はあどぼいるど・えっぐ

世の事どもをはあどぼいるどに綴る日記

2008/04/06

2008-04-07 15:13:08 | 出来事
2008/04/06

 快晴。微風が頬をくすぐる気持ちの良い一日。桜未だ咲き揃わず。
 出勤日だが暇だった。暇つぶしに持ち込んだ本を3冊とも読み切り、なお手持ち無沙汰になるほど。といってもすべて読みさしで、いずれも残り100ページ程度のものだったが。
「名残り火~てのひらの闇2~」藤原伊織
「ルーマニア・マンホール生活者たちの記録」早坂隆
「ばいばい、アース1~理由の少女~」沖方丁
 順に、ハードボイルドと潜入ルポとファンタジー。並べて見ると実に脈絡がない。傾向として、あんまり明るくない話が多いとはいえるか。
 昔はこうではなかった。歴史、ミステリ、ファンタジー、SF……。明らかな偏向があった。
 乱読タイプになったのは成長のなせる業、だけではなく環境の変化が大きい。
 高校時代、友人Hから「スレイヤーズ」という本をすすめられた。いわゆるライトノベルの走りで、腹黒美少女魔法使いが天然剣士と共に諸悪をぶっ飛ばす痛快無比なギャグファンタジーだった。ミステリと歴史物しか読まなかった僕の、小説というのはきちんと型のあるものだという思い込みを木っ端みじんに打ち砕いてくれた。いい意味で規格外の作品だった。
 その後、ライトノベルへの傾倒はしばらくの間続き、数百冊を読破したが、社会人になってからはめっきり読まなくなった。コーナーへ立ち寄ることすらも今はもうない。
 飽きた? 情熱を失った? 友人Hと連絡をとらなくなったことが原因としてはもっとも大きい。小説を語り合える友がいなくなった。感動を共有出来る人間が身近にいなくなるなんて、昔は想像もできなかった。大人になることで失った自由の中には、そういうものもきっとある。
 そんなことを思いながら3冊読み切った。外はもう夜の帳が落ち、微かな風の気配だけがする。たまにはこういう1日があってもいいだろう。

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