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秋田駅近距離券売機

2021-04-22 23:57:06 | 秋田のいろいろ
2023年春に秋田など北東北の県庁所在地周辺でも、JRの在来線にSuica(交通系ICカード)で乗車できるようになるわけですが、今回は現状の話。2021年春ダイヤ改正時から、秋田駅の在来線近距離きっぷ自動券売機がSuicaに対応したことについて。
これは、改札口を通れるのではなく、券売機にSuicaを挿入し、現金でそのカードへチャージしたり、カードの残高できっぷ類を購入できるというもの。

秋田駅のほか、大曲駅、盛岡駅、長野駅などでも同様の対応がされたようだ。いずれも新幹線停車駅。
新青森駅では、新幹線改札内の近距離券売機は対応したらしいが、改札外の券売機については情報が見当たらない。また、駅舎が新しくなった(新でない)青森駅は引き続き非対応。
こうしたことから、Suica対応させた理由は、「タッチでGo!新幹線」の手続きをするためで、在来線きっぷ購入はその副次的効果(来春の秋田のバスへのSuica導入、2年後のSuica乗車も見据えてなくはないかもしれないが、直接関係はない)。

券売機が対応した駅では、Suicaの払い戻し(秋田で以前問題になった)のほか、おそらく長期間使っていないカードのロック解除などの手続きも、窓口でできるようになった。秋田駅のみどりの窓口には、黒いカードリーダーと液晶画面からなる機器が設置されていた。【10月8日追記・中央改札口の有人通路(新幹線側にはないので在来線側)は、白いカードリーダー。】
JR東日本ホームページでは「Suicaエリア内のJR東日本の駅のみどりの窓口」に「またはJR東日本の新幹線停車駅のみどりの窓口」でできると付け加えられている。

秋田駅メトロポリタン改札口の券売機
これまでも、上部に黄色い紙が貼ってあったが、「Suica・クレジットカードは使えない」旨、それが「クレジットカードは~」に変わった(小さい文字は、指定席券売機ならクレジット対応ですという説明)。
乗車券用のトップ画面
上部に「IC CARD」、左下に「チャージ」ボタンが表示されるようになった。「ご希望のボタンを~」の部分も、「ICカードをお持ちの方は先に入れてください。」に切り替わる。
知らなくて戸惑ったが、タッチでGo!新幹線の開始手続きや、履歴表示・印字は「チャージ」ボタンから入る。

秋田駅では、中央改札口に3台、トピコ改札口に2台、メトロポリタン改札口に1台、近距離券売機が設置されている。どれも同じ設定で、同じきっぷしか購入できないと思っていた。
これまでは、クレジットカードのポイントがほしくて、極力指定席券売機を使っていたが、これからはビューカードからチャージしたSuicaで近距離券売機を使う機会が増えるから、ひと通り画面を見てみた。
すると、中央口とそれ以外では、微妙に違うのだった。
中央口券売機のトップ画面
左側の上から2段目「回数券」が、中央口の券売機では表示されない!
※ここで言う回数券は「普通回数券」のこと。200キロ以内2駅間の11枚を乗車券10枚分の値段で販売し、3か月間有効。【23日補足・1990年代後半まではミシン目入りの11回分がつながった用紙に、駅名のスタンプを押すスタイルのものもあった。】

以前は、中央口でも回数券が購入できた。しかし2019年9月頃、できなくなって、指定席券売機へ誘導する掲示が貼られた。
右の掲示の下のPOPが付いているのは、封筒状の回数券入れだった箱だ
聞きかじった話では、JR東日本では、各駅へ指定席券売機の利用者を増やすノルマを課しているのだとか(そしてそれを理由にみどりの窓口を縮小する腹づもりなのだろう)。他支社でも回数券購入の指定席券売機への誘導がされている。
ただ、指定席券売機で回数券を買う時は、行き先の駅名の数文字を五十音表で入力して、出た候補から選択するという手順が生じる。2タッチで済む近距離乗車券と比べて、手間だし、敬遠する人はいるのですが…
そして掲示に「当駅では、緑色の券売機での普通回数券の発売をしておりません。」とあるのだが、ウソになる。
2改札口から入る人を指定席券売機まで来させるのは大変と、秋田駅はそこは配慮して、設定を残してくれたのでしょう。
指定席券売機発券の回数券
昔オレンジカードがあった頃は、近距離券売機で回数券を買っていたが、なくなってからはずっと指定席券売機だった。券のサイズが大きく、「表紙」なる券片とカード利用票が出てしまうこと以外にはデメリットは感じていなかったが、ということなら、2改札口の券売機ならSuicaで回数券が買える。きっぷのサイズが小さいのも悪くない。買ってみた。
盛りだくさんの記載。下段「IC」がSuicaで購入したことを示す
久しぶりに小さい回数券(近距離乗車券と同じ、エドモンソン券サイズ)を手にすると、ちょっと心もとなくてなくしそうだけど、無駄な表紙も(クレジット利用票も)なくていい。
回数券画面
15駅との間の回数券を購入できる。ここにない駅でも、指定席券売機なら発券可能。
15駅は秋田市とその周辺の駅までで全駅ではない。2023年のSuicaエリアと若干共通性がある。
羽越本線は通過列車が多い桂根駅はなく、下浜まで(Suicaは新屋まで)。奥羽南線はSuicaと同じく和田まで。奥羽北線は八郎潟まで8駅と多い(Suicaは追分まで)。もちろん泉外旭川もある。全線がSuica対応となる男鹿線は、出戸浜と二田の2駅。その間の上二田がない。

JRの回数券は、近距離乗車券のような「何円区間」ではなく、区間の駅名を指定して発券する。でも、その両端の駅で必ず乗降しないといけないわけではなく、間の駅で乗降して残りの区間を放棄しても問題ない。「内方乗車」と呼ばれる制度というか決まり。定期券では一般的なこと。客の都合で放棄するのだから、未乗区間の払い戻しはできない。当然、運賃が同額だからといって、まったく違う区間に乗車することはできない。
例えば、秋田~上飯島の回数券を、同額区間内の秋田~土崎で使っても差し支えなく、実際に土崎駅の自動改札機では乗降とも通常に処理(降車時は回収)する。それに10円安い秋田~泉外旭川で使っても、制度としては問題ないし、回数券1枚当たりで計算すると、乗車券を買うよりは安く上がる。
上の券面画像に「下車前途無効」とあって、独特のやや威圧感がある言い回しに戸惑う人もいるかもしれない。これは「降りたらそこで回収して、もう使えない」という意味で、記載以外の駅での乗降を禁ずるものではない。
※企画乗車券などでは、記載された両端の駅でしか乗降できず、途中放棄できないというか改めて正規運賃・料金を支払わないといけないものも、まれに存在する。

秋田から上二田までの運賃は、二田までと同額。そんなわけで、上二田までの回数券をほしい人は、二田までのを買えばいい。
となると、より遠い同額駅がある土崎や大久保、羽後飯塚のボタンはないほうがいいような気もしなくはない。
内方乗車を知らない人も多いだろうから説明も必要になってしまうが、男鹿線と奥羽本線で統一されていないのがなんだか。

あと、少し遠いが利用者は多そうな、羽後本荘、刈和野、羽後境、東能代、船越、男鹿とかがあってもいい気がする。



この機会に、他の券種の設定も見ておく。
(上の再掲)「JRきっぷ」項目=乗車券
100キロ超は、駅名を指定した横長のボタン。きっぷは大きいサイズで出るはず。画面いっぱいの8駅設定され、順番はやや不自然。鹿角花輪、横堀、新庄、大館、弘前、青森、酒田、鶴岡。
8駅はおおむね妥当な選択だと思う。
鹿角花輪は市中心駅ではあるが、直通列車がなくなり、花輪線の減便もある今、秋田からJRを乗り継いで行く人はどのくらいいるだろう。
横堀は奥羽南線で最初の100キロ超の駅。その次の院内も同額で、院内止まりの列車も多いのだから、どうせなら院内にすればいいのでは。
【23日追記・新青森駅のボタンがないが、秋田からは青森駅までと同額。ちなみに2011年の新青森駅では、秋田方面は二ツ井と東能代だけで秋田がなかった。駅によってだいぶ違う。】
【23日追記・100キロ超の駅名表示ボタンは8つが最大ということでもなく、金額と同じ小さいボタンにしたり、「次へ→」ボタンを出して画面を切り替えたりすることもできるようだ。】

以前の機種(いちばん最初のタッチパネル世代?)では、設定される駅が違った。弘前がなく、なぜか真室川があったりと、よく分からないものだった。
※弘前のような特急停車駅への乗車券だけは、自由席特急券の項目に入って、そこから「乗車券のみ」を選べば、発券できるという、隠し機能のような直感的でなく分かりづらい設計(現駅舎開業直後に、駅員さんに教えてもらって知った)。現行機種でも同じ。後述。

往復券画面
行き帰り2枚の乗車券が出てくる往復券。大曲、横手、羽後本荘の3駅のみ。
この貧弱さは以前からこうだった。だいぶ昔、秋田市から近く夜間無人になる駅へ行って戻りたい時などに便利だから、例えば羽後牛島、新屋なども設定してほしいと、お客さま相談室へ要望したのだが、この通り。
秋田市外のこの3駅があるのなら、男鹿、東能代・能代、湯沢はどうしてないのか。
※指定席券売機に回れば、どの区間でも往復乗車券を購入できます。

「特急」=在来線自由席特急券画面
この画面はボタンが小さくて密で、不器用な人は間違えそう。
「つがる」の青森方面は全停車駅。「いなほ」の新潟方面は、秋田県内は全停車駅、山形、新潟県内は主要駅。遊佐、あつみ温泉などがない。

表示されている駅名を選択すると、次に「乗車券と特急券」「乗車券のみ」「特急券のみ」のボタンが表示され、上記の通り、乗車券だけでも購入可能。
新潟までの乗車券も買える
便利な場合もあるが分かりづらいし、特急券だけほしい客は迷ったり、間違ったりしてしまいそう。
【23日補足・指定席券売機でもデザインは異なるが、同じように3つボタンが出るはず。3種が同じサイズのボタンなのがまぎらわしいので、本来の「特急券のみ」ボタンを大きくするとか色を変えるとかすればいいのでは。】

特急の下の「新幹線」は、秋田~盛岡間の「こまち」の特定特急券(全席指定なので、自由席の代替として空席に座れる特急券)用。在来線特急券と同じ構成で、全停車駅のボタンがあり、乗車券だけも購入可。

Suicaの履歴印字は紙がもったいないので、表示だけ。久々の履歴が、秋田で見られるとは感慨深い。
種別「購」、利用駅「秋田」が、秋田駅近距離券売機での購入分
種別のそのほか「VIEW」はATM・ビューアルッテでのビューカードからのチャージ、「特典」はビューカードのポイントのチャージ、「物販」は電子マネーでの買い物。


国鉄時代~JR初期の、垂直で押しボタンがずらりと並ぶ(こども用は別ボタンでフタが付いていた)券売機を思い出せば、券売機も変わったものだ。

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10 コメント

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光る 光る 東・・じゃなくて障害者割引切符 (あんなか)
2021-04-23 01:26:19
東京圏のJR券売機には障害者割引きボタンが表示されていたと思います。
障害者割引は営業距離100km以上が対象になるので対象になるのかならないのかが直ぐ分かって便利だなあと。
秋田駅ではみどりの窓口で駅員さんに障害者手帳(身体・療育手帳)を見せて購入するという流れです。
ウルトラCとしては利用区間が100km以上だったら券売機で子供割引切符を購入して駅員さんに障害者手帳を見せるという手も。
余り知られていませんが往復割引や学割など他の割引と併用不可です。
自動改札口では障害者割引の切符は緑色系で発光します。
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Unknown (Unknown)
2021-04-23 21:56:40
画面の切替がわかりやすいといいんですけどね。

他機能券売機だと、トップ画面で何がしたいかを選択させるので、いかつそうですが、直感的に感覚がわかるというか。

秋田駅への導入を心よりお待ちしています。
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青い青い回数券 (FMEN)
2021-04-23 23:00:28
オレンジの回数券が出ましたか。
青い回数券のみ、そもそも電車回数券使ったこと無いとこで渡されたため使い方がわからず、自動改札機から出ないことを知った昔。
まとめ買いで回数券買ったためですが。

今はオレンジが出るし土崎追分にも自動改札機あるなら過去の話かな?
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コメントありがとうございます (taic02)
2021-04-23 23:36:12
>あんなかさん
各種割引の仕組みは使う人でないと、分からないものです。
今は駅窓口の閉鎖→指定席券売機化が進み、遠隔のオペレーター対応になったり、株主優待割引はQRコードを読ませたりと、変わってきています。
料金が同額の違う券種で代替というのは、寝台特急の朝の座席利用の立席特急券を、地域によっては自由席特急券を券売機で買わせていた、という話を思い出しました。秋田では号車指定(発売枚数制限も?)があったことから、窓口だけの販売だったはずですが。

>Unknownさん
もともとは乗車券専用の券売機だったわけで、そこに重点を置いた設計になってしまうのでしょう。
そこへ他券種を追加したので、あまり使われないものは隠すという考えなんでしょうね。

>FMENさん
定期券みたいに、出場時に出てくると勘違いしたんですね。
回数券といえば、バスのような金券式をイメージする人は今もいるでしょう。大判の青い回数券が回数券だと思えず、やはり勘違いする人はいるかもしれません。
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Unknown (Unknown)
2021-04-25 19:21:51
仙台駅だと、トップ画面が仙台空港線での下車駅になっているものもあります(タッチパネルの操作で、一般の画面に切り替わるので、JR完結での切符は買うのは可能。どちらにせよ、阿武隈急行直通の場合は、やはり分かりづらいかも)。

由利高原鉄道の切符購入もこの方法が応用できるかと思うのですが、どうなんでしょうか。羽後本荘駅の改札も煩雑にならずに済むと思うのだけど。
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トップ画面 (taic02)
2021-04-25 23:20:44
長野駅でも、「JR優先」と「しなの鉄道優先」のPOP付きで数台を振り分けていました。
工夫次第で分かりやすくなりますが、秋田支社はどうするでしょう。
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Unknown (Unknown)
2023-01-05 17:06:55
JR東日本から回数券という概念がなくなるので、このときの状況からかなり違うことになるかもしれません。

旅行会社経由やネット購入経由の指定券も、指定席券売機で発行する時代になりましたし、今後どのような方向になるのか、眺める必要があるでしょう。
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今後の券売機 (taic02)
2023-01-06 00:05:41
秋田にもSuicaが導入されて、さらに変わるでしょう。
一方で、Suicaエリアは限定的なので、券売機の需要はまだあるはずですし、秋田駅ではガラガラの指定席券売機を横目に、みどりの窓口に行列という光景も未だにあります。
過渡期なのでしょうが、客に分かりやすく、使いやすくしてほしいです。
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Unknown (Unknown)
2023-11-28 21:59:22
ビューカードの定期券には、北東北エリアは載せられないらしいので、既存エリアとは違う運用になっているようです。

黒い券売機もまだですが、JREポイント交換のチャージはできるので、まだいいかな、と。
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北東北Suicaエリア (taic02)
2023-11-29 19:36:07
設備投資を切り詰めるところは切り詰め、モバイルSuicaへ誘導したい意図もあるのでしょう。
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