goo blog サービス終了のお知らせ 

はあどぼいるど・えっぐ

世の事どもをはあどぼいるどに綴る日記

つぐもも(7)

2012-01-23 02:08:08 | マンガ
つぐもも(7) (アクションコミックス(コミックハイ!))
クリエーター情報なし
双葉社


「つぐもも(7)」浜田よしかづ

 一連の不可解な現象が自らの存在に起因することを悟ったかずやは、怪異を率先して鎮めることを決意し、学校の仲間たちと「お悩み相談室」を立ち上げることに。メンバーは、メガネっ娘委員長のちさと、イケメンだけど軽薄すぎてモテないしろう、がり勉メガネのおさむ、かつてかずやが祓ったことのある奈中井ななこに只田ただたかの2人、かずやと転入してきた(!)桐葉も加えた7人のメンバーは、様々な怪異から学園を、みんなを守ることができるのか!?

 な、なんと、7巻まできてまさかの学園編。
 いやだってさ、普通こういう展開って第1巻でやるものじゃないか? まあいいんだけど、いまさら出してくるあたりがこのシリーズっぽいといえばぽいし。
 んで、桐葉入学プラスかずやと同じクラスとなると、出てくるのがヒューヒュー展開。当然ありますやらせます。「一緒に住んでるの?」とか、「2人はどういう関係?」とかクラスメイトからの質問が殺到して、そこから弾劾裁判(バカテスみたいなあれ。ここでは「2年2組健全男子の会破廉恥裁判」)が開廷する流れが一番面白かった。なんせエロが売りのシリーズでもあるので、乳を揉みしだいたり乳首を吸い転がしたりアナルに指をつっこんだり、という他のラブコメでは出てくるはずもないキレっキレの言葉が飛び交っていて、皆のリアクションが強烈で、思わず笑ってしまって、A君に不審がられました。
 ともかく。
 相変わらずの圧倒的な描き込みは健在。様々な形態に変化する桐葉の可愛さ怪しさも巻が進むごとにレベルが上がっていて、画集としてだけでも金のとれるレベルだと思います。
 楽しみにしていた戦闘シーンはちょいと少なめだけど、展開的に次巻に持ち越しな感じですかね。
 あとは遅筆でさえなければよいのだけど……8巻が待ち遠しい。

煩悩寺(2)

2012-01-09 19:01:36 | マンガ
煩悩寺 2 (MFコミックス フラッパーシリーズ)
クリエーター情報なし
メディアファクトリー


「煩悩寺(2)」秋☆枝

 紆余曲折の末にめでたく恋人同士となった、小山田くんと小沢さん。ちょっとしたメールのやり取りや、島ぽんも含めた煩悩寺での日々の中にいちいちデレ要素が満載で、紙面いっぱいに幸せ臭が漂っていた。
 20代後半という微妙にトウのたったカップル故か、初Hまでの道のりがやたらに遠く、もどかしい部分はあったものの、その辺も含めてきっちり解決できたのが良かった。
 本当にさ、歳とってくると、Hひとつにも理由とか状況の重なり合いが必要なのよね。若いころはそんなこと考えずにいけたのにね……。
 ……あれ、書くこと他にないな……。
 まあ基本まったりなシリーズだし、煩悩寺の目新しさも減っちゃったし、カップルのラブラブイチャイチャぶりを祝えればそれでいいのだと思う。もともと話の盛り上がりなんて関係ないシリーズだし、酒飲み女子な小沢さんの可愛さは相変わらずだったし、それだけで、今後も楽しんで読んでいけると思う。

軍靴のバルツァー(2)

2012-01-05 19:21:36 | マンガ
軍靴のバルツァー 2 (BUNCH COMICS)
クリエーター情報なし
新潮社


「軍靴のバルツァー(2)」中島三千恒

 バルツァーは、軍事大国ヴァイセンから同盟国のバーゼルラントに軍事顧問兼教官として派遣されてやってきた。そこでバーゼルラントの軍事面での後進ぶりに唖然とする。旧態然としたやり口に意を唱えたところ、第二王子にして王立士官学校訓練長ライナーの不興を買い、囚人たち相手の実弾実戦訓練を行うことに……。
 多くの死者(囚人)を出した訓練に合格し、ライナーの信頼を得たバルツァーだが、生徒たちの指導のほうはなかなかうまくいかない。軍国の教官到来ということで、市民感情も嫌な方向に高ぶりを見せている。
 そんな折、市街地の巡視中に、かつての親友にして不倶戴天の敵・ルドルフと遭遇したヴァイセンは、言い知れぬ不安を覚える。ルドルフは天性のアジテーターで、ヴァイセン時代にもクーデター騒ぎを起こした前科があった。
 果たしてその不安は敵中し、バーゼルラント市民が軍国化する体制への不満を露わにし、武装蜂起する。裏にはもちろんルドルフの影。バルツァーは、騎兵科の生徒を引き連れ戦闘の渦中に飛び込むのだが……。

 おお、きな臭いきな臭い。
 ライナーの信頼を得たところで、近づくものは血と硝煙。立場、情勢、もろもろを踏まえてそんなことは重々承知で、やりたくないけどやらなければならないのはたしかなのだけど……。
 割り切れない苦い思いを抱きながらも騎馬を駆るバルツァーの後ろ姿がとても皮肉だった。銃を持った人間の心理について張っていた伏線が綺麗にはまっていて恰好よかったけども。
 ところで表紙を見た瞬間、あれ、と思ったのは僕だけじゃないはず。こいつもしや……と思ったら案の定、だった。浮いたところのまったくない話の中に咲いた一輪の花……とはうまいこといかないだろうけども、殺伐としていく一方の話に異なったベクトルを加えてほしい。戦争ものは嫌いじゃないんだけどね、この話は鬱すぎる……。

げんしけん二代目の弐

2011-12-22 20:03:05 | マンガ
げんしけん 二代目の弐(11) (アフタヌーンKC)
クリエーター情報なし
講談社


「げんしけん二代目の弐」木尾士目

 頃は夏。コミフェスを間近に控えた新生げんしけんメンバーは荻上の商業誌作品を手伝うのに必死で、その嵐の到来を知る由もなかった。嵐の名はアンジェラ。スーの外国での友人にして、レイヤーにして、なんの因果か斑目を好きになった女の子である……。

 とまあ、だいたいそんな感じで、その後の騒ぎは押して知るべし。コミフェスに訪れた斑目へ猛アタックを開始したアンジェラを、いろんな意味で気に食わない波戸くんが体を張って斑目を守る。わけなのだけど、その方法が……ね……。
 ともあれ、面白かった。波戸くんの髭とか、波戸くんがコスプレ状態で男子トイレへ突撃とか、コミフェスへの情熱が薄れつつある斑目の戸惑いとか、この2人中心の騒動が笑えてしょうがなかった。荻上の中学時代の友達(?)来訪とか、スー物理的な意味で大暴れとか、いろいろトピックスはあるのだけども、2人の前にはさすがに霞んだ。もう面白いから付き合っちゃえよ、おまえら。BLとかには興味ないけど、この2人なら微笑ましいから許す。

 ところで関係ないけども、最近大学時代のサークル仲間にひさしぶりに会ってきました。忘年会ってことで、先輩や後輩や含めて12(3?)人。卒業からウン年経ってるのにこんだけ人が集まるってことにも感動したけど、それよりなにより、ひさしぶりにオタクトーク全開に出来たのが楽しすぎた。ここ数年そういう成分を表に出せない環境にいたから、頭のてっぺんに穴が開いたぐらいの勢いで騒ぎまくってきましたよ。いいよね、何も隠さずあけっぴろげに趣味の話をできる仲間って。げんしけんも、そういう観点から懐かしい気持ちで読んでます。
 いやあ、もちろんこんなに華はなくて、ほぼ男所帯で、一人だけいた女の子はガチ百合でしたけどね……。

ヒナまつり(2)

2011-12-20 15:53:31 | マンガ
ヒナまつり 2 (ビームコミックス)
クリエーター情報なし
エンターブレイン


「ヒナまつり(2)」大武政夫

 超能力少女・ヒナに居座られ、食事の世話や身の回りの世話や、挙句は学校まで世話させられている不遇のヤクザ・新田。今回も、彼の前に騒動の種が舞い降りた。
 ヒナを思わせる超能力で暴走族を壊滅に追い込み、身の処し方を知らないが故に商店街で万引きや食い逃げを重ねに重ねるアンズ。彼女は施設から追い出されたヒナを「やっぱり処分する」ために施設から遣わされた暗殺者なのだ。
 ヒナとベクトルは違えどやっぱりおつむが少々残念なアンズをうまいことだまくらかして退けようと頭をひねったり、ヒナの横暴に耐えかねて勘当を決意したり、そのことがバレて周囲から総スカンを食らったり、新田の明日はまだまだ暗いのだった……。

 ヤクザもんが女の子にぼろくそにされる、という胸のすくようなストーリーは相変わらず。今回もギャグにメリハリがきいていて面白かった。
 新キャラのアンズはなかなか良い。まさかこんな女の子があんな小汚いおっさんと共に……ねえ……
 ヒナは勘当事件でちょっと人間性がアップした(かな?)。傍若無人なのが良さではあるのだけど、さすがにひどすぎるからね……。
 女バーテンダーの詩子さんは夜の歓楽街だけの人かと思ってたら、意外と昼間にも出張ってくるようになった。でもこの人、絶対元ヤンじゃ……。
 ヒナの同級生の瞳ちゃんは、さらに巻き込まれ&処理能力アップで、非常に便利に使われていた。バーとか学校とか、公園の炊き出しとか、彼女のマルチな才能はとどまるところを知らず、気の休まる暇もないのだった……。

この彼女はフィクションです。(4)

2011-11-21 20:04:34 | マンガ
この彼女はフィクションです。(4) <完> (講談社コミックス)
クリエーター情報なし
講談社


「この彼女はフィクションです。(4)」渡辺静

 フーコ先輩の自作キャラ・アムのヤンデレぶりに悩まされながらも海や遊園地へと遊びまくって楽しい夏休みをおくるユーリ。ミチルや文芸部の綺麗どころにいじられ好かれ、フーコ先輩との恋も実り人生花盛りな彼に、最大のピンチが迫る!?

 ううむ……とうとうこの日が来てしまったか……。
 感慨深い気持ちで手にとった、第4巻にして最終巻。
 3巻の最後に登場したフーコ先輩の自作の小説キャラの具現化たるアムが、どう絡んだ上に最後を迎えるのか不安でしょうがなかったのだが、意外やきっちりまとまっていた。彼女に関してもう2、3話欲しい気はしたが、それでもうまいこと存在感をアピールしていた。ヤンデレ成分はミチルで間に合っていたので、フーコ先輩の手のかかる妹的なポジションを追及していってくれれば、もう少しよくなったかも。まあいまさらだけども。
 それでは各キャラについて。
 ユーリ:友達も恋人もいない、だけではなく、けっこう過酷なイジメにあっていたせいで他人と接することに臆病になっていた彼が、4巻とおして一番成長したようだ。フーコ先輩と相思相愛にもなったし、友達もできたし、部員にもなじめたし。そして、一番大事なことだけど、ミチルを生み出したことの責任をとってくれた。男としてのけじめをつけた。自分のもっとも恥ずかしい過去に、真正面から向き合うことの怖さは彼ならずともわかるはずで……。
 最後の決断もグッジョブ。ミチルはきっと幸せになった。そう思います。
 フーコ先輩:彼女がメインヒロインであることに異論のある人はいないと思う。近年稀にみる可愛さ。それは最後まで崩れなかった。彼女もまた、才能ある作家故のコミュ症に悩まされていたが、ユーリとの出会いによって確実に変化を遂げた。蛹が蝶になるように、とはベタな例えだが、彼女の場合はまさにそう。今後も陰に日向にユーリを支え、共に人生を歩んで行ってほしい。
 ミチル:フーコ先輩には及ばぬものの、ミチルも可愛かった。ライバルがフーコ先輩でさえなければ、瞬間最大風速で一気にユーリの心を鷲掴みにしていたはず。残念。
 彼女の場合は、存在そのものにも魅力があった。どこまでいっても創作物である悲しさ。思考も嗜好も、行動すらもけっきょくユーリの思い通りでしかないということのむなしさ。
 にも関わらず、ユーリは常にフーコ先輩のことを見ていて……。
 それでも、彼女はユーリを愛した。
 エンディングの行く末は、きっと誰もが想像した通りだと思うけど、それでも僕は、彼女が自分自身の意志でそれを決断したのだと思いたい。プログラムされたユーリの妄想だけでなく、現出した彼女自身の意志として……。
 
 打ち切りなんだとは思うけど、とてもそんなふうには見えなかった。海辺の公園の夜のシーンからの展開はちょっと唐突だったけど(ここに省略されたエピソードがあると踏んでいる)、エンディングのまとめ方もきれいで、不満はほとんど残らなかった。きちんと完走できていた。最後にフーコ先輩が漏らしたように、「寂しい」その想いだけが残った。
 ユーリたちにもう会えないことが寂しい。これは最大級の賛辞です。面白い漫画をありがとうございました。

6000(1)

2011-11-19 10:42:34 | マンガ
6000-ロクセン 1 (バーズコミックス)
クリエーター情報なし
幻冬舎


「6000(1)」小池ノクト

 中国企業・上海巨星に買収された江古田工機の技術屋・健吾は、同じく上海巨星に雇われの身となった先輩・壇崎が先行して入っている仕事に参加するため、フィリピン海の海上プラットフォームを訪れた。そこには上海巨星の高圧的な上司・温がいた。
 ろくに仕事内容も告げられずに6000メートル下にある巨大深海プラント「コフディーヌ」へと連れて行かれた健吾は、道中首元から出血して意識不明の壇崎とすれ違い、さらに多くの信じられないものを見ることになる。その信じられないものとは……。

 日本と中国の巨大企業の思惑とか、高圧的な上司とか、仲良くなれそうもない同僚とか、怪しげな行動ばかりの女とか、原因不明の事故で30数名の作業員が全滅した謎とか、3年もたっているのに今なお「何か」が巣食っているコフディーヌの謎とか、舞台設定の作りこみが重厚で、すんごい面白い。
 この1巻では相手の影くらいしか見えないけど、もったいつけてる感がいかにもホラーって感じで良い。血どばー内臓ぐちゃー、ジェットコースターアクショーンってのもたしかに良いけど、ホラーはやっぱり雰囲気が大事だ。助けの来ない深海で圧壊の恐怖に怯えながらのパニックホラーなんて、最高じゃないか。
 さらに特筆すべきは主人公属する管理業者の方々の施設に対する視点のリアルさ。自分たちのいる施設そのものに対するシビアな認識が、それ故の現状への違和感が、不気味さの相乗効果を起こしていて怖い。これは期待できそう。

この彼女はフィクションです。(3)

2011-11-15 19:33:06 | マンガ
この彼女はフィクションです。(3) (少年マガジンコミックス)
クリエーター情報なし
講談社


「この彼女はフィクションです。(3)」渡辺静

 ミチルとフーコ先輩をダブルヒロインに据えた自主制作映画の主役として、いろんな意味で精神的に追い込まれているユーリ。普通に考えたらミチルやフーコ先輩クラスの美少女と合法的にキスするチャンスがあるなら大歓迎、なはずなんだけど、周囲からの嫉妬はもちろん、相変わらずミチルはユーリの想い人探し(そして殺す)を続けているし、うーん……。
 などと思っていたら、いきなりフーコ先輩がキスシーンをカットしようと言い出した。実はユーリとのキスの緊張に耐えられないために考え出したフーコ先輩の苦肉の策とも知らず、純粋にフーコ先輩への尊敬を重ねるユーリ。がっかりするミチル。自分の身勝手さに胸を痛めるフーコ先輩。3者3様の想いが交錯する中、ついに訪れた学際当日。
 壇上で見つめ合うユーリとフーコ先輩。2人がまさかのマジ告白。さらにマジキスまでしちゃったからさあ大変。真実を察したミチルの殺戮劇が始まった……!

 最後はちょっと嘘。でも想像していなかった展開に驚かされた。まさかこんなにあっさりと、ユーリとフーコ先輩が通じ合うとは。もうちょっともったいつけると思っていただけにびっくり。
 しかしまあ、相変わらずフーコ先輩の可愛さは異常。告白前のドキドキと、告白後のドキドキと、微妙なニュアンスの変化まで含めて眼福の極み。
 ミチルもいい娘だし、可愛いとは思うんだけどねえ……相手が悪いや。もうちょいヤンデレ風に攻めてみると面白くなるかな? それでもユーリの気持ちまでは奪えないだろうけども。存在自体もあれだし、報われない娘じゃ。
 んでだね、そんなことより問題は、こんな面白い漫画が打ち切りってこと。もうすぐ4巻が出るけど、どうやらそれで終わりらしい。はあ~。何がいけなかったのかねえ……。

地球の放課後(1)

2011-11-13 20:19:58 | マンガ
地球の放課後 1 (チャンピオンREDコミックス)
クリエーター情報なし
秋田書店


「地球の放課後(1)」吉富昭仁

 2年前。ファントムと呼ばれる謎の存在の襲撃により、人類は壊滅的な被害を受けた。人間のみを狙って存在を消滅させるファントム。その目的も数も生態も一切不明のまま、なすすべもなく地球の人口はわずか4人になった。
 メガネボブで真面目な早苗。
 茶髪ポニーテールで勝気な八重子。
 元気いっぱい暴走幼女の杏南。
 黒一点の正史。
 住む場所も生活もまったく異なっていた4人は、最後の人類として寄り添い協力し合い、残された物資をやりくりし、畑を耕したりしながら細々と暮らしていた……。

 生鮮食品等は全滅しているので自分で魚を捕まえたり野菜を植えたり。電気は自家発電(たぶん発電機?)。水道は……わからない。ガソリン等はいくらでもありそう。
 人がまったくいない静かな東京の片隅で暮らす彼女らの生活は、とくに泣いたりわめいたりするでもなく、家の屋上で花火パーティーしたり、海で投網しながらクジラを目撃したり、道路にテーブルを持ち出して食事したり、ほのぼのとその日暮らしをしていて楽しそう。
 水の流れや空気の匂いや草木のざわめきや風の行く末を味わう。まったりと、地球の放課後を味わいたい人にはおススメ。
 吉富昭仁というと、個人的には「ローンナイト」みたいな動的な漫画家のイメージしかなかったのだけど、こういう漫画も描けるようになっていたのだねえ。

断裁分離のクライムエッジ(4)

2011-11-11 19:39:17 | マンガ
断裁分離のクライムエッジ 4 (MFコミックス アライブシリーズ)
クリエーター情報なし
メディアファクトリー


「断裁分離のクライムエッジ(4)」緋鍵龍彦

 髪が伸びなくなってしまった祝と、おかげで髪が切れなくなった切。前巻で晴れて恋人同士となった2人は、ちょっとぎくしゃく。
 そんな折、祝の前に一人の幼女が現れた。彼女の名はエミリー。祝の父に拾われ育てられた娘で、造られた受注製品の殺人鬼だった。
 すさまじい切れ味を誇るエミリーの技に圧倒される切。血に塗れながら彼は、突如頭の中に沸き起こった、彼の殺害遺品の根本たるノーマ・グレイランドの記憶と意識に体を乗っ取られていく……。
 
 切覚醒。というかノーマ・グレイランド覚醒編。
 ぶっちゃけそんなに強くなかった切へのテコ入れ。「ぬらりひょんの孫」じゃないけど、シリアルキラーの強さって「恐れ」の強さでもあると思うし、そういう意味では至極まっとうなバージョンアップなのではないだろうか。彼が何を望み、何を思って人の体を切り刻んだのか、その黒い欲望の底の底……までは未だ描かれていないけど、このシリーズの核になる部分のはずなので、今後に期待。
 受注製品に関してはちょっと興ざめ……かな。高名な殺人鬼同士が殺し合うのが売りなのに、殺人鬼を造ってどうするよ。
 恋愛面では、祝と切に関してはとくになし。恋人になった、ってだけの状態。この年齢でゴールとかないだろうしね。まあそんなもんだろう。