Φ128×175mm(101.6mm)
重量 約15.6kg

http://www.sony.jp/products/catalog/SPC_SUP-T11.pdf
SUP-T11
http://audiodiary.exblog.jp/2152897/

(3)ツィーターユニット エール音響 1750DE
サイズ
W(幅) : 160 mmH(高さ) : 160 mmD(奥行) : 150 mm
重量22 kg
発売時期1990年
■ホーン型 ■Imp:8/16Ω■最大入力:10W(定格) ■音圧レベル:120dB■再生帯域:6k~24kHz■推奨クロスオーバー:8KHz以上■磁性素材:アルニコ磁石リングパーメンジュール ■磁束密度:24,000ガウス■振動板:チタン、FRPエッジ■ステンレス切削ホーン採用

FOSTEX 20cmコーン形フルレンジユニット FE208-Sol
FOSTEX


長岡鉄男のオリジナルスピーカー設計術 基礎編 SpecialEdition 1
音楽之友社

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