友達100人できるかな(4) (アフタヌーンKC) | |
とよ田 みのる | |
講談社 |
「友達100人できるかな(4)」とよ田みのる
期限以内に友達100人作りなさい。できなければ人類滅亡。
そんな無理無体な宇宙人の手によって、自分が小学生だった80年代まですっ飛ばされた直行(36歳)。リアル小学校教諭なのだから子供の気持ちはよくわかる、小学生相手なら楽勝、と思いきや、そんなでもなかった。大人目線で接する直行に対して違和感ばりばりな小学生たちは、なかなか心を開いてくれない。このままじゃ、自分のせいで人類は滅亡してしまう……。
焦りながらも真心を尽くして子供たちにアタックし続けた結果、直行にはたくさんの友達ができた。といってもまだ50人にも達していないのだけど、クラスメイトともかなーり打ち解け、直行はいまや、けっこうな人気者になっている。
このままでいけば、100人達成はそう遠くないだろう。子供たちのコミュニティの中を渡り歩いて、うまいこと輪を広げていこう。なーんて、姑息な大人な発想はしない直行。彼はあくまで愚直に真摯に、自分が仲良くなりたい人と接していく。駄菓子屋の悪魔のようなバーちゃん。人形が友達の不器用な少女。仲の悪い班の生徒たちを同時攻略。さまざまな人たちとの時代を超えた友情は、果たして奇跡を生むのか……?
今回一番よかったのはばーちゃん。大人のかっこよさを見せてくれた。
うん、攻略対象が子供たちだけじゃなく、大人も含んでいるのが良いところ。子供の目から見た大人。大人の目から見た子供。双方の視点に触れることができるので、より一層、あの時代への懐かしさと切なさが募る。人類の存亡なんて大きなものさえ背負ってなければ、こんなに楽しいことはないだろうなと、そんな感傷のような気持ちに浸らせてもらった。
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