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手形の風景2003

2023-06-27 23:29:42 | 昔のこと
菊谷小路2004に続く、昔と今の風景の対比。2003年7月25日早朝に撮影した、秋田市内のとある場所。
どこだかお分かりでしょうか?

現在の同じ場所
秋田市手形地区、JR奥羽本線「第一手形谷地町踏切」の東側から東方向の風景。
背後が第一~踏切、道路右側が手形新栄町、左手前側が手形休下町、左奥側が手形住吉町。秋田大学手形キャンパスが左前方。秋田駅西口から来る路線バス・秋田温泉線と仁別線は、先方(東)から来て、この交差点を右折して北へ進む。【30日補足・交差点右・南方向が第二手形谷地町踏切。】

20年の間で、変わったものが多い。
ほとんど写っていないが、交差点の右奥の角は「あべとん」で親しまれた食堂「とんかつあべ」。2022年9月で閉店した(関連記事)。
右手前角は、赤いタキシード(?)とシルクハットで自転車に乗って「月々わずかな費用で自転車をお手元に!」と言う、鼻の大きい男のイラスト看板を角に掲げる、自転車店。いつの間にか、営業はやめてしまったようだ。Googleマップストリートビューによれば、2015年8月時点では営業中らしいが、2017年7月にはやっていない感じ。※近くの別の自転車店の話
以上、右(南)側は、建物はあまり変わっていないが、寂しくなってしまった。
【28日画像追加】現在の交差点南方向。2店とも看板は残っている


そして左(北)側は、外見からがらりと変わってしまっていた。
奥のほう、ピンク色の建物は集合住宅。これは外壁が黒く変わっただけ。

その手前、交差点角。今は高齢者向け住宅やクリニックからなる「三愛会ビル」。2009年10月にオープンしたようだ。
そこの2003年。素っ気ないフェンスで囲まれ、そんなに古くなさそうな民家風の平屋。桜などの木もある。フェンスの感じからすれば、民家ではないだろう。何があったんだっけ?
【30日追記・たぶん判明】所在地は手形住吉町1番9号。それとかすかな記憶で調べると、以前は「秋田中央道路建設事務所」があったことになる。2007年に開通した、地下トンネルを含む秋田中央道路の建設工事を担当していた、秋田県庁の出先機関。工事は2001年から本格化したようなので、撮影時点では、事務所が機能していた可能性が高い。ちなみに、この工事で掘られた千秋公園・大手門の堀に生えていたハスが、バックアップのためここで(水槽か何かの容器で)栽培されていたはず。(以上追記)


2003年の写真では画角から外れてしまっている、左手前角。
現在は、タカヤナギが運営するスーパーマーケット「グランマート手形店」。交差点角は、建物の裏側に当たり、塀が立っている。2003年当時は、開店したかどうかの頃のはず。そして、それ以前は何があったんだっけ?

調べると、グランマート手形店は、2004年7月30日オープン。撮影時は着工前か。
ちなみに、秋田市内のグランマートは、泉店が1997年、短期間で閉店した勝平店(新屋豊町)が2000年5月、外旭川店が2001年に、それぞれ開店しているそうなので、手形店がいちばん新しい。

ではそれ以前。
過去の地形図を見ると、「官公署」の地図記号が付されているようだが、表示位置が微妙でもあり、よく分からない。
過去の航空写真を見ると、今のグランマートの建物の位置に、高さがありそうなビルっぽいものがある。北側の今、駐車場の部分は、低層の大きい建物がありそう。
いろいろ調べたら、ここにあったのは「秋田電気通信部」→「NTT秋田支社」のようだ。
所在地は、グランマートは手形休下町2番1号、秋田電気通信部は2番32号と違うようだが。


電気通信部とか、NTTの支店でなく支社など、その存在からして知らなかった。
電電公社時代は「東北電気通信局」の出先機関のような形で地方電気通信部が置かれていた。各電報電話局を指導管理する機関。
電電公社もお役所だから、今、国の省庁で 運輸局>運輸支局、森林管理局>森林管理署があるようなものなのだろう。

手形休下町には1971年6月28日に新築移転。
1985年の民営化後は、NTT秋田支社となったが、1990年4月で廃止・NTT秋田支店などに機能を移行。その後、いつか分からないが建物がなくなって、グランマートが建ったのだった。

以前触れたように、ここの近所には、1991年まで旧郵政省系の「秋田電波観測所」もあった。


2003年にここを撮影した理由は、信号機。
当時は多かった、横型・電球式の樹脂(ポリカーボネート)製の車両用信号機だが、特徴がある小糸工業(現・コイト電工)製。他社と比べて、点灯するレンズ面の色合いと模様が独特。弘前大学前の信号機(交換済み)は、小さなドットが並ぶレンズ。ここは、
格子が入るレンズ。カメラと光線のため色合いは不正確です

【28日画像追加】
いちばん古いストリートビューの2012年10月時点で、縦型に交換済み。


ひんぱんには通らず、なじみが薄いとはいえ、大きな変化はないと思っていた場所も、20年で、道路の形以外すべてと言っていいほど、変わっていた。
例えば、秋田大学の卒業生が、何十年ぶりにここを訪れたとしたら、懐かしいと感じるだろうか、違う場所になってしまったと感じるだろうか。

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4 コメント

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3月に取材して (FMEN)
2023-06-29 01:32:07
商店街の雰囲気がすっかりなくてでした。
みんな県道やなまじ道が良くなり駅にでちゃうんでしょうか。
市営バスが移管され手形基幹路線がこちらから赤沼側になったのもあるのか。
風呂やもなくなったりYショップも規模縮小、山形屋も営業を減らしてるようでした。
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もったいないエリア (taic02)
2023-06-29 18:18:26
個人のお店は、後継者などそれぞれの事情も大きいかと推測しますが、寂しくなりました。
学生がいて、官舎・社宅などもあり、お店のニーズはありそうなものですが、新しい店はなかなかできません。
電波観測所跡など、駐車場でない用途にできそうな土地もちらほらあり、ちょっともったいないエリアに感じます。
返信する
Unknown (りお)
2023-06-30 00:03:36
グランマートになる前は陰鬱な感じのNTTのマークがついた大きな建物と、高い塀があった記憶があります。建物が撤去されて空き地になり、それだけでかなり明るくなったことを覚えています。
Google Mapの「手形住吉住宅」がある区画には、中央郵便局が改修工事をしている間の仮の郵便局機能が移転してきていました。あの土地も中央郵便局の工事が終わってからずっと活用されていないですね。
記事の写真の信号機を右に曲がる、畳屋さんがある通りは古い建物から学生向けアパートへの立て替えがかなり進みました。この通りにあった今はなきお好み焼き屋さんに、高校時代は友だちと放課後寄り道したものです。
秋田駅の北側に作っている地下道が開通する頃になれば、更に町並みが変わりそうですね。
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秋田中央郵便局の仮庁舎 (taic02)
2023-06-30 20:18:59
塀に囲まれた陰鬱な建物ですか。見てみたかったです。
「手形住吉住宅」は秋田大学のテニスコートの西隣でしょうか。正式には「公務員宿舎手形住吉住宅2号棟」なのか? 考えてみれば、そこは電波観測所の隣接地ですから、元々は電波観測所の敷地だったのかもしれません。
秋田中央郵便局の仮庁舎? 仮施設? は、なんとなく覚えています(2000年前後だったでしょうか?)が、それも電波観測所が郵政省系だった縁で、この場所になったのかもしれません。
いずれにしても遊休同然の土地なのはもったいないです。秋田大学や、南隣にできた県の「子ども・女性・障害者相談センター」の関連施設など、使いみちはありそうに思えます。

第二手形谷地町踏切の通りは、駅との行き来なのか人通りはわりとありますね。アンダーパス開通が、どういう方向に変化をもたらすでしょうか。
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