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はあどぼいるど・えっぐ

世の事どもをはあどぼいるどに綴る日記

友達100人できるかな(4)

2011-01-10 04:42:49 | マンガ
友達100人できるかな(4) (アフタヌーンKC)
とよ田 みのる
講談社


「友達100人できるかな(4)」とよ田みのる

 期限以内に友達100人作りなさい。できなければ人類滅亡。
 そんな無理無体な宇宙人の手によって、自分が小学生だった80年代まですっ飛ばされた直行(36歳)。リアル小学校教諭なのだから子供の気持ちはよくわかる、小学生相手なら楽勝、と思いきや、そんなでもなかった。大人目線で接する直行に対して違和感ばりばりな小学生たちは、なかなか心を開いてくれない。このままじゃ、自分のせいで人類は滅亡してしまう……。
 焦りながらも真心を尽くして子供たちにアタックし続けた結果、直行にはたくさんの友達ができた。といってもまだ50人にも達していないのだけど、クラスメイトともかなーり打ち解け、直行はいまや、けっこうな人気者になっている。
 このままでいけば、100人達成はそう遠くないだろう。子供たちのコミュニティの中を渡り歩いて、うまいこと輪を広げていこう。なーんて、姑息な大人な発想はしない直行。彼はあくまで愚直に真摯に、自分が仲良くなりたい人と接していく。駄菓子屋の悪魔のようなバーちゃん。人形が友達の不器用な少女。仲の悪い班の生徒たちを同時攻略。さまざまな人たちとの時代を超えた友情は、果たして奇跡を生むのか……?

 今回一番よかったのはばーちゃん。大人のかっこよさを見せてくれた。
 うん、攻略対象が子供たちだけじゃなく、大人も含んでいるのが良いところ。子供の目から見た大人。大人の目から見た子供。双方の視点に触れることができるので、より一層、あの時代への懐かしさと切なさが募る。人類の存亡なんて大きなものさえ背負ってなければ、こんなに楽しいことはないだろうなと、そんな感傷のような気持ちに浸らせてもらった。

オールラウンダー廻(4)

2011-01-05 11:43:36 | マンガ
オールラウンダー廻(4) (イブニングKC)
遠藤 浩輝
講談社


「オールラウンダー廻(4)」遠藤浩輝

 マキちゃん家の一家団欒(?)シーンから始まる総合格闘技モノ第4巻の見所は、アマチュア修斗の関東選手権。最初から最後まで、ずーっと試合漬け。マキちゃん仕込みのミドルキックが板についてきた廻、右肘の故障を押して試合に挑む勇大、余裕の試合運びでKOの山を築く喬。三者三様の試合模様を延々と描写していく様が、とにかくマニアックな構成。僕自身望んでいたことだし、大層興味深くまた面白かったのだけど、他の読者はついてきてるのかね? きてなかったらそもそも4巻まで買わないか? とにかく総合好きなら買い。文句なしの出来映え。

ACONY(3)

2011-01-04 08:14:44 | マンガ
ACONY(3) <完> (アフタヌーンKC)
冬目 景
講談社


「ACONY(3)」冬目景

 妖怪やら幽霊やら変化やら自称死人の美少女やらの住まう不思議な集合住宅、しきみのアパート。での不思議な新生活に振り回されまくったせいで何事にも動じない耐久力を身につけた基海。前巻からの続きでアコニーの出生の秘密を探るうち、アコニーの親類に遭遇したり、なななんとの○○が身近にいたりと驚異の展開が冒頭からたて続く。
 新キャラの○○もぐろ可愛いし、いつものアパートのいたずらも千変万化で飽きがこない。並行世界のアコニーたちというのもなかなか秀逸だったと思う。だのになぜ……なぜ……終わるのだ……?
 と、大変に悔やまれる最終巻だった。シリアスものが多い冬目作品の中では珍しい、肩の力の抜けた愉快な作品だったのになあ……。ラストエピソードは綺麗だったけど、終わりにしてはちと唐突すぎるきらいもあったし。大変残念であった。

BAKUMAN。(10)

2010-12-28 17:24:03 | マンガ
バクマン。 10 (ジャンプコミックス)
小畑 健
集英社


「BAKUMAN。(10)」原作:大場つぐみ 漫画:小畑健

 見吉と結婚して所帯持ちになったシュージンと、相変わらず亜豆とプラトニックを続けているサイコー。「タント」の連載終了後、次なる作品を模索する2人は、大いなる壁にぶち当たることに。その壁の名は新妻エイジ。彼の作品を超える連載を期間内にぶちあげねば、2人のジャンプ作家歴は終わってしまう。
 しかし向こうは天才。面白い話はそこそこ出来上がるものの、そう簡単には超えられない。いよいよ焦る2人の周りでは、秋名が服部に恋をしたり、静河が担当編集の尽力のもと引きこもりを脱却しようともがいたり、いろいろと動きがある。それらの流れが巡り巡って2人にアイデアを与え、奮起する材料となり、ついには……。

 計算ずくの平成まんが道。第10巻。
 熱いのはデフォルトのこの漫画。登場人物も増えてきて、しかもそれら一人一人にきっちりした物語があるので、主人公2人の周辺だけでも十分面白い。秋名、静河の2人の話もそれぞれ今後が気になり、興味深い。個人的には蒼樹さんの日常やシュージンと見吉の新婚生活なんかも読みたいのだけど、そのへんは今回はお預け。
 代わりにメインとなるのは、エイジを超える作品作り。自分の得意分野と王道と、さらにそこに斬新な設定を加えた作品を、かつ面白いのを、と四苦八苦する2人と、それを支える編集者たちの行動が、今回はとりわけ熱かった。出来た作品の構想を見ても、さっぱり読みたくならないのが残念ではあるけれど……。

アイアムアヒーロー(4)

2010-12-26 07:52:45 | マンガ
アイアムアヒーロー 4 (ビッグコミックス)
花沢 健吾
小学館


「アイアムアヒーロー(4)」花沢健吾

 多臓器不全及び、反社会性人格障害。いわゆるゾンビ症パンデミックにより大混乱に陥ったいつかの未来。元漫画家の鈴木英雄は、逃げ込んだ富士の樹海で、早狩比呂美と出会う。2人のヒーローの邂逅は、絶望と混乱にあえぐ日本を救う光となれるか?

 もちろんなれない。この人がそんな作品書くわけない。
 英雄はあくまで能書きタレのボンクラで、緊急事態どころかちょっとした判断までも女性に委ねてしまう超ヘタレ。どれぐらいひどいかというと、女の子と自転車2人乗りで、なんと後ろに乗ってしまうほど(!)。本物の散弾銃持ってるくせに、ゾンビ一匹撃つのに大騒ぎで1巻の半分ほど使ってしまうし、そんな有り様を比呂美に呆れられても言い訳ばかりだし。
 ま、だからこそいいんだけどね。等身大にちょっぴり満たない、なっさけない主人公のサヴァイバル。だからこそ変にリアルで、おもしれーっす。

木曜日のフルット(1)

2010-12-25 07:59:33 | マンガ
木曜日のフルット 1 (少年チャンピオン・コミックス)
石黒 正数
秋田書店


「木曜日のフルット(1)」石黒正数

 野良と飼い猫の中間くらいの微妙な立ち位置の猫・フルットと、ギャンブルと三流漫画家のアシスタントでかろうじて食い繋いでいるダメ飼い主・鯨井先輩の日常をゆる~く描いたほのぼのストーリー。
 デフォルメ鯨井先輩かわいいすね、というお話。以上。
 というとあんまりなのだけど、まあでもだいたいそんな感じ。2ページ読み切りをたくさん詰め込んだ形なので、各ネタについてはあまりいうことがない。
 フルットパートは省いて、鯨井先輩メインの日常系にすればいいんじゃね? ということを、最初から最後までずーっと思っていた。
 「それ町」キャラの静さんや八百屋のおっさんの若き日の姿が描かれているけど、どれもかなりのちょい役だし……うーん、あ、でも整体師の頼子はけっこういいキャラ。世話焼きで、何かと鯨井先輩のことを気にかけているところがぐっときます。

ポジティブ先生 石黒正数短編集2

2010-12-19 11:00:00 | マンガ
石黒正数短編集 2 (リュウコミックス)
石黒 正数
徳間書店


「ポジティブ先生 石黒正数短編集2」石黒正数

「それ町」のアニメ化も好評な石黒正数の短編集の2。1の時も思ったけど、この人って短編つまらんねえ。
 資源の枯渇した未来でわずかな食料を求め争い合う3家族のお話とか、怪獣退治を押しつけ合うヒーローズの話、デブの吸血鬼の話に、とある事情からアジトに閉じこめられた三流な悪の組織の話、等々。どれこれも、いまいち落ちのすっきりこない、面白味のない話ばかりだった。「それ町」テイストを求めて買うと、かなり手痛いしっぺ返しをくらうので、購入の際は慎重に検討を。
 嵐山歩鳥誕生の瞬間が描かれているので、そこだけは「お」と思ったけどね。

超人学園(1)

2010-12-18 18:04:25 | マンガ
超人学園(1) (少年マガジンKC)
石沢 庸介
講談社


「超人学園(1)」石沢庸介

 あらゆる事件・災難を引き寄せる「超・主人公体質」の人間・神冗徒無(じんじょうあだむ)。思いを武器に戦う孤独な悪魔・オスカ・L・デューク。ひょんなことから出会った2人は、いままで誰とも分かちあえぬままに諦めてきた孤独と決別するため、人外ばかりの学園「超人学園」を設立しようと日本を訪れた。さっそく改造ゴリラ兵や喋る犬や世界最強の殺し屋、といった騒動が向こうからどんどこ転がり込んでくる2人は、無事に学園を設立できるのか?

 特殊な境遇の者ばかりを集めてみんなで暮らそう、という素直な発想の勝利かな。シンプルで面白い。徒無を一途に愛するオスカのキュートさや、人外の者への分け隔て無い徒無の優しさも心地よい。ストーリー的には、学園候補地を見つけ、改装を始めるあたりのくだりが秘密基地的で特に良かった。次巻にも期待。

断裁分離のクライムエッジ(2)

2010-12-09 19:47:04 | マンガ
断裁分離のクライムエッジ 2 (MFコミックス アライブシリーズ)
緋鍵龍彦
メディアファクトリー


「断裁分離のクライムエッジ(2)」緋鍵龍彦

 断裁分離のクライムエッジと名付けられた、かつての連続殺人鬼の遺品のハサミを受け継ぐ少年・灰村切は、そのハサミでしか切れない髪の毛を持つ少女・武者小路祝の騎士になった。
 彼女をつけ狙う、これまた連続殺人鬼の血を継ぐ者たちを排除していくうちに情が移り(もともと偏執的な髪の毛愛好家だったこともあるけれど)、ともあれ祝に惚れてしまった切。彼らは、ちょっとダークだけれども楽しい高校生活を満喫していた。祝の父の好きだったバーでのランチ。オリエンテーリングでのお泊まり。星空観察会。どれもこれも、大事な2人の思い出……。

 おー。出るかどうか怪しかったけど、出てよかった2巻。このシリーズ、怪しくて好きなのよ。
 前巻では守られてるだけでか弱かった祝が、一人で危機に対処し、かつ切への自己主張もし出したりと、少しずつ成長していってる感がとてもよい。しかもそれが、幼く弱い彼女なりの、人形に血が通うような成長だからなおさらだね。分野がマイナーだから打ち切りが心配なんだけど、次巻もどうか出して下さい。

つぐもも(5)

2010-12-06 10:25:50 | マンガ
つぐもも(5) (アクションコミックス)
浜田 よしかづ
双葉社


「つぐもも(5)」浜田よしかづ

 すそはらいの座をかけて、凛々しき美少女剣士・すなおと戦うことになったかずや。難敵を前にして、桐葉の指導も熱を帯びる。つくも神としての自らの体が傷つくことをもいとわぬ彼女の決意に、しかしかずやは逆に、彼女を傷つけないことを誓うのだ。戦うことは大事。でも桐葉はもっと大事だから。
 いままで守られる側だったかずやの男らしい言葉に動揺する桐葉。そのまま風呂場で2人、くんずほぐれつの……。
 とまあ、つぐももらしいエッチなシチュエーションは随所に盛り込まれていたのだが、話の半分以上はすなおとの熱いバトルシーンだったので、微妙に肩透かしの巻だった。いやあこの作者、けっこうバトルも描ける人なんだけどね、このマンガにそういうの求めてる人いないよね……?