ミズゴケ湿地の縁に小川があってその対岸にハンゴンソウの群落が広がっていました。今までのハンゴンソウの群落を見てきた範囲ではあまり湿った場所には大きな群落はなくある程度の湿り気のある環境に繁茂しているようです。この場所は適した環境なのでしょう。
ミズゴケが見られるエリアの外周でしょうかヌマガヤの繁茂するエリアです。一説にヌマガヤの生育はとても遅い種だとか。ここまでの群落になるにはそれなりの時間が必要で長い長い湿原の変遷という歴史があるのだそうです。
もちろん食虫植物ですが、この腺毛で小さな虫を捕まえます。なかなかよく出来た仕掛けと思う反面よく見るとあまり捕まっている虫がいないのが普通で正直あまり効率が良い仕掛けではないような気がします。葉を作るエネルギーとこの葉で得られる栄養とバランスがとれているのでしょうか。案外根から吸収するものが重要なのではないかと考えてしまいます。
「野地平」と書いて「ヤチダイラ」と読む。長野県と群馬県の堺にある四阿山(あずまやさん)2354mの北東側の山麓に広がる湿地です。今まで未知のエリアで興味津々で訪れてみました。しかし、かなり乾燥化が進んでいてササやイネ科草本の原になっていてノリウツギやズミの低木がかなり進出していました。遠景は四阿山。
季節的にノリウツギが目立ちました。個体数も多く草原の低木層を埋め尽くしているエリアもありました。野地平という響きから池塘が点在するような湿地を思い浮かべてきましたが、湿地環境はごく狭く広大な低木を交えた草原という状態です。1600m以上の高原にある平坦な場所ですから牧場として利用されていても不思議はないのですが、どういういきさつか自然のままに残されているようです。湿原が陸化する過程を学べる貴重な場所になっているようです。