わんわんらっぱー

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不採算公共事業は停止して、生存権確保の予算にまわすべき。

2018-10-22 21:46:48 | 政治
◯大きいことは良いことなのか?過ぎたるは及ばざるが如し。
 倒産間近の会社は大きなプロジェクトを打ち上げる。倒産後に回顧すれば、地道に本業へ回帰して、節約すれば延命できたと思い至る。どころが、積み上がった債務の返済を考えて、焦って収益が見込めないような事業展開をして自滅する。
 債務が大きくなると、本業の業務を持続させることが難しくなるのだ。

 日本政府自体の破綻が迫っている。通常予算の収支だけ見ればすでに財政破綻している。日銀が国債を引き受けて延命させているだけである。日本自体を株式会社として見立てれば、まさに倒産寸前で、社長が大プロジェクトを乱発しながら会社の資産を持ち逃げしている様相である。

 政治や官僚は大きく予算を動かして、業界からキックバックを得ることを主眼にしている。アベ政権は特に顕著である。これこそが、まさに資本”第一”主義であり、彼らは資本=お金を多く動かすことを第一命題としている。
 アベにとって、政治献金をくれる財界は「愛い奴」で配慮するが、「アベやめろ」を連呼する「こんな人達」は敵なのである。
 アベ政権はストを行った労働組合(関西コン)や、左派系出版社に対して弾圧を強めている。教職員にたいする締め付けも厳しくなっている。
 アベが問題なのは、敵対勢力を目の敵にして、追い込みをかけることである。それは排外主義を扇動してアベ・ユーゲントを作って人民にけしかけたり、各種徴税の強化の形を取って現れている。
 
◯大規模工事は見直しが必要
 リニア新幹線は最大のストッパーだった静岡県の川勝知事が、減少する大井川の水量をJRが常時ポンプアップして補填補償することを前提に工事の許可を出しそうだ。
 補填に必要な水量が膨大であるので手当できないのではないかという懸念がある。そもそも、トンネルの掘削深度が深いため、地圧が高くなりすぎる上に、破砕帯や出水、ウラン鉱石帯などもあり、掘削の速度は想定よりも遥かに遅くなる可能性が高い。何十年たっても貫通せずに「日本アルプスのサクラダファミリア」になりかねない。
 リニアには3兆円も国費が投入されているが、今からでも工事は差し止めするべきである。リニア新幹線が品川から名古屋まで開通して開業しても、大深度地下から発進して、大深度地下に到着するため、地上にでる時間を加味すると、東海道新幹線に対して30分しか時短できない。消費電力は新幹線の3倍と言われているが、市民団体試算では10倍という値も出ている。
 並走する東海道本線の改良や、中央本線の特急増発など、「小手先」の技で地道に鉄道交通を充実させていく形にしていくべきである。実際に駅前ロータリーの開発などはあちこちの駅で行われている。
 リニア新幹線は実現するかも分からないし、実現したらしたで強力な電磁波で乗客への影響が懸念される。リニアを強行する背景には、柏崎刈羽原子力発電所の再稼働に繋げたいという思惑が取りざたされている。

 詩人のアーサー・ビナード氏はリニアの軍事転用が狙いではないかと述べている。特に戦闘機の空母からの発艦にリニア(電磁力)を使う、と考えられている。
 私が思いつくのはレールガンである。アベはアメリカにリニア技術の無償供与することを決めてしまった。第二次大戦中よろしく、ナチスのV1ロケット発射場のように、将来は巨大レールガンを敵国に向けて、建築する時代が来るのだろうか?

 今の政権による公共事業は、辺野古基地建設やイージス・アショアなど明らかに無駄なものが多すぎる。
 3兆円を超すと言われている東京オリンピック開催に伴う、競技場の建設も無駄だと言える。東京都は府中に「味の素スタジアム」という5万人収容の競技場を保有している。千駄ヶ谷の競技場を建て替える必要はまったくない。有明には国際規格の競泳プールがあるが、観客席の不足を理由に、もう一つ隣に新設する模様だ。
 各国もオリンピック様に作った設備が開催後の放棄されている事例が多々ある。巨額の費用を当時て建設して、五輪で使用した後は、使用頻度が低いままで、維持費の捻出もままならぬまま運用され続けるのだろう。

 また、民間でもタワーマンションや超高層ビルなどの高層建築物が施工されたり、計画されている。タワマンは15年ごとに大規模改修が必要とされているが、作業員が確保できない自体に陥ると思われる。
 高層建築物は作る時も膨大な資材と労力を必要とするが、修繕時に足場が組めないので、ゴンドラによる作業となり、危険度も高く、効率も悪い。
 平時の運用でも給水やエレベーターで膨大な電力を消費する。首都圏の電力需要は高層建築物の増加が主要因となっている。
 高層建築物全般は経済的な面から抑制されるべきなのである。過剰な社会資本は経済成長をもたらさないどころか、将来的に経済損耗による不経済性で、日本の国力を奪い取り、産業衰退を加速させかねない。
 実際に、来る近未来では大型建築物や高層建築物の放棄が行われるのではなかろうか?高層ビルを解体するのは、改修や修繕よりも高度な技能が必要であるが、全国で解体がする建物が増加している。2020年には空き家は1000万戸突破すると想定されている。解体したくても人手が確保できないので解体できないとういう自体になりかねない。業界関係者は解体するのなら人手が確保できる内に早くやったほうが良いと警鐘を鳴らしている。
 今の日本社会は新規の建築よりも、老朽化して使用できる可能性が見込めない建築物の解体・撤去の方が必要なのではないかとすら思う。
 
◯社会民主主義体制への移行
 鳩山政権は「子ども手当」や「農家の戸別補償」を行い、いわゆる、限定的な形でのベーシックインカムを実現したのだ。だが、アソー・漆間の計略により、特に司法・法曹関係勢力が小沢叩きを行い潰してしまった。この時点で社会民主主義革命への夢は一旦終わったのである。

 アベ政権による国家債務の積み増しと、不必要な公共投資は、アベが退陣しても、我々を苦しめるのである。一刻も早くアベ政権を退陣させて、不要な予算をカットしなくてはならない。

 ところが、多くの人たちが予算の削減に反対すると思われる。国家が主導して公共投資を行えば経済成長が見込めたのは、社会資本の整備が未成熟の時期の話であり、経済指標においても公共投資を行っても経済成長していない状態になっている。
 現在、歳入不足を日銀の量的緩和で補填しているので、円安になり輸入物価が上昇する。つまり、国家予算の恩恵を直接・間接的に受けられない人達は物価高で生活苦になるだけである。経常収支が黒字なので、極端に円安になっていないだけで、将来極端な円安になった時に、初めて我々はアベ政権を是認した自分達の選択を毎日毎日呪うことになる。
 すでに手遅れなのだが、過ちを改めるには早い方が良いのである。私自身は「痛いのも辛いのも嫌」なのであり、民主的手続きで社会民主主義的な政権への移行を望む。私の望む社会民主主義というのは、不要な予算をカットしてくれる政治の実現である。

 蓮舫議員の「一番でなければいけないのですか?」が話題となったが、結局スパコンの「京」は、あの後すぐに中国のGPGPUを使用した、低価格で省エネな超メニーコアスパコンに追い抜かれてしまった。
 富士通の汎用機用の国産CPUの製造にこだわって、電気バカ食いスパコン「京」は実現したが、使用料金の高さもあって、費用対効果では国際競争力を失している。

 官需が削減されれば、労働力が民需分野に移動する。そうして本当に人にとって必要な財やサービスの提供に労働力が投下されて、生活も充実するのである。今のように官需に傾倒して延命するという奇をてらった企業運営も改める必要がある。

 かつて石井紘基氏が批判した官製需要偏重国体に霞が関も政治も財界もが結託して、その存続を謀っている。ある意味、統制経済だから現況は大予算の執行を優先する日本型社会主義とも言える。本当の意味で自由な資本主義ではない、と形容することもできる。
 だから、官僚型社会主義から民主型社会主義への移行を希求すべきだというのが実相なのかもしれない。

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