![]() | オールラウンダー廻(5) (イブニングKC) |
クリエーター情報なし | |
講談社 |
「オールラウンダー廻(5)」遠藤浩輝
アマ修斗の関東選手権を順調に駆け上がるタカシと、右腕の怪我をごまかしごまかしの勇大と、小笠原とのフルラウンドの激闘を閃きでものにするメグル。三者三様の戦いを繰り広げる中、いよいよタカシと勇大が激突する。注目の第5巻。
ふー、今回も格闘技成分大目で満足。総合格闘技マンガも最近は増えてきたけど、これほど蘊蓄が詰まってるのは他にない。
この作者らしいというか、選手たちの戦い方や心の動きが丁寧に書かれているのがポイント。極めて勝つことにこだわる小笠原。己の技に準ずる勇大。空手とムエタイと総合をハイブリッドさせる求道者・タカシ。一瞬の閃きと学習能力で技を繰り出せるメグル。パンチキックそれぞれに、回避や移動のアクションひとつひとつに意志がこめられているので、無駄なコマが一切無く、濃密な紙面になっている。
負傷や疲労の蓄積でぼろぼろなメグルと勇大を、このまま次の試合に出していいのかで意見の対立する健一郎とまりあなど、人間関係もきちっとしていて素敵。試合シーンになるととたんに影の薄くなる(蘊蓄がないから)マキちゃんの登場シーンが少ないのが残念だったけど、それ以外はとても良かった。