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はあどぼいるど・えっぐ

世の事どもをはあどぼいるどに綴る日記

神のみぞ知るセカイ(11)

2011-02-26 19:44:13 | マンガ
神のみぞ知るセカイ 11 (少年サンデーコミックス)
若木 民喜
小学館


「神のみぞ知るセカイ」若木民喜

 檜・楠の、春日姉妹の話の決着。ハクア・天理と桂馬のトライアングル遊園地デート。桂馬の「女の子がいてエンディングがあれば、僕にとってはすべてがギャルゲーなんだよ」神発言などなど、いろいろとトピックスはあるが、一番はエルシィ・桂馬の遊園地デートだろう。ファン待望のエルシィパート来たか? という期待はもちろんのこと見事に裏切られたものの、桂馬との関係を小なりとはいえ意識し始めたエルシィが可愛かった。アニメ版でも好評だったが、本当にこの娘は紙面に映える。
 それに比べるとちょいと落ちるが、春日姉妹の話もなかなか良かった。他人からの期待と根拠のない自負心と、下の者(この場合は妹)からの追い上げによって追いつめられた檜の気持ちはなんとなくわかる。なんとなく、というのは僕とはまったく境遇が違うから。でも「そういう」プレッシャーがどういうものかはよくわかる。作者がこの話は読み返したくないという気持ちも。思い出したくない辛い記憶。通過しなければならないハードル。いつも思うことだが、この作者は作品に自己投影してそのつど凹むくせに、そこから逃げない。好感がもてる。
 メイン部分の古悪魔や、桂馬との記憶を保持している女子探索についてはまた次巻……かな。

進撃の巨人(3)

2011-02-24 15:01:11 | マンガ
進撃の巨人(3) (少年マガジンコミックス)
諫山 創
講談社


「進撃の巨人(3)」諫山創

 人間のみを捕食する巨人の出現によって、絶滅の危機に陥った人類は、巨大な石の壁で囲まれた街に立てこもり、細々と命脈を保つことにした。そんな仮初めの平和は、突如出現した超巨人によって破られた。
 巨人に食われ絶命したはずのエレンが生きていた。喜ぶミカサだが、彼は巨人化できる特殊能力と、いつどちらに転ぶとも知れない危うい精神状態を抱えていた。
 そんなエレンを恐れた兵士たちは、彼が人間に戻っている間に殺すことに。当然のようにその前に立ちふさがるミカサ。その目に迷いはない。たとえ同胞が相手でも、エレンを害さんとする者に容赦はしない……。

 対巨人サヴァイヴァルなだけではなく、変身ヒーローものでもあったのは嬉しい驚き。好きなジャンルなんだよね。まだまだエレンが巨人の能力や、精神そのものをうまく扱い切れてないところも危なっかしくて良い。どきどきさせてくれる。
 キャラ的にはやはりミカサ。エレンの他には何も見えない真っ直ぐさが素敵。あとは初登場のリヴァイ兵士長も、クールで強くて良い感じ。
 しかし、このマンガがこのマンガがすごい! に選ばれたのには(ややこしい)驚いた。受け口狭いと思ったんだけどね。ぐろいし。でも、それ以上に面白いからな。うん。

サムライ・ラガッツィ(1)

2011-02-19 19:09:10 | マンガ
サムライ・ラガッツィ 戦国少年西方見聞録(1) (ライバルコミックス)
金田 達也
講談社


「サムライ・ラガッツィ(1)」金田達也

 時は天正十年。戦国の世。魔王織田信長はすでに亡く、徳川家康が着々と日本を畳みにいっている世にあって、九州のとある小国の領主・播馬晴信の目は世界に向いていた。
 日本国を飛び出し、世界のすべてを記した「万国大百科」を完成させることを夢見る晴信は、能なしとして近隣の国に舐められ、義母には命を狙われる悲しい子。だがある日、大友・大村家の誘いの遣欧少年使節団に「領主自らが参加する」というすさまじい奇行に出る。お供は伊賀随一の忍だったという桃十郎ただひとり。行った先にどんな困難が待っているかは知れず、戻った時には義弟に国を乗っ取られているだろうに。それでも、晴信は世界を目指すのだ……。

 歴史冒険もの。時代的にもかなり好みの時代で、楽しみに読んだんですが、うーん……なんか微妙。晴信のキャラが好きになれないってところが最大の原因なのかな。好奇心に満ちあふれていて、義侠心があって、主人公としては申し分ないのだけど、自分は侍に向いてないから家督は義弟に譲る、という決断を簡単にしちゃうところが好きになれない。責任感なさすぎでしょ。お兄さん。
 海賊と戦ったり、マカオの現地人と親しくなったりと、冒険部分はけっこう見れるんだけどね。主人公がねー……。次巻は読むかどうか微妙。

イエスタデイをうたって(7)

2011-02-18 08:18:12 | マンガ
イエスタデイをうたって 7 (ヤングジャンプコミックス)
冬目 景
集英社


「イエスタデイをうたって(7)」冬目景

 こ、これは……。
 さすがに驚いた。まさかまさか、陸生と品子が本当につき合うことになろうとは……。
 奥手なこの2人らしく、「好き」とか、「つき合おう」とか、そういったストレートなやり取りは経ていないんだけどね。なんかこう、そうなってしまったのだ。しかも、どっちかというと品子のほうからのアプローチで。情けないぞ、陸生。
 しかしそうなると納まらないのが晴。これ、あまりに晴が不憫じゃないか。あれだけ真っ正面から攻め込んで、あげく本命にかっさらわれるとは。しかもつき合ってることを2人は隠してて、晴が問いつめるまで明らかにしないし。
 一方で、晴にアタックしまくってくる美大生の男はいるし、本当に、胃が締め付けられるような巻だった。主人公視点で感情移入すれば、ハッピーラッキーなんだろうけどね。でも、このマンガの主人公は陸生だけじゃないと思うのだ。晴はヒロインであり、同時に主人公なんだよね。ああ、続きが気になる。

ビリオネアガール(1)

2011-02-12 20:19:42 | マンガ
ビリオネアガール(1) (アフタヌーンKC)
桂 明日香
講談社


「ビリオネアガール(1)」原作:支倉凍り砂 漫画:桂明日香

 金欠大学生の高遠恵(けい)のもとに舞い込んだ、時給1万円のアルバイトの内容は、とある女の子の数学の家庭教師。あまりにも美味しすぎる話には、当然裏があった。その女の子・藤岡紫(ゆかり)は18歳(くらい)にして学校にも行かず、家族と離れて高級マンションに閉じこもりきり。友達もおらず、世間的な常識も、世間との接点もない。しかし一方で、デイトレードの腕は超一流で、その年齢にしてすでに個人資産170億を誇る富豪だ。
 いろいろアンバランスな紫だが、人並みに世間と接していきたい、友達が欲しいと願ってはいるらしく、人畜無害で男っぽくない恵におんぶにだっこで、今、世間への扉をくぐるのだった。
 
「狼と香辛料」の支倉らしい経済漫画。というと語弊があるだろうか。圧倒的な経済力のせいで世間からも家族からもつまはじきにされてしまった不憫な少女を育成していくお話だ。
 紫は天然で素直で可愛くて、ずっと見守っていたくなるような、保護欲をソソる少女。おっとりして奥手で、誰かのために能動的に行動したことなど皆無の恵とはいいコンビだ。この2人が一歩一歩歩み寄り、互いを変えていく様が、とても素敵だ。次巻も当然あるよね? 期待大。

さんかれあ(2)

2011-02-08 08:15:11 | マンガ
さんかれあ(2) (少年マガジンコミックス)
はっとり みつる
講談社


「さんかれあ(2)」はっとりみつる

 父親からの過剰な干渉が積もり積もって、事故死に至った礼弥は、千紘との儀式の甲斐あって(?)、ゾンビになることができた。千紘の理解ある家族(ゾンビなのは秘密だが)のおかげでそのまま千紘の家に居候することもできた。千紘大好きな礼弥と、ゾンビっ娘大好きな千紘。2人のラブラブな日々が今始まる。
 ……と、そんなにあっさりはいかない。普通の女の子のように好きな人とデートしたい、という礼弥の望みは叶ったものの、父親はあくまで彼女にご執心だし、ゾンビ故の肉体の腐敗というリアルな問題も差し迫ってきて……。

 おー、出たね2巻。ストライクゾーン狭そうだから心配してたんだけど、良かった良かった。
 勝因は、やっぱり礼弥の変化かね。1巻ではシリアス方向に偏っていた彼女が、今回は完全にデレ方向に突っ走ってくれたことが効いたのだと思う。ゾンビっ娘、というのは付加価値としてどうなのか、とか。バニーゾンビって萌えるかい? という疑問はあるけども(ゾンビもの大好きな僕でもそんな受け皿はないぞ)。それでも今回の礼弥は健気でエロくて可愛かった。
 個人的にはツンデレ幼なじみである蘭子押し。次巻では蘭子も含めた三角関係を掘り下げてくれそうなので、そういう意味でも先が楽しみ。

エデンの檻(9)

2011-02-04 10:02:12 | マンガ
エデンの檻(9) (少年マガジンコミックス)
山田 恵庸
講談社


「エデンの檻(9)」山田恵庸

 突然の飛行機事故を命からがら生き延びた仙石たち一行は、怪鳥の襲撃のせいで住めなくなった「学校」をあとにして、島の探索を進めていた。そのさ中に出会った美少女「千里眼のマミ」と、彼女を取り巻く不審な大人たちとの接触は、最悪な結果を生みだした。まず最初に仙石一行から犠牲者が出、それは瞬く間に波及していった。薄汚い大人たちの策謀が、少年少女たちの命を危険にさらす……。

 未来が見える少女・マミの予見を発端とするミステリ仕立てのエピソードが面白かった。終わりかたが少々呆気なかった気もするが、このサクサク進行もシリーズの売りではあるし、これはこれで良かったのかな。
 赤神に横恋慕する男子が増えてのNTR展開がほの見えたのは、作者の嗜好なのかしら。謎。個人的には嫌いじゃないが。
 さてお待ちかね、今回登場の絶滅動物は、足の長いワニ、プリスティカンプスス。体長60センチ以上の巨大トンボ、メガネウラ・モニイ。実にゴリラの3倍、史上最大の類人猿、ギガントピテクス。と、相変わらずの冴えたチョイス。いいよね、こういうの大好き。

のりりん(1)

2011-01-22 18:30:04 | マンガ
のりりん(1) (イブニングKC)
鬼頭 莫宏
講談社


「のりりん(1)」鬼頭莫宏

 トラウマから(?)自転車も自転車乗りも嫌いになってしまったノリは、よりにもよって自転車と接触事故を起こしてしまう。自転車乗りの少女・輪のとっさの判断で、怪我などはさせなかったものの、互いの車体に大いなる傷を残した。
 日がたち、輪の家を訪れたノリは、輪の母の陰謀で、無理矢理自転車に乗せられることになる。も、当然その程度のことので自転車嫌いが直るわけではない。しかしその後、運転免許を取り消されたり、輪の可愛さに盛り上がった悪友たちが自転車チームを設立したり、飲み会繋がりで知り合った娘・からももさんがノリとお近づきになりたい一心で高級自転車を購入したりと、一気に外堀を埋められていき、ついには……。

「弱虫ペダル」のような熱血少年的ではない、青年の恋と自転車の物語。競技志向ではない街乗り中心の、より日常的な自転車漫画なのでゆっくり読めた。
 自転車大好きっ娘な輪ちゃんとか、ノリさん好きなからももさんとか、友達連中も含めて女の子陣は総じて可愛く、かつ萌えや受け狙いといった要素が一切くて良い。ナチュラルボーン可愛い。
 でも一番気に入ったのは主人公のノリ。最初はただ単にぐじぐじうだうだしてて、世の中斜に構えて見てて計段高くて、いろいろ鼻についていたのだけど、話を追っていくうちに、それら性格の良い部分がぼつりぼつりと表出しはじめてきて、一気に好きになってしまった。
「ぼくらの」の作者だから、また暗くて切ない話かと思って警戒していたけど、読んで良かった。面白かった。

神のみぞ知るセカイ(10)

2011-01-15 09:40:53 | マンガ
神のみぞ知るセカイ 10 (少年サンデーコミックス)
若木 民喜
小学館


「神のみぞ知るセカイ(10)」若木民喜

 いままで桂馬が攻略してきた女の子の中に、実は桂馬との愛の記憶を保っているのがいるらしい。ということがわかり、焦る桂馬。リアル嫌いで女がらみの面倒ごとなど御免こうむる、という彼の行動倫理からすると、それは当然なのだが、でも、ちょっと違うかな? 彼の動揺は、かつての彼だったら考えられない類のものだ。それは彼の成長の証。誰かと愛し合った記憶の苦しみ……。
 と、決まれば美しいのだけど、まだまだ桂馬、そこまで真人間になってはいない。でも心にしこりがあるのはたしか。元令嬢の美生がもしかしたら……空手部主将の楠がもしかしたら……と、かつての女の子の一挙一動にドキドキを繰り返す様がけっこう面白い。
 あとは、前巻の続きということで、五位堂結の攻略終了。結と桂馬の心が入れ替わり、桂馬の体に入った結が男装に目覚め、結の体に入った桂馬が乙女ゲーにはまるあたりのギャップが良かった。発想の勝利だね。

自殺島(4)

2011-01-12 11:14:17 | マンガ
自殺島 4 (ジェッツコミックス)
森 恒二
白泉社


「自殺島(4)」森恒二

 重度の自殺志願者ばかりを集めて島流しするという、いつかの未来の日本政府。その計画通りに自殺島に送り込まれたセイは、極限の状況の中で狩猟を覚えた。手製の弓矢で鹿などの野生動物を狩り、みんなに肉を提供する重要な存在となった。
 野生味を増すセイとは対照的に、島からの脱出を計って失敗したリョウは打ちひしがれていた。生きる気力も仲間との連帯も放り投げて、1人離れて暮らすことに。
 そんな中、セイたちの食料を狙い、武闘派たちの暴力が迫る。みずからが苦労して得た食料を奪われることに我慢ならないセイは、ついに人間に対して弓を向けた……?

 よーしよし、だんだん面白くなってきた。まだ先住しているという犯罪者たちは出てこないものの、食料を巡る人間同士の小競り合いが起こってきたのが良い。セイの暴力にもまだそれほどの切れはないが、いずれ起こるだろう直接対決のことを思うと胸が熱くなる。