【四国旅行記12-1】旅行記の最初の記事はこちら、直前の記事はこちら
長々と続く旅行記ですが、そろそろ終盤。高知市内の様子をまとめて紹介します。
●はりまや橋
駅前の国道32号線「はりまや通り」
歩道と車道の境に、「はりまや通り」という、道路名の標識がある(写真の赤矢印)。途中何か所にも設置されていたが、全国的に見て、かなりの大型だと思う。秋田市内でも一部県道に設置されているが、これの10分の1くらいのサイズだ。
高知駅からはりまや通りを南へ1キロ弱、高知市中心部にある「はりまや橋(播磨屋橋)」は「よさこい節」(やそれを内包した「南国土佐を後にして」)にもうたわれる、高知の名所。
江戸時代に豪商「播磨屋」さんと富商「柩屋(ひつや)」さんが行き来するために橋を私設したのが始まりの、短い橋。
現在は国道が通る
1928年に路面電車も通る国道32号線が開通、1960年代に川が埋め立てられ、大都会に変貌するとともに、かつての橋はなくなってしまった。現在は、国道の橋の脇に、水路と橋が復元されており、「はりまや橋公園」となっている。
国道のすぐ西側にある赤いのが復元された木製はりまや橋。親柱には「平成十年三月完成」とある。
はりまや橋を札幌の時計台などと並ぶ「がっかり観光名所」だと言う人もいる。
たしかに復元された橋と本来の欄干が保存されているだけで、特に見るべき場所ではないかもしれない。でも、それをして「がっかり」と呼んではいけないと思う。何百年か前、ここでお坊さんがかんざしを買ったのか…などと昔の街の様子に思いをはせ、遠い街に来たんだなと思うのも旅先ならではのものだと思うのだけど。
僕が前回来た時は気付かなかったのだが、赤い復元橋と国道を隔てた反対側(国道の東側)にもう1つ、緑の鉄製の橋があった。「明治期はりまや橋」だという。
これには「明治四十一年十月架」とある。解説板によれば、この橋自体は復元のようだが、鋳鉄製の親柱は保管されていたものを利用(再設置)したとのこと。以上、はりまや橋は3つ存在することになる。
車道上にも、ここが名所「はりまや橋」であることを示す案内板があった。
イラストは、現在の橋のようだ
ところで、橋の名前における「橋」の読み方について。
西日本と東日本で異なるのかもしれないが、秋田では「通町橋」「百石橋」など、ほぼすべてで「○○ばし」と濁音で呼ぶ。例外は「○○大橋(おおはし)」や「由利橋(ゆりきょう)」くらいか。
ところが、橋の親柱記載の名称のかな書きは、「とおりまちはし」など、ほぼ100%「○○はし」と濁らない。由利橋でさえ「ゆりはし」だった。建設・土木業界の慣例みたいなものかと思っていた。
はりまや橋の場合、復元された2つの橋の親柱は「はりまやばし」、現役の橋は「はりまやはし」、案内標識は「Harimayabashi=はりまやばし」とまちまちだった。あまりこだわりがないのかな。
●はりまや交差点
はりまや橋のすぐ南の交差点で、3方向の国道32号線と県道が交わる。秋田市の「臨海十字路」と性格が似ているし、交通量も同じくらいだろうか。高知駅のすぐそば、繁華街をこんなに車が通っているが、路面電車も人もたくさん通るから、活気を感じる。
その交差点名は「はりまや交差点」
以前から書いているとおり、信号機のそばにある表示看板は交差点名ではなく、厳密にはあくまでも「主要“地点”名」。
そして、ここは「はりまや“橋”交差点」ではない。交差点北側が「はりまや町」という地名だからだろうか。
わざわざ「はりまや“交差点”」と表示している(ローマ字はHarimaya)
ここがはりまや町のど真ん中ではなく、他の町との境界にあるので、はりまや町のど真ん中だと誤解されないためだろうか。秋田市の「山王“十字路”」も交差点の周囲は山王と旭北の境だから、単に「山王」ではそぐわないのかもしれない。
はりまや通りの信号機
上の写真の信号機を見て、気付いたことがあった。信号機の色とアルファベット表示だ。次に紹介します。
●白物信号機
今まで紹介してきたように、最近の信号機は様々な色のものがある。上の写真の通り、はりまや通りの信号機は白。
お弁当箱タイプの薄型信号機も白(2009年7月製だったのでまだ新しい)。冷蔵庫みたい…
“白物家電”ならぬ“白物信号機”だ。清潔感にあふれ(?)きれいだが、汚れやすそう。
駅前の信号機
奥は設置されたばかりでカバーをかぶって稼働前の白い信号機。手前は高松でも見た、青い信号機だ。
この交差点は、青い信号機が設置された通りにあり、はりまや通りと交わる側だけ、白い信号機が設置されているようだ。柱は共通で白に青いラインが入っている。
秋田では、交わる通りで信号機の色が異なる場合、どちらか片方に統一する(五丁目橋など)が、1つの交差点内に2色が混在するというやり方は意外。
この信号機は高松のほど光沢感がない気がする。ネイビーか
製造時期で違うのかもしれないし、天気や光の状態で違って見えるのかもしれない。
これは高松と同じに見える(メーカーは同じ)
青空に映える青い信号機。南国らしい。
●交差点ABC
上の写真の交差点には「B」と表示がある。はりまや交差点には「H」、ほかにも高知市内の多くの交差点に、アルファベット1文字が表示されていた。
案内標識にも「T」
高知では主要交差点に固有のアルファベットを付けているようだ。
道路管理者や県警の管理用かと思ったが、案内標識にもあるから、道案内用だろう。アルファベットは順番でなくランダムに付けられている感じ。何なんだ?
調べてみると、「ココ!マーク高知(高知県交差点記号化プロジェクト)」(http://www.pref.kochi.lg.jp/~douro/cocomark/index2.htm)という県主導のプロジェクトだった。交差点を記号化し、地理不案内な人への道案内をスムーズにする目的らしく、研究機関と連携して2005年から始まり、2009年度グッドデザイン賞を受賞したそうだ。
アルファベット順にはなっていない(できない)が、一部は「Harimaya」の「H」など名称にちなみ、かつ同じ文字の交差点は近接しないよう配慮しているという。
ネットに地元の方や旅行者の感想がいくつか出ているが、何を示すのか分からないという声や否定的な意見が多い。僕も(旅行者としても仮に地元の人の立場だとしても)、プロジェクト化して賞をもらうほどのことではないと思う。その理由は次の通り。
1)アルファベットでは、文字と場所を直感的に関連づけれらず、現場の地理を把握している人にはかえってややこしく、混乱や意思疎通において誤解を招きかねない。
2)よそ者にしても、地図や一覧表など、アルファベットと場所を対照するものがないと役に立たない。
そして今のところ、本システムを採用した地図などはきわめて少ない。
3)日本語を読めない人には有益かもしれないが、それにしても地点名表示とそのローマ字表記を充実させることで解決できるはず。
4)(少なくとも県外からの旅行者向けには)主催者による周知がまったくないと言っていいほど、なされていない。
本気で広めたいのなら、アルファベットの周囲に「ココ!マーク高知」と併記するくらいでないと。
5)既存の地点名表示板が老朽化等で撤去されて記号のみの表示になってしまい、歴史や文化などを背負ってきた、意味のある地名を消してしまうおそれがある。
住居表示実施による旧町名再編や平成の大合併同様、“地名という文化”を衰退させかねない。
【5日追記】さらに理由を追加する。
・アルファベットの聞き間違い(ビー、ディー、イーなど)、覚え違い(単なる記号なので丸暗記しなければならない)のおそれがある。
・通りすがりの人に「『X』の交差点はどこですか?」と聞いて、答えが返ってくるだろうか。
システム対応の地図かカーナビがないと、話にならないのではないか。子どもや高齢者など、アルファベットが苦手な人もいるだろう。道路はカーナビ付きの車で走る人だけのものではない。
・上記の通り、一部では交差点名にちなむ文字が割り当てられている。
はりまや橋「H」、知寄町(ちよりちょう)「C」は妥当だが、県庁前「K」(Kencho mae)、高知駅前「S」(Station?)、高知城前「J」(Kouchi Jo??)など、ちなむ文字か無意味な文字かどうかの付与基準が明確でなく、しかもちなむ文字であっても頭文字でなかったり、英語か日本語かもまちまちで法則性がない。これでは、主催者の独断による押し付けであり、かえって混乱する。
・交差点名で案内する場合、「『県庁前』交差点を右折」と聞いていれば、近づくにつれて、官庁街らしくなり、通りや店などの名称、建物自体が見えてくるなど、目的地が近いことが認識できて、心の準備ができると思う。
でも「『K』交差点を右折」と聞いていては、現地に近づいても、案内標識や交差点を見るまではそれを認識できない。ほかにここが「K」であることを示すものがないのだから。
これでは、かえって余裕というかゆとりがなく、「運転」でなく指示通りにハンドルを切るだけの「機械操作」になってしまいそう。
はりまや交差点の「H」
また、公式サイトでも触れられていないが、信号機のアルファベット表示を囲む青い枠の一辺に切れ込みが入っているのだ。
これはおそらく、北を指しているのだと思う。つまり、上の写真の場合、表示に向かって後方が北。(真北が角の場合はどうなるの?)
このことも、せっかく機能があるのに、その周知がなっていない。
なお、元高知県知事(その前はNHK記者)のハシモトダイジロウ氏でさえ、自身のブログ(2009年5月25日付「信号機の謎(5月20日)」http://daichanzeyo.cocolog-nifty.com/0403/2009/05/post-0980.html)で、疑問に思い、しかも「テレビカメラで渋滞状況を監視する、管制センターの業務と関係があるのではないか」などとトンチンカンなことを書いておられる。(県庁でも県警でもNHKにでも聞けばいいでしょうに。元知事、元記者なんだから)
秋田県のように、まったく表示をしない不親切なのは論外だが、高知のやり方も、研究者の理論上は素晴らしいとしても、実際の運用面での効果や利用者の意見・心情を充分にくみ取っているとは思えないし、何より元知事でさえ知らないほど周知が足りなすぎる。一考の余地があると思う。よそ者が偉そうにして恐縮ですが。
【追記】考えたら、このプロジェクト開始が2005年、ダイジロウさんの知事退任が2007年12月。ってことは、自分の任期中にやってた事業なのに知らなかったの? これはちょっと問題では… 本当によそ者が申し訳ありませんが。
長くなったので、続編へ続きます。
長々と続く旅行記ですが、そろそろ終盤。高知市内の様子をまとめて紹介します。
●はりまや橋
駅前の国道32号線「はりまや通り」
歩道と車道の境に、「はりまや通り」という、道路名の標識がある(写真の赤矢印)。途中何か所にも設置されていたが、全国的に見て、かなりの大型だと思う。秋田市内でも一部県道に設置されているが、これの10分の1くらいのサイズだ。
高知駅からはりまや通りを南へ1キロ弱、高知市中心部にある「はりまや橋(播磨屋橋)」は「よさこい節」(やそれを内包した「南国土佐を後にして」)にもうたわれる、高知の名所。
江戸時代に豪商「播磨屋」さんと富商「柩屋(ひつや)」さんが行き来するために橋を私設したのが始まりの、短い橋。
現在は国道が通る
1928年に路面電車も通る国道32号線が開通、1960年代に川が埋め立てられ、大都会に変貌するとともに、かつての橋はなくなってしまった。現在は、国道の橋の脇に、水路と橋が復元されており、「はりまや橋公園」となっている。
国道のすぐ西側にある赤いのが復元された木製はりまや橋。親柱には「平成十年三月完成」とある。
はりまや橋を札幌の時計台などと並ぶ「がっかり観光名所」だと言う人もいる。
たしかに復元された橋と本来の欄干が保存されているだけで、特に見るべき場所ではないかもしれない。でも、それをして「がっかり」と呼んではいけないと思う。何百年か前、ここでお坊さんがかんざしを買ったのか…などと昔の街の様子に思いをはせ、遠い街に来たんだなと思うのも旅先ならではのものだと思うのだけど。
僕が前回来た時は気付かなかったのだが、赤い復元橋と国道を隔てた反対側(国道の東側)にもう1つ、緑の鉄製の橋があった。「明治期はりまや橋」だという。
これには「明治四十一年十月架」とある。解説板によれば、この橋自体は復元のようだが、鋳鉄製の親柱は保管されていたものを利用(再設置)したとのこと。以上、はりまや橋は3つ存在することになる。
車道上にも、ここが名所「はりまや橋」であることを示す案内板があった。
イラストは、現在の橋のようだ
ところで、橋の名前における「橋」の読み方について。
西日本と東日本で異なるのかもしれないが、秋田では「通町橋」「百石橋」など、ほぼすべてで「○○ばし」と濁音で呼ぶ。例外は「○○大橋(おおはし)」や「由利橋(ゆりきょう)」くらいか。
ところが、橋の親柱記載の名称のかな書きは、「とおりまちはし」など、ほぼ100%「○○はし」と濁らない。由利橋でさえ「ゆりはし」だった。建設・土木業界の慣例みたいなものかと思っていた。
はりまや橋の場合、復元された2つの橋の親柱は「はりまやばし」、現役の橋は「はりまやはし」、案内標識は「Harimayabashi=はりまやばし」とまちまちだった。あまりこだわりがないのかな。
●はりまや交差点
はりまや橋のすぐ南の交差点で、3方向の国道32号線と県道が交わる。秋田市の「臨海十字路」と性格が似ているし、交通量も同じくらいだろうか。高知駅のすぐそば、繁華街をこんなに車が通っているが、路面電車も人もたくさん通るから、活気を感じる。
その交差点名は「はりまや交差点」
以前から書いているとおり、信号機のそばにある表示看板は交差点名ではなく、厳密にはあくまでも「主要“地点”名」。
そして、ここは「はりまや“橋”交差点」ではない。交差点北側が「はりまや町」という地名だからだろうか。
わざわざ「はりまや“交差点”」と表示している(ローマ字はHarimaya)
ここがはりまや町のど真ん中ではなく、他の町との境界にあるので、はりまや町のど真ん中だと誤解されないためだろうか。秋田市の「山王“十字路”」も交差点の周囲は山王と旭北の境だから、単に「山王」ではそぐわないのかもしれない。
はりまや通りの信号機
上の写真の信号機を見て、気付いたことがあった。信号機の色とアルファベット表示だ。次に紹介します。
●白物信号機
今まで紹介してきたように、最近の信号機は様々な色のものがある。上の写真の通り、はりまや通りの信号機は白。
お弁当箱タイプの薄型信号機も白(2009年7月製だったのでまだ新しい)。冷蔵庫みたい…
“白物家電”ならぬ“白物信号機”だ。清潔感にあふれ(?)きれいだが、汚れやすそう。
駅前の信号機
奥は設置されたばかりでカバーをかぶって稼働前の白い信号機。手前は高松でも見た、青い信号機だ。
この交差点は、青い信号機が設置された通りにあり、はりまや通りと交わる側だけ、白い信号機が設置されているようだ。柱は共通で白に青いラインが入っている。
秋田では、交わる通りで信号機の色が異なる場合、どちらか片方に統一する(五丁目橋など)が、1つの交差点内に2色が混在するというやり方は意外。
この信号機は高松のほど光沢感がない気がする。ネイビーか
製造時期で違うのかもしれないし、天気や光の状態で違って見えるのかもしれない。
これは高松と同じに見える(メーカーは同じ)
青空に映える青い信号機。南国らしい。
●交差点ABC
上の写真の交差点には「B」と表示がある。はりまや交差点には「H」、ほかにも高知市内の多くの交差点に、アルファベット1文字が表示されていた。
案内標識にも「T」
高知では主要交差点に固有のアルファベットを付けているようだ。
道路管理者や県警の管理用かと思ったが、案内標識にもあるから、道案内用だろう。アルファベットは順番でなくランダムに付けられている感じ。何なんだ?
調べてみると、「ココ!マーク高知(高知県交差点記号化プロジェクト)」(http://www.pref.kochi.lg.jp/~douro/cocomark/index2.htm)という県主導のプロジェクトだった。交差点を記号化し、地理不案内な人への道案内をスムーズにする目的らしく、研究機関と連携して2005年から始まり、2009年度グッドデザイン賞を受賞したそうだ。
アルファベット順にはなっていない(できない)が、一部は「Harimaya」の「H」など名称にちなみ、かつ同じ文字の交差点は近接しないよう配慮しているという。
ネットに地元の方や旅行者の感想がいくつか出ているが、何を示すのか分からないという声や否定的な意見が多い。僕も(旅行者としても仮に地元の人の立場だとしても)、プロジェクト化して賞をもらうほどのことではないと思う。その理由は次の通り。
1)アルファベットでは、文字と場所を直感的に関連づけれらず、現場の地理を把握している人にはかえってややこしく、混乱や意思疎通において誤解を招きかねない。
2)よそ者にしても、地図や一覧表など、アルファベットと場所を対照するものがないと役に立たない。
そして今のところ、本システムを採用した地図などはきわめて少ない。
3)日本語を読めない人には有益かもしれないが、それにしても地点名表示とそのローマ字表記を充実させることで解決できるはず。
4)(少なくとも県外からの旅行者向けには)主催者による周知がまったくないと言っていいほど、なされていない。
本気で広めたいのなら、アルファベットの周囲に「ココ!マーク高知」と併記するくらいでないと。
5)既存の地点名表示板が老朽化等で撤去されて記号のみの表示になってしまい、歴史や文化などを背負ってきた、意味のある地名を消してしまうおそれがある。
住居表示実施による旧町名再編や平成の大合併同様、“地名という文化”を衰退させかねない。
【5日追記】さらに理由を追加する。
・アルファベットの聞き間違い(ビー、ディー、イーなど)、覚え違い(単なる記号なので丸暗記しなければならない)のおそれがある。
・通りすがりの人に「『X』の交差点はどこですか?」と聞いて、答えが返ってくるだろうか。
システム対応の地図かカーナビがないと、話にならないのではないか。子どもや高齢者など、アルファベットが苦手な人もいるだろう。道路はカーナビ付きの車で走る人だけのものではない。
・上記の通り、一部では交差点名にちなむ文字が割り当てられている。
はりまや橋「H」、知寄町(ちよりちょう)「C」は妥当だが、県庁前「K」(Kencho mae)、高知駅前「S」(Station?)、高知城前「J」(Kouchi Jo??)など、ちなむ文字か無意味な文字かどうかの付与基準が明確でなく、しかもちなむ文字であっても頭文字でなかったり、英語か日本語かもまちまちで法則性がない。これでは、主催者の独断による押し付けであり、かえって混乱する。
・交差点名で案内する場合、「『県庁前』交差点を右折」と聞いていれば、近づくにつれて、官庁街らしくなり、通りや店などの名称、建物自体が見えてくるなど、目的地が近いことが認識できて、心の準備ができると思う。
でも「『K』交差点を右折」と聞いていては、現地に近づいても、案内標識や交差点を見るまではそれを認識できない。ほかにここが「K」であることを示すものがないのだから。
これでは、かえって余裕というかゆとりがなく、「運転」でなく指示通りにハンドルを切るだけの「機械操作」になってしまいそう。
はりまや交差点の「H」
また、公式サイトでも触れられていないが、信号機のアルファベット表示を囲む青い枠の一辺に切れ込みが入っているのだ。
これはおそらく、北を指しているのだと思う。つまり、上の写真の場合、表示に向かって後方が北。(真北が角の場合はどうなるの?)
このことも、せっかく機能があるのに、その周知がなっていない。
なお、元高知県知事(その前はNHK記者)のハシモトダイジロウ氏でさえ、自身のブログ(2009年5月25日付「信号機の謎(5月20日)」http://daichanzeyo.cocolog-nifty.com/0403/2009/05/post-0980.html)で、疑問に思い、しかも「テレビカメラで渋滞状況を監視する、管制センターの業務と関係があるのではないか」などとトンチンカンなことを書いておられる。(県庁でも県警でもNHKにでも聞けばいいでしょうに。元知事、元記者なんだから)
秋田県のように、まったく表示をしない不親切なのは論外だが、高知のやり方も、研究者の理論上は素晴らしいとしても、実際の運用面での効果や利用者の意見・心情を充分にくみ取っているとは思えないし、何より元知事でさえ知らないほど周知が足りなすぎる。一考の余地があると思う。よそ者が偉そうにして恐縮ですが。
【追記】考えたら、このプロジェクト開始が2005年、ダイジロウさんの知事退任が2007年12月。ってことは、自分の任期中にやってた事業なのに知らなかったの? これはちょっと問題では… 本当によそ者が申し訳ありませんが。
長くなったので、続編へ続きます。
秋田弁は何でも濁音にしてしまう傾向があるのですが、「ばし」と読むのは全国共通なのでしょう。
はりまや橋は、土木構造物の「橋」としてでなく、「はりまやばし」という一種のモニュメントと考えることができるかもしれません。
だから、よさこい節で古くから歌い継がれる「ばし」を使っているのかも、などと思ったりもしています。
これは、川は濁らない方がいいのでその川にかかる橋もゲンをかついで濁らない表記にしているのかな程度に思っていました。
(ちなみに「◯◯川」は安倍川・富士川などは濁らず「◯◯かわ」と発音される。音節の関係もあるのかも)
全国的なものなのかと思っていましたが、やはり地域性があるのですね。
なかなか興味深いです。