田神六兎の明るい日記帳

田神六兎の過去、現在、そして起こるであろう出来事を楽しく明るくお伝えします。

『神戸連続児童殺傷事件』の少年が綴った本

2015年06月19日 | 日記
 正直読みたくない本だ。少年がなぜあのような犯罪を起こしたかを知ることは大切だと思うが、犯罪を犯した本人に、至った理由が解ったり、理解できるものであろうか。そのような簡単な精神状態では無いような気がする。読まずして批判をするな、と叱られると思うが、読みたくない、見たくないのが私の本心である。これは差別の心理だろうか・・・。
 
 ここで思い出すのが「パリ人肉事件」である。この事件は、1981(昭和56)年に、フランスで起こった猟奇的殺人事件である。犯人である日本人留学生が知人女性を射殺し、死姦後にその肉を食べた。フランスでの裁きは、心身喪失で不起訴処分の無罪となり、フランス国内の精神病院に入院したが、翌年帰国し、東京都立松沢病院に1年間入院した。
 
 日本での診断結果は、人肉食の性癖など一切なく、フランス警察に対する欺瞞であるというものであった。彼は精神病ではなく人格障害であり、刑事責任を問われるべきであると判断した。
 
 日本の警察も全く同様の考えであり、彼を逮捕して再び裁判にかける方針であったらしいが、フランス警察が不起訴処分になった者の捜査資料を引き渡す事はできないとして拒否し、裁判は行われなかった。
 
 彼の退院後出版した書籍が大ヒットし、作家やコメンテーターとして姿を見せたこともある。また人肉を食したいとの発言もしていたそうだ。とうぜんながら父親は会社を退職することになり、母親は神経症の病気を患ったそうだ。彼に殺された女性の家族が、彼のその後を知ったとしたら、怒りはいかほどのものか想像もできない。
 
 サラリーマン時代に起こった事件で、犯人の父親が社長を務めた会社の製品を使っていたこともあり、深く考えさせられた事件であった。私の受け止め方は、オドロオドロしい事件であり、彼がTVに出た時などは、すっかり野次馬根性は消え失せ『見たくない』『聞きたくない』『無関係でありたい』と思ったほどであった。
 
 『神戸連続児童殺傷事件』の少年が綴った本を読みたくないのは、とにかく無関係でありたい、できれば逃げたいと思う、私の心の現れだと思う。こんなことですら、己の心が推し量れないのが真実じゃなかろうか。