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回廊国家の悲劇を繰り返さないために

2021-09-24 19:51:21 | 戦争
我々は戦争に引きずり込まれようとしている。
米国が日本を噛ませ犬として中国と争わせようとしているのである。
米国は覇権国であるが故に基軸通貨を保持している。
基軸通貨としての特権を失えば、過大な軍事力を維持できなくなり、海外に保有している軍事基地も保持できず、米国の世界覇権も終わる。
米国が帝国として君臨して事により受けられる利益を手放さずに済ますためには、次の覇権国の台頭を阻止することである。

80年代、日本製品の台頭に際して米国は日本の周辺諸国へ技術移転を促進することで、競争力を削いだ。
しかし、それにより中国を中心とする「ものづくり大国」が立ち上がることになる。
米国がいかに軍事と金融で世界を操縦しようにも、現実社会はマテリアルで構築されている。
社会を動かす物質や製品を提供する国家は強い影響力を保持することになる。
中国はものづくり技術を高めて、莫大な製品を提供するだけでなく、赤字出血的な鉱山掘削により希土類金属を世界に提供している。
運送コンテナが欧米に押し寄せて滞留しているが、これは欧米が中国から買うほどに売るものがないということを意味している。

日本は衰退する帝国の支配から抜け出て、中国の産業構造下での活路を見出すしか道がない。
中国からの希土類金属の供給なくして先端製品を作ることは出来ない。
しかも、汎用性の高い中間財は日本国内で流通しているが、マイナー中間材の多くはすでに日本で製造しておらず、中国内で流通している。
中国からの調達なくして、製造産業を稼働させ続けることも困難なのである。

当然、これを米国は許さない。
日本において「隷米政治家」へ権力を与え、ダマスコミを通じて宣撫工作を繰り広げる。
日本人に中国や韓国や北朝鮮への敵愾心を植え付ける。
最近は台湾への排外的扇動も行われている。

少しで知性があれば、米帝の策謀を察して、帝国の支配から抜け出るべきあらゆる方策を果断に実行するべきなのだが、今の日本でそのような動きは非常に弱い。
かつての右派はアジア主義、アジアの共生的な思想を源流としていたが、戦後のホワイトパージで排除されてしまった。

年長の人はかつて来た戦時体制への扇動に対する警戒感というのを持っていた。
しかし、戦争を直接経験しなかった世代は警戒心が薄い。
最近はネット右翼的なアジア諸国排外的思考を持っている人が増えている。
精神構造が楢山節考的な中世的な支配構造から抜け出せていないのである。
生活は近代化されたのだが、精神は中世のままなのである。
ムラ社会で何がしかの教唆があれば、それに盲従する。
盲従こそが、自己生存における唯一の道とでも言わんばかりである。

ちょっと目端の効く商売人なら「アジアで一儲けしまっかー」となるのだが、そういう気概もない。
ネット右翼の人達は排外的な情報をバクバク食べて、俺様日本は偉いという狭量な世界に閉じこもる。
単に閉じこもっているだけならさして問題ではないが、一度領土問題などで扇動が行われると、強権的な社会への転換を受容し、内外に攻撃的な行為を行うことになる。
日帝やナチスや他のファシズム国家の道筋を、またなぞっているのである。

このような戦争への引導に対して、警鐘は乱打されてきた。
反戦は戦後の創作世界の最重要の命題であった。
再び、アジアで戦端が開かれれば、大国に挟まれた回廊国家が戦場となり、徹底的に破壊されてしまう。
悲劇を繰り返さないために、戦争経験者やその後進クリエイターは数々の作品を残してきた。
別稿にて反戦作品の履歴を語りたい。

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