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八郎潟駅 テレビと温度計

2023-09-28 18:55:45 | 秋田の季節・風景
ちょうど3年前、2020年9月のストックネタ。秋田県 南秋田郡八郎潟(はちろうがた)町にある、JR奥羽本線・八郎潟駅のアイテム。
1902年の鉄道開通と同時に開業した駅だが、当初は隣町の「五城目」駅を名乗り、後に当時の自治体名だった「一日市(ひといち)」駅になり、八郎潟駅となったのは1965年。今の駅舎も同年にできた。なお、八郎潟町の成立は1956年。

ホームは2面3線、1番線に改札口がある、典型的な国鉄の駅の構造。現在はすべての旅客列車が停車し、普通列車は折返し便もある。かつては特急「白鳥」と寝台特急「日本海1・4号」だけは通過していたかと思う。
1番線改札内。奥が秋田方向・背後が跨線橋
上の写真中央奥が改札口、その手前の壁や窓は駅事務室。
その壁の一部分
看板は「釣りと干拓“願人踊”のまち 八郎潟」。
町の中心駅によくある「ようこそ○○(町)へ」の類。色褪せや書体【29日訂正】手書き文字の雰囲気からして、だいぶ以前からありそう。
「釣りと干拓」は(湖沼としての)八郎潟。色と書体を変えてある願人踊(がんにんおどり)とは、町に伝わる秋田県無形民俗文化財で、神社の祭典で演じられる独特な踊り。看板左側にはそのイラストもある。

その看板の下、ショーケースのようになっている。願人踊の色褪せたポスター・パンフレットも掲出されているが、真ん中に鎮座するのは、
薄型テレビ
画面の縁は黒の外側にシルバーと二重で太い。メーカーは、
ニッパーくん&Victor
今はなき日本ビクター(現・JVCケンウッド)製。
ビクターは2011年まで、同社のテレビ受像機は2008年までだったそうなので、これは15年以上前の製品なのだろう。液晶ではなく、もしかしたらプラズマ方式かも。

この時、というかここ何年かは、列車の車内から見た限りではいつも消灯していたと思う。記憶をたどれば、1990年代後半頃?? には、願人踊の映像が流れていたような気がしなくもない【28日補足・まったく自信ありません】し。ひょっとしたら、以前はブラウン管テレビが置かれていた可能性もある。ショーケースに奥行きがあるので。
2023年6月時点でも、消えたままのテレビはそのままだった。


もう1つ。冒頭の写真、右手前の壁にかかっているもの。
大きなアルコール温度計
左に摂氏、右に華氏の目盛りが付き、固定する金属部分が錆びついているが、表示は正常のようだ。確実に国鉄時代からありそう。
温度計本体の下、販促品の温度計ならばお店の名前が記されるような部分。=今どきは名前入り温度計を配る店なんてないでしょうね。アルコール温度計自体、あまりないだろうし。
「検温標準時間」6時、10時、14時、16時、0時
「検温」といえば、今は体温測定の印象が強いが、この場合はもちろん気温測定。時間とは「時刻」だろう。その時刻に測定して、記録するなり、秋田鉄道管理局にでも報告することになっていたのか。
当時の八郎潟駅は、24時間駅員がいたはずなのに、等間隔でない1日5回なのがおもしろい。

八郎潟駅は、2004年に駅員がいない時間帯ができ、2015年には子会社委託となっている。不在時間は無人駅扱いになるので、ワンマン列車では車内で精算し、いちばん前のドアから下車する(昼間の列車でもあり)。車内放送に注意。


ところで、駅のホームの温度計は、昔は一般的だったようで、それが今も残されているところがちらほら存在する。大阪メトロでは百葉箱を設置する駅があり、現在はデジタル温度計を入れて、いちおうデータを記録しているとのこと。
奥羽本線では…
土崎駅にもあった
同じく1番線の壁。八郎潟よりはきれいで、目盛りは摂氏のみ。0℃の片側には「氷点」。
本体下にスペースはあるが、トラ柄で覆われ、ラベルライターの「JR土崎駅」が貼られてしまっている。下には何が書かれていたのか。

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2 コメント

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マネービルの日興証券 (FMEN)
2023-09-30 00:29:54
こないだ日曜日に菅新ビルのレトロ博物館を見学。
中に温度計が飾ってあり、マネービルの日興証券とありました。
古い家では良く見たもんです。
駅は違うでしょうが。
農業県なんでくみあいの〜とか農協の共済とかも秋田では定番でした。
温度測定は食べ物を管理する場所では吉田屋事件もありまた注目されてますが、鉄道も大事。
今年みたいに暑すぎるとレールが伸びます。
秋田管内では実際あったとか。

百葉箱も懐かしい話です。
むかしは仁井田だと農業施設にありましたが農協を移転したあたりで見なくなりました。
学校だと中通や旭南ではまだあります。
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検温の意味 (taic02)
2023-10-01 20:05:51
日興証券の温度計は、板がホーローのような金属製のものも存在したようですね。駅のものは木製と思われます。

今夏は由利高原鉄道でもレールが伸び、一生懸命、水を運んでかけていました。
壁と屋根がある駅で測定したところで、炎天下のレールとは条件が違うし、かといって壁掛けでは百葉箱ほど測定条件が統一されるわけでもなく、あんまり意味がある検温でもなかった気もします。
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