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はあどぼいるど・えっぐ

世の事どもをはあどぼいるどに綴る日記

オールラウンダー廻(5)

2011-05-13 18:42:25 | マンガ
オールラウンダー廻(5) (イブニングKC)
クリエーター情報なし
講談社


「オールラウンダー廻(5)」遠藤浩輝

 アマ修斗の関東選手権を順調に駆け上がるタカシと、右腕の怪我をごまかしごまかしの勇大と、小笠原とのフルラウンドの激闘を閃きでものにするメグル。三者三様の戦いを繰り広げる中、いよいよタカシと勇大が激突する。注目の第5巻。

 ふー、今回も格闘技成分大目で満足。総合格闘技マンガも最近は増えてきたけど、これほど蘊蓄が詰まってるのは他にない。
 この作者らしいというか、選手たちの戦い方や心の動きが丁寧に書かれているのがポイント。極めて勝つことにこだわる小笠原。己の技に準ずる勇大。空手とムエタイと総合をハイブリッドさせる求道者・タカシ。一瞬の閃きと学習能力で技を繰り出せるメグル。パンチキックそれぞれに、回避や移動のアクションひとつひとつに意志がこめられているので、無駄なコマが一切無く、濃密な紙面になっている。
 負傷や疲労の蓄積でぼろぼろなメグルと勇大を、このまま次の試合に出していいのかで意見の対立する健一郎とまりあなど、人間関係もきちっとしていて素敵。試合シーンになるととたんに影の薄くなる(蘊蓄がないから)マキちゃんの登場シーンが少ないのが残念だったけど、それ以外はとても良かった。

のりりん(2)

2011-05-11 02:56:06 | マンガ
のりりん(2) (イブニングKC)
クリエーター情報なし
講談社


「のりりん(2)」鬼頭莫宏

 からももさんと一緒にラーメン屋までサイクリングしていたノリ。途中、心ない自転車野郎とのバトルに負けたりして心がざわついていたら、目的地のラーメン屋になんとそいつがいた。等々力という名前のその男とひとしきり言い争ったノリは、輪ママの策略にはめられ、リベンジをすることに。
 とはいえ、さすがに今いきなりは無理なので、一週間後にやることに。いや一週間後でも無理でしょ。なんだけど、決まったものはやるしかない。輪ママに自転車を、輪に実地で走りを教わりながら、ノリはいつしか、自転車のことばかり考えて生活するようになっていた……。

 うん、面白い。日常に即したロード系の自転車漫画らしく、自転車蘊蓄が随所に散りばめられている。まったく知識のないノリに教えるという形態をとっているので、そのへん全然無理がない。
 ノリの優しさに惚れて、ノリと親しくなるためにいきなりウン万円もする自転車を買っちゃうからももさん。等々力とのバトルに弱気なノリの背中を「ダメだよ勝つよ」と押してくれたり、その穏やかな外見とは裏腹の、体育会系な思考形態がいい。立ち位置的には輪ちゃんがメインヒロインだとは思うのだけど、彼女、全然男に目がいかないからなあ……。いや、そこがいいんだけど。彼女しかり、この漫画の雰囲気しかり。変に萌えやラブコメじゃないのがいいのです。

放課後プレイ(3)

2011-05-06 01:08:47 | マンガ
電撃4コマコレクション 放課後プレイ3 (電撃コミックスEX)
クリエーター情報なし
アスキー・メディアワークス


「放課後プレイ(3)」黒咲練導

 今回のヒロインは図書委員長。背高くて胸でかくて黒縁メガネっ娘で、ゲーオタで毒舌で人の心を弄ぶのが好きな(友達に「彼氏を一日貸して。一晩あれば充分だから」といったりする)、そんな腹黒な彼女のお相手は、これまたゲーオタで関西弁で、幼なじみの少女を誘導してあれやこれやを無理矢理やらせて調教するようなひどい男の子。図書館を舞台にあれやこれやのゲーム関連の妄想話で盛り上がり続ける2人の恋愛が、あまりにも黒くていやらしくて良かった。
 個人的には1巻のカップルのほうが好きなんですがね。まだしも初々しいし。でもこっちはこっちで別の良さがある。いっそスピンオフとして別々に刊行してくれたらいいのに。そんなにネタはないかな? こういうマンネリなら大歓迎なんだけど。

エデンの檻(10)

2011-04-29 00:20:42 | マンガ
エデンの檻(10) (少年マガジンコミックス)
クリエーター情報なし
講談社



「エデンの檻(10)」山田恵庸

 飛行機が墜落した先は、すでに絶滅したはずの古代の生物が巣食う地獄だった。生物学者なら楽園というかもしれないアンビリヴァボーなその島で、ちっさくてエロくてやかましくて、運動神経しか取り柄がなかったアキラは、みんなのリーダーとして一身に信頼を集めていた。
 初期メンバーとして仲の良かった真理谷とザジが、巨大類人猿ギガントピテクスにさらわれた夏奈子さんを救出するかしないかでモメた。サーベルタイガーを瞬殺するギガントピテクスの強さと群単位の行動を予測し、皆の命を危険にさらすわけにいかないからと救出を反対する真理谷。彼の意見は冷静で正しい。客観的に見て、それが一番の正解。でも、ザジにとって、もはや夏奈子さんは家族なのだ。小さい頃から家庭内ではじかれていた彼にとって、何よりも大事な仲間なのだ。仲間の命が失われようとしているのに、危険も何もあるものか?
 永遠に答えの出ない問いだが、アキラは迷わずザジと一緒に夏奈子さん救出に行くことを選択した。危ないことを考える剣道部の引目と共に3人で、危険極まりないギガントピテクスの住まう森へと踏み込んだ……。

 引目まさかの凶行。あの人まさかの退場。まさかの人工物。委員長まさかの告白。いつも通りの水浴びシーン。と、10巻も見所満載で楽しかった。
 古代生物が今回はギガントピテクスのみなのが寂しかったかな。類人猿ってあんまり意外性がないし、もっとファンキーな生物を出してほしい。
 しかし鈴木といい引目といい、どんだけこの作者はNTR体質なんだろう……。

紅(2)

2011-04-25 07:54:51 | マンガ
紅 kure-nai 2 (ジャンプコミックス)
クリエーター情報なし
集英社


「紅(2)」原作:片山憲太郎 作画:山本ヤマト

 高校生にして裏十三家・崩月の武芸を納め、揉め事処理屋として様々なトラブルに対処する柔沢真九郎。彼にベタぼれな表三家・九鳳院家の令嬢・紫との出会いを描く第2巻。
 まだツンツンだった頃の紫に真九郎があれやこれやを教え込むというか手懐けていく過程が○。こういうのはもっと後の巻でやったほうが効果があるとは思うけどね。まあいずれ必要になるステップではあるし、のっけからハーレムチート状態な真九郎の「何故?」の片鱗がわかって良かった。
 個人的一押しな夕乃さんは今回も最高でした。例え相手が小学生でも容赦なく嫉妬し、将来的には確実にヤンデレになりそうな危ない目を真九郎に向けたりするところが素晴らしいです。

惑星のさみだれ(10)

2011-04-23 23:35:50 | マンガ
惑星のさみだれ 10 (ヤングキングコミックス)
クリエーター情報なし
少年画報社


「惑星のさみだれ(10)」水上悟志

 アニムスを打倒し、束の間の勝利に酔いしれる獣の騎士団の前に、意表をついて最後の敵が現れた。相手はなんと、さみだれと夕日。地球存亡を賭けた、同士討ちが今始まる……。

 以上。うん、これ以上の説明は必要ないでしょう。ここまでこのシリーズを読んできた人だったら、この戦いが持つ意味を知ってるはず。それぞれの思惑も。決意も。
 驚いたのは、エピローグの長さ。それぞれの相棒との別れや、騎士たちのその後に、驚くほど細かく触れられている。「登場人物たちのその後」が気になる質の僕にとっては、これは嬉しい誤算。
 んでだね。うん、悲しいね。終わり方は当然のようにハッピーエンドなんだけど、この物語から離れるのが辛い。さみだれや夕日たちの活躍をもう見ることができないかと思うと、喪失感がずっしりのしかかる。物語の終わりは寂しいものと相場は決まってるのだけども。それはわかっているんだがね……。

光速シスター(2)

2011-04-21 14:26:43 | マンガ
光速シスター 2 宇宙にたったひとり… (ビッグコミックス)
クリエーター情報なし
小学館


「光速シスター(2)」星里もちる

 宇宙船との不幸な遭遇によって一度死んだ三谷は、いないはずの妹・ハナによって目覚めさせられた。昔々に放映されていたドラマの登場人物にそっくりのハナは、三谷の体を時間をかけて治療するために、三谷の記憶を改竄して妹になりすまして接近していた。それがバレた直後からのお話。
 ハナをうそつきと罵る松木と、三谷がとられないよう警戒しつつも三谷に嫌われたくないためにハナに強く出れない北川さん。2人を後ろに連れつつ、ドラマのロケ地巡りを続ける三谷の前に、あの時の宇宙船が現れた。
 割とあっさりすべてを語る宇宙人の説明を受けた4人は、けっきょくハナを受け入れた。ハナは三谷への行為を隠さず積極的なスキンシップを敢行し、三谷はそれをなんとか受け流しながら北側との関係を深め、自分を見つめる松木の視線に気づかない北側は、ただ三谷を思う……。

 面白かった。関係性に変化があったことで、1巻の時のように「兄と妹」でどきどきというのはなくなってしまったけど(だって他人だものね)、星里らしい四角関係どろどろが出てきた。これはこれで良いものだ。良いものなのだが、しかしなあ……妹の価値が薄れてしまっては本末転倒なんじゃないか? 秘密をばらすの早すぎなんじゃないか? ねえ、ちょっと。

紅(1)

2011-03-10 09:15:16 | マンガ
紅 kure-nai 1 (ジャンプコミックス)
クリエーター情報なし
集英社


「紅(1)」原作:片山憲太郎 漫画:山本ヤマト

 幼き日、テロ事件で家族を失った紅真九郎は、とある事件で知り合った紅香という女性に導かれ、裏十三家の一家・崩月家の内弟子になることで鍛えられた。年齢はまだ高校生だが、紅香を真似るように揉め事処理屋となり、様々な事件の裏で活躍している。

 ……まあなんか、恥ずかしくなるほどベタな設定なのだが、意外と読めた。むしろ面白かった。なぜかって、それはたぶん、主人公の周囲の人の優しさが空気に滲み出ているから。幼なじみで情報屋の銀子。養女だが自称真九郎の嫁なお嬢様・九鳳院紫。指導している時は厳しいが、普段はデレデレな崩月夕乃。無心に真九郎を慕う崩月散鶴。ハーレム要因たちの雰囲気がすごく良かった。もともとは「電波的な彼女」がらみのストーリーだというだけで手に取った本だったので、これは嬉しい誤算。既巻全部買っちゃおうかなあ。

ミル(1)

2011-03-05 16:24:03 | マンガ
ミル 1 (ビッグコミックス)
手原 和憲
小学館


「ミル(1)」手原和憲

 佐賀の実家を出て、東京のアパートで一人暮らしをしている大学生・アキのもとに、突如風呂敷包みを抱えた女子高生が転がり込んできました。その女の子の名はミル。驚くべきことに、1923年生まれの化け猫だったのです……。
 
 化け猫との共同生活。
 今日日珍しくもなんともない設定だけど、それが86歳のおばあちゃん猫となると話は違ってくる。掃除洗濯料理と家事一般に秀で、べたべたの佐賀弁を操り、本物のおばあちゃんのように優しく真面目で気配りのできるミルとの共同生活は、ほっこり温か。見た目が可憐な女子高生なので、ギャップによる悶死も頻繁。長生きする異形としての切なさの表現もあったりと、受け皿も広い。最初から最後まで、とても楽しく読ませてもらった。
 とくに良いのは、ミルがバイト先の総菜屋の看板娘になってるところ。自分の妹のような、おばあちゃんのような存在が社会に順応していく様を眺める嬉しさや寂しさやがないまぜになったこの複雑な感情は、ちょっと他の漫画では表すことのできない希有なもの。未読の方は是非。

WORKING!!(8)

2011-02-28 08:53:31 | マンガ
WORKING!! 8 (ヤングガンガンコミックス)
高津 カリノ
スクウェア・エニックス


「WORKING!!(8)」高津カリノ

 北海道某所に存在するファミレス「ワグナリア」でバイトする小鳥遊くんは、ちっちゃい物好きがこうじてバイト先を決めたほどのアレな青年。そんな彼にも、伊波さんという例外的な女の子が現れて?
 な人気シリーズ第8巻。
 小鳥遊くんに撫でられたことによって、バイトを休むほどに盛り上がりすぎてしまった伊波さん。紆余曲折を経はしたけど、メールをやり取りするようになったりと、2人の関係はかなり前進した。小鳥遊くんのほうにもすこしずつだけど自覚症状が出てきたしね。
 佐藤くんと八千代さんのほうは、なんと2人で飲みに行く約束を……!
 そんな2カップルの進展以外には、小鳥遊くんの妹・なずなの出現率アップが見所。小鳥遊家の女性陣の中でもっともしっかりしていて、小鳥遊くんほどではないにしても仕事ができて、人アシライのうまいフィクサー的存在でありながら、「お兄ちゃん大好き!」なブラコンぶり。これは可愛すぎるといわざるをえない。
 あーあ、アニメ2期とか始まらないのかねえ……?