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森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

ベニバナイチゴ

2014年08月19日 | 自然観察日記
花の適期でベニバナイチゴがとても目につきました。キイチゴの中では異色の赤い花は魅力的です。しかし、すべての花は葉影にあってそれもうつむいていますからカメラに収めるのはなかなか難しい。
昔、飯豊の大日岳に向かう尾根筋で初めて認識したベニバナイチゴ、イチゴといっても未だに口にしたことがありません。今回も実の季節とはずれていますから初体験はお預け。弥陀ヶ原からの登山道のほぼ全域に生育していて個体数が多いことを物語っています。

ベニバナイチゴの葉

2014年08月19日 | 自然観察日記
葉は3小葉の複葉が基本。葉はかなり重なり合っていて、花はその間に隠れるように咲いています。キイチゴ類は枝にとげがありますがこの種にはありませんから安心して触れます。かなり湿り気が好きなようで、残雪のへり雪解けが終わったばかりの場所には若い目がたくさん出ていました。短い夏の期間、遅くなった芽吹きですから残りの時間忙しいでしょうね。

ベニバナイチゴの若い実

2014年08月19日 | 自然観察日記
花弁が落ちたばかりの若い実です。雄しべの花糸がまだ残っています。それに雌しべの柱頭もありますから、毛の多い感じがします。赤く熟し食べることはできるということですがおいしいという話は聞きません。

ハクサンフウロ

2014年08月18日 | 自然観察日記
夏、高山に登ると決まって出会えたハクサンフウロ。月山でも会えました。最近アルプス級の高山には登っていませんでしたからなんとなく久しぶりの再会です。山野草としては大きい花を咲かせ群生すると見ごたえのある素敵な花です。月山で見たハクサンフウロはそれほど多い感じではなく所々に花を咲かせている程度で、いわば脇役的な存在でした。

ハクサンフウロの葉

2014年08月18日 | 自然観察日記
葉だけ見たときは一瞬トリカブトと間違えそうになりました。質感や色具合を見れば言葉では言い表せないのですが差がありますし、切れ込みの様子や葉の縦横比などで違いを悟らなければなりませんね。

ハクサンフウロの花 雌性期

2014年08月18日 | 自然観察日記
見た花はほとんど雄性期で葯ばかり目立ちましたが、写真を調べてわずかに1つの花が雌性期であることを確認できました。雌しべが成熟柱頭が裂しています。この時期は雄しべはすでに落ちてしまっているようです。

ハクサンシャクナゲ

2014年08月17日 | 自然観察日記
知人にシャクナゲを見ていれば幸せというシャクナゲ好きの方がおられます。月山の登山道を歩き始めると間もなく花をつけた個体が現れました。その方がこの花を見られたら何という言葉を発せられるのだろうかと思いながらカメラに収めました。株はあちこちにありましたが、すでに花のいい季節は過ぎたのでしょうか、花は所々で見られる程度でした。そういえば、ハクサンシャクナゲの花つきのいい個体を目撃したことがありません。いつもこの種は花がまばらな状態でしか見たことがありません。ウラジロヨウラクがたわわな花をつけているのにちょっと寂しい花です。

ハクサンシャクナゲ つぼみ

2014年08月17日 | 自然観察日記
ハクサンシャクナゲに限らず多くの花はつぼみのときの方が美しく感ずることがあります。このハクサンシャクナゲの初々しい美しさは今回の山旅で出会ったものの中でも上位に位するでしょうか。

ハクサンシャクナゲの葉裏

2014年08月17日 | 自然観察日記
葉裏の様子で近縁種アズマシャクナゲと区別することができます。褐色の綿毛のような毛で覆われていればアズマシャクナゲですがこのような白色やほとんど毛のないものはハクサンシャクナゲです。といっても、実際は紛らわしいのがあってわずかしか褐色の毛がない個体を高山帯で見かけることがありましたが、戸惑いました。もう一点、葉の葉軸に流れるようについているかどうかで九分九厘間違わないようです。垂直に近い状態で葉軸に付くのがハクサンシャクナゲです。

ウラジロヨウラク

2014年08月16日 | 自然観察日記
弥陀ヶ原で目についた花の中で量の多いものの一つがウラジロヨウラクでした。見ごろの花がおびただしく登山道の両側に咲きほこっています。やや濃いめの赤紫色の釣り鐘状の花が朝露に濡れて光っていて登り始めた足を止めます。

ウラジロヨウラクの薄い色の花

2014年08月16日 | 自然観察日記
薄色といっても里山などで見る個体の花の色はむしろこのほうが普通です。色の変化の幅があるのが一般的な現象ですが、月山で見かける個体は色の濃い系統が圧倒的に多いようでした。

ウラジロヨウラクの葉

2014年08月16日 | 自然観察日記
弥陀ヶ原の個体は緑白色の葉が朝露に濡れて輝いています。葉の裏はさらに白っぽく「裏白」の名前の由来になっています。枝の上部に葉が集まっている形態をしていますが葉は互生です。